奈良でそうめん延ばし体験/クリエイター女子が行く!vol.23

2016.07.29 更新

こんにちは。フリーでイラストレーターをしています五島です。「ものづくりに興味はあるけどどこで体験できるのか分からない、なかなか行動に移せない……」この企画は、そんな悩めるあなたのために、クリエイター女子を代表してわたくしが全国各地で「ものづくり」を体験しまくります。そして、ものづくり体験の思い出を描き下ろしのイラスト付きでお送りします!前回は石垣島で石垣焼の器作りを体験しました。さてさて今回は……?

どうも。最近、食べても食べてもお腹が空く五島です。
春夏秋冬四季折々、年がら年じゅう食欲旺盛です。
お腹を空かしてから食べる焼き肉、採れたての野菜、お風呂上がりのアイスクリーム。
食べもののことって考えているだけで幸せですよね。

さて、今回はそんな私のような食いしん坊さん必見!の、食べものづくり体験をリポートしたいと思います。
何を作るかというと……夏にツルッと食べたくなる、そうめんです。
うひょーそうめん大好き!嬉しい。

どんなところで体験するのかな~、さっそくレッツゴー!

手間ひまかけた、細さです

▲なんて素敵な場所なんでしょう

ということでやってきたのは、奈良県の三輪地方と呼ばれる桜井市にある「三輪そうめん山本」さん。
創業290余年を誇る、日本で一番古いそうめんの老舗なんですって。
三輪地方はそうめん発祥の地と言われていて、ここ三輪で生産されたものだけを「三輪そうめん」として販売できるそうです。

……いやいや約300年前って、リアルお侍さんの時代ですよ?なんてこった!
そもそも、そんなに昔からそうめんは食されていたのですね。

どうりで建物もとっても立派なわけだ。
たくさんの緑に囲まれた広~い敷地は、まるで高級旅館のよう。綺麗だなあ。
▲ド快晴です

改めまして本日は、三輪そうめんの延ばし体験をいたします。
いわゆる「手延べそうめん」ってやつですね。聞いたことある!
なんだか楽しくて美味しい時間になりそう。

でもよく考えたら、手延べそうめんってどうやって作られているのか知らないぞ。
同じ麺類だし、お蕎麦作りと似ているのかな?

まあまあ、とにかくいっちょやってみっか~!
▲体験は本館となりにある「麺ゆう館」で行います
▲まずは、三輪そうめんについて学びましょう。ふむふむ

ビデオを観てびっくり。
私、手延べそうめんって伸ばした生地を包丁で細く切って茹でているものだとばかり思っていました。
違うんですよ、それが!
「手延べそうめん」の名前の通り、大きな生地のかたまりから糸のように少しずつよりをかけ、手で引き延ばして乾燥させるんです。

そうめん発祥の地で作られた手延べそうめん……これぞ、最高級そうめんですね!
▲体験前に、本格的なはっぴを着用
▲本日ご指導いただく吉本先生にご挨拶

先生、はじめまして。よろしくお願いいたします。

先生「こんにちは、三輪へようこそ!本日は、昔ながらの製法であるそうめんの“手延べ”を体験していただきます。そうめんと一言で言っても奥が深くてですね、原材料や麺の細さ、手延べと機械の差や熟成年数など、様々な要素により価格も品質も千差万別。中でもやはり人の手で延べたそうめんというのは格段に細く、コシや風味もしっかりとしているんですよ」

なるほど、手延べそうめんの中にもさらに種類があるんですね。

先生「そうですね、そうめんは細い物ほど高級品とされています。見本がありますので、ぜひご覧になってください」
▲徐々に細くなるそうめんの模型
▲左から、「土蔵囲い」「白龍」「白髪」。こちらは模型ではなく本物です

うおおお、ほんとに極細だあああ!
一番細い「白髪」という商品は、本当に毛のように細いんです。
その細さ、なんと約0.3mm!
まるでシャーペンの芯を並べているみたい。
私が知っているそうめんとは全く違う……。

先生「はい、やはり機械ではここまで細く作れませんからね。一般的なそうめんを見慣れている方は、みなさん手延べそうめんの細さに驚かれますよ。さて、それでは体験をはじめましょうか」

笑っちゃうほど延びるんです

▲2本の棒に八の字状にかけられた、まだ太いそうめん

わあ、これがそうめんができあがる一歩手前の状態なんですね。
見るからにモチモチっとしていてこのままでも美味しそう。

先生「今日は、この棒にかけられたそうめんを手延べする、そうめん作りの仕上げの工程を体験してもらいますよ。柔らかそうに見えてなかなか力が必要です。試しに少し延ばしてみましょうか」
▲せーの、みょ~~~~~~ん

か、かたーい!
バネのように押し返してくる不思議な感覚です。
原料は小麦粉なんだしフニャっとしているだろう、と思っていたら大間違い。
一本一本の麺の弾力が、触らずとも伝わってきます。
そうめん=柔らかい、というイメージを覆されました。
先生「そうでしょう。手間ひまかけて作られた手延べそうめんは、細いのにしっかりとした歯ごたえがあるんですよ。ではここからが本番です!まずは手本をお見せしますね」

そうめんへの愛をニコニコ語る先生、素敵だなあ。
▲手延べをする際は、専用の機(はた)を使います

何やら、麺を横に延ばしたり穴に棒を入れたりする先生。

その素早い動きに全くついていけません……。
しかも、力を入れていないように見えるけど、かなりコツが必要な気がする。
どうしよう、わけがわからない!

