日光が誇る老舗レストランの絶品チーズケーキと伝統のオムレツライス

2016.06.01

日光には、東照宮への参拝客をもてなすレストランやカフェがたくさんあります。その中でも地元で知らない人はいない老舗レストランといえば「西洋料理 明治の館」。訪れる人のほとんどが注文するという、チーズケーキとオムレツライスを食べてきました。

東照宮から徒歩でいける距離にある「西洋料理 明治の館」は、蓄音機を日本で初めて紹介した、アメリカの貿易商F.W.ホーンの別荘として明治時代後期に建てられました。当時の日光の匠たちの技術を結集し、壁面は「乱れ石積み」の技法で「日光石」を使っています。100年以上の時を経て現存する、貴重な近代遺産なのです。2006年には国指定の「登録有形文化財」に登録されました。
レストランは昭和52(1977)年に開店し、中にはおよそ40年間変わらないレシピもあるそう。
木々に囲まれた古い洋館のレストランは、レトロな雰囲気の中に緑が美しいテラス席もあり、まるでおとぎ話の世界のような空気が漂います。

明治の近代遺産である洋館の中で、
栃木名物を使ったサラダと伝統のオムレツライスを食す

▲前菜におすすめ「湯波(ゆば)と干瓢(かんぴょう)のサラダ」(1,000円・税別)

まずは軽く前菜からスタート。「西洋料理 明治の館」はコース料理も充実していますが、前菜やサラダ類、スープなどの一品料理も多く、自分の好みでセレクトしていくのも楽しくておすすめです。
せっかく日光に来たのですから、名物の「湯波」と生産量日本一を誇る栃木県産「干瓢」を使ったサラダを注文してみました。
▲赤がニンジン、緑がキュウリ、その周りを包む透明感のある白いものが干瓢

美しいでございます…。
究極に細く刻まれたニンジンと、キュウリと一緒にアスパラが干瓢で巻かれ、さらにその外側が湯波でくるりと覆われています。巻き寿司のように作られていて、その断面は色鮮やかです。
野菜たちのシャキシャキ感と、干瓢の歯ごたえ、それを取り巻く柔らかな湯波の食感がなんとも楽しい!ソースにはお醤油ときのこの出汁が隠し味に使われている、ほんのり和風のサラダです。

干瓢というと「かんぴょう巻き」をイメージする人も多いと思いますが、あちらはお醤油で甘く煮ているので茶色。しかし干瓢はもともと白に近いので、一見「どれが干瓢?」と思うかもしれません。でも食べてみればきっとその食感で「あ、これだ!」と認識するでしょう。
▲こちらを食べることが目的で訪れる人も多い。「オムレツライス」(1,600円・税別)

次は「オムレツライス」。下のチキンライスには細かく刻まれた玉ねぎ等と一緒に、プリリとした海老が入っています。その上に、玉子3個分というオムレツがふんわりと。それらを「オムレツライス」として完成させるのが、伝統のデミグラスソースです。
このデミグラスソース、小麦粉から作り始め、なんと2週間煮込み続けてできあがるのだとか。このレストラン伝統の製法です。ある程度まとまった量を1回で作るのですが、出来上がりと同時にまた仕込みが始まるといいますから、いかにオムレツライスが人気かということがわかります。
▲とろりとした玉子とデミグラスソースが混ざり合います

「オムライス」って、家庭の味だと思っていました。しかし「西洋料理 明治の館」の「オムレツライス」は到底家庭で出せる味ではありません。ケチャップ味のチキンライスは、軟らかい深みがあり、これだけでも美味しくてペロリと食べてしまいそうな程です。そのチキンライスとふんわり玉子、さらに「明治の館」伝統のデミグラスソースが合わさると、まさに「三位一体」。自分が思っている以上に語彙力のなかったワタクシ、ライター金澤は
「いや、ちょっと待って」と、まさかの意味不明発言。

こんな恐るべし味の「オムレツライス」を、もし子どもに食べさせたら、その家の母親は二度と家庭でオムライスを作れないであろう…などと余計なことまで考える始末。多分「お店で食べた味とちがうね、ママ」と言われます。
本当に、こんな高尚な「オムレツライス」は食べたことない。

