ずらっと並ぶ海産物と干物!輪島朝市は地元のおばちゃんたちとの会話も楽しみ

2016.06.12

千年以上の歴史がある、全国の朝市の中でも大規模な朝市「輪島朝市(わじまあさいち)」。地元の女性たちが海の幸や山の幸、雑貨などを並べ、そこへ家族のための食材を買いに来た女性たちが集まり、「アラ、あんたどうしとったげねェ」「なげぇこと寝とったげが、やっと起きとるわいね」と、品定めはそっちのけで話に花が咲きます。買い手も売り手も笑顔になるという朝市を訪ねてみました!

日本三大朝市のひとつと称される「輪島朝市」を歩く

輪島朝市は、飛騨高山朝市・勝浦朝市、あるいは呼子朝市と並んで日本三大朝市のひとつと言われています。
毎日朝8時から正午頃まで河井本町通り(通称・朝市通り)で行われ、地元の人はもちろん観光客も多く訪れます。
▲朝市通りの入口には、露店を持たずリヤカーで売り歩く「振り売り」のおばちゃんの姿も見かけられます

生きのいい魚や貝、海苔、ワカメ、干物、農産物など地元の漁師町の女性たちが朝市に売りに来て生計を立てることから、「輪島のおんなは働きもの」と定評があり、「亭主の一人や二人養えない女は甲斐性なしだ」との言葉があるほど。
売るのも女、買うのも女ばかりの輪島朝市。最近は男性の売り手の姿も見られますが、それでもほとんどの露店は輪島のおばちゃんたちが切り盛りしています。

輪島朝市を歩くと、売り手のおばちゃんたちから「買(こ)うてくだぁー」と呼び込みのかけ声があちこちからかけられ、朝市ならではの人のぬくもりを感じられます。
▲並べられた山の幸など。山から掘ってきたタケノコも、自家製お漬物もおいしそう!

ちなみに輪島朝市では値札はあまり付けられてなく、値段は交渉次第。おしゃべりがはずむと、ちょっぴりオマケを付けてくれるかも?このコミュニケーションを売り手も買い手も楽しんでいます。
▲他の露店では食材以外にも手作りのぞうりや魔除けの唐辛子も並んでいました
▲輪島市朝市組合の組合長・小林さんも乾物の露店を出店しています
▲母娘で営んでいる鮮魚店。鮮魚をその場でさばいて売るのは今ではこちらのみ
▲輪島でとれた大きな鮮魚がたっぷり!

好きな味を見つけて、売り手のあたたかさにも触れて

現在、多く売られているのが海産物の干物。一見同じように見えますが、それぞれの家庭の味があり、常連になると「この店の干物の味がいい」とファンがついているほどだとか。
▲ずらりと並ぶ干物の数々。どれにしようか迷います

その場で焼いて食べられると最高!…ですが、ひとつひとつが案外大きいため、おうちに帰って焼いてゆっくり味わいましょう。干物なら少し日持ちするので、気軽に持ち帰れます。(もちろん、クール便で宅配対応してくれるお店もあります)
▲海産物を販売する遠島さん。笑顔がステキ!
▲「気軽に味見してみて」と干したあかにし貝を味見させてくれました

「やわらかくて噛むほどにおいしいでしょ」と遠島さん。軽くあぶったり、煮付けたり、炊き込みご飯にしたりと食べ方のおすすめも話してくれる親しみやすい人柄に、安心とぬくもりを感じます。

海の幸も山の幸も豊富で、どちらも偏りなく並んでいるのが輪島朝市の特徴。調理して食卓に並べる食材がメインですが、中には食べ歩きできるものも売られています。
▲食べ歩きできる「えがらまんじゅう」(税込150円)

練ったモチ粉でこし餡を包み、くちなしの実で黄色く染めたモチ米をまぶして蒸し上げた饅頭処つかもとの「えがらまんじゅう」。その姿が栗のイガに似ていることから、なまって「えがら」となったそうです。もっちりとやわらかく、モチ米の食感と合わさってペロリと食べられます。
▲こちらも食べ歩きにぴったりの「朝市せんべい」(5枚入り・税込324円~)

栄煎堂の「朝市せんべい」は、バターや油が一切使われていないヘルシーな手焼きのせんべい。ゴマ、松の実、クルミ、ピーナッツなどそれぞれの味がたっぷりと入っています。

輪島朝市は、買い物だけでなくおばちゃんたちとのおしゃべりも大きな魅力。地元ならではの素朴な言葉、話題に触れ、心がほっと和らぐのを感じてみてはいかがでしょうか。

かけ流しの温泉で足の疲れを癒して

輪島朝市で歩き疲れたら、朝市通りから徒歩5分程のところにある足湯施設「湯楽里(ゆらり)」へ。一軒家のような造りで、雨でも気にせずに足湯を利用できます。
▲輪島の足湯「湯楽里」
▲こんこんと湧き出る輪島温泉の湯

中は土足禁止のため、扉を開けたらすぐ素足になって、タオルを片手に座る場所まで行くのがマナー。輪島温泉の源泉を適温に冷ましてかけ流していますが、実際に入ると少し熱いくらい。ですが、すぐに温度に慣れ、次第にうっすらと額が汗ばんできて、体中がぽかぽかに。
▲歩き疲れた足がじんわりと癒されて、ゆったりした気持ちに

泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物泉(高張性弱アルカリ性高温泉)。肌にやさしい湯ざわりで、冷え症や足のむくみ、片頭痛への効能が期待できるそうです。
▲ペットも温泉を楽しめる「ワンダフロ」

湯楽里の入口前にはペット専用の温泉も。はじめは怖々入るペットも、温泉の心地よさに自ら進んで入るようになるほどだとか。
わざわざ訪ねたい輪島朝市。そこには素朴な人情と輪島の味があり、歴史を肌身に感じられます。買い物する楽しみはもちろんですが、ぶらぶらと見学したり、おしゃべりしたりもこの朝市の醍醐味。歩き疲れたら足湯でひと休み。そこで生まれる交流もまた「もう一度輪島に来たい」と思わせてくれるはずです。
SARYO

SARYO

石川県の温泉地として名高い南加賀在住のライター・エディター、時々シナリオライター。北陸の地域情報誌に10年勤めていた経験と、国内も国外も興味津々な好奇心をフル活用し、さまざまな情報をお届けします。歴史、神社仏閣、旅、温泉に強く、利用者と同じ目線を重視するスタイル。

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