新鮮鶏肉を直火で焼き上げる渾身の「骨付鶏」。カリッ、ジュワッ!肉汁滴り落ちる食感に唸る!

2016.06.21

香川県丸亀市発祥の「骨付鶏」。低価格で家計に優しい鶏肉を用い、家庭料理として愛されるこの料理は、今や香川を代表するソウルフードとなっています。その発祥の地で地元民が太鼓判を押す「ふじむら精肉店」が運営する「焼肉レストふじむら」の骨付鶏は、多いときに1日300~400皿も出る人気ぶりだとか!その人気の秘密を紹介します。

香川県丸亀市のソウルフード「骨付鶏」とは?

香川県丸亀市で半世紀前に発祥して以来、地元の人々に愛され続けている骨付鶏。今や「讃岐うどん」に次ぐ香川を代表するご当地グルメとして定着しています。
▲丸亀市で半世紀以上に渡って愛されている骨付鶏

骨付鶏の始まりは第二次世界大戦後。西洋文化が急激に入り込んで来た時代のことです。丸亀市のある小さな飲食店の店主が、ハリウッド映画で大きい骨つきのフライドチキンにかぶりつく女優を見て、その豪快さに驚き、まるで豊かさの象徴のように感じたといいます。あんな贅沢な食べ物をお店でも出したい!その熱い思いから、骨付鶏は産声を上げました。

骨付鶏の魅力は、何と言ってもボリューミーな鶏肉に豪快にかぶりついたときにジュワッと溢れてくる肉汁。さらにパリッと香ばしく焼き上げた鶏皮や、ピリッとしたスパイスがそれぞれアクセントとなり、一度頬張れば心を鷲掴みにされるような味わいを形成しています。

鮮度と技が人気を呼ぶ「焼肉レストふじむら」を訪問

骨付鶏を取り扱う店舗は丸亀市が把握している範囲で現在約50店舗。その中でも骨付鶏に詳しい地元の人がお勧めする「焼肉レストふじむら」を訪れました。1969(昭和44)年に精肉店として創業した「ふじむら精肉店」のレストランです。
▲ふじむら精肉店が1986(昭和61)年に開店した、焼肉や骨付鶏を提供する「焼肉レストふじむら」

JR丸亀駅からタクシーで10分ほど走り、「焼肉レストふじむら」に到着。入ってまず驚いたのは、スタイリッシュな店内。落ち着きがあり、オープンキッチンになっていて、シックなカウンター席には多種多様なワインやウイスキーがずらりと並びます。骨付鶏を提供するお店は大衆の居酒屋を思わせる店構えが多いなか、ここは女性でも入りやすい空間です。
▲1Fは足が悪い人でも安心の椅子席と、デートにもぴったりなカウンター席を設けている
▲2Fは小さなお子様連れでも楽しめるよう、お座敷になっている

地元の人はもちろんのこと、海を隔てた岡山県からわざわざ「焼肉レストふじむら」の骨付鶏を食べに頻繁に通う人も多いそう。

骨付鶏は2種。ふっくらジューシーな「わか」と、身が引き締まって味わい深い「おや」を味比べ!

いよいよ骨付鶏をいただきます!まずはお肉の種類を「わか」か「おや」から選びます。この「わか」とは若鶏のことで、「おや」が親鶏のこと。

ふっくらとした「わか」は子どもやご年配、女性が好み、ギュッと筋肉が引き締まった「おや」は男性がビールを片手におつまみとして楽しんだり、「通」が好んだりする傾向があるそう。うーん。どちらも美味しそう!結局今回は両方を注文しました(笑)
▲左が通称「わか」、右が通称「おや」(いずれも税別700円)

まずは「わか」からいただきます!骨がついた大きな肉にかぶりつくって、それだけでテンションが上がるなぁ。さぁ、豪快にガブリッ!!
▲皮はパリッ!肉はふっくらジューシー。肉厚で食べ応えがある

おぉ、「皮」がパリッと香ばしい!次の瞬間、ジュワッと肉汁が溢れ出てきます。味付けの塩とこしょう、ニンニクの加減も絶妙。「こんなにうまい骨付鶏は初めて!」と目を丸くしました。

かぶりついたときのボリュームもたまらなく、食べ応えがあるなぁ。かぶりつくのが王道だけれど、抵抗がある人は箸でほぐしてお召し上がりくださいとのこと。

続いて「おや」をいただきます。筋肉が引き締まっていて噛み切りづらいので、食べやすいように店員さんが万能バサミで切れ目を入れてくれました。こちらも豪快にガブリッ!!
▲「おや」は強い弾力と、味わい深さを楽しむことができる。“通はおや”というのが地元では通説

