東京から車で1時間半!山梨フルーツラインで憧れのさくらんぼ狩り体験

2017.04.24 更新

果物王国とも果物の郷とも言われる山梨県。ぶどうや桃の生産地として有名ですが、憧れのさくらんぼを栽培する農園が、南アルプス市や山梨市にも多く点在することはご存じですか? 今回は、東京から車で約1時間半ほどで到着する山梨市へ。ゴールデンウィークから6月下旬にかけてさくらんぼ狩りができる、広域農道・山梨フルーツライン沿いの「大沢農園」へ行ってきました!佐藤錦も含むさくらんぼ7種の食べ比べもレポートします。

果物の栽培に適したフルーツ王国・山梨
実はさくらんぼの生産も盛んなんです!

日照時間が長いこと。雨の日が比較的少ないこと。水はけがよい土地が多いこと。さらに、昼夜の寒暖の差が大きく、同じ品種でもより甘い果物が育つ地形に恵まれた山梨県は、果物の栽培に非常に適した全国有数のフルーツの産地。県内にはさくらんぼ栽培農園も多く、首都圏エリアからも行きやすい立地も魅力です。

さくらんぼの栽培面積約1.5ヘクタール!
丘陵地にハウスの屋根が連なる「大沢農園」へ

向かったのは、甲府盆地の北斜面の果実園帯を抜ける広域農道・山梨フルーツライン。この辺りは桃畑が多く、春ともなれば一斉に桃の花が開花し一面がピンク色に。まさに桃源郷とも言うべき風景が広がるのだそう。訪れた日はあいにくの曇り空でしたが、爽快に晴れわたると、富士山の雄大な姿も望めます。
▲「さくらんぼ狩り」の看板発見!今回体験に訪れる「大沢農園」も近いようです
やがて見えてきたのが、温室ハウスと雨よけハウスのビニールの屋根が連なる広大な傾斜地。ここが約1.5ヘクタール(4,500坪)の面積を誇る「大沢農園」のさくらんぼ園です。ここでは、すべてのさくらんぼが屋根の下で栽培されていて、雨の日でも濡れずにさくらんぼ狩りが楽しめる点もうれしい限りです。実はとっても雨に弱いさくらんぼ。屋根の下で大事に大事に育てられているんですね。ゴールデンウィーク~5月下旬頃までは温室ハウス(30分食べ放題)で、それ以降6月下旬までは雨よけハウス(40分食べ放題)でさくらんぼ狩りができるそうです。
フルーツライン沿いにある農園売店前に到着すると、園主の大澤さん(写真左端)をはじめスタッフのみなさんが迎えてくれました。実は、ホテルマンやサービス業経験者が多く、人と接するのが大好きなスタッフたち。フレンドリーで親しみやすい応対も温かく、何だかほっこりできました。さくらんぼを思いっきり食べ放題でほおばれる至福のひとときへの期待に胸が躍ります。

さっそく“さくらんぼ狩り”開始!
食べ頃の7品種を紹介してもらいました

訪れたのは、ゴールデンウィーク直前。さくらんぼ狩りのスタート前日に特別に来園させていただきました。収穫場所となる温室ハウス内は、まさにチェリーパラダイス!食べ頃を迎えた7つの品種のさくらんぼの木がいっせいに、宝石のような実をたわわにつけています。

