新芽の天ぷら、おそばにしゃぶしゃぶ…摘みたての「お茶」を食べ尽くす!

2016.06.29 更新

茶問屋である喜作園(きさくえん)が運営する「グリンピア牧之原」は、お茶摘みの体験から工場見学などを体験できる、お茶と健康のテーマパーク。なかでもお茶の新芽の天ぷらや茶そば、桜えびといった地元の味覚を使ったお茶づくしの料理が人気を集めています。お茶処・静岡ならではの楽しみ方をