京都の夏の風物詩「鴨川納涼床」で、ゆるりと過ごす夏の宴
京都の象徴でもあり、町の人々の憩いの場でもある鴨川で、初夏から秋にかけて開かれる「納涼床」。昼と夜、それぞれの床の様子をお伝えします。

鴨川の納涼床の歴史は古く、豊臣秀吉治世の頃に遡ります。五条、三条の橋の掛けかえを経て、見世物や物売りでにぎわうようになった川原に、茶店や見物席が設けられたことが始まりと言われています。
江戸期には石垣や堤も整備され、祇園祭の神輿洗いは大変な数の見物客でにぎわったと言われています。最盛期には400軒もの茶屋が軒を連ね、当時は「川原の涼み」と呼ばれていました。
明治・大正を経て定着した納涼床も、先の大戦の際に、その灯りが消えてしまいます。戦後、多くの人の努力によって復活した床は現在、古くから続く都の文化を今に伝えています。
そんな納涼床のお店の中で、気軽に床を楽しめると人気のお店を2軒紹介します。
お昼:若き料理長が生み出す創作和食
「先斗町 魯ビン」

お店は築150年以上経つ「高木福」というお茶屋を改装していて、古さと新しさが同居したよい雰囲気です。
ちなみに、鴨川の納涼床は夜の営業が基本になりますが、一部のお店でお昼営業もしています。ただし、気温と食材の鮮度の関係もあり5月と9月のみの営業と条例で定められているのです。
頂いたのは「鱧(はも)の落とし付の会席弁当(税別2,900円)」。京都の初夏らしい食材がいっぱいのお弁当です。9月になると内容は変わりますが、その時期の旬の食材を使用したものになる予定だそうです。

特にデザートは、社長の奥様のご実家から直送されたという、愛媛県産の新鮮ブラッドオレンジのシャーベット。爽やかな酸味が印象に残る一品です。

この日は快晴で気温も高く、汗ばむ陽気に誘われてついつい冷酒もすすみます。
川上から流れてくる風が爽やかで、初夏のすがすがしい空気がなんとも贅沢です。


先斗町 魯ビン(ロビン)
京都府京都市中京区先斗町通り若松町137-4 (二番路地奥北)
[営業時間]11:30~14:30 (L.O. 13:30)※5・9月限定の週末・祝日のみ 17:00~22:30(L.O.21:30)
[定休日]なし
075-222-8200
夜:貸切で楽しむ特別な日の納涼床
「割烹 露瑚」

木屋町通り沿いは、森鴎外の小説「高瀬舟」の舞台ともなった高瀬川と鴨川に挟まれ、老舗の旅館や料亭などが立ち並ぶエリア。最近では、フレンチやバルなども増え、新旧入り混じった賑わいを見せています。
お店は築120年以上で、もとは江戸時代の置屋だった建物を改装したそうです。旅館として営業されていた時代もあり、銀幕スターの常宿だったこともあるとか。


さっそく、席について料理を頂きました。

旬の鱧の落とし、ウニ、枝豆のムースに、じゅんさい、いくら、ダシのジュレをかけた一品。上品な磯の香りと食感の変化が楽しく、ひんやりのどを滑り落ちます。

こちらも、初夏の京都らしい一品。頭までふんわりと柔らかく蒸しあげられた稚鮎は、身の優しい旨みと、ワタのほんのりとした苦味が爽やかな味わいです。


鱧の落としや旬魚のお造り、ノドグロの煮付け、金目鯛の鍋、鯖寿司など全7~8品(季節により異なる)。どの品も丁寧な仕事が垣間見える美味しい料理でした。

割烹 露瑚(ろこ)
京都都府京都市中京区木屋町通御池上ル上樵木町491-6
[営業時間]11:30~14:00、17:30~22:00
[定休日]不定休
075-212-0297

妙加谷 修久
京都市在住の旅行系ライター兼ディレクター。全国各地に足を運び、旨いモノを食べ、温泉に浸かる日々。ここ京都を中心に、知っているようで知らない「日本のイイトコロ」を紹介します。日本酒好きが高じて利き酒師の資格を取得しました。
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