杜の都・仙台で訪れるべきカフェ3選

2016.06.01

東北屈指の繁華街である宮城県の杜の都・仙台には、美味しいスイーツを提供するお洒落なカフェが数多く軒を連ねています。そこで今回は名店を3つほど厳選してご紹介。絶品スイーツを味わったり、お店の雰囲気に酔いしれたり。それぞれ異なった個性を持つ3店から、是非お気に入りを見つけてください!

~kazunori ikeda individuel~
有名パティシエが展開するパリ仕込みのパティスリー

▲ひときわ目立つ美しい外観

JR仙台駅の西口を出て南町通りを歩くこと約10分。ホワイトを基調としつつ看板や芝生の緑が差し色となった、スタイリッシュなお店が見えてきました。こちらが最初にご紹介する「kazunori ikeda individuel(カズノリ イケダ アンディヴィデュエル)」です。
▲色とりどりのケーキが並ぶ夢のような空間

美しい外観に気を取られつつ中に入ってみると、色んなケーキがお出迎え!ディスプレイには常時20種類ものプティガトー(小さなお菓子)をラインナップしているそうで、様々な色彩が揃っています。まるで童心に返ったような気分になって、思わず見入る人も多いそう。
このお店の創業者兼シェフ・パティシエである池田一紀(いけだかずのり)さんは、専門性の高さに定評を持つ名門調理師学校「エコール辻東京」で製菓を学び、スイーツブームの草分け的存在である「青山ルコント」に入社。その後24歳で渡仏し、様々な名店で修行を積んだ奇才のパティシエです。

「このお店は2011年12月にオープンしました。元々はパリで開店する予定でしたが、外国での出店は難しい条件が多く、決心できずにいたんです」と池田さん。独立を思い悩んでいたタイミングに東日本大震災が発生。地元の様子が心配で帰国した後、故郷仙台での開店を決意しました。
「カズノリ イケダ アンディヴィデュエルでは全ての商品をパリ基準に味付けしています。また、幼い頃から食に興味を持って育ってほしいので、とりわけ子供たちに味わってもらいたいですね。」
▲清潔感のあるイートインスペース

池田さんの言葉に耳を傾けていると、いつの間にかプティガトーの準備が完了。早速イートインスペースに案内してもらいました。
▲パティシエの遠藤大輔さん。今回特別に製造中の様子を撮影させていただいた

「色彩豊かなプティガトーを視覚的に楽しんでもらいたいので、カフェスペースも外観と同じくホワイトを基調に設計しています」とパティシエを務める遠藤さんから一言。というわけで、早速ご自慢のケーキ3点をいただいてみました。
▲「ピンクレディー」490円(税込)

まず最初はハート型に成形されたビジュアルが可愛らしい「ピンクレディー」。フランス産のいちごを使った鮮やかなピンク色のクリームに目を奪われます。フォークを入れてみると、なんと中から緑色をしたピスタチオのクレームブリュレが登場。いちごの酸味とピスタチオの旨みが合わさって、より一層奥深い味わいに。また底面にはバターのコクと適度な塩気が効いたクリスピーなサブレを配置。食感を加えつつ甘みも引き立たせるという、優秀なサポート役を担当しています。絶妙なバランスがお見事です。
▲「アンタンス」490円(税込)

余韻も冷めやらぬまま現れたのは、「ピンクレディー」とは対照的に威風堂々とした黒を身にまとう、ショコラ尽くしの「アンタンス」。素材には池田さんが考えうる限りこれ以上のものはないというイタリアのチョコメーカー、ドモーリのチョコレートを採用。一口頬張るとカカオのコクが口いっぱいに広がり、後から芳醇な香りが鼻腔を刺激します。チョコレートの奥深さに疎い素人が言うのも恐縮ですが、池田さんが最高級の賛辞を送ることも頷ける洗練された味わいです。またショコラの持つ嫌みのない苦さを生かすため甘さを抑え、他のチョコレートケーキでは味わえないキレを表現。内部に隠されたチョコチップも食感のアクセントに一役買っています。
▲「タルト フリュイ ルージュ」520円(税込)

最後の一品「タルト フリュイ ルージュ」が登場するとテーブルの上はさらに華やかに!行ったことがないのに、エトワール凱旋門を歩くパリジャンのような気分になるのだから、不思議なものです。ちなみに「タルト フリュイ ルージュ」とは「赤い(ルージュ)フルーツの(フリュイ)タルト」の意。その名の通りブルーベリーやいちごの赤みがかったフルーツによる爽やかな酸味が効いており、飽きずに食べ進めることができます。また下に敷かれたベース生地にはアーモンドとピスタチオを使用。「小細工のないシンプルな味」といいつつも、ナッツの香ばしさと旨みを加えるというさりげない一工夫を施している点が心憎いですね。
▲ところ狭しと並んだ焼き菓子やジャム

