石垣島で石垣焼の器作り体験/クリエイター女子が行く!Vol.22

2016.06.20

こんにちは。フリーでイラストレーターをしています五島です。「ものづくりに興味はあるけどどこで体験できるのか分からない、なかなか行動に移せない……」この企画は、そんな悩めるあなたのために、クリエイター女子を代表してわたくしが全国各地で「ものづくり」を体験しまくります。そして、ものづくり体験の思い出を描き下ろしのイラスト付きでお送りします!前回は沖縄で黒糖を作りましたが、はたして今回は……?

どうも、こんにちは!

前回、前々回と沖縄からものづくり体験レポートをお届けしましたが、なんと今回も沖縄です。まさかの3回連続。
しかも今回は沖縄本島を離れ、さらに南に位置する“石垣島“からお送りしちゃいます。

沖縄本島ですら修学旅行以来はじめて訪れた私にとって、離島なんて未知の世界。
もちろん初上陸なので、本当にそんな島存在するの?と少し疑っていましたが……。
▲存在した

石垣島、めちゃくちゃいいところですね。存在していました。
でもあまりにも静かで広い海を見つめていると、夢を見ているかのような気分になります。
ああ、私はなんてちっぽけなんだろう……。

はっ!いかんいかん。
私の役目はものづくりの楽しさをしっかりレポートすることじゃないか。

ということで今回は、ここ石垣島でしか体験できない“石垣焼“のお皿作りに挑戦します。
石垣焼は、ミネラルを多く含んだ沖縄で採れる鉱石と透明なガラスを使用して、美しい沖縄の海を表現する珍しい焼物なんですって。

美しい沖縄の海……ということは、青色の器を作ることができるのでしょうか。
わくわくしながら、レッツゴー!

吸い込まれるほど深い青

▲やってきました

カメラにおさまりきらないほど立派な建物のこちらは、「石垣焼窯元」さん。
ここには体験工房の他にショップも併設されているので、石垣焼の商品を購入することも可能です。

さっそく、お邪魔してみましょう!
▲ずらりと並ぶたくさんの作品
▲こちらは、2005年開催の「愛・地球博」でも展示された三尺大皿

うわあ、なんて綺麗なんだろう……!

淡いのに深い青色は、まさに沖縄の海のよう。
ガラスでこんなグラデーションが表現できるんだ。
見つめていると吸い込まれてしまいそうな美しさに、ただただ圧倒されます。

なんだかスゴイところに来てしまったような気がする、わくわく。
▲まずは、本日の先生にご挨拶。ワン

……すみません、小ボケです。素敵なおうちに住んでいますね。
▲こちらが本日お世話になる、金子先生です

あのですね。
写真では隠れてしまいましたが、金子先生、とっっっってもお綺麗なのです。
焼物の先生ということで、勝手に渋いオジさんを想像していたので驚きも2倍!
こんなに美しい先生にご指導いただくなんて、同性の私でも一周まわって緊張してきました。

先生「ようこそいらっしゃいました。よろしくお願いいたします。今日は1kgの粘土から、お好きな形の作品を作っていただきます。1kg使って大きな器をお作りになられても構いませんし、いくつかに分けてお皿や小物入れを作る方もいらっしゃいます」
▲こんな感じで焼き上がるんです

石垣焼の最大の特徴はなんと言っても、美しく深い色合いのガラスと陶器のコラボレーション。

先生「実は本来、ガラスと陶器の融合はとても難しいことだと言われていました。土とガラス収縮率が違いますから。今でも焼いた時に割れて、失敗することもあるんですよ。その代わり完成品はとても美しく、ひとつとして同じ作品は存在しないんです。さあ、それでは体験をはじめましょうか」

ひ、ひえ~。プロでも失敗してしまうことがあるなんて、驚き!
しかし、計算できない美しさ……なんだかロマンチックですね。
割れずに上手にできるといいな。

先生の手は魔法の手

▲まずは先生のお手本から。右前にあるのはろくろ

実は私の母、陶芸の講師をしているんですよ。
なので粘土やろくろは昔から割と身近にあって、母の作業風景もよく眺めていました。
でも実際粘土を触る機会はあんまりなかったんだよなあ、不安になってきた!

先生「あら、じゃあ大丈夫よ。そんなに難しいことじゃないですから。まず、お手本にスタンダードな楕円のお皿を作ってみますね。粘土の空気を抜くようによく叩いて、手で形を作りながらろくろと麺棒を使って少しずつ伸ばしていきます」
▲ろくろと麺棒を使って均等に薄くなった粘土

先生の細い腕のどこにそんな力があるんだろう、というくらい粘土が自由自在に形を変えていきます。
薄く伸ばした粘土のフチを手で立ち上げていけば、あっという間にお皿の形に変身。
▲ものの10分で完成

先生「形を整えたら、型抜きなどの道具を使って自由に模様付けをしてください。うーん、オススメなのはいつよ(五つ四)マークですかね。いつよマークとは五つと四つの星が隣り合って並んでいるもので、“いつ(五つ)の世(四)までも末永く“という意味が込められているんです」

なんと、またしてもロマンチック!

