可愛い!美味しい!房総の伝統郷土料理「太巻き祭りずし」作り
2018.05.01 更新
「太巻き祭りずし」は、千葉県・房総エリアに伝わる郷土料理。年中行事や冠婚葬祭の際に地元の名誉職の男性が作り、ふるまうものだったそう。戦後の諸事情により、作り手が女性にうつったことで、より華やかに進化を遂げました。伝統ある「太巻き祭りずし」作りを体験してきました。

春には新緑、秋には紅葉。棚田が美しい田園地帯にある農業体験窓口「みんなみの里」へ
もともと、このあたりの「長狭(ながさ)」という地名は、古事記や万葉集にも記されている由緒ある土地柄。千葉県有数の米所です。

▲このあたりは、棚田で有名なエリア。田植えや稲刈りも体験できます。正面に見えるのは千葉県の最高峰・愛宕(あたご)山(標高408.2m)
この地方を含め、主に東金、山武、市原地域に伝わる太巻きずしを、千葉伝統郷土料理研究会主宰・龍崎英子氏が発見し「太巻き祭りずし」として、千葉県全体に広めたそうです。
「同じ郷土料理でも鴨川の祭りずしは卵が多い。見栄っ張りなんです(笑)」とは、「みんなみの里」(※)清水さん。「みんなみの里」は地元の生産者と訪れる人の交流を支援するターミナル。さまざまな農林業体験の紹介窓口となっています。
※「みんなみの里」は「無印良品」が改修し、2018年4月に「里のMUJI みんなみの里」としてリニューアルオープンしました
この地方を含め、主に東金、山武、市原地域に伝わる太巻きずしを、千葉伝統郷土料理研究会主宰・龍崎英子氏が発見し「太巻き祭りずし」として、千葉県全体に広めたそうです。
「同じ郷土料理でも鴨川の祭りずしは卵が多い。見栄っ張りなんです(笑)」とは、「みんなみの里」(※)清水さん。「みんなみの里」は地元の生産者と訪れる人の交流を支援するターミナル。さまざまな農林業体験の紹介窓口となっています。
※「みんなみの里」は「無印良品」が改修し、2018年4月に「里のMUJI みんなみの里」としてリニューアルオープンしました

▲今回の受付は「みんなみの里」。地元で採れた野菜や米を直売しているほか、田植えや収穫など、さまざまな体験イベントのターミナルとなっています
実際のすし作りは、「みんなみの里」から車で田園地帯を10分ほどの場所にある食の体験工房「花味結(はなみゆい)」で行います。工房につくと、農家のお母さんたちを中心とする太巻きづくりのスペシャリストが出迎えてくれました。
実際のすし作りは、「みんなみの里」から車で田園地帯を10分ほどの場所にある食の体験工房「花味結(はなみゆい)」で行います。工房につくと、農家のお母さんたちを中心とする太巻きづくりのスペシャリストが出迎えてくれました。

▲食の体験工房「花味結」。夏休みは子どもたちもたくさん訪れるそう。体験はこちらに直接申し込みも可能

▲体験工房内。壁にはすし作りの見本となる多種多様な図柄が貼ってあります。最近では外国人ツーリストもたくさん訪れるそう
図柄を選んだらさあ体験スタート。
設計図に従ってパーツを作ります
まずは、数十種類ある図柄の中から、好きな図柄を選びます。菜の花やひまわり、動物やキャラクターなどバリエーションも豊か。今回は伝統的で華やかな“ちょうちょ”の図柄を選びました。

ちょうちょの図柄を選択!設計図には材料の細かい分量が書かれています。

材料は、酢飯(白・ピンク・緑)、青菜、海苔、かんぴょう、山ゴボウなど。具材は絶対これ!ということはなく、旬に出回っているものを使います。


最初に部位ごとに使うご飯を計量。具材はあらかじめ用意してくれています。酢飯は米所・鴨川の「長狭米(ながさまい)」。1本あたり約500gのご飯を使います。緑の酢飯は青のりを混ぜて、ピンクの酢飯は、市販されている粉末状のすし酢で家庭でも簡単に作れるそう。


次に、ちょうちょのハネパーツを作ります。簀(す)に海苔をのせる、酢飯をのせる、巻く、の手順で、片側ずつ作っていきます。大きなハネは白、小さなハネは緑の酢飯で、真ん中に具材が来るように。

片側のハネパーツができました。同様に反対側も作ります。

そして、ちょうちょの胴体をピンクの酢飯を使って組み上げます。このあたりから立体的な構造がわからなくなってきます…。

先ほど作ったハネをのせて…。

簀で巻きます。この時、力を入れすぎないのがポイント。太いので結構難しい。

なんとなく形が見えてきました。あとは切るだけ!