おぉー、すごい弾力。噛みごたえがあります。ワイルドに噛みちぎり、口のなかでじっくりと味わいます。

旨みが濃縮され、噛めばかむほど旨みが出てきて、いつまでも噛んでいたくなる味わい深さがあります。とにかく肉の味を楽しみたい人やビールを飲む人のおつまみにうってつけ。噛み切るのに抵抗がある場合は、万能バサミで一口サイズに切ってもらって食べましょう。
▲「おや」は食べやすいように万能バサミで切れ目を入れてくれる。リクエストをすれば、骨から外して一口サイズにも切り分けてくれる

そして、骨付鶏にはどのお店でも必ず添えられているキャベツもポイントです。お肉を食べている間に時々キャベツを手に取り、お皿の上の鷄の脂をつけて食べると、口の中がさっぱり。ちなみに「焼肉レストふじむら」で出す骨付鶏は、350g以上のもののみ。このボリュームでもキャベツのおかげで骨をしゃぶるまで美味しく楽しめます。
▲骨付鶏を食べながら、合間にキャベツを鷄の脂をつけて食べるのが「通」の食べ方

「焼肉レストふじむら」の骨付鶏が絶品な秘密

「焼肉レストふじむら」の骨付鶏の人気の秘密は2つ。1つ目はその調理法にあります。オーブンを使わずに、1本1本の鶏肉の形や質に合わせて15分~20分かけて、フライパンでカリッ!ジュワッ!となるベストな状態まで焼き上げる高い技。
▲フライパンを使って15~20分間つきっきりで焼き上げる

「皮はパリッと、肉は全体に火が通った瞬間を見極めて皿にあげます。この技が身につくまで15年以上かかりました。生のままではダメですし、火を通しすぎるとジューシー感が減ってしまいます。中がどのような状態になっているか、外からは見えないですからね。今ではどれくらい肉の中がピンク色になっているのか想像できるようになりました」

そう話すのは店長兼料理長の徳永佳代さん。「ふじむら精肉店」の2代目でもあります。
▲1本1本丁寧に仕上げる焼き加減に職人技が光る

そしてもう1つの秘密が、朝に捌いた鶏肉をその日に使うという鮮度の良さ。これは精肉店だからこそできることです。

「元々母の実家が鶏肉の卸をし、父と母が結婚して『ふじむら精肉店』を始めました。そのことから母も子供の頃から肉質の目利きには慣れていて、『鶏は足が早いので、鮮度が大切!』と言っていたものです。捌きたてを使うことで香り良く仕上がり、ふくよかな肉質やジューシーさを楽しむことができます。肉質が良いので、味付けは塩・コショウ・にんにくのみ。シンプルな味付けだからこそ、最後まで食べ飽きることがないし、なんども食べたくなりますよ」

味付けは徳永さんのお母さんが作っていた骨付鶏の味だそう。
「骨付鶏は特別な物でもなんでもない家庭料理です。コロッケくらい定番。私の家の食卓でもよく出ていましたよ。鶏肉は家計に優しいですしね」と話します。
▲お肉の仕入れとカットは全て徳永さんが行う

徳永さんは高校在学中から「ふじむら精肉店」の創業者である両親の元で修業し、5年前に「焼肉レストふじむら」を引き継ぎました。

「お肉の仕入れもカットも全て私1人でやっています。父が肉を捌く姿も幼少期から興味を持って見ていましたので、良い肉を見分けることも、肉を捌くことも昔から身についています」

鮮度抜群の朝挽き鶏肉を使い、サイズも食べ応えのある350g以上。皮はカリッ!肉はジュワッ!と絶妙に焼き上げた骨付鶏の美味しさは、「焼肉レストふじむら」に行かなければ味わえません。香川県を訪れたなら、ぜひ「焼肉レストふじむら」へ足を運んでみてください!
黒島慶子

黒島慶子

醤油とオリーブオイルのソムリエ&Webとグラフィックのデザイナー。小豆島の醤油のまちに生まれ、蔵人たちと共に育つ。20歳のときに体温が伝わる醤油を造る職人に惚れ込み、小豆島を拠点に全国の蔵人を訪ね続けては、さまざまな人やコトを結びつけ続けている。 (編集/株式会社くらしさ)

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