道後に生まれた新スイーツ「道後ロール」を食べ歩こう!

2016.06.26

愛媛県では、2009年から「えひめスイーツプロジェクト」を立ち上げ、県の農産物の魅力を広げるための様々な取り組みを行っています。2014年に誕生した「道後ロール」もそのひとつ。道後温泉で有名な道後の町で、ホテルや飲食店がさまざまな「ご縁」を祈って作る新名物なのです。愛媛県産の素材を使い、味はもちろん、見た目にも工夫を凝らした個性派揃いのロールケーキたち。今回は3つを選んでご紹介します。

道後きっての老舗旅館「ふなや」で
しっとり「和」テイストのロールを味わう

最初に訪れたのは「道後温泉 ふなや」。
江戸時代(1627年頃、寛永年間)創業の老舗旅館です。古くは伊藤博文や与謝野鉄幹・晶子夫妻、夏目漱石など、名だたる著名人が訪れています。
道後ロールがいただけるのは「ふなやガーデンテラスこもれび」。美しい庭園に面した全面のガラス窓から、光がいっぱいに差し込むテラスです。
▲「Biscuit roule de KOMOREBI こもれびロール」一皿1,296円(税込・コーヒーか紅茶の1ドリンクつき)※1日10個限定

愛媛が誇る柑橘をはじめとするたっぷりの季節のフルーツが、大きなロールケーキの周りを華やかに彩ります。この日はぶどうやドラゴンフルーツも。果物の甘い香りが鼻をくすぐります。
ワクワクしながらひと口。
ふんわりとしたスポンジ生地は、緑茶がほのかに香り、優しく上品な甘さ。愛媛県西予(せいよ)市城川で栽培された米の粉と、久万高原町美川の緑茶を使っているそうです。

食べ進めると、なめらかな生クリームの真ん中に、モチっとした食感のわらび餅が!ふわっ、とろっ、もちっ、の3食感が絶妙に交錯。
添えられているのは甘みをおさえた黒豆ソース。つけて食べると、洋菓子のロールケーキにしっとり落ち着いた「和」の風味がプラスされます。老舗旅館ならではのアレンジです。
▲このロールを作った手塚シェフ。添えられたバニラアイスも実はシェフ自慢の一品で、愛媛の新鮮な牛乳「夕しぼり」を使った濃厚な味わい

古くから現在に至るまで、数多くのお見合いや婚礼の舞台となり、幸せな縁結びのお手伝いをしてきた「ふなや」。この道後ロールを食べて、幸せな「ご縁」を結べるようにとの願いが込められたロールなのでした。

美味しいロールをいただいた後は、「ふなや」の見どころを散策してみることに。
▲昭和25(1950)年に昭和天皇がお泊まりになった洋間を移築したという展示室

ガーデンテラスと同じロビー階にある展示室では、大理石の暖炉やステンドグラスなど、ヨーロッパから取り寄せたという美しい調度品の数々を見ることができます。

また、広大な庭「詠風庭(えいふうてい)」には、こんこんと湧くお湯をたたえた足湯があります。
こじんまりと、それでいてどことなく優雅さを感じるこの足湯は、誰でも無料で入ることができます。
お湯の沸く音、木々の葉音を耳に、庭を渡る風を肌に感じながら、心の底からリラックス。

宿泊しなくても、道後ロールと美しい庭園で、老舗旅館の「和」を贅沢に味わう過ごし方はおすすめですよ。

宝石をちりばめたようなロールを
英国庭園の中で味わうキラキラ輝くひと時

次に訪れたのは、「ぎやまんガラス美術館」なども併設された山の手ガーデンプレイスの中にある「山の手マリアージュガーデン」。美しいイングリッシュガーデンとガラスに彩られた「洋」の空間です。
四季折々の花やハーブ、緑の木々が美しい庭園は、眺めていると時間が経つのを忘れてしまうほど。

初夏の光に輝く庭園を眺めながら、テラス席で道後ロールをいただきましょう。
▲「山の手ロール ひめの彩香」1個346円、1本1,782円(ともに税込)※1日6本限定。テイクアウトも可能

タロッコ(ブラッドオレンジ)、キウイ、青いレモン、柿など、7種の愛媛県産の果物をゼリーや羊羹のキューブにして、色とりどりの宝石のように散りばめられています。生地に練り込まれているのは、愛媛県四国中央市新宮(しんぐう)産のほうじ茶。

