しまなみ海道編/離島をぐるっとひとまわり。旅ランVol.9

2016.05.28 更新

広島県尾道市から愛媛県今治市まで、向島・因島(いんのしま)・生口島(いくちじま)・大三島・伯方島・大島を繋ぐ「しまなみ海道」。特にサイクリストから人気が高く、道中で素晴らしい景色が見られることでも有名です。約60kmにも及ぶ海道ですが、発着点を選べばランニングで楽しむこともできます。そこで、今回は因島から大三島まで、約33kmのランニングコースをご紹介します。コース上には美味しい食べ物や絶景などを楽しめるスポットも目白押しです。

因島水軍城から生口島へと繋がる「生口橋」へ

今回のコースは全長約33km。因島から生口島、そして大三島へと、それぞれの島を繋ぐ橋を渡って上陸します。
スタート地点となるのは因島水軍城。こちらは、全国で唯一の水軍城です。遠目にも存在感がありますが、走る前にちょっと近くまで行ってみました。
水上に船舶などを停泊させておくために用いられる巨大なストックレスアンカーなど、歴史を感じられる展示物も。その他、資料展示などが行われている施設もあるので、興味のある方はそちらも訪れてみてください。
この日は朝から雨が降っていましたが、ちょうどスタートのタイミングで止んでくれました。それではさっそく、約33kmの「しまなみ海道ランニング」へ出発!です。
因島水軍城の入口は右折します。まずは、しまなみ海道のサイクリングロードを目指します。
スタートから約2kmで、トンネルが現れました。この中を通り抜けます。

やがて十字路に当たりますので、こちらは左折。国道317号線へと入っていきます。すると…
遠くに橋が見えてきました。しまなみ海道は各島を大きな橋で繋いだ道路。こちらが最初に渡る因島と生口島を繋ぐ「生口橋」です。
一度、生口橋の下を通り過ぎて少し進むと、スタートから約4kmでサイクリングロードの入口があります。こちらが橋の入口へと続いていますので、入っていきます。生口橋までは上り坂です。
尚、途中にインターチェンジの入口もありますが、こちらは歩行者侵入禁止ですので入らないよう注意。
スタートから約5kmで、生口橋に出ました!車の交通量は多いですが、ちゃんと広く取られた歩道があるので安心です。自転車もこの道を通るので、左側に寄って進んでいきます。
左手に広がる海。この日はあいにくの曇り空でした。
風を感じながら走る生口橋は約1km。
ここが橋の出口です。もちろん歩行者は料金不要ですのでご安心を。なんだか、高速道路の出口みたいで面白いですね。

絶品ジェラートを堪能して美しい海の広がるビーチへ

生口橋を降りると、次の生口島へ上陸。T字路を左折して走っていきます。
コース上には「サイクリングロード」と書かれた目印が各所にあったので、道に迷う心配はありませんでした。
平坦な道が続いていきますので、力を抜いてランニング。サイクリングロードと言うだけあり、道が整備されていて走りやすいコースです。
穏やかに波打つ海と、その奥に連なる山々。その素晴らしいロケーションに、つい足を止めて見入ってしまいました。瀬戸内のなんとも静かな時間が流れていきます。

スタートから約9.5km地点に曲道が現れますが、こちらはそのまま直進です。サイクリングロードの目印に従って走ります。
そしてスタートから約11km、生口島を訪れたらぜひ立ち寄りたいグルメスポット「ドルチェ瀬戸田本店」に到着です!こちらで味わえるのが…
絶品のジェラート!レモンやデコみかんなど瀬戸田の誇る柑橘類はもちろん、伯方の塩味など種類も豊富。私は「デコみかん」と「伯方の塩」のダブルコーンを頂きました。テラス席で景色を眺めながら食べるジェラートは絶品です!
▲ちょっと肌寒かったので、瀬戸田のレモンを使ったレモネードも。体の芯から温まりました

コースはちょうど3分の1が終わったタイミング。一休みするのに最適なスポットではないでしょうか。

ドルチェ瀬戸内本店を出たら、再びサイクリングロードに沿って進みます。次の目的地は「耕三寺」。
スタートから12.5kmほど進むと、周囲にお店や民家が増えてきます。ここで「耕三寺博物館」へ立ち寄ります。
とてもカラフルで、物々しい雰囲気が漂っています。この博物館内に、「耕三寺」「未来心の丘」などがあります。
博物館に入ってすぐ目に入ってきたのが、目的地だった耕三寺。こちらは「母の寺」とも呼ばれる、浄土真宗本願寺派の寺院です。
館内にはいくつもの堂塔が建てられており、うちいくつかは国の有形文化財に指定されているそうです。
その一番奥に位置しているのが「未来心の丘」。彫刻家・杭谷一東(くえたに いっとう)氏によって制作された、大理石の庭園です。
辺りは真っ白な大理石。彫刻物はもちろん、足元もすべて大理石でできています。
庭園から眺める景色はなかなか。

元のコースまで戻り、再び走り始めます。
瀬戸田はレモンやみかんを始め、さまざまな柑橘類の採れる柑橘類王国。耕三寺付近の土産物店でも柑橘類が多く販売されていました。「晩白柚(ばんぺいゆ)」「あんせいかん」など聞いたことのない果物もあり、見ているだけでテンションが上がります。
海沿いの道は、心地良い風が吹いていました。
しまなみ海道のサイクリングロードは、基本的に海に面した道となっています。海と山。移り変わる景色は見飽きることがありません。橋以外に大きなアップダウンもありませんので、ゆっくり走れば、十分に景色を楽しむ余裕を持って進めるはずです。
スタートから約16kmの地点にある「波の翼」。その奥をよく見てみると、“ひょうたん島”がありました。この島は昔、NHKで放送されてヒットした「ひょっこりひょうたん島」のモデルとなった島なのですが、車では気付かず通りすぎてしまいそうです。こういう景色との出会いは、旅ランの楽しみですね。
そしてスタートから約17.5km、「瀬戸田サンセットビーチ」に着きました。
広い砂浜と青い海。その向こうに見えるのが、これから訪れる大三島です。ウッドデッキに腰を掛け、波の音に耳を傾けながら一休み。