どれも愛くるしく、魅惑的なこの日の食べ頃の7品種とは……佐藤錦をはじめ紅秀峰、高砂、さおり、富士あかね、紅佐藤、香夏錦。それぞれに異なる酸味や甘味の味わいを食べ比べ、お気に入りを見つけるのも、さくらんぼ狩りの楽しみです!
さっそく品種別に、形や色などのルックス、味の特徴などを紹介しましょう。
《佐藤錦(さとうにしき)》
言わずと知れた、日本のさくらんぼの代表選手。フレッシュなピンク色の肌に黄色をひとはけしたように艶やかに色づいています。糖度18度以上を誇る甘味に富んだ味わいは、誰もがおいしい!と感激する最高品種です。実はこの佐藤錦、1912年から16年かけて山形県の佐藤栄助氏が品種改良したものだとか。100年以上も前に誕生したにもかかわらず、今なお最高位に君臨しているなんて、すごいですね。
《高砂(たかさご)》
アメリカ生まれ(米名:ロックポートピガロー)。明治5(1872)年に日本へやって以来のロングセラー品種です。比較的早く実が成るので、早場産地の山梨県で多く栽培されているとか。酸味と甘みのバランスが良く、ハウスで温度管理され育つととびきりのおいしさとなり、佐藤錦にもひけをとらないほど!発色の濃い朱紅色の実と、食べるとわかる種の大きさが特徴です。
《紅秀峰(べにしゅうほう)》
「佐藤錦」に次ぐ品種として、近年とみに人気上昇中なのがこちら。収穫期が晩成なため他の品種よりも遅めですが、赤くきれいに色づきます。果実は、張りがよく、カリっ、プリっとした食感も特徴。糖度20度にもなるほど甘みが濃厚で、果汁たっぷりなおいしさは格別です。佐藤錦とどちらが自分好みか、ぜひ食べ比べてみて!
《さおり》
山梨生まれの「さおり」は、名前も可愛いけれど、黄色地に赤い斑が入った大ぶりな実は、ハートのように見えてとってもキュート。さっぱりした酸味多めな味わいはとびきりフレッシュで、どこか爽やかな白ワインを思わせます。
《富士あかね》
こちらも山梨県オリジナルの品種。5年前に生まれたニューフェイスです。軸が長く、実はやや小ぶり。甘みも酸味もあり、乳白色の果肉は緻密で若い印象です。
《紅佐藤(べにさとう)》
佐藤錦の突然変異で生まれた有望株。縫合線だけが白く残ったダークな赤色の実が特徴的。濃厚な甘さに、どこか成熟した大人の風格を感じます。
《香夏錦(こうかにしき)》
佐藤錦と高砂を両親に生まれた「香夏錦」。軸が長く、果実はやや軟らかく、甘みと酸味のバランスに優れています。
さくらんぼ狩りのシーズンは本来6月。ここ「大沢農園」で1カ月も前から収穫できる理由は、外気温がマイナスになるなか、1月下旬より暖房機を稼働させ、夜の温度を10度ほどに加温して促成栽培をしているから。
これは、雪が少なく、日照時間の長い山梨ならではの温室栽培法なのだそうです。昼間、さんさんと降り注ぐ太陽光のもとで30度以上にまで気温が上がるハウス内で、根元に敷かれたふかふかのワラ布団に包まれて、さくらんぼたちは箱入り娘のように手塩にかけて育てられます。
▲坂を上って温室ハウスへ向う途中、アーチ型のビニール屋根に守られた雨よけハウスでも、6月からの収穫を控えたさくらんぼがすくすく育っていました

さくらんぼ狩りで守るべきルールとは?
甘くておいしい実を採るコツ

ハウス内でさくらんぼ狩りをしっかりサポートし、質問などにも笑顔で気さくに答えてくれる大沢農園のスタッフたち。さくらんぼの果実の採り方、おいしい果実の見分け方など、事前に知っておきたいルールやコツも伝授していただきました。
《果実の採り方》さくらんぼを採る場合、軸から折るのはNG!上写真のように実を軽くつまんでくるりと回せば採れるので、そのまま口に入れて味わいましょう。軸から採らないその理由は……
軸の根元をよくよく見ると、来年実をつける軸の芽がすでに出ているから。この根元を傷つけると、来年の収穫を左右することになるのです。ちなみにお土産用のさくらんぼは、スタッフが注意して収穫してくれるため、軸つきで購入できます。
《おいしいさくらんぼの見分け方》
見分けるポイントは……果実の大きさ、色合い、軸の太さ、そして実っている場所!樹の高いところにある方が、太陽の光をふんだんに浴びているため甘みが多くおいしいのだとか。身軽な服装で訪れて、ぜひはしごに上っておいしい実を食べましょう。はしごに上るのはちょっと無理かなと思った場合は、気軽にスタッフに声をかければOK。おいしいさくらんぼを選んで採ってくれます。
▲左から紅佐藤、高砂、富士あかね、紅秀峰、佐藤錦、さおり、香夏錦

本日出会った7種のさくらんぼたちを、お土産に分けてもらって並べてみました。「佐藤錦」以外にも、こんなにもバリエーション豊富で、形も味も本当にさまざまです。全部で12品種ほどのさくらんぼを手掛ける「大沢農園」。訪れた時期によって食べ頃の品種が異なるので、お気に入りの品種を食べられるか問い合わせてから再訪するリピーターも多いのだそうです。
標高350mの南東面傾斜の丘陵地。甲府盆地に差し込む朝日を一番最初に浴びる地で、減農薬、減化学肥料に努め安全なさくらんぼづくりを手掛ける「大沢農園」。寒暖の差が激しい気候だからこそ甘くおいしくなる果実を、ひたすら慈しみ優しく育てた結果、見事に結実するさくらんぼたちは、まさに一粒一粒が宝石のよう。作り手の汗と努力の結晶だからこそ、食べる方も真摯に大事に味わいたいと思えた、山梨さくらんぼ狩りの旅でした。
ゴトウヤスコ

ゴトウヤスコ

ホテル、レストラン、神社、婚礼、旅、食、暦&歳時記、ものづくりなどの広告コピー、雑誌記事、インタビュー記事などを多数執筆し、言葉で人と人をつなぎ、心に響くものごとを伝える。旅は、基本一人旅好き。温泉、パワースポット、絶景、おいしいものがあるところなら、好奇心がおもむくままどこへでも。得意技は、手土産&グルメハンティング。最近は伝統.芸能、日本刀、蓄音機など和文化への興味を深堀中。読書会なども開催。(制作会社CLINK:クリンク)

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