鳥取砂丘はポケモン聖地だけじゃない!美術館やらくだライドなど完全ガイド
年間約150万人が訪れる「鳥取砂丘」は鳥取県を代表する観光地。最近は大人気スマートフォンアプリ「ポケモンGO」の聖地として話題になりましたが、多くの人は荒涼とした砂地が広がっているだけ、ポケストップしかないんじゃ…と思っている人も多いのでは?だとすれば、もったいない。実は砂丘には知られざる見どころや楽しみ方がいっぱい!らくだライドやパラグライダー、砂の美術館など何度でも足を運びたくなる魅力の数々やアクセス情報を紹介します。

砂丘は大自然が造るアート。オアシスも発見!

一帯は「山陰海岸ジオパーク」でもあり、国内で最初に「日本ジオパーク」に認定された地球科学的にも貴重なエリアです。そして、観光の前にはぜひ立ち寄っておきたいスポットが、砂丘の入口にある「鳥取砂丘ジオパークセンター」。
※2017年4月現在、現在建替工事のため休館中

「鳥取砂丘ジオパークセンター」では「鳥取砂丘」の自然や生い立ち、動植物などを高精彩ハイビジョン映像で紹介するほか「風紋発生風洞」などの装置を使って砂丘について詳しく知ることができます。


そして、ぜひゲットしておきたいのが「砂丘探検マップ」と「見どころコース」。いずれもここでしか手に入らない資料で、これがあれば砂丘観光が3倍、いや10倍くらい楽しくなります。

「鳥取砂丘ジオパークセンター」には数名のジオガイドが常駐し、予約しておけば砂丘の見どころを案内してくれます。基本は10人程度の団体客に1人のガイドが付いて5,000円(税込)ですが、カップルや少人数のグループでも相談すれば手頃な料金で対応してもらえます。

「鳥取砂丘に来たら、ぜひ見てほしい」と石川さんがオススメする見どころを一緒に巡ってみることにしました。歩く距離は約3km。休憩しながらゆっくり回っても90分程度なので、ぜひ皆さんも参考にしてみてください。

「風紋」は「砂のさざ波」とも言われ、毎秒5~6mの風や乾燥状態など、一定の条件が揃わないと現れません。誰も足を踏み入れていない早朝や、日が傾いて陰が伸びる時間帯には、いっそう美しく見えます。

「第二砂丘列」は高さが50m近くもある巨大な砂の壁で、通称「馬の背」と呼ばれています。入口から正面に見えるので、真っすぐにここまで歩けば15分程度。時間がない人には絶対に外せない砂丘の定番名所です。天気にもよりますが、頂から眺める日本海は「絶景」の一語!
また、積雪があった日には、海と雪の砂丘のコントラストが際立ちます。

砂丘を歩いていると、あちらこちらで木の杭を目にします。これは砂丘の砂の移動を調査するためのもので、碁盤の目のように100mおきに約120本が設置されています。杭には「J−9」などアルファベットと数字で位置が示されているので「砂丘探検マップ」を見れば自分が今、どこにいるのかがすぐに分かります。

湧き水が溜まってできる「オアシス」には、砂丘に棲む野生のタヌキやキツネ、ウサギなどの動物も集まります。冬は水深1mを超える池になりますが、真夏には干上がってなくなることもあります。
ちなみに、2017年春は2月の大雪の影響からかオアシスが巨大化!広さ5500平方メートル、最深部137cmという驚きの規模です。(2017年4月12日現在)

赤色や茶褐色の表面が硬くなった「火山灰露出地」は、約10万年前から噴火している西日本各地の火山から飛来した火山灰が堆積してできました。壮大な地球の歴史を感じさせるスポットで、砂丘の形成史を物語る貴重な資料にもなっています。

高低差が20mもある巨大な凹地「追後スリバチ」。32度の急斜面はアリジゴクの巣とピッタリ同じで、風に運ばれた砂が地山にぶつかり、風が渦を巻くように斜面を吹き上がることでできたと言われています。

