まるで座布団!福井「谷口屋」の巨大お揚げは老若男女に愛される味

2016.07.18

福井県は油揚げの消費量(購入金額共に)が全国トップクラスなのをご存知ですか?福井県内のスーパーには厚揚げ・中揚げ・薄揚げと油揚げだけでもたくさんの種類が売られています。中でも圧倒的な人気を誇るのが「谷口屋」のお揚げ。熱々の揚げたてが食べられる「谷口屋」の “油あげ専門レストラン”で、大満足のお揚げを堪能してきました!

山奥にある日本唯一の「油あげ専門レストラン」

「谷口屋」は北陸自動車道・丸岡ICから車で約20分。初めて訪れる方は驚かれるかもしれませんが、お店はかなり山奥にあります。こんな山道を登って大丈夫なの…?と不安になっても、迷わずそのまま進んでいきましょう!
▲山道を登ると “竹田の油あげ”と書かれた大きな看板が見えてきます

「谷口屋」は福井県竹田村(現在の福井県坂井市)で大正14(1925)年に創業した高級豆腐の老舗。昔はお店の地下で豆腐製品を作っていましたが、訪れるお客さんがその場で食べたいとリクエストするようになり、いつしか食事も出すお店へと変化していきました。2016年3月にリニューアルし、店内も駐車場も広々と生まれ変わりましたが、休日にもなると2時間待ちの日もあるのだとか。待ち時間を少しでも短くしたい方は「谷口屋」ホームページからの予約がオススメです。
▲広々とした明るい店内は開店直後から幅広い年代のお客さんでいっぱいになります

サクッ、ジュワ~の巨大お揚げが登場!

まずやってきたのはほとんどのお客さんが注文するという一番人気の「油あげ御膳」。黄金色に輝く巨大なお揚げがお皿の中央に鎮座しています。
▲油あげ御膳(1,380円・税抜)。お揚げはなんと14cm四方の大きさです

遠目で見ると厚切りパンのようにも見えますが、正真正銘のお揚げ。かつてここまでお揚げがメインとなった料理があったでしょうか…。
▲揚げたてのお揚げは存在感たっぷり!
▲お揚げのために作られた特製の「あげステーキのたれ」か、越前の海でとれた塩につけていただきます
▲薬味の大根おろしとネギにたれをかけて準備万端!

お揚げの表面にお箸をいれると、サクッといい音が。揚げたてなので表面はカリカリですが、そのまま切り進めていくと、じゅわ~っと中のエキスが染み出てきます。
▲厚さ4cmにもなるお揚げを切るのはなかなか大変!思わずこのままかぶりついてしまいたくなりますが、そこは我慢我慢
▲たれを絡ませた薬味をのせていただきます

歯ごたえのある表面を噛むと、ジューシーなお揚げの旨みが広がります。たれで食べても美味しいし、塩で食べても美味しいし、もちろんそのままでも美味しい!油っぽくなくあっさりしているので、ヘルシー志向の方も大満足の一品です。ボリュームたっぷりで食べきれるかしら…という少食の方はハーフサイズの「油あげ御膳」(1,180円・税抜)もあるのでご安心を。

油揚げ以外にもとことんこだわっています!

“出来立て”なのはお揚げだけではありません。
お揚げとおろしそばがセットになった「十割おろしそば御膳」(1,580円・税抜)は店内にある蕎麦室で打った出来立てのそばをいただくことができます。

福井の奥越で育った在来種のそば粉のみを使った十割そばの賞味期限はたったの6時間!時間が経つとそばの風味が飛んでしまうので、毎日その日の分だけしか作ることができません。
▲十割そばはつなぎが入っていないにもかかわらず、喉越しなめらか。そばにかかった鰹節の風味がさっぱりしたお汁にコクを与えています

また、子どもに人気なのが「とうふカツバーガーセット」。カツに使われる豆腐は水分を飛ばして湯葉のような状態になっており、食べると鶏のササミのような食感です。
▲とうふカツバーガーセット(ドリンク付き、1,050円・税抜)

「谷口屋」のこだわりは、保存料・着色料・乳化剤・精製された砂糖などの添加物を一切使わず、素材の味を最大限生かしていること。
お揚げだけでなくすべてのメニューに、子どもから大人まで安心で美味しく楽しく食べていただきたい!という思いが込められています。

暮らしと家族団欒に欠かせない味

なぜ福井ではお揚げの消費量が多いのでしょうか?その理由を「谷口屋」4代目の谷口弘晃(ひろあき)さんが説明してくださいました。

「福井は古くから浄土真宗を信仰している地域で、 “報恩講(ほうおんこう)料理”という法要に振舞われる精進料理があります。お揚げはその料理に使われていたことから昔から馴染みのある食べ物だったんです」