愛媛県に突入し、ゴールの温泉へ

スタートから19km付近。目の前には次なる橋、生口島と大三島を繋ぐ「多々羅大橋」が現れました。「生口橋」と同様に、自転車・歩行者専用の道が用意されています。

多々羅大橋より少し手前に多々羅大橋の入口への看板がありますので、そちらを左折していきます。
多々羅大橋へ向かう途中にある石碑。これによれば、ここは国産レモン発祥の地とのこと。
周囲を見渡すと、なんとたくさんのレモンが!ここは「レモン谷」と呼ばれている場所です。
▲レモン畑越しの多々羅大橋
橋の入口から約1.5kmで料金所に到着。いよいよ多々羅大橋を走ります。多々羅大橋は全長2kmほどにも及び、建設当時は世界最長の斜張橋(しゃちょうきょう)だったのだとか。
多々羅大橋を走っていると、「多々羅 鳴き龍」という看板と一緒に2本の木の棒が。前だけ見て走っていると、見落としてしまうかもしれません。『ここで手をたたいてみてください。』と書かれていますが、せっかくなので2本の棒を叩き合わせてみました。
すると音が反響し、これが“龍の鳴き声”のように聞こえます。少しでも場所が違うと、音はまったく反響してくれません。しまなみ海道の中でも多々羅大橋でしか体験できない「多々羅 鳴き龍」は、とても貴重な体験になりました。
多々羅大橋を進んでいると、広島県から愛媛県に突入!ここは、スタートから約22kmの地点です。
橋が終わると出口が少し複雑ですが、足元の表示通りまっすぐ進んでいきます。
多々羅大橋から出口への下り坂を終えると「多々羅しまなみ公園」が。その中には、「サイクリストの聖地」と呼ばれる場所がありました。

大三島に入ったら、しばらくサイクリングロードは国道316号線を進んでいきます。

スタートから約26.5kmで曲道が現れたら、ここを左へと進みます。看板に「大山祇(おおやまづみ)神社」と書かれていますので、そちらを目印にしてください。
少し道が狭くなっていますが、歩行者・自転車の専用道があります。木々に囲まれた、とても心地よいコースです。
視界が開けると、すぐ横には先ほど渡った多々羅大橋が。ここまで来れば、ゴールまで残り5km!
スタートから約29kmで大三島町に入ると、サイクリングロードは車道から大きく外れて山の中へ。ちょっと不安になりますが、サイクリングロードの表示があるので安心してください。
緩やかな下り坂でスピードを上げがちですが、自転車も通るため、特にコーナーは注意が必要。また、ときどき足元に苔が生えていることもあり、滑らないよう慎重に。
スタートから約31.5kmで、左手に広い駐車場が見えました。サイクリングロードから離れ、この駐車場を通って車道の方へと向かいます。
車道を渡れば、最後の経由点「大山祇神社」に到着!大きく立派な鳥居が迎えてくれます。
神社の境内には大きな楠が。天然記念物に指定されている樹齢2600年の巨樹で、幹周はなんと11m!そのスケールに圧倒されてしまいました。ちなみにこの楠、息を止めて3周することができたら、願い事が叶うと言われているパワースポットでもあります。
▲コースは残り少し。最後まで安全に走れるよう祈念します

あとはゴールを目指すだけ。スタートから約32km地点のカーブを左へと進んだら、すぐの道を右折します。残りは僅かですが、ここからはサイクリングロードから外れます。
しばらく進めば再び海が現れます。右手奥に見える建物が、ゴールとなる温泉です。
ふと海を眺めると、雲の切れ間から差し込む光がとても幻想的。最初から最後まで自然に囲まれ、変わりゆく景色を楽しめたコースだと思います。
スタートから約33km、ゴールの温泉施設「マーレ・グラッシア大三島」に到着!これで、今回の「しまなみ海道ランニング」は完了です!

走った後は温泉で汗を流しサッパリ。こちらではお風呂に海水が用いられており、海水温浴を楽しむ事ができます。海の恵みを感じつつ、体の芯からしっかり温まることができました。
約33kmのしまなみ海道ランニング。因島・生口島・大三島という3つの島を渡ってきました。美しい景色、そして美味しいスイーツを楽しみつつ、その土地の歴史・文化にも触れることができるコースでした。自然を楽しみながら走り続けていたためか、本当にあっという間でした。

サイクリングロードとして整備されたコースは走りやすく、ランニングする方にとっても魅力的。自然を体いっぱい楽しめる「しまなみ海道」を、ぜひ走ってみてください。
三河賢文

三河賢文

フリーランスライター/エディター。中学校陸上競技部コーチ。法人経営者。"走る"フリーライターを名乗り、主に「マラソン」「トライアスロン」を中心としたスポーツ分野での執筆を得意とする。現在もマラソンやトライアスロンに選手として競技参加。自らの走力を活かしたレポート取材は、ファンランからフルマラソン、ウルトラマラソンまで幅広い実績を持つ。

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