また店舗内ではクッキーやマカロンに加えジャムや生キャラメル、さらにはアイスクリームなどといったお菓子も販売中。ケーキはもちろん、それ以外の商品も大変充実しているのが同店の持ち味です。
▲店長の平ひとみさん。気品を漂わせた笑顔と物腰柔らかい口調が素敵

「私たちの作るケーキでたくさんのお客様が笑顔になってくれることが、何よりの喜びなんです。」と話してくれたのは店長の平ひとみさん。自然と笑みがこぼれるほど本当に美味しいケーキをお客様に味わってほしい、そんな思いを胸に私たちはスイーツを作っているのだと仰っていました。

スイーツを考案し製造する池田さんとパティシエ、そして真摯な心でお客様へ提供するスタッフ。同店の美味しいお菓子は、情熱的なスタッフの皆さんが一丸となって生み出された努力の賜物でした。仙台に来たならば是非味わってみてください!

~カフェ モーツアルト アトリエ~
広瀬川を一望する絶景リラックスカフェ

▲たくさんの緑に囲まれたテラス席

次なる目的地へ向けて南町通りを離れ南西へ。ここは2軒目にご紹介する「カフェ モーツアルト アトリエ」。入り口のドアを開け階段を降りると、心地よい音色を奏でるクラシック音楽が耳に入ります。
▲暖かな陽差しが降り注ぐ店内

「カフェ モーツアルト」は店長である善積建介(よしずみけんすけ)さんのお父様によって、1976年に仙台の繁華街に一番町店を開業。当時海外旅行が趣味であったお父様がヨーロッパ滞在中に訪れた、とある喫茶店の自由な雰囲気に感銘を受け、帰国後すぐにお店を開く決意をしたそうです。

この「カフェ モーツアルト アトリエ」は一番町店に続く2つ目の店舗。元々は美術館だった建物を改装し、本来の雰囲気を残したままカフェとしてオープン。なるほど、アトリエという名の由来はここにありました。
▲多種多様なチェアーたち

多種多様なアンティーク家具はあえて統一せずバラバラに揃えることで、訪れる人にお気に入りの場所を見つけてほしいという思いを込めているとのこと。お客さんが楽しめるようにと考え出された創意工夫に「カフェ モーツアルト アトリエ」ならではの温かみがにじみ出ています。
▲広瀬川を見下ろせるテラス席は25席。席によって、季節によって印象が変わるため何度も足を運びたくなる場所

家具の間を抜けて奥に向かうと緑豊かなガーデンの広がるテラス席が。そして眼下には脈脈と流れる広瀬川という絶好のロケーション!街中にいるとは思えないぐらい四季折々の自然を感じることができる心安らぐ空間に、思わず深呼吸です。
▲「モーツァルトババロア」450円(税込)

本店でも同じものを食べることができるということで、両店舗で堪能できるオススメのスイーツをご紹介します。

創業当時からの不動メニューである「モーツァルトババロア」!こちらは濃厚で上質なクーベルチュール・チョコレートに北海道産の牛乳を使用した一品です。特筆すべきはそのとろけるような舌触り。何度も何度も丁寧に濾しているため、他にないなめらか食感が生まれているそう。またその見た目とは裏腹に甘さ控えめのさっぱりとした味なので、飽きずに食べ進められます。
▲「ショコラ・デ・モーツァルト」450円(税込)

こちらも定番となる、どっしりとした「ショコラ・デ・モーツァルト」。ババロアと同じくカカオの香りが豊かなクーベルチュール・チョコレートと、山形県蔵王産のコクがある地養卵をミックス。なるべく低い温度でじっくり焼き上げることにより、しっとりなめらかな口当たりを生み出しました。また食べ進めると中からクルミを発見。カリッとした歯ざわりを加えることで、メリハリのある食感に仕上がっています。
▲「スコーン」450円(税込)

最後は男性客からも人気が高い、中身がぎっしり詰まった「スコーン」。北海道産の小麦とヨーグルトを加えることで、外はサクサク、中はフワッとした絶妙な食感に焼き上げました。付け合わせにはラズベリーソースに柑橘系ソース、生クリームやバナナなどをトッピング。スコーンの素朴な味わいを少しづつ変えながら食べられるのも嬉しいところ。またこちらはテイクアウトも可能。昼食を軽く済ませたいときやおやつが食べたいときにもオススメです。
また「カフェ モーツアルト アトリエ」では、仙台にて創業したコーヒーロースター「デ・スティル コーフィー」の同店用オリジナルブレンド、「モーツアルト・ブレンド」を用意。こだわりの豆による深い味わいとキレのある苦みにより、スイーツとの相性は抜群です。

ケーキとコーヒーで一服しつつ、お気に入りの本を読みながらまった~り休憩。そんな緩やかな時間を仙台で過ごしたいなら、この「カフェ モーツアルト アトリエ」が間違いなし!