ここで石川さんが取り出したのが、手づくりの「風玉」。画用紙を切って組み立てたもので、この「風玉」を「追後スリバチ」の中に放り投げると…。
あらら不思議!中で渦を巻く風に運ばれて「風玉」がコロコロと砂の斜面を上ってきます。目には見えない風がよく分かるので、皆さんもぜひ実験してみてください。
「風玉」のつくり方は「鳥取砂丘ジオパークセンター」で教えてもらえます。ちなみに足腰の弱い人が「追後スリバチ」の中に降りると、上がれなくなることもあるのでご注意を。

鳥取砂丘ジオパークセンター※現在建替工事のため休館中
鳥取県鳥取市福部町湯山2164-661
[営業時間]9:00~17:00(最終入館16:30)
[休館日]なし
[入館料]無料
0857‐22‐0021
定番中の定番!らくだライドで砂丘を行く

「鳥取砂丘」の名物といえば、この「らくだライド体験」。旅レポで訪れる芸能人なども、必ずと言っていいくらいらくだとの2ショットがありますよね。

「鳥取砂丘」にらくだが来たのは昭和35年(1960年)。当初は記念撮影のみでしたが、観光客からのリクエストもあって背中に乗せて歩けるように調教したそうです。

スタッフに引かれて所定のコースを歩きます。1人で乗れない小さな子どもは大人と一緒に2名騎乗もOKで、らくだの横に並んでの記念撮影やらくだに跨がっての記念撮影もできます。
らくだや
鳥取県鳥取市福部町湯山2164-806
[営業時間]9:30~16:30(3月~11月)、10:00~16:00(12月~2月)
[定休日]なし
※天候やらくだの疲労度により営業時間の変更や休業あり
[体験料] らくだライド体験1,300円(2名騎乗2,500円※大人の2名騎乗は不可)、記念撮影100円(騎乗撮影500円/人)※全て税込
0857-23-1735
鳥になった気分で砂丘を見下ろす!パラグライダー

誰でも一度は体験してみたいのが、自由に大空を舞う鳥の気分。砂丘には、その夢を叶えてくれる手軽なおすすめアクティビティがあります。

それが「ゼロ パラグライダースクール」。ベテランインストラクターがハーネスの装着やキャノピーの広げ方を丁寧に教えてくれ、右や左の理解ができれば幼稚園児でも飛ぶことができます。

要予約のスクール形式で、半日コースは午前の部と午後の部の2回。当日の風の向きや強さで飛ぶ場所を決めます。この日は強風だったため安全を考慮してロープを付けての飛行でしたが、通常は20~30mの高さの丘から飛ぶことができるそうです。

この日の参加者は和歌山県から旅行に来ていた女性3人組。パラグライダーはまったくの初心者でしたが、2回目のフライトではもう余裕の表情。楽しそうに空を舞っていました。
用具などは基本的にすべてスクールが用意してくれますが、服装や当日に準備しておくものなどは予約の際に確認してください。
ゼロ パラグライダースクール
鳥取県鳥取市浜坂1-16-45-2
[営業時間]9:00~19:00
[定休日]なし(年末~2月末は休校)
[参加料]半日コース7,000円、1日コース12,000円(別途保険料500円)※全て税込
0857-29-9098
砂丘を駆ける注目レジャー!ファットバイク

砂丘で楽しめる新しいレジャーとして注目されているのがファットバイク。以前は観光馬車が営業していた往復1.4kmコースを活用して、極太タイヤの自転車で走るアクティビティです。
もともとはスノーレジャーとして登場したファットバイクですが、極太タイヤが砂地でも楽しめるということでマウンテンバイクのインストラクター小椋宜洋(おぐら のぶひろ)さんが「鳥取砂丘」に初導入しました。

走行時には小椋さんが同行して、砂丘の走り方を指導してくれます。所要時間は約20分で、予約なしでも楽しめる気軽さも人気。受付場所は「鳥取砂丘ジオパークセンター」の隣りにあります。

TRAIL ON(トレイル オン)
鳥取県鳥取市福部町湯山2164-661
[営業時間]10:00~17:00(天候により変更の場合あり)
[定休日]不定休
[料金]2時間ツアー5,000円(税込・保険料込)
080-1649-1796
砂丘の雄大さを眺望しながら空中遊覧!観光リフト

