商都大阪の旦那好みの味を「吉野」「平岡珈琲店」でたのしむ
太閤秀吉の大坂城築城に遡る「船場」は、いわば大阪・町人文化のふるさと。その船場は、大坂夏の陣、太平洋戦争の2回の戦火で焼失してしまったが、そのスピリッツを受け継ぐ店はある。創業天保12年(1841年)の大阪寿司の[吉野]と大正10年(1921年)の喫茶店[平岡珈琲店]を訪ねる。

吉野の「二寸六分の懐石」。至高の大阪ずし
この店の伝統の箱寿司は、それまでコノシロやサバといった大衆魚を使われていたのを高級化し、ごちそうにした。
すなわち焼きあなご、エビ、厚焼き卵、小鯛、キクラゲ、エビ、味つけ椎茸といった高級素材をそれぞれに調理し、丁寧に箱(木型)に詰めて押す。そのサイズから「二寸六分の懐石」と称されている。味も彩りもバランス良く、それぞれひとつの料理として完成されている。なので醤油はつけない。
いろいろ食べられて飽きさせない、船場の旦那衆好みの贅沢な寿司だ。
箱寿司と吉野巻2,800円(税別)。突きだしと鯛のすましもしくは赤だしがついてくる。


コーヒーとそれをおいしく飲むためのドーナツセットが船場好み
船場はここ50年、景気動向とシンクロするように様相がめまぐるしく変わった。バブル期には次々と新しいビルに建て替わり、近年は高層マンションも増えてきた。そんななか昭和なムード漂う貴重な喫茶店。

コーヒーを淹れる際の香りがひときわ際立つ。「焙煎や挽いているときもそうですが、コーヒーは変化しているときに良い香りがするのです」と小川さん。




吉野
大阪市中央区淡路町3-4-14
[営業時間]9:00~22:00(L.O.20:30)
[定休日]土・日・祝、お盆、年末年始
06-6231-7181
平岡珈琲店
大阪市中央区瓦町3-6-11
[営業時間]7:30~18:00(土曜は~14:00)
[定休日]日・祝、年末年始
06-6231-6020

江弘毅
編集者。京阪神エルマガジン社時代に雑誌『ミーツ・リージョナル』を立ち上げ、12年間編集長を務める。著書『飲み食い世界一の大阪』(ミシマ社)、『「うまいもん屋」からの大阪論』(NHK出版新書)など、主に大阪の街や食についての著書多数。編集出版集団140B取締役編集責任者。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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