ひんやりふわふわ!能登で大人気の「冷やしクリームパン」。季節の味が全12種類!

2016.06.09

石川県能登地方の人ならほとんどの人が知っている美味しいパン屋さんといえば「古川商店」。金沢市から車で3時間程かかる珠洲(すず)市にありながらも、県内外から買いに来る人が絶えず、人気のパンは午前中で売り切れてしまうことも。暑い季節には「冷やしクリームパン」がひんやり美味しいと、評判が評判を呼んでいます!

▲冷やしクリームパン三種(能登のブルーベリークリーム、珠洲塩黒ごまホイップクリーム、能登大納言こしあんクリーム ※順不同)

試行錯誤の末に見つけた古川商店の食感、もっちりしっとりに見る店主のこだわり

「古川商店」のパンの特徴は、もっちりしっとりとした食感です。これは、じゃがいもなどの地元の野菜や餅米を圧力釜で蒸したものをパン生地に練り込み、独特の味わいや食感をだしているためだそう。昔はフランスやドイツの製法で作っていたパンも、今は「古川商店」独自の製法をプラスして作っているといいます。
▲バケット ショート(左)200円、ロング(右)300円(いずれも税別)

それは店主・古川一郎さんが日々パンを焼きながら気づいた、「お米文化で育った私達日本人と、パン文化で育った外国人とでは、体が求める水分量や好みのパンにも違いがあるのでは?」という憶測から始まりました。

日本の子供からお年寄りまでが食べたいパンとは…?製法や焼成も意識しながらたどり着いたのが、パンの水分量。そこから噛みごたえのあるパンよりもしっとりもちもち、野菜や餅米を使用した、水分量を多く含んだ柔らかい弾力のある「古川商店」のパンが生まれました。
▲「古川商店」の店内。楽しいポップとパン達の向こうからはパンの焼ける香ばしい匂い
▲天然酵母の食パン(写真手前)も格別の味。棚から語りかけてくるようなイラストも楽しい

古川商店の代名詞、能登の恵みを詰め込んだふわふわの「冷やしクリームパン」

「古川商店」の一番人気はというと、毎日限定120個の「冷やしクリームパン」。120個でもすぐに売り切れてしまうほどの人気です。

店内の冷蔵ケースに並ぶ「冷やしクリームパン」は、パン生地までがクリームのようにふんわり柔らかく、そしてしっとりとしています。そのまま丸ごとクリームケーキのようで、口の中でパン生地と甘いクリームが優しく溶けてゆくと、思わずパンであることを忘れてしまうほど。
▲クリームと混じり合うふんわりしたパン生地は冷やしても固くなりません。これは製造工程での細かい水分量調整のたまもの。翌々日まで美味しく召し上がれます

そしてひんやりしたクリームは「能登のいちごクリーム」や「能登栗のマロンクリーム」など、季節限定のテイストを入れると、なんと全部で12種類ものラインナップがあります。
出来立てよりもしばらく冷やしてからの方がパン生地とクリームが馴染んでより美味しくなるので、家の冷蔵庫に常備したいくらいです。

通年レギュラーのテイストは、「能登大納言こしあんクリーム」と「黒ごまホイップクリーム すずしお」。そして私の一押しは春に旬を迎えるブルーベリーがたっぷり入った「能登のブルーベリークリーム」です。まずは「能登のブルーベリークリーム」から試食。
▲冷やしクリームパン「能登のブルーベリークリーム」1個240円(税別) 

能登の特産品のひとつ、能登町柳田産のブルーベリーを使用したクリームがふんだんに入っている「能登のブルーベリークリーム」。ブルーベリーの酸味とフレッシュなクリームの軽さは果肉と共に口に春を運んでくるよう。口にふくむごとにとろける軽いホイップクリームは一つ平らげても重くなく、ひんやりした温度が爽やかに甘さを残します。

続いて黒ごまホイップに珠洲の塩を効かせた「黒ごまホイップクリーム すずしお」を頂きます。
▲冷やしクリームパン「黒ごまホイップクリーム すずしお」1個240円(税別)

こちらは食べた瞬間から黒ごまの濃い味と香りが口の中にひろがります。食べるごとに黒ごまのコクがホイップと溶け合うよう。珠洲の塩がほのかな甘さを引き立て、食べ応えたっぷりです。緑茶にも合う和の味わいです。

そしてもうひとつの定番、「能登大納言小豆」を使った「能登大納言こしあんクリーム」も。
▲冷やしクリームパン「能登大納言こしあんクリーム」1個240円(税別)

薄く美しい赤茶に色づいたクリームは、食べた瞬間に栗のような甘さのある小豆の味が感じられます。能登大納言小豆の上品な風味とふわふわのクリームがベストマッチ。思わずそっとかぶりついてしまうほどの柔らかなクリームと生地に、幸せな気持ちになります。

