繁昌亭と大阪天満宮、そして夕暮れに「甚六」のお好み焼きを。
「上方落語の定席(常打ち寄席)を復活させたい!」。上方落語協会会長・桂文枝ら噺家の奮闘の末、2006年に誕生した「天満天神繁昌亭(てんまてんじんはんじょうてい)」は界隈に不可欠の名所となった。隣には水都大阪の象徴である祭礼・天神祭を司る「大阪天満宮」がある。大阪下町お好み焼きの名店「甚六」は、その大阪天満宮正門からすぐの場所だ。南北に長く(日本最長の2.6km)、天満宮の表参道である天神橋筋商店街沿い、大きな提灯がぽっと迎えてくれる。
本日も満員。若手・大御所関係なしの真剣勝負「昼席」
「3席目に出たあの◯◯という噺家よかったね」などと、トリそっちのけで盛り上がったりするので、みな気が抜けない。この日も満員で、パイプ椅子の補助席が出ていました。


さて、長丁場の3時間をトリまで堪能すると、みなが一斉に出てくる。

意外に知らなかった「大阪天満宮」の凄さ

弘化2年(1845)年に造られた名建築はこんな感じです。

そして拝殿で参拝し、大門をくぐって振り返るとこんな風景。
天神祭本宮(7月25日)の最後、船渡御(ふなとぎょ)を終えた渡御列(とぎょれつ)が大川から上陸してこの門が目の前にくると、「あぁ祭が今年も終わるんだなぁ」と男たちがせつなく感じるそうで、それがこの辺りだとか。

お好み焼きの名店は、やっぱり「商店街」にある




カップの中に細かく刻んだキャベツと、鶏や野菜をじっくり煮込んだ特製のダシに小麦粉や塩、酒、生姜汁を練り込んだ「タネ」を加え、卵1個を入れて店主の土屋雅昭さんがカチャカチャカチャとかき混ぜる。この音で脳内は完全にお好み焼きモード、そして「おいしい口」になっている。



できましたよついにこの日の主役が。







店がオープンしたのは昭和56年(1981年)。土屋夫妻がお好み焼き屋を始めるきっかけは、「子どもに野菜を食べさせるため」なのであった。
ダシには昆布やカツオ、鶏肉のほかに野菜がふんだんに使われているし、店に入ったらまず突き出しに「野菜サラダ」が出てくるのも日本のお好み焼き屋の中でここだけではないか。
ちょっとカレー風味と酸味の利いたキャベツのサラダ(夏期は別バージョン)がホンマに心憎い。

この夫婦がつくり出してきた味と空間が見事なハーモニーを見せる天神橋筋の夕暮れでございます。そうだ、日祝はお昼から開いてるんだった。

お店を出たらせっかくなので5分ほど歩いて天神橋を渡ってほしい。大阪が「水の都」だとすぐに実感できるし、急にバーンと開ける景色が最高です。

天満天神繁昌亭
大阪市北区天神橋2-1-34
昼席(一般)前売2,000円、当日2,500円 ※9月14日まで
(9月16日から前売2,500円、当日3,000円)
※夜席の料金は日によって変わる
06-6352-4874
大阪天満宮
大阪市北区天神橋2-1-8
06-6353-0025
【閉店】甚六
大阪市北区天神橋1-13-11
【営業時間】16:00~22:00(21:30L.O.)、日・祝12:00~21:00(20:30L.O.)、【定休日】月曜・第3火曜(年末年始休み)
06-6353-4816

中島淳
編集者。京阪神エルマガジン社時代にSAVVYとMeets Regionalの副編集長、Lmagazine編集長を歴任、2006年に独立して編集出版集団140Bを立ち上げ、代表取締役に。20年以上前にある仕事でミスをし、日曜朝から梅田で修復のために働いたあと「まっすぐ家に帰るのもなんやし、どっかでメシ食お」と天神橋筋を歩いていたら偶然「甚六」に出会う。『奇跡の寄席 天満天神繁昌亭』(堤 成光/140B)の担当編集者でもある。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
この記事の関連キーワード
こちらもおすすめ
この記事の関連ご当地情報
梅田・新大阪で体験できるプラン
-
オンライン予約OK
★大阪梅田駅近で陶芸トリップ♪陶芸一日体験 開講31周年記念…
約90分|3,300円(税込) / 人
梅田・新大阪
-
オンライン予約OK
★銘々板皿を手作りする楽しい陶芸一日体験★ 開講31周年記念…
約60分|2,750円(税込) / 人
梅田・新大阪
-
オンライン予約OK
【大阪・中之島ローズポート発】春の薔薇クルーズ インディクル…
約30分|1,100円(税込) / 人
梅田・新大阪
-
オンライン予約OK
★大阪梅田駅近で陶芸トリップ♪陶芸一日体験 土日祝限定
約90分|3,850円(税込) / 人
梅田・新大阪
-
オンライン予約OK
★銘々板皿を手作りする楽しい陶芸一日体験★ 土日祝限定
約60分|2,970円(税込) / 人
梅田・新大阪