~彦いち~
大正ロマンの甘味世界に迷い込む

▲レトロな佇まいが魅力的

一番町一番通り商店街を北へ出て信号を渡り、四丁目商店街へ。約100mほど歩き右側の細い路地裏へ曲がると、まるで大正時代にタイムスリップしたのではないかと錯覚するような古風なお店が目の前に出現。こちらが最後にご紹介する「甘味処 彦いち」です。
▲まるで大正時代のような内装

元々は料亭として使われていた風情のある建物を改装し、昭和51年に甘味喫茶としてオープン。お店の中は和風の小物や絵画などが沢山飾られており、落ち着きのある佇まいが印象的。内装はほぼ変えておらず、改装当初の味わい深い雰囲気をそのまま残しているそうです。
▲「白玉クリームあんみつ」560円(税込)

最初に運ばれてきたのは甘みの塩梅が絶妙なもちもち白玉を乗せた「白玉クリームあんみつ」。黒みつと白みつから「みつ」のタイプを選び、あんこは粒あん、こしあん、ずんだあんから選ぶことができます。今回は黒みつと粒あんの組み合わせをセレクト。風味豊かな黒糖とまろやかなバニラアイスのハーモニーに軽く塩気を効かせたえんどう豆を入れることで、各々が持つ味わいの輪郭を浮き立たせています。また上に乗せられたみかんやさくらんぼを口に含めば、フルーツの酸味が仲間入りすることで爽やかな口当たりに!
▲「黒糖パフェ」 760円(税込)

続いて現れた「黒糖パフェ」は、つぶあんに抹茶味の白玉とアイス、みかんなどを乗せた豪華な一品。器に収まりきらないほどに盛られたビジュアルを見ると思わずテンションが上がってしまうという方も多いはず!
早速いただこうとスプーンを握ると、頂上に配された黄色い食材が目に入ります。こちらはチップ状に加工した栗で、パフェに上品な味わいをプラス。「彦いち」ならではの小粋な一工夫が垣間見えますね。また小高い山の中に隠された寒天は黒糖製。クドさのない甘みで全体のバランスを上手く調整していたりと、細部まで計算された繊細な味に大満足です!
▲「ずんだ餅」510円(税込)

最後は余計な手を加えずシンプルな製法で作ったという「ずんだ餅」。大きめの丸餅が3個入っているためボリューム満点です。一口食べてみると粗めに潰されたずんだあんの風味が舌を直撃!ほのかな甘さとコクは素材である枝豆そのもの。あえて最小限の味付けに抑えているとのことで、素材本来の旨みがしっかり感じられます。また隣に別皿で用意された塩気の強い柴漬けは箸休め担当。飽きずに最後まで食べられるようにと添えられた、ちょっとした心遣いが嬉しいところ。
▲外側には趣のある庭が見える

一通り食べ終えてみると、どのメニューも甘さを抑えた爽やかな味わいだということに気づきます。「基本的にどんな方でも食べやすいように甘さ控えめで作っているので、様々な年代の方から美味しいというお言葉をいただいています。中でも特に多いのは年配の方。また岩手県や山形県など遠方から常連のお客様が来て下さって本当に嬉しい限りです。」と店長の宮崎さん。
「多店鋪展開はあまり考えていません。路地裏の立地や昔懐かしい雰囲気って、このお店にしか出せないものだと思うので。ここにしか無いものを何世代ものお客様に提供して、末長く続けていけたらいいなと考えています。」と今後の展望を語ってくれました。
地元の方はもちろん、県外の方からも根強い人気を誇る「彦いち」。提供される甘味の味わいはもちろん、味を守ろうとする真摯な姿勢が多くのお客様を虜にしているようです。
本格的なパティスリーに仙台の緑を感じることができる老舗の新店カフェ、そして趣深い甘味処と、各々独自の個性を持った3店。「仙台の人たちに美味しいスイーツを届けたい」という共通点を持っていました。地元の方と真摯に向き合うそのひたむきな姿勢が、スイーツのこの上ない味わいに反映されているのでしょうね。仙台の雰囲気を楽しみたい方はもちろん、本格的なケーキやずんだスイーツを食べてみたいという人も、是非寄ってみてください!
飯間大悟

飯間大悟

ファッションと麺類と歴史を愛する29歳の足軽ライター。伊達政宗大好き。奥州一の武将になるため、日々武者修行中。

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