大分県佐伯市の「ごまだし」。漁村のおばちゃんが作る、愛情たっぷりなソウルフード!

2015.06.18

大分県佐伯市の家庭に欠かせない「ごまだし」は、魚の旨みとごまの香ばしさが抜群に味わえる万能調味料。海に面した漁の盛んな地域で、漁師ならではの料理として考案されたものです。もともとは各家庭で手作りされていた保存食でしたが、いまでは佐伯を代表する特産品のひとつに。その裏には、魚を愛する漁村のおばちゃんたちの姿がありました。

ごまだしって?

底引き漁において年間を通して獲れる「えそ」という魚の焼いた身をほぐし、みりん、醤油、砂糖に、たっぷりの胡麻を加えたペースト状の調味料を「ごまだし」といいます。「えそ」 は、硬い小骨が多く敬遠されがちな魚ですが、硬い鱗と小骨を取り、手をかけて加工することでごまだしの原料として利用することができます。かつては大分県佐伯市の各家庭でも手作りされ、それぞれの家ならではの味がありました。現在は多くの商品が発売され、ファストフードとして、冷蔵庫に常備されています。
ごまだしの特徴は、さっとかけるだけで料理ができること。素うどんにかけただけの「ごまだしうどん」が一般的で、佐伯では郷土料理として古くから親しまれてきました。

ごまだしを全国区にした「漁村女性グループめばる」

そして、ごまだしうどんを全国に知らしめたのが「漁村女性グループめばる」です。めばるは、漁師町・鶴見の漁師の奥さんたちが集まり、2004年に発足しました。
メンバーは、現在、平均年齢67歳という元気なおばちゃん5人。もともと水揚げされた魚のうち、規格外のものが廃棄処分さている様子を見て、「魚の命を大切にしたい」と活動を開始。魚の移動販売を始めると、巷で魚離れが進んでいることを実感したそうです。ひとりでも多くの方に、魚の美味しさを知ってほしいとの思いから、佐伯民にとってソウルフードである「ごまだし」の普及に乗り出しました。

手間暇かけて愛情たっぷりなのが、ごまだし

めばるのごまだしの特徴は、獲れたての新鮮な魚を使っていて、添加物を入れないので、素材の風味がそのまま生かされていること。

「漁師の妻やけんできる特権よな。私たちのごまだしは、ごまよりも魚の量が多いんよ」と、代表の桑原政子さんは話します。
ごまだしづくりは朝、獲れたての鮮魚をさばくことに始まり、完成したごまだしを瓶に詰めることで終わります。楽しそうにおしゃべりしながらも、仕事の手は休めずに、一気に作業は進みます。週に3日ほどのペースで作業を行うそうですが、作業に来ない日が続くと、家でじっとしていられなくなり、みんなに会いたくなるのだとか。
年に一度は全員で出かけるらしく、この時もちょうど、観劇チケットが届いていました。桑原さん曰く、 「行く人!って声を掛けると、みんなが行くっていうんよなぁ」とのこと。このノリの良さがチームワークの良さにつながっているのだと感じました。

万能調味料としての可能性

うどんに限らず、調味料として料理に使えるのではと、桑原さんはごまだしの風味を生かした料理を考案。冷奴やお茶漬けにかけたり、ほうれん草や里芋と和えたり、バーニャカウダのつけだれにしたり、「かける・和える・つける」だけの簡単調理で、幅広い料理ができます。
▲バーニャカウダのつけだれにも
さらに、万能調味料としてのレシピ本も2014年に出版。めばる代表の桑原政子さん著書「海の恵み 佐伯ごまだしレシピ」は、講談社エディトリアルより発売中。ごまだしマニアになれる一冊です。

漁村女性グループめばるは、現在では、魚食普及と地域振興を活動の中心に、地元の学校での料理教室をはじめ、講演・料理教室・販売にと全国各地を飛び回っています。パワフルな漁師町のおばちゃんの、元気がいっばいに詰まったごまだしを、ぜひご賞味あれ。栄養満点、愛情もたっぷり詰まっていますよ。

「めばるのごまだし」が買える店

「めばるのごまだし」が食べられる店

そめやひろこ

そめやひろこ

大分県在住。ライター、エディター、デザイナー業を経て、現在はオーガニックカフェを営む。大分の自然、温泉、うまいもんと人が好きで、大分の魅力を発掘する日々。 (編集/株式会社くらしさ)

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