道後を訪れた人たちと、愛媛県の多くの生産者さんたちとの「縁結び」をとの願いがぎっしり詰まったロールです。

口にすると、まずほうじ茶の香ばしさがふわっと広がります。そして驚くほど豊かな果物の風味。ゼリーや羊羹に、まるで生の果物そのままのようなジューシーさと香りが、生き生きと感じられます。ほうじ茶の香ばしい香りとの相性も抜群。
口に運ぶごとに違った味と食感で、最後のひと口までずっと楽しいロールです。
ここでは、150年の歴史を誇るフランスの紅茶「マリアージュフレール」の、30種類ものフレーバーティーが楽しめます。これだけ揃うのは四国でもここだけ!ぜひ道後ロールとご一緒に。

夜も23時までオープン、カジュアルなイタリア料理をワインなどと一緒にいただけるほか、幻想的にライトアップされた庭園を眺めながらの夜カフェも人気です。

「山の手ロール ひめの彩香」は、「山の手ガーデンプレイス」からほど近い(徒歩1分)の「道後山の手ホテル」内のクイーンズカフェでもいただけます。

ちょっと昔へタイムスリップしたような空間で
愛媛の旬の素材を満喫できるロールを

最後は道後商店街の中にある「道後の町屋」にやって来ました。
通りから見える入り口は、周囲のほかの店舗と同じくらいの間口、でも一歩入ると、その奥行きに驚かされます。間口2間半(4.5m)に対し、奥行きは27間(49m)もあり、店名が示す通りの堂々たる町屋造り。
店内に入り喫茶スペース脇の通路を一番奥まで行くと、入り口からは考えられなかった広い座敷が迎えてくれます。大きなガラス窓からは庭が見渡せます。
小さな文机やちょっと懐かしいちゃぶ台のような机、小紋柄の座布団が並ぶ、心安らぐ奥座敷です。まるで夏休みに田舎に帰ったような、畳の上に足を投げ出して座りたいような気分。
庭を望む広縁の席で、お待ちかねの道後ロールをいただきましょう。
▲「湯のまち巻き巻き」1個550円、飲み物とのセットは飲み物代+450円(ともに税込)※1日10個限定

こちらのロール「湯のまち巻き巻き」は、梅やみかんなど、その時期に応じた旬の愛媛の素材を使ってアレンジが変わるのもお楽しみの一つ。取材で訪れた5月のこの日は赤い果肉が特徴のブラッドオレンジです。

言わずと知れた柑橘王国の愛媛県は、ブラッドオレンジの名産地でもあります。イタリアのシチリア島が原産ですが、愛媛の南予地方は地球温暖化により地中海性気候に近づいていることもあり、今やブラッドオレンジの品質は、本場シチリアを凌ぐほどと言われています。木で完熟させてから収穫するので、その濃厚さは輸入物とは比べものになりません。

生クリームにブラッドオレンジの果汁を混ぜ込み、プレーン生地で巻いて、てっぺんにも果肉がトッピングされています。
口に入れると、ブラッドオレンジの爽やかな酸味とコクのある甘みがサッと広がります!同時に華やかな香りも感じられます。
果肉の赤そのままの鮮やかな色のシャーベットが添えられ、少し溶け出したところをソース代わりに生地に含ませて食べると、濃厚な風味とロール生地の優しさが抜群のコンビネーション。
▲皿に模様を描くチョコも、ロールにつけると程よいカカオの苦味が絶妙なアクセントに

ひと口ごとに、自分で少しずつアレンジをしながら楽しむことができます。食べることについ夢中になる、なんとも魅力的なロールケーキです。

初夏からも新しい素材での「湯のまち巻き巻き」が登場予定とのこと、目が離せません!
▲座敷の上がり口には、愛媛の名産品、砥部(とべ)焼の展示販売コーナー

このお店でスイーツを提供する器は砥部焼を使っています。湯の町・道後と、焼き物の里・砥部との「ご縁」も感じながら、道後ロールを楽しんでほしいという思いも込められているそうです。

ロールの味と、すっかりくつろいだ気分を満喫し、店を後にしました。
道後ロールを楽しみながら、ゆったりとした時間を過ごすことができる3店をご紹介しました。ロールも、ロケーションも、それぞれ個性豊かな味わいに満ちています。他にもたくさんの道後ロールがあるので、ぜひたくさん巡って、お気に入りを見つけてください。
矢野智子

矢野智子

愛媛県在住。愛媛県出身ながら高校卒業後ほとんどの時間を県外で過ごした後、生活の拠点を愛媛に定めた現在、改めて気付く地元の魅力に感動しきり。 人生を豊かにするものは「食」と「読」と信じ、そこに情熱を傾ける日々。

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