龍泉洞 ドラゴンブルーに輝く地底湖と、恋のパワースポットは必見!

2016.07.19

数万年という時間をかけて形成される鍾乳洞は、スピリチュアルなパワースポットとしても注目を集めている。中でも岩手県岩泉町にある「龍泉洞」は、恋愛運の向上や恋人との絆を深めるとも言われる人気の鍾乳洞。そこで『デートで訪れた際を想定』して美しい地下世界にあるハートフルスポットを探ってみた!

~龍泉洞~日本三大鍾乳洞と名高い、縁結ぶ美しき鍾乳洞

本州で一番面積の広い町、岩手県岩泉町。宇霊羅(ウレイラ)山の東麓に開口するのが「龍泉洞」だ。地下空間の存在は、はるか昔から知られていたというがその規模は判明しているだけでも3,600m、総延長は5,000m以上に及ぶと推測される。つまり今でも未開の領域が残る鍾乳洞なのだ。
▲宇霊羅山の豊かな自然の中にある龍泉洞

豊かな自然に囲まれながらも、しっかりと手入れが行き届いた敷地内。女性や家族連れも訪れやすいように配慮されている。

まずはインフォメーションにてチケットを購入。料金は大人1人につき税込1,000円。子供料金、団体料金も設定されている。こちらのチケットで「龍泉新洞科学館」も観覧できるので、両方見て回るなら時間に余裕を持って訪れたい。
▲ここが龍泉洞の出入り口。建造物が無かった頃の姿を想像しながら進むのも面白い

洞内に入ってみると、ひんやりした空気が体を包む。洞窟内の気温は年間を通して10~11度と一定しているという。
▲鍾乳洞内では外気温度と洞内温度を比べられる温度計が配置してある

しばらくの間はひんやりした空気が心地良いが、観光ルートだけでも700mあることを考慮するとTシャツ一枚では凍えてしまいそうな温度。夏場であっても上着は一枚持っていこう。ただ、デートで訪れるなら鍾乳洞内の寒さは二人の距離が近づく良いスパイスになるはず。
▲入り口付近にある「長命の淵」。鍾乳洞内から水が流れ出ている

太古の昔、地殻変動によって隆起した石灰石が地下水によって少しずつ岩肌が削られて形成されるという鍾乳洞。外界の喧騒をよそにたゆまなく流れ続ける水が、この先また長い時間をかけて岩肌の形を変えていく。
▲摩天楼と名付けられている鍾乳洞の天井

「長命の淵」を抜けると急に高さのある空間に出る。そびえ立つ両壁の上方には「摩天楼」という名前が付いた天井も。
▲幻想的な回廊が、鍾乳洞の奥へと誘う「百間廊下(ひゃっけんろうか)」

摩天楼を抜けると、かつて洞窟内探検の拠点になっていたという「百間廊下」へ。その昔、洞窟奥の上流へ進むために松明をかざしながら船を進めていたという。そんな時代の名残を床下で流れ続ける水の音が今に伝えている。

現在は観光用に床材が敷かれていて歩きやすくなっているが、足元を照らす光が床材を浮かび上がらせ、幻想的な空間を作り出している。まるで教会の回廊のようにも見える通路だけに、大切な人と一緒に歩けば二人の将来の姿も垣間見られそう。
▲岩が龍に見えることから名付けられた「龍の淵」

さらに奥へと進むと、通路が蛇行し始める。水が透明過ぎて分かりにくいが、10mもの深さがある「龍の淵」辺りでは木製だった廊下が鐘乳石となり、周囲の岩肌も少しずつその表情を変えていく。足元も少し滑りやすくなるので、恋人と気遣い合って進もう。
▲こちらは「亀岩」。地盤の強い龍泉洞では珍しく、落盤によってできた自然の造形物
▲作品名「洞穴ビーナス」。枠の左側がビーナスのように見えるのがお分かり頂けるだろうか

遥かなる時の流れの中で、自然の力によって彫刻のような形を宿した鐘乳石や岩石たち。代表的なものには名前が掲げられているが、他の石もよく観察すると何かの形に見えてくるはず。
▲龍泉洞の見どころの一つでもある「月宮殿(げっきゅうでん)。5色のLEDによるライトアップで空間が演出されている

一際広い空間に出たらそこは「月宮殿」。月世界を思わせるこの場所では、毎年2月の中旬から3月の中旬の間に不定期で「洞内コンサート」を開催。洞窟特有の素晴らしい反響は、お客さんをはじめ演奏者からも絶賛されているという。
またこの月宮殿、通路の奥側から見た岩肌がハートのマークになっていることから、手を繋いでくぐり抜けるカップルも多いのだとか。
▲月宮殿には地蔵のように見える岩も。恋愛成就を祈願すればご利益がありそう
▲月宮殿の奥にある「守り獅子」。これが見えたら地底湖はもうすぐそこ!