ちなみにこの「冷やしクリームパン」は、10年ほど前に古川さんが「夏の暑い日に冷やして美味しく食べられるパンを作ろう」とパン生地の配合や、焼き時間、クリームを注入するタイミング、パッケージ、クリームの種類など試行錯誤をかさねてようやく今の味に辿り着いたといいます。

もうひとつの名物、能登の旨みがぎゅっと詰まった
クロワッサンラスク「のとクロ」

「古川商店」のもうひとつの名物に、「のとクロ」という名のクロワッサンラスクがあります。ラスクの固い触感は、ふんわり柔らかなパンの食感や、バターの味が沁みてくる風味を好む人には敬遠されがちですが、「のとクロ」はひと味違います。

クロワッサンはパンの中でも特にバターを贅沢に使った濃厚なパン。そのジューシーさをそのままラスクに閉じこめたのが「のとクロ」なのです。
▲「のとクロ1号」。珠洲の塩と黒ごまを身にまとった姿は見るからに香ばしい
▲「今日も能登の海を守ります」をスローガンにした元気なパッケージ「のとクロ1号」。6個入りで350円(税別)※2016年5月現在

黒ゴマと珠洲の塩が練り込まれた「のとクロ1号」を頬張ると、幾層にも重なるぱりっとしたラスクの生地の中から絶え間なくバターの風味が舌に染みだし、黒ごまがアクセントになって香ばしい味わいと歯ごたえを残します。味わい豊かな珠洲の塩がジューシーなバターと絡み、一つ食べると手が止まらなくなる美味しさです。
▲くだけたかけらの一つ一つにまでバターの風味がいきわたっています

“のとクロ五戦士”が能登を守る?

のとクロ1号からはじまり5号までいるという“のとクロ五戦士”。季節や日によって揃う戦士がちがう為、いつ足を運んでも新しい発見があります。この日はのとクロ1号と3号を味わうことができました。
▲「今日も能登の山を守ります」をスローガンにした「のとクロ3号」。6個入りで350円(税別)※2016年5月現在

「のとクロ3号」は、なんと原木しいたけの戻し汁が生地に練り込まれています。ナラやクヌギの木が豊富に生い茂る能登の里山では、原木を利用して無農薬で育てる原木しいたけの栽培が盛んなため、色々な料理に多用されています。

「のとクロ3号」を頬張ると、原木しいたけの旨みがぐっと凝縮された風味とほのかな甘さが口の中に広がります。和の味を感じさせ、パンの中では異質な存在かもしれませんが、噛み締めるたびに能登の里山を感じることができます。
▲外でも食べやすい手のひらサイズの「のとクロ」。写真は「のとクロ3号」

なお、「のとクロ2号」は「今日も能登の海をパトロール」がスローガンで、北陸名産の魚メギスの魚醤で味付けし、能登の海の恵みが詰め込まれた品。能登の磯でとれる「あおさ」が練り込まれた「のとクロ4号」は「能登の海よありがとう」がスローガン、「能登の森を守ります」をスローガンにした「のとクロ5号」は梅しそ味です。
▲のとクロ1号~5号が勢ぞろい!

また、「古川商店」の魅力のひとつにそのビジュアル力があります。店内各商品の値札や棚に見る楽しいイラスト、そしてキャッチーなネーミングカードを手がけているのは、奥様の古川真美(ふるかわまみ)さん。
▲イラストから滲み出る明るさとほがらかさそのままのお人柄の古川真美さん

真美さんにパンへの想いを伺ったところ、「能登の里山里海の食材を最高に美味しいパンに仕上げるよう心がけている」と話してくれました。

最後に、学生時代は芸術を専攻していたという真美さんに、「古川商店」のコンセプトをイラストに描いて頂きました。
素敵な砂時計のようなこの絵の真ん中にあるのが「古川商店」で、能登の里山里海のおいしい食材が「古川商店」を通ると、変身して美味しくかわいいパンキャラクターになるといいます。
▲「古川商店」のショップカード。広い空と広い海に囲まれ、豊かな自然を愛していることが伺えます

能登にきたらぜひ、珠洲市まで足を伸ばして「古川商店」へ。店内に入るだけでむくむくと元気が湧いてくるようなかわいいキャラクターがいっぱいのパン屋に、目も食欲も刺激されますよ。
中乃波木

中乃波木

東京に生まれ、幼少期はインドネシア、芦屋と移り住む。13歳の夏に母と二人で能登に移住したことから能登の原風景に魅了される。美大卒業後、広告制作会社amanaに入社。アシスタントを経て独立後2007年に写真集「Noto」を出版(FOIL刊)。2010年より季刊誌「能登」にてフォトエッセイ大波小波を連載中。写真家としての活動を軸にイラストレーター、ライター、ムービーカメラマンとしても活動している。(編集/株式会社くらしさ)

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