大阪・福島「多幸屋」のたこ焼きは店名どおりハッピーが大盛り
「大阪発祥のたこ焼き」の味は店ごとに多様。でも如実に街の色を映していたりもする。地元の人間には「近所の味が一番」でも、一方で「ちょっと足を延ばしても食べたい」味もある。具や生地、味付けだけでは語れない、客も街もひっくるめての「たこ焼き」の世界、まるごとご賞味あれ。


「多幸屋」は居酒屋だが、なんと母体がタコの卸業。大阪中央卸売市場に店舗を構え、和洋料理店などに国内外からの厳選タコを卸している。ちょっぴりズルい気がするが、それゆえにハイコスパ。
毎日お店で釜ゆでした、ブリブリかつ味わい深いタコが、たこ焼きや一品メニューを飾っているという。そう聞いてさっそく出かけた。

JR福島駅前。バルや立ち呑みなど最新の飲食店がにぎわうあたり。
大阪で「流行りの路地店」という言葉は、福島のためにあるようなものだ。
そこからさらに南へ進んで国道2号線を渡る。実はこの福島南エリアは、今や駅前と競うように路地裏の飲食店が増え、どんどん拡大する様子が見えて面白い界隈だ。


タコの旨さを活かした名作アテが続々


たこ焼きに、むっちり大ぶりタコがゴロリ

たこ焼きの材料は極めてシンプル。生地の味付けも最小限の和ダシ系。天かすも適量で、油の甘みというより、タコの旨みで満ちている


ほほーっと見とれていると「電話で予約する常連さんも多いっすよ」と店員さん。子どものおやつやオトーサンの晩酌のアテの一品になるのですなぁと、妙に納得した。

たこ焼きは普通よりもひと回り大ぶり。「外こんがり、中トロリ」がきっちり守られているうえに「中からタコごろり」のサプライズ付き。
素焼きのほかに塩、醤油、ガーリックなど14種類。50円増で温・冷のお出汁やネギ、チーズトッピングも用意され、毎日でも通いたい。

こういう「大都会の真ん中なのに下町」の光景が残っているのもまた、福島の特色。
どんなにオシャレな店が増えても、どんなに新しく街や住む人が変わっていっても、日々たこ焼きをハフハフと食べる人がいて、しっかり大阪やん、と感じる。
確実にこの街の深いところでずっと昔から続いているカルチャーなのだ。
※価格はすべて税込
多幸屋
大阪府大阪市福島区福島2-10-23
[営業時間]16:30~23:00
(日曜は12:00~15:00、16:30~22:00)
[定休日]不定休
06-6136-3108

曽束政昭
フリーライター。たこ焼きはタコと生地が重要。意外に脇役と思われがちな天かすの質によって好き嫌いが分かれるというこだわりを持つ。京阪神を中心に、全国各地の地元うまいもんを訪ね歩いて取材する日々。著書に関西からの旅記事をまとめたムック『1泊5食』(京阪神エルマガジン社)など。
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