小高い丘の上から砂丘の入口まで、空から砂丘を見渡せるのが「砂丘観光リフト」。片道約5分の空中遊覧で絶景が楽しめます。

復路ではリフトに乗ったまま砂丘を背景にした記念写真の撮影も行っています。降り場に着くと台紙に入った状態で用意されていて、希望者はその場で購入(税込1,100円)できます。

リフト乗降所にはお土産が豊富に揃う「砂丘センター」があります。レストランでは「カニカニピザ(税込900円)」や「カニカニバーガー(税込500円)」などのご当地グルメが味わえ、3階には砂丘を一望できる展望テラスが2016年11月にオープン。おすすめのランチスポットです。

手軽に味わえる砂丘グルメとしてオススメなのが、名産の梨を使った「梨ソフト(税込300円)」。後味がサッパリしていて、子どもからご年配まで幅広く好まれるご当地ソフトです。
砂の中で焦げ目がつくまでじっくり熱を通した「砂たまご(税込120円)」は、ほくほくで黄身が栗のような不思議食感。賞味期限も10日と長いので、お土産にもピッタリです。
砂丘センター(見晴らしの丘)
鳥取県鳥取市福部町湯山2083
[営業時間]8:00~17:00、観光リフト9:00~17:00(時期により変更あり)
[定休日]なし
[リフト料金]中学生以上200円(往復300円)、4歳以上~小学生150円(往復200円)※全て税込
0857-22-2111
圧倒的スケールの砂の彫像がズラリ!「砂の美術館」

砂丘の入口近く、市営駐車場からも歩いて行ける距離にある「砂の美術館」では、2017年1月3日まで「砂で世界旅行」を基本コンセプトにした第9期の作品を見ることができます。

第9期は10カ国18人の砂像アーティストが参加し、南米を題材にした19点の作品を展示。テーマは「繁栄の記憶を留める奇蹟の新大陸を訪ねて」で、ストーリーを感じながら鑑賞できるようになっています。
メイン展示は屋内(2階)なので、雨天時でもゆっくりと鑑賞できます。館内はバリアフリーで、車椅子やベビーカーなどでの利用も可能。授乳スペース、多目的トイレもあります。

2016年度の見どころは、初の試みとして砂像に水が流れ落ちる工夫を施した「伝説の黄金郷エルドラド」。他にも3階(回廊)に上がらなければ中が見えない「空中都市マチュピチュ」や、騙し絵のようになった「コルコバードのキリスト像」など、わくわくさせる作品がいっぱいです。




館外には「砂遊び広場」があり、高さ約20cmの円柱状に固めた砂を自由に彫刻する「ミニ砂像体験」ができます。1日2回実施(13:30~、14:30~/雨天中止)。参加費は税込500円(別途入館料)です。開催は2016年11月30日まで(2017年度以降は要問合せ)。

会期ごとに違ったテーマで精巧な砂像を展示している「砂の美術館」。砂丘に行くたびに見学したいスポットです。
砂の美術館
鳥取県鳥取市福部町湯山2083-17
[営業時間]9:00~18:00(土曜~20:00)※最終入館は閉館の30分前
[休館日]各年度の会期による(会期中は無休)
[入館料]一般600円、小・中・高生300円(全て税込)
0857-20-2231

いかがでしたか?「ただ広いだけの砂地」だと思っていた人も「鳥取砂丘」の新たな一面を知れたのではないでしょうか。今回ご紹介した内容は、すべて1日あれば充分に見て体験できるので、観光の際はぜひ参考にしてみてください。
鳥取砂丘へのアクセスは鳥取空港(鳥取砂丘コナン空港)からも車で20分程度、駐車場もあり、気軽に足を運ぶことができますよ。

廣段武
企画から取材、撮影、製作、編集までこなすフリーランス集団「エディトリアルワークス」主宰。グルメレポートの翌日に大学病院の最先端治療を取材する振り幅の大きさと「NO!」と言わ(え?)ないフレキシブルな対応力に定評。広島を拠点に山陽・山陰・四国をフィールドとして東奔西走。クラシックカメラを語ると熱い。
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