幻想的な月宮殿を抜けると現れるのが下方へと向かう階段。ここを下ると3つの地底湖を見ることができる。階段が急なため、繋いだ手は離さずに進もう。
▲水深35mの「第一地底湖」。絶世の美しさを誇る地底湖の一つ

階段を降りた目の前が第一地底湖。昔から大量の水が湧く洞窟として知られており、発見当初は中に入るのも難しかったという。地底湖の上の崖からゴムボートを下ろして第一地底湖の調査が行われるようになったのは1959(昭和34)年のことなのだそう。

青色に輝く湖の色は、洞窟の名前も相まってドラゴンブルーと呼ばれている。諸説あるものの、光の構成色の中で水に吸収されない青色だけが目に届くから青く見えると言われている。それにしても水深35mの湖の底まで見えるのではないかと思うほど透明度の高い地底湖の水。さすが日本名水百選にも選ばれているだけのことはある。
▲「第二地底湖」は1962(昭和37)年に発見された地底湖

さらに通路を進むと第二地底湖へ。水深38mと第一地底湖と同じ程度。こちらは1962(昭和37)年に洞窟探検家による潜水調査でその存在が明らかになったという。
▲現在一般公開されている龍泉洞の最終地点が「第三地底湖」
▲98mの水深が織りなす水と光のベールは表現しがたい美しさ

第三地底湖は他の二つに比べより深いためか、同じ青でも地底に向かってかかるグラデーションの層が多い。そのため、水中のライトの位置によっては湖の形がハートに見える時もあるという。

美しい湖を前に、二人の愛を誓う。そんなロマンティックな行動に出てしまいそうな地底湖だが、洞内の水中に硬貨を投げ入れたりするのは禁止。置いていくのは二人の想いだけにしたい。
▲帰路は鍾乳洞内が混雑しているとき以外は、来た道を戻るか「三原峠」を通るルートかを選べる

第三地底湖より奥へは行けないが、来た道とは違うルートで帰ることが可能。その場合は鍾乳洞内を上方へと登っていくことになる。登りと下り合わせて全272段!
▲三原峠ルートの途中にあるワイン貯蔵庫
▲岩泉の山ぶどうを使ったワイン「宇霊羅」が出荷までここで貯蔵されている

帰りの階段を上っている途中に現れるのはワインの貯蔵庫につながるトンネル。年中温度が一定している鍾乳洞内はワインを保管するのに最適な環境なのだとか。また、ワイン保管庫の先は地上へと繋がっているため、混雑時期の臨時出口として使用することもあるという。

一説によるとパワースポットと呼ばれる鍾乳洞には入口と出口がそれぞれ存在している必要があるらしいが、龍泉洞はそう言った意味でもにスピリチュアルな魅力を携えているようだ。
▲木の床と手すりが螺旋のように組み上げられた三原峠付近の階段

ワイン保管庫のあるトンネルから戻って階段を再び登り、地底湖の水面から35mの高さにある三原峠を越えると下りの階段が現れる。ここを降りていくと第一地底湖を上部から覗けるスペースが現れる。
▲岩の割れ目から見えるのが第一地底湖。つらら石などの鐘乳石群が広がっている

第一地底湖の真上にあたるこの場所には展望台が設置されており、第一地底湖の姿を覗き込むことができる。5色に変化するLEDライトアップで幻想的な雰囲気を楽しめる人気のスポットの一つ。

階段は先ほど通った「守り獅子」の側に続く。ここに出たら月宮殿を戻り「亀石」のあった場所からまた往路とは違う通路へと進む。
▲「長命の泉」。水面下の水位計を見ても水の透明度が高いことがわかる

こちらの通路では、一口飲むと3年長生きするという言い伝えから名付けられた「長命の泉」がある。夫婦で訪れてお互いの健康を祈る人もいるそうで、家族の絆を強めるのにも一役買ってくれそうだ。
▲近くの鐘乳石では水が滴っているのも見える。現在も少しずつ成長しているのだ

龍泉洞は鍾乳洞自体と、そこに棲む5種類の蝙蝠(コウモリ)がともに天然記念物に指定されている。鍾乳洞内を進んでいると天井近くを飛び交っている蝙蝠の姿を見かけるが、複数の蝙蝠が同じ洞内で共存しているのは世界的にも珍しいという。
▲出入口には「恋人たちの聖地」に認定された看板が。