上から押し付けるのではなく、ノコギリのように引くのがコツだとか。これがなかなか難しく、結局先生に切ってもらいました…。

できた~!感動の瞬間です!
その間に先生たちは別の作品も!
一人の先生が私にかかりきりになっている間に、別の先生方が四方の海を古典的な図柄で表現した“四海(しかい)”と子どもたちに人気の“パンダ”を作ってくれました。

▲あたりまえですが手際の良さにびっくり!

▲太巻きづくりうん十年のレジェンド、川俣さん。伝統的な「太巻き祭りずし」の伝承者です

▲こちらが“パンダ”。ちゃんと可愛いから嬉しい

▲こちらはレジェンド作“四海”。スクエアデザインがお洒落~

お皿に並べると、こんなに華やか!おもてなし料理のメインにもなるし、友達や家族にも「スゴイ!」と褒められそう。お花見にもいいですね!

▲教えてくれた「花味結」の先生たち。左から平野さん、川俣さん、宮内さん。毎朝早くから販売用のお寿司も作っています
作ったお寿司はお土産に!十分な食べ応えです
1本の制作にかかる時間はおよそ40分。具材の準備から考えるともっとかかるとは思いますが、意外にも簡単にできることがわかりました。
細かい決まりはないので、チーズやかまぼこ、お肉などを使ってオリジナルに巻くのもあり。
お花見やホームパーティで、皆に喜ばれそうです。
細かい決まりはないので、チーズやかまぼこ、お肉などを使ってオリジナルに巻くのもあり。
お花見やホームパーティで、皆に喜ばれそうです。

▲お土産として持ち帰ります。私にもできる!と自信が持てました。成功のポイントは、自分だけでせっかちに進めないことだそう

▲先生方が作った太巻きすしは「みんなみの里」でも販売されています。お昼には売り切れてしまうそう
作るのが楽しければ、食べるのはもっと楽しい!
今回体験してみて「食べるを楽しむ」ということを改めて考えさせられました。
作る工程が楽しければ、食べるのはもっと楽しい!
そんな体験を、旅行に来られた方はもちろん、毎日の食事づくりに追われるママやパパたちにもぜひ体験してもらいたいと思いました。
通常、体験は4~5名のグループで受け付けているそう。子どもと一緒でも、大人だけでも楽しめる美味しいスポットです。
作る工程が楽しければ、食べるのはもっと楽しい!
そんな体験を、旅行に来られた方はもちろん、毎日の食事づくりに追われるママやパパたちにもぜひ体験してもらいたいと思いました。
通常、体験は4~5名のグループで受け付けているそう。子どもと一緒でも、大人だけでも楽しめる美味しいスポットです。

▲カメラマンK氏もビックリの出来栄え!
太巻き祭りずし体験(花味結)
千葉県鴨川市細野392
[開催時間]8:30~12:00の間
[定員]5~20名
[所要時間]約40分
[体験料金]1,700円 ※税・材料費込
※エプロン・三角布があれば持参
[定休日]月~水曜、他不定休
04-7099-8073
里のMUJI みんなみの里
千葉県鴨川市宮山1696
[営業時間]
9:00~18:00(2~10月)
9:00~17:00(11~1月)
[休館日]1月1日
04-7099-8055
※本記事は2016年取材記事を一部更新したものです。

平間美樹
某広告代理店で情報誌・Webサイト等の広告企画・制作を経て独立。現在、企画制作会社CLINK(クリンク)を運営し、結婚・進学・就職・旅行など幅広い分野で企画・ライティング活動中。テニス・フラ・猫にハマる日々。 テニス観戦でグランドスラムを達成するのが目下の目標。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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