「八海山」の酒蔵のこだわりが生んだ「魚沼の里」で雪室と美味を堪能

2016.06.15

関越道を通り、六日町ICを出て車を走らせること10分。新潟県南魚沼市、長森という地域に新潟の地酒を代表する「八海山」の酒蔵である八海醸造株式会社があります。「魚沼の里」は、その八海醸造が運営する「酒」と「食」と「スイーツ」をたっぷりと味わうことのできる施設。都会の喧噪から離れて、ここ「魚沼の里」で、ゆったりと贅沢な休日を過ごしてきました。

魚沼は盆地特有の美しく広がる田園風景と、雄大な魚沼三山をパノラマで仰ぎみることが出来る美しい地域。冬には数メートルの雪が積もる豪雪地帯ですが、豊富な雪解け水、降雪により清浄化された空気、雪により室温が一定に維持されるなど、日本酒造りに最適な環境が揃っています。

この環境を活かし、淡麗辛口の「八海山」を作る八海醸造が運営する総合施設が「魚沼の里」。魚沼の暮らしや雪国の文化を通じて“郷愁とやすらぎ”を感じて欲しいという想いから誕生しました。雪国ならではの雪の冷蔵庫「雪室」をはじめ、そば屋、うどん屋、菓子処 、食堂など、雰囲気の良いお店が敷地内に軒を連ねる、南魚沼の観光スポットです。

雪国の暮らしの文化「雪室」を活かした複合施設

魚沼の里の中でも目玉なのが、この地域ならではの「八海山雪室」です。
▲まるで、美術館のような外観の「八海山雪室」

雪国の文化が根づく魚沼では、昭和30年(1955年)頃まで背丈よりも高く降り積もった雪を利用した「天然の冷蔵庫」に食べ物を保存していました。それが雪室です。ここに保存された食べ物は、低温多湿の中で熟成し、より深い味わいになります。

魚沼の里の「八海山雪室」には、貯蔵庫はもちろんカフェや売店も併設されていて、雪国の文化に触れることができるだけではなく、雪室によって美味しく熟成された食の数々を楽しむことが出来きるのです。いったい、どんな魅力が待っているのでしょう。

まずは魚沼の里イチオシのツアーに参加してみましょう。

雪室貯蔵庫体感ツアーに参加してみよう!

▲雪室の中の気温は3度!長い間はいられません

魚沼の里では、11:00から15:30まで1日に8回「雪室貯蔵庫体感ツアー」(無料)が行われています。1,000tもの雪を貯蔵し、4度以下に保たれた天然冷蔵庫の中を体感しながら、スタッフの方の案内と共に、雪室の中をまわります。食材の保存や熟成に雪を活かしてきた魚沼地域特有の歴史や文化を知ることができるほか、低温長期発酵で水と酒米の旨味を最大限に活かす八海醸造の酒造りへのこだわりを聞くこともできます。

八海山雪室の貯蔵庫は、お酒はもちろん、魚沼の里で販売されている野菜やコーヒー豆などの保存に活用。2013年に仕込んだお酒も3年間熟成させてから販売するとのこと。雪国だからこそ出来る「クリーンなエネルギー」を様々な用途に使っています。
▲無機質だけどカッコいい、雪室内部
▲人と比べると、雪の量がよく分かります

雪室体験ツアーの最後には参加者限定の特別な試飲タイムが待っています。試飲できるのは、右から「大吟醸八海山」「オーク樽貯蔵の米焼酎」「面向未来/めんこうみらい(本格粕取焼酎)」の三種類(300円・税込)。
▲未売品のため、真ん中の焼酎にはまだラベルがありません
▲小さめのワイングラスで、ショットグラス1杯分の量が試飲可能

オーク樽貯蔵の米焼酎は、香り高くスッキリとした味わい。取材時(2016年5月)には未販売でしたが、2016年6月中旬の販売に向けて準備中とのこと。未販売のものが飲めるのもここならでは。