龍泉洞を一通り見て出口までやってきたら、入るときに気づかなかった看板を発見。この龍泉洞、プロポーズにふさわしいロマンティックなスポットとして「恋人たちの聖地」に認定されているそう。実は龍泉洞内ではサプライズプロポーズ企画を行うこともあり、すでに成功事例もあるそうだ。

他にも12月中旬から3月下旬まで定期的に行われるアドベンチャー企画「龍泉洞大冒険」では「子供コース」「大人コース」の他に「カップルコース」というのが設けられているという。謎を解きながら龍泉洞内に隠された宝の鍵を探すというこのイベント、持参のプレゼントをこっそり隠すことも可能なので記念日サプライズなどにも利用できそうだ。大切な人にサプライズを行いたい場合は、「龍泉洞事務所」へ事前に連絡してみよう。

~龍泉洞園内~豊富な自然と水流でリフレッシュタイム

龍泉洞から出てくると、気温差によって外がとても暖かく感じる。急激な温度の変化で喉が乾いたら、龍泉洞入り口前にある水飲み場へ行ってみよう。ここで名水百選に名を連ねる龍泉洞の水が飲める。
▲外で見ると非常に透き通った水ということが改めてわかる。水の温度は9度でPH(ペーハー)7.5という中性の水質

龍泉洞内から湧く水は、ここだけでなく周辺の家庭でも使われているそうだ。蛇口をひねるとこんな綺麗な水が出てくるとは、うらやましいかぎり。
▲園内の池では飼育されているイワナやニジマスの姿も見ることができる

デートで訪れたのなら清水川に沿って散策するのもオススメ。清流のせせらぎを聞きながら歩いてみれば、普段気付かなかった相手の魅力に気付けるかもしれない。
▲龍泉洞の少し下流から見た清水川。鍾乳洞内からの湧き水も流れ込む

恋人や想い人と一緒に地下世界の不思議と美しさに触れ、地上で雄大な自然の緑と川のほとりに癒されたら二人の距離はグッと近づくはず。

帰り道に龍泉洞について語り合うためにも、さらに詳しく龍泉洞を知ることができる「龍泉新洞科学館」へと向かってみよう。

~龍泉新洞科学館~龍泉洞の歴史や探索方法を学ぼう

「龍泉新洞科学館」は龍泉洞の目の前を流れる清水川を挟んだ向かい側にある。1967(昭和42)年に県道拡幅工事中に発見された龍泉新洞はもともとひと続きだった鍾乳洞が、清水川により大地が削られて今のように分断された形になったという。
▲こちらが龍泉新洞科学館の入り口

「龍泉新洞科学館」は建物ではなく、天然の鍾乳洞を使用した世界初の自然洞穴科学館。龍泉洞の現在に至るまでの歴史や、発見当時の探索方法など、展示物と一緒に説明書きがされているのでとても理解しやすい。
▲学術的に貴重な鐘乳石が多い龍泉新洞では研究のために保全されている場所がある

こちらの鍾乳洞でも現在成長中の鐘乳石を見ることができる。龍泉洞より分かりやすく見えるように工夫されている。
▲天井から伸びるつらら石と、つらら石から落ちる雫により地上から突起する石筍(せきじゅん)がくっついた石柱
▲この鐘乳石は「カーテン」と呼ばれるもの。岩壁から染み出した水滴が、傾斜した天井や壁を伝って斜めに落ちるためにこのような形になるという

幾つかの鐘乳石を見て回っていると、鐘乳石の合間に人影が。龍泉新洞では縄文時代の土器や石器など、原始人が生活をしていた痕跡が複数見つかっている。その生活を再現したスペースが展示されているのだ。ちなみにここで生活していたであろう原始人は「龍泉新洞人」と名付けられている。
▲水の便がよく、雨風から身を守るのに適した龍泉新洞は天然住居として利用されていた

龍泉新洞人のスペースを抜けると出口はすぐそこ。

太古の昔から悠久の時をかけて作り上げられた「龍泉洞」と「龍泉新洞」は、美しき自然の造形が詰まった神秘の世界。アドベンチャー的な要素だけではない、パワースポットという側面で鍾乳洞を訪れて「恋愛運」や「恋人との絆」を深めてみてはいかが。
飯塚鉄平

飯塚鉄平

1980年生まれのフリーライター。ファッション雑誌「Fine」や旅行情報誌などの他、WEBメディアや企業系webサイトなどで執筆。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

こちらもおすすめ

もっと見る
PAGE TOP