また、共働き率が高い福井では働く両親の代わりに祖父母世代が子どもたちの食事を作ることが多く、手軽に美味しく調理できるお揚げは毎日の献立に欠かせなかったのだとか。
▲お揚げのことなら夜通し語れますよ!という谷口さん

家族団欒の場にはいつも登場していたお揚げ。
「谷口屋」のお揚げも昔は今のような巨大なサイズではなく、もっと小ぶりだったそうですが、よりお客さんに喜んでいただけるものをと、先代の頃から改良を重ね今の大きさになりました。

3,000枚のお揚げを均一に揚げ続ける「揚げ師」の技

今回は特別に、谷口さんにお揚げを作る現場を案内していただきます。
「谷口屋」のお揚げに使われる豆腐は、厳選した国産大豆に白山から流れる清水、越前の海でとれる天然のにがりで出来たお揚げ専用の木綿豆腐。普通の木綿豆腐に比べ、中まで完全に固まりきっていない状態になっています。
▲ずっしり重量感のあるお揚げ専用の木綿豆腐
▲「1時間かけてじっくり揚げていく中で少しずつ中に火が通り、揚げ上がりと同時に完全に火が通った状態になるんですよ」と谷口さん

まずは低温の油に浸し、時間をかけて火を通していきます。
▲指を入れても平気なくらい低い温度から揚げ始めていきます

少し経つと、油に接している片面がジワジワと膨らんできました。お揚げは低温で揚げる最初の25分間でその形と美味しさが決まってしまうとのこと。急に温度を上げると中にムラができるそうです。
▲中央の白っぽい部分はまだ半生状態

1日に揚げる量はなんと3,000枚!「揚げ師」と呼ばれるお揚げづくりの職人が、温度の違う8槽のフライヤーを使い分け、次々に揚げていきます。

同じように見えるお揚げも一枚一枚火の通りが微妙に異なるため、揚げ具合を判断しながら絶妙なタイミングで表裏を返していきます。
▲出来上がるまでに100回ほどひっくり返しながら、すべてのお揚げを均一に揚げていきます
▲この方は揚げ師歴8年のベテラン!「谷口屋」のお揚げの味を支えています

低温から徐々に高温に油の温度を上げていき、仕上げに突入!
「そろそろ出来上がりますよ~」の声と共に大きな網を引き上げます。ザーっと油を切る音とともに完成したお揚げのお目見えです!
▲網から引き上げたばかりのお揚げはキラキラ輝いています。神々しい…
▲完成!ムラなくきれいに揚がっています。まさに職人技ですね

現場は常に熱気ムンムンですが、不思議なことに油っぽい匂いは一切しません。
その理由は、ゴマを焙煎せず低温圧搾方法で絞った太白(たいはく)胡麻油を使っているから。胡麻油特有の香りがなく、よりあっさりとした仕上がりになるそうです。

満腹でもついつい食べたくなる絶品スイーツ

「谷口屋」には直営店も併設されており、中では先ほど食べたお揚げはもちろん、カナダ・プリンスエドワード島のオーガニック菜種油を使った定番の「谷口屋の、おあげ」も販売しています。
▲谷口屋の、おあげ(550円・税抜)

その他にも、お惣菜や豆乳を使った自家製スイーツなども販売しており、食後のデザートにテイクアウトするお客さんも多く、レストランと同様に賑わいを見せています。
▲「食後は何を食べようかな~」とレストランの待ち時間に眺めるのも楽しい
▲竹田のシュークリーム(350円・税抜)
▲自家製豆乳を使った竹田の豆乳ロールケーキ(一本1,380円、カット300円・共に税抜)

プリンに使われる卵は平飼いの有精卵というこだわりよう。
▲左:喜味の豆乳プリン(350円・税抜)と右:天空のチーズプリン(550円・税抜)
スイーツは食後でもあっさり食べられるよう甘さは控えめ。あれだけしっかりお揚げを堪能した後でも、つい何個も手が伸びてしまいそうなやさしい味です。もちろん、添加物は一切入っていません。子どもはもちろん、甘いものが苦手な男性へのお土産にも良さそうです。

身体に良くて本当に美味しいものを追求し続けている「谷口屋」。出来立ての味を現地で楽しんでみませんか?
石原藍

石原藍

フリーライター/プランナー。 大阪、東京、名古屋と都市部での暮らしを経て、現在は縁もゆかりもない「福井」での生活を満喫中。「興味のあることは何でもやり、面白そうな人にはどこにでも会いに行く」をモットーに、自然にやさしく、心地よい生き方、働き方を模索しています。趣味はキャンプと切り絵と古民家観察。

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