写真左の「面向未来/めんこうみらい」は本格粕取焼酎で、名前の通り「酒粕」を使って仕込まれています。アルコール度数40%と強めですが、とても飲みやすく、華やかな味わいが口いっぱいに広がります。こちらは1本(720ml)10,800円(税込)で販売されています。

購入すると専用棚で最長5年間貯蔵し、指定の年月に届けてくれる(送料別途)「メモリアル焼酎」です。シリアルナンバー入りのラベルにメッセージを添えて大切な人へ贈ることもできます。現在は、900本近く保管されているとのこと。
▲壁一面に保管されたメモリアル焼酎
▲購入者には写真もつけてもらえます

また、雪室施設内には八海醸造株式会社から発売されている日本酒や梅酒、ノンアルコールの甘酒など十数種類の商品が無料で試飲できるカウンターもあります。雪室貯蔵庫体感ツアーの最後に飲んだ「大吟醸八海山」と飲み比べるなら「吟醸八海山」がオススメ。

八海山特有の淡麗辛口のキリリとした風味を楽しむ事ができます。
▲大人な雰囲気の試飲カウンター

まずは八海醸造が仕込んだオススメの日本酒と梅酒を飲み比べしてみましょう。お酒が弱いのに大好きという厄介な私は、さっそく次から次へと試飲をさせてもらいました。
▲お酒の特徴を丁寧に説明してくれるスタッフさん
▲こちらは梅酒。左から梅ペースト入り、焼酎漬け、原酒漬けの3種類

私のお気に入りはいちばん左の梅ペーストが入っている「にごり梅酒」。梅の風味が香り、飲んでみるとトロトロとした食感が伝わってきて、とても美味しい。
▲最近、人気急上昇中の「麹だけでつくったあまさけ」

お酒が飲めない人にもオススメなのが「麹だけでつくったあまさけ」。酒蔵の甘酒で、アルコール度は0%。すっきりとした甘さで飲みやすい!

すっかり良い気分になって試飲を終えました。雪室を通って少し冷えた身体がポカポカしてきます。

雪室で熟成されたスイーツが食べられるカフェ

▲お洒落な空間が広がる「八海山雪室」の館内

この雪室施設は、実は一階にCafeと売店、二階にキッチン雑貨屋が併設されています。

試飲カウンターから売店を抜けると、すぐ横にあるのが「YUKIMURO CAFE」。麹ラテや雪室熟成ケーキ等、ここならではの甘味が食べられます。新潟県内でも数カ所でしか食べられない稀少な「ガンジー牛のミルクを使ったソフトクリーム」が一番人気だとか。
▲YUKIMURO CAFEで人気NO.1「ガンジー牛のミルクソフトクリーム」(380円・税込)

他にも、雪温熟成室で熟成させたドライフルーツがたっぷり生地に練り込まれた「雪室熟成ケーキ」はしっとりしていて贈り物に大人気とのこと。
▲雪室熟成ケーキ(430円・税込)は甘さ控えめでしっとりしています
▲スイーツと相性抜群の麹ラテ/プレーン(360円・税込)

二階は「okatte(オカッテ)」というキッチン雑貨屋さんになっていて、シンプルだけど機能的な商品がおしゃれにディスプレイされています。
▲キッチン雑貨屋「okatte(オカッテ)」

箱庭のような施設内には様々なお店が点在

雪室だけでなく、魚沼の里には、他にも雰囲気の良いお店がたくさんあります。今回は十割そばを出す古民家風の蕎麦屋「そば屋 長森」でランチを頂きました。
▲古民家風の建物の「そば屋 長森」
▲季節の山菜が鮮やかな「ぶっかけ蕎麦」(1,400円・税込)

この日のおススメは山の恵みたっぷりの「ぶっかけ蕎麦」。こごみやウドの山菜が贅沢に使われていて、青々とした香りが食欲をそそります。手打ちの麺はコシが違います。ほろりと苦い山菜と食べると箸が止まりません。

かつお節と昆布だけを使った濃いめのつゆと、サバ、うるめ、椎茸、煮干しなど幾種類もの素材を使った田舎風の薄味のつゆの二種類が選べます。
▲春らしい「山菜と野菜の上天ぷら」(1,000円・税込)

蕎麦といえば、天ぷら。魚沼産のカボチャやアスパラにカリッと揚がった海老が2尾。一口噛むとサクっという小気味良い音の後に、口の中に素材の味が広がります。蕎麦の相方として外せない存在です。

窓際で暖かい日射しを浴びながら食べるのも朗らかで良いですね。
▲窓際の席では季節を感じることが出来る

他にも「うどん屋 武火文火(ぶかぶんか)」「みんなの社員食堂」といった飲食店がありますが、どこに入っても間違いなしだと思います。

展望台をまわって、敷地内を散策しよう

お腹も満たされた所で、美しい自然溢れる敷地内を散策してみましょう。
▲展望台から見た魚沼の里

蕎麦屋から5分ほど歩いていくと、魚沼の里の展望台に到着します。四季折々の魚沼が見渡せる展望台は、春には桜並木、初夏には菜の花畑と色とりどりに姿を変えます。
▲毎年5月に楽しめる菜の花畑

この日は桜のシーズンと菜の花のシーズンの間だったので、花に溢れた魚沼の里は見られませんでしたが、暖かい日の散歩は最高です。

歩いていると、なんだか甘くて香ばしい匂いがしてきました。こちらは酒粕を練り込んだバウムクーヘンや、日本酒や酒粕を使ったスイーツを販売している「菓子処 さとや」。店内には、菜の花畑が一望出来るカフェもあるので、一休みにオススメです。
▲自然に囲まれた「菓子処 さとや」

楽しんだ後は、大切な人への贈り物探し

「つつみや八蔵」は「贈る」ことに特化したお土産屋さんです。「人生儀礼にお酒はつきものですから」と話す店員さん。酒の楽しみ方は「飲むこと」だけじゃないんです!

店内には、数々のお土産品とラッピング用の折形の包みが並んでいます。この商品開発力も八海醸造が持つ魅力の一つなんですね。
可愛いデザインの「八海山金銀ひょうたんボトル(1本180ml)」は、金色の純米吟醸(616円・税込)と銀色の吟醸(540円・税込)の二種類があって、ちょっとした贈り物にもオススメとのこと。
▲飲み切り一合サイズだから自分用に買っても良いですね
▲贈り物に必要な折形の包みや雑貨も揃っています

家族でも、一人で行っても楽しめる魚沼の行楽地

八海醸造が目指す酒造りは、「全ての酒を特選大吟醸に近づける」という言葉に集約されるのだそう。

これは、お客様のことを考えてより良いものを世の中に出したいという信念そのもの。魚沼の里で目にするもの、手にするもの、口にするもの、感じるもの。全てに八海醸造の信念を感じました。

休日に家族で行くドライブの目的地に、こっそり1人で贅沢な休日を過ごす秘密の場所に。丸一日使っても惜しくない、魚沼の観光スポット。広々とした気持ちの良い田園風景を堪能しに来るだけでも良いかと思います。
八海醸造の魂がこもった「酒」と「食」と「スイーツ」、そして魚沼の大自然を味わってみてはいかがでしょうか。
大塚 眞

大塚 眞

新潟県十日町市在住。地域を遊び伝えるジャーナリスト「さと記者」として、十日町や魚沼地域周辺の魅力を発信。十日町に特化したWebメディア「Co-Lab Media とおかまち」でも活動中。大学在学中に仲間と設立した地域PR会社「toiz」にて地域資源を活用した新規事業の立ち上げを行いながら、「人と地方の繋がり方」を考えている。着物が好き。 編集:唐澤 頼充

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