先生「ある程度の長さまで引き延ばしたら、専用の大きなお箸を使います。八の字に編まれた麺と麺の間にお箸を入れて、くっついてしまった麺同士を引き離していくんですよ」
▲お箸の登場

いつの間にか新しい道具がでてきているし!
どうしよう手順を覚えられるかな、かなり不安になってきた。

でも、細く細く引き延ばされていく麺は絹糸のように美しく、食べ物だということを忘れそうになります。
なんだか神聖なもののようにすら見えてくる。
▲あっという間に、細長~いそうめんに

先生「難しそうに見えますが、小学生のお子様も上手にやられるので安心してください。さあ、ぜひ楽しみながら延ばしてくださいね」

いよいよ私の番ですね。ドキドキ、がんばります!

ビヨヨヨ~ンに大感動

▲最初の太さ、覚えていてください
▲みょ~~~~~んと延びます

先生「まずは、麺をゆっくり真横に延ばしましょう。木に空いた穴に番号がふってあるので、同じ番号を使って上から順番に棒を挿して、また延ばして……を繰り返します。切れないように気をつけてくださいね」

さっき一度体感したとはいえ、やっぱり想像しているそうめんの柔らかさとは違う!
あんまり力を入れすぎると切れてしまいそうなので、慎重に。
真っ白なそうめんがスーッと延びていく様は生き物のようにも見えて、愛おしさすら覚えます。
がんばれそうめん、がんばれそうめん、切れないでね~。
▲横に延ばした後は、縦に伸ばす工程へ

横と縦に延ばしたところで、あの、大きなお箸の出番です。
くっついた麺をほぐすこの作業、感触が超気持ちいい!
ビヨヨヨ~ン、とアホっぽい効果音をつけたくなります。
麺を引き離したところを記念写真として撮られる方も多いそうです。
▲そうめんがフレームのよう

これ恋人同士で写真撮り合ったりしたら超楽しいんだろうな。
「ほら、笑って?そうめんも君も輝いているよ!」みたいな。
若干の妄想を膨らませていたら、いつの間にか長くそうめんらしい麺ができてきました。
▲最後は上から足元まで延ばします

再びお箸を使って麺をほぐせば、サラサラだけどたくましい、手作り手延べそうめんの完成です!
▲どえりゃ~綺麗

先生「切れずに上手くできましたね。この手延べのなんともいえない快感にハマって、何度もお越しになるお客様もいらっしゃるんですよ。今日お作りいただいたそうめんは、私が打ち粉をした後、袋詰めしてお持ち帰りいただけます。生のそうめんを食べる機会はなかなか無いと思います、とっても美味しいですからお楽しみに!」

そうか、通常はここから乾燥させるんですもんね。
自分で作った生そうめんだなんて、贅沢すぎる。
▲早く食べたいよう

先生「本日はありがとうございました。本物のそうめんの素晴らしさをこれからもたくさんの方に知っていただけるよう、私達もがんばります!」

最後まで丁寧で優しい吉本先生、こちらこそありがとうございました。
▲お揃いのはっぴということで、記念撮影

あっぱれ!三輪そうめん

「三輪そうめん山本」さんには、体験ができる「麺ゆう館」の他にショップやそうめん処も併設されています。
そうとなったら、本場のそうめんを食べないと帰れません!
▲一番人気のセット、“万葉“(税抜1,200円)

な、なんという煌めき……。ゴクリ。
▲いただきまーす!

ずるるる~っ。
…………え、うっっっま!!!!
え、え?これそうめん?
口当たりは滑らかなのに、一本一本のコシがすごいの。
喉に通る感触が気持ち良くて、思わず目をつむりながら噛み締めます。
私が23年間食べてきたそうめんはなんだったんだ……。

そうめん延ばし体験をしたあとだと、よりゆっくり味わいたくなりますね。
高級なものにはきちんと相応のワケがあるのだと、改めて感じました。
▲美味しすぎた(お皿に注目、完食です)
▲お庭に降り注ぐ太陽の光を見つめながら、私はまたひとつ大人の階段を登りました

ちなみに、帰宅してから自ら延ばしたそうめんも食べてみたのですが……。
乾燥させた麺とはまた違った、生麺ならではのモチモチ感にびっくり!
うどんのようなコシがありながら、のどごしはツルツル。
あまりに美味しくて、3日は持つだろうと思っていた手作りそうめんを半日で食べ切ってしまいましたとさ。

(おわり)

(きょうのいちまい)

五島夕夏

五島夕夏

桑沢デザイン研究所卒業。学生時代ロシアの絵本に大きく影響を受け、絵本画家を志す。現在はサロンのレセプションをしながら、イラストレーターとして活動中。

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