ちなみに、この五つと四つの点を並べるマークは、沖縄伝統の織物であるミンサーに用いられていて、ミンサー柄とも呼ばれ深く親しまれているそうです。
▲こちらがいつよマーク。確かに五つと四つです

私もちょうど楕円のお皿が欲しかったので、2枚のお皿作りにチャレンジしたいと思います。
▲パンパンと叩きまくる

形といい動きといい、ハンバーグを作っているみたい。
違うのはズッシリ重い粘土だということ。
あんまりモタモタしていると粘土が乾いてしまうので、最初の形作りが肝心です。
▲ある程度の大きさに広げたら、ろくろの出番

先生「ろくろを上手く使って回しながら、均等に粘土が広がるよう心がけてください。板にくっつかないように、ひっくり返しながらね」

この回しながら伸ばす作業が、なかなか難しい。
左手で板を回しながら右手で粘土を伸ばすはずが、ついつい回すのを忘れ右手にだけ力が入ってしまいます。
▲ちょっとパニック

ゆっくり続けているとコツが掴めてきて、ろくろは上手に使えば非常に便利な道具なんだと気がつきました。
土を叩く手の動きを一定にしてろくろを回せば、自然と均等に粘土が広がります。
使いこなせたら格好いいよ。欲しくなってきた、自分専用マイろくろ。
▲お皿っぽくなってきた、かも?

お次は麺棒を使って、7mmの厚さまで粘土を伸ばしていきます。
さっきはハンバーグと言ったけど、今度はクッキーを作っているみたい。
これは小さいお子さんが夢中になりそうな作業だなあ。

先生「確かに、小学生くらいのお子様もよくいらっしゃいますね。スタンダードなものだけでなく、ハートやウミガメなどの型紙も用意しているので、お子様は楽しそうに作品を作って帰られますよ」
▲7mmに伸ばせたら、へりを指で立ち上げます

いやあ~、子供の頃ずっと近くで母の作業風景を見ていたはずなのに、実際に手を動かすとなかなかうまくできないものですね。
粘土は指で強く押すとボコボコした表面になってしまうので、優しく触ることを心がけます。
先生に手伝っていただきながら、なんとかお皿らしい形ができあがりました。

海の近くで贅沢体験

▲模様付けスタート、もちろんあのマークを使います

先生から教わった“いつよマーク“の意味に感動したので、ぐるっと囲むようにいつよマークで模様を付けようと思います。
スタンプみたいにペタペタ……おお、粘土の感触が気持ちいい!

先生「そうやって模様が付いてへこんだ部分には、ガラスが多く流れ込んで濃い色が出るんですよ。石垣焼の魅力は、なんと言っても焼き上がるまでどんな色が出るか分からないこと。楽しみにしていてくださいね」

そっか、自分で調節できないんですもんね。
ますます届くのが待ち遠しい~~!
▲完成間近です

なんにも考えないで楽しんでいたけれど、マークでぐるっと囲むということは、つなぎ目がピッタリ合わないといけないんじゃないか!?
と、だいぶ終盤で気がつきました。やばい。

先生「大丈夫、手作りってそういうものですから。少しゆがんでいたりするほうが、私は味があって良いなあ、と思いますよ」

せ、せんせい~!
そうだそうだ、私が楽しんで心を込めて作ったことが、何より大切なんだ。
▲夢中になって仕上げます
▲先生はその間、灰皿の作り方も見せてくださいました

真剣に手元ばかり見つめていて忘れてたけど、ここは石垣島。
工房の目の前には、真っ青な海が広がっています。

海の近くで、海を想いながら、海のように鮮やかなお皿を作る。
こんなに贅沢な体験、もう一生できないかもしれない。
そう思うと、より一層お皿への愛情が強まります。

さあ、いよいよ完成だぞう!
▲じゃじゃ~~ん!

自画自賛させてください、めっちゃお気に入りのお皿ができました。
これに鮮やかなガラスの色がのったら、どうなるんだろう。
ああ、焼き上がりが楽しみすぎる!
▲もう一枚のお皿は、少しデザインを変えてみました

先生「お疲れさまでした。とても素敵なお皿ができましたね。ここからどんな色が出るか、焼き上がりを想像しながら楽しみに待っていてくださいね。石垣焼はもちろん、この石垣島もすごく魅力的な場所なので、ぜひまた遊びにいらしてください」

直視できないほど美しい金子先生に、終始ドキドキしっぱなしでした。
本日はありがとうございました!
▲記念の一枚、私は完全に照れています

特別な日に、使いたい

さあさあみなさんお待ちかね、手作りのお皿が届きましたよ~!
▲開封します!ドキドキ
▲どどーん

いや、稚拙な表現で申し訳ないんですけど、ビックリですよ。ビックリ。
神々しいほどの輝き。
完成まで誰も知ることができない、絶妙な色合いとグラデーション。
焼く前の粘土の状態から、こんな仕上がりが想像できたでしょうか?
なんかもう泣きそうだよ。
▲見れば見るほどうつくしい

実は、青い食器って今まで持っていなかったんですよ。
料理に合わせるのが難しいと思っていて。
でも石垣焼の深い海のような色合いは、食材の鮮やかさをより引き立ててくれるはず。

私のつたない料理も、このお皿があれば無敵じゃーーー!
とっておきの日に使いたいと思います。

だからだれか、食べにきて……。
(せつないおわり)

(きょうのいちまい)

五島夕夏

五島夕夏

桑沢デザイン研究所卒業。学生時代ロシアの絵本に大きく影響を受け、絵本画家を志す。現在はサロンのレセプションをしながら、イラストレーターとして活動中。

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