港で食べる、水揚げして数分「生しらす」の旨さは別格

2016.05.28

静岡県に港は数あれど、静岡市の用宗(もちむね)漁港はしらすの水揚げで有名です。いまや「用宗のしらす」は全国に知られるブランドとなり、美味しいしらすを求めて地元の人はもちろん遠方からも多くの人が訪れます。そんな「用宗のしらす」を購入できるお店と、絶品しらす丼をいただけるとっておきの場所を紹介します。

しらすの水揚げを見学して来ました!

お邪魔したのはJR静岡駅から浜松方面へ2駅、JR用宗駅より徒歩10分の「用宗漁港」。
▲今まさしく獲ってきたばかりのしらすです

「用宗のしらす」の人気の秘密は、その圧倒的な鮮度の良さにあります。通常しらす漁は2艘(そう)1組となって網をひき、ある程度獲れたら港に帰るのですが、用宗の場合は3艘1組で出掛け、2艘は漁に専念、もう1艘が運搬船となり、しらすが獲れる度にすぐ港へと運ぶのだとか。確かにしらすは鮮度で味が全く違っちゃいますもんね。鮮度にこだわる用宗ならではのやり方です。
▲港に上がると、急いで大量の氷を敷き詰めます
▲鮮度が命。作業はすばやく行います

獲ったばかりのしらすを洗い、不純物を取り除きます。さっき水揚げしてからここまでわずか数分。
なんというスピード!
水気を切って、即「漁協直売所」に持ってゆきます。
▲はい、こちらが「漁協直売所」。いまシラスを洗った場所から歩いて約10秒。近っ!
▲注文すると、その場でパックに詰めてくれます

直売所は多くのお客さんでごった返し、レジにたどりつくのが大変なほど。お客さんの目的はもちろん、獲れたての生しらすです。東京や名古屋から買いに来る人も多いのだとか。

生しらすはとってもデリケート。置いておくだけでも時間とともに水分が出て、その水分で弱ってしまうため、何より鮮度にこだわる直売所では常にザルで水切りしておき、注文が入るとその場でパックに詰めてくれます。
「だからうちの生しらすはサラサラで食感が全然ちがうのよ~」と、店員さんもイチオシです。
▲左は「釜揚げしらす」で、右が「生しらす」。しらすは午前中で売り切れることも。また、生しらすはすぐに食べるのがおすすめです

釜揚げしらす・生しらすは100g 350円より(ともに税込)販売しています。
漁の状況により入荷がない場合もあるのでその日に販売があるかどうか事前に問い合わせをしてくださいね。地方発送もしてくれるそうです。
他にも、まぐろの角煮、塩辛、削り節など、ご飯のおかずにぴったりな美味しいものが揃っています。ちなみに限定販売の「用宗のわかめ」はやわらかくて筆者もファンです。数も少なく春にしか手に入りませんが、機会があればぜひ味わってみてくださいね。

鮮度抜群!港で食べるしらす丼

▲漁港内にある、プレハブの建物が漁協直営の「どんぶりハウス」

せっかくだから獲れたてのしらすをその場で食べたい!という人にぴったりな場所があります。その名も漁協直営の「どんぶりハウス」!名前もわかりやすくていいですよね。
1日わずか3時間しか営業しないため、こちらのお店は開店1時間前から人が並びはじめ、11時のオープンには約60人もの行列になることも。すごい人気です。
▲生しらす丼600円。ごはん大盛りはプラス100円(ともに税込)、おみそ汁付き

これでもか~というほど、たっぷりの生しらすが盛られています。一人前で100g以上の生しらすを使っているそうです。
そしてこの透明感。さすが漁協直営。ホントに新鮮というのがわかりますね!
▲箸で持ち上げると、サラッサラ

ちょっとだけ醤油をかけて、いただきます!淡白な味わいでありながら、一匹一匹からしっかりと旨みと甘みを感じます。薬味のネギと生姜がいいアクセントになり、しらすの美味しさをさらに引き立て、食べ進めるほどに夢中になってしまいます。生臭さはこれっぽっちも感じません。

「生しらすって苦くないんですか?」「ベチャってしてるんじゃないの?」と思っている人がいたら・・・残念ながらその人は本当の生しらすの味を知らないだけ!ぜひ「用宗の生しらす」を食べてイメージを一新して下さい!
▲釜揚げしらす丼500円。ごはん大盛りはプラス100円(ともに税込)。おみそ汁付き

一方、こちらは釜揚げしらす丼。絶妙な塩加減と茹で加減で、生しらすとはまた違った、ふんわりとした食感で自然な甘みも感じます。こちらも一気にかっこんでしまう美味しさです。
なお、テーブルには醤油が常備されていますが、「釜揚げしらす丼」だけは何もかけずにそのまま食べることを強くオススメします! と漁協の方もそうおっしゃってました。
その方がほんのり塩味がついた、釜揚げしらす本来の旨みを楽しめるんだそうです。
▲「どんぶりハウス」は思いっきり野外にあるため雨天時はお休みです

地元で愛される 美味しいお刺身の店

最後にもう1件、おすすめのお店を紹介しましょう!
漁港からすぐ近くにある、「地酒・地魚 用宗港おおいし」さんです。
▲漁港から歩いて約2分です

「地酒・地魚 用宗港おおいし」さんは1968年創業。地元の人も足繁く通う、磯料理の名店です。タクシー運転手や近隣のホテルスタッフもオススメする、美味しいお刺身を出してくれるお店です。
▲店内のいけすには大きなサザエがいました
▲「生しらすと刺身のっけ丼」。小鉢、漬物、無添加みそを使ったおみそ汁がついてお得です

磯料理のお店だけに、一番の人気メニューは6種類ものお刺身がついた「特盛り刺身定食」なのですが、今回はしらす取材ということで、しらすが存分に楽しめるメニューをお願いしました。
それがこちら!ランチメニューの「生しらすと刺身のっけ丼」税込1,100円です。
こちらの生しらすも言わずもがな、サラサラです。そしてツルっとした食感と、口の中でじんわり広がるしらす独特のうまみ…。ん?なんか生しらすがより味わい深く、甘い感じがするのは気のせいかしら?

ご主人に聞いたところ「ご飯との相性ですかね?ガス釜で炊くなど、炊き方も工夫してますから」とのこと。確かにアツアツご飯と生しらすの相性、バッチリでした!一口一口噛み締めたくなる味です。おみそ汁も常連さんから人気なんだそうです。
▲ランチメニュー「生しらすとかまあげしらす ハーフアンドハーフ丼」。小鉢と漬物、無添加みそのおみそ汁が付いて税込900円

そしてもうひとつが、ハーフアンドハーフ丼。
一度に2つの味が楽しめるハーフアンドハーフ丼は、欲張りさんにぴったりのメニューです。こちらの釜揚げしらすは「どんぶりハウス」とは若干塩加減や茹で加減が違うので、味くらべしてみるのも楽しいかもしれません。なお、セットの漬物はオープン以来大切にしてきたぬか床でつけた自慢の一品。箸休めにぴったりです。
▲お魚をもっと美味しくいただける、地酒とオリジナル焼酎もラインナップ

2016年のしらす漁は12月中旬まで続きます。天候で漁に出られない時もありますが、ぜひ一度「用宗のしらす」のおいしさを味わってみてくださいね。
岩科蓮花

岩科蓮花

S級からB級まで食べることをこよなく愛するグルメライター。 和食、フレンチ、イタリアン、スイーツなどこれまで取材したお店は数知れず。 農業と船釣りが好きな自給自足女子。

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