デザートには40年続くレシピの
チーズケーキ「ニルバーナ」を

▲こちらが有名なチーズケーキ「ニルバーナ」(500円・税別)

食後のお楽しみは、もちろんデザートです。濃厚で風味豊かなデンマーク産の最高級クリームチーズを使用し、開店当初から変わらないレシピが受け継がれているチーズケーキ「ニルバーナ」。「ニルバーナ」の意味は、仏教用語で「最も優れたもの=悟りの境地」だそう。小麦粉を使わず、クリームチーズと卵黄を使って焼き上げたケーキの表面にサワークリームが上掛けされています。
▲まるでレアチーズのように見えますが、しっかり焼かれたベイクドチーズケーキです

フォークを入れると、さくりと静かにその断面を見せてくれました。それは繊細で非常にきめ細やか。口に入れるとふわりとレモンの香りが漂い、実に爽やか!チーズの味は濃厚でありながら、後味がさっぱりしているので、ワタクシ「ホールでもイケル」と爆弾発言。
サラダとオムレツライスを食べたあとでも、このチーズケーキは食べられます。ビュッフェで並べられていたら、お店は大赤字レベルのチーズケーキです。それほど最高に美味しく、夢中になってしまうチーズケーキでした。
▲チーズケーキを食べるのんびりとした時間。こちらは2階の大部屋

「西洋料理 明治の館」は、定番の「オムレツライス」や「チーズケーキ」だけでなく、他のメニューも充実しています。「オムレツライス」に使われるデミグラスソースは、お店の中で重要な位置を占めていて、ハンバーグステーキやポークソテー、仔牛のカツレツなど多くの肉料理に使用されています。
▲自家製の「日光まいたけ」

その他、製造からお料理として提供まで一貫して行っている「日光まいたけ」もおすすめです。栃木県が年間を通じて日照時間が長いことに加え、寒暖差が激しい日光の気候だからこそ、太陽の光をたくさん浴びた、大きく歯ごたえのよいまいたけができるそう。
メニューには「鉄板焼」(1,200円・税別)や「オリーブオイル焼」(1,500円・税別)があり、何人かで訪れた際に一皿頼んで味わうのがおすすめ。こちらにライスを付けてメインとして召し上がる、日光まいたけファンもいるそうです。

老舗レストランを自分スタイルで上手に楽しみ、
自宅へもこの味を持ち帰る

▲2階個室(8席)
▲明治時代の趣が残る階段を下りて1階へ

2階には30席ある大部屋のほかに8席と12席の個室があります。その他、1階に30席、季節によってはテラス席も10~20席ありますが、それでもランチの時間帯には長い行列ができるそう。

営業時間内はメニューが変わらないので、ディナータイムにお酒と前菜を楽しむもよし、しっかりコースで味わうもよし、チーズケーキで軽くお茶するのもよし…老舗の味を楽しむ様々な方法がありますよ。
▲1階入口にあるテイクアウトショップ

入口にはテイクアウトできるショップもあるので、お土産を買うこともできます。デザートで提供しているケーキ類はもちろん、パンや焼き菓子、ジャムなども揃っています。ハンバーグやハヤシライスなどもレトルトで販売しています。レストラン利用しなくてもショップには入れるので、時間がない時にはチーズケーキをテイクアウトして自宅で楽しむこともできます。
▲ハード系のパンが並びます。早い時間帯には焼き立てがたくさん並ぶそう
▲要冷蔵でない焼き菓子もあるので、帰り道の時間も気になりません

日光の老舗レストランの味を、テイクアウトで気軽に楽しむのもよいですが、ここまで足を運んだのなら、やはりあのデミグラスソースとチーズケーキは味わってもらいたい。明治の空気が漂うレトロな空間で、その老舗の味を堪能してみては。
金澤佑樹

金澤佑樹

旅行ライター・編集者。 旅行雑誌で新潟や栃木を担当して12年の後独立。現在はLCCの機内誌tabicシリーズを制作。LCCを使って弾丸日帰り旅するのもダイスキ。4人の子どもの母でもあるため、長期は家を空けられないと言う理由もある。好きなものは、旅とビールと子どもたち。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
PAGE TOP