やみつきになる味!食の宝庫ミャンマーの「シャン料理」/東京で楽しむ世界の料理Vol.11

2016.06.18

フランスで最も権威ある美食ガイドにて、世界一のグルメ都市として評価されている東京。世界各国津々浦々、あらゆるジャンルの料理が集まっています。それも、現地の味わいを完全に再現していたり、もはや本場よりもクオリティが高かったり。海を越えて異郷の地へ出向かずとも、ここ東京は素晴らしい美食との出会いであふれているのです!

「アジアの秘境」と呼ばれ、美しい自然やきらびやかな仏教寺院群が注目を集めている国ミャンマー。タイの西隣に位置し、中国やインド、ラオスなど多くの国とも接しています。日本の約2倍という大きさで南北に長いこの国は、135もの部族が暮らす多民族国家でもあるのです。

ミャンマーの料理は、スパイスを抑えた油分多めのものが主流。これはこれでもちろん美味しいのですが、なかでも日本人の舌にあっていると評判なのが、シャン族が生み出した「シャン料理」です。シャン族とは、ミャンマーの少数民族のなかではビルマ族に次ぐ人口を誇る、北東部の山岳地帯に住んでいる人々です。彼らの料理はスパイスが控えめで油分が少なく、発酵食品が豊富だそう。こう聞くだけでも、確かに和食と通じるものを感じさせます。

そんな日本でも数少ないシャン料理を味わえるのが、高田馬場にある「ノングインレイ」というお店。いったいどんな料理と出会えるのか、期待が高まります!

ドアを開けるとそこはもうミャンマー!?

「学生の街」や「ラーメン激戦区」としても有名な東京・高田馬場。この人通りの絶えない賑やかな街は、別名「リトルヤンゴン」とも呼ばれ、知る人ぞ知る日本最大のミャンマータウンでもあるのです。JR高田馬場駅周辺には、たくさんのミャンマー料理店があり、1,000人以上のミャンマー人が住んでいます。高田馬場がミャンマータウンとなった背景には、交通の便のよさ、かつて近隣にミャンマーの仏教寺院があったこと、日本での生活支援を行うNPO法人があることなどが挙げられます。

お店があるのは駅前にある雑居ビルの奥。建物は、ちょっと怪しい感じがしないでもないですが、このディープな感じもまた面白い!?

ドアを開けると、耳に入ってきたのは、賑やかで楽しそうなミャンマー語の会話。こちらには、毎日多くのミャンマー人のお客さんが集まっているようです。店の熱気が漂ってくる香辛料の香りとあいまって、まるで東南アジアの街の一角にある食堂にでも来ているかのような気分になります。
▲店名の「ノングインレイ」とは、シャン族が暮らすエリアにある「インレー湖」を指す言葉。店内にはこの湖を描いた絵がいくつも飾られている

出迎えてくれたのは、お店の切り盛りをするマーさん。長く日本に住んでおり日本語がとてもお上手です。
▲明るく親しみやすいマーさん
お店の入り口には、シャン族の伝統的な祭りで使われる太鼓が飾ってありました。こちらは装飾用の小さいものですが、実物は人の背丈ほどの大きさなのだそう。

ヘルシーで、どこか懐かしい味わいのシャン料理に舌鼓!

それではさっそくシャン料理をいただきます。まずは、「シャン豆腐の和え物」(700円・税別)から。
短冊状に切られた豆腐はなめらかな食感ながら、しっかりとした豆の味が感じられます。一緒に添えられた唐辛子やニンニク、パクチーといった薬味とも相性抜群!すぐに完食してしまいました。

こちらはひよこ豆から手作りしている豆腐で、日本で食べる大豆のものと違い、豆の濃厚な味が特徴的です。ちなみにミャンマー語で豆腐は「トーフトウ」。日本語とも似ていてちょっと親近感がわきますね。この他にも豆腐メニューは充実しており、外はカリッと中はとろ~りとした食感の楽しめる「トーフジョウ(揚げ豆腐)」(600円・税別)や、豆腐スープに米の麺が入った珍しいメニュー「豆腐カウスェ」(800円・税別)などもおすすめです。

そのままでも十分に美味しいのですが、味に変化が欲しい場合は、テーブルの上に備え付けられた薬味を足しましょう。
▲手前から時計回りに、唐辛子入りラー油、唐辛子の酢漬け、ナンプラー、唐辛子パウダー

次にいただいたのが、「お肉とお米の皮なしソーセージ」(800円・税別)。お肉とお米を発酵させた料理で、ほんのり効いた酸味がクセになります。食べ方は、そのまま食べてもよし、添えられているキャベツと一緒に食べてもよし。また薬味を足してもひと味違ってとても美味しいです!
▲奥にあるのは、「アジアで最も美味しいビール」と名高い「ミャンマービール」(600円・税別)。あっさりとして飲みやすく、スパイスの効いた料理ともよく合う

続いていただいたのは「ミシェ」(800円・税別)といわれる麺料理。丸麺の上に味噌やナッツなどをのせており、スープはピリ辛の鶏ガラスープです。
▲「ミシェ」と付け合わせの自家製高菜。ミシェはスープありとスープ無しから選ぶことができ、スープの辛さは調節してもらえる
このままでもさっぱりして美味しいですが、味噌と一緒に食べると辛さの中にコクが生まれ深みのある味わいになります。
さきほどの「シャン豆腐」や「お肉とお米の皮なしソーセージ」もそうですが、シャン料理の発酵食品は種類豊富です。その背景としては、彼らが山岳地帯に住んでいたため、食料を保存するための発酵技術が発達したこと、そして“発酵文化の発祥地”といわれる中国雲南省と接していることなどが挙げられます。「もしかすると、日本の発酵文化とも親戚のようなものなのかも…」、などと考えるとなんだか感慨深いですよね。

栄養豊富で吸収しやすい発酵食品は、体の免疫力を高めてくれることでも有名。また、油っこくなく、素材の味をいかしつつスパイスでアクセントを加えた味付けも日本人の舌にあっているため箸が進みます。

お腹もいっぱいになったところで、「シャン酒」(500円・税別)をいただきます。こちらは10種類以上のハーブを漬けてねかせたもので、体を芯からあたためてくれるお酒なのだとか。薬草のいい香りがします。アルコール度数は高めなので、飲み過ぎにはご注意を。
今回はシャン料理を中心にご紹介しましたが、もちろん「ノングインレイ」には様々なミャンマー料理のメニューもあります。人気の高い魚のスープ麺「モヒンガー」(800円・税別)や「短頭鯰(なまず)のカレー」(800円・税別)などとシャン料理を食べ比べて見るのも楽しそうですね!スイーツも「シュガープラタ」(250円・税別)といわれるもっちりとしたクレープや、ミルクティーとあわせて食べたい「イチャクウェ(揚げパン)」(600円・税別)など盛りだくさん。

そしてこちらのお店では、コオロギや竹虫といった昆虫のお料理も食べることができるんです。こちら目当てに訪れるお客さんも結構多いのだそうです。内容は時期によって変わるので、お店の人に聞いてみましょう。興味のある人は、ちょっと冒険してみてはいかが?
立岡美佐子

立岡美佐子

編集プロダクション・エフェクト所属の編集者&ライター。好きなものは、旅行とごはん。おいしいものやステキな景色のためならば、日本といわず世界各国どこへでも! 住まい、旅、食、街などジャンルを問わず執筆中です。 編集:山葉のぶゆき(エフェクト)

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

こちらもおすすめ

もっと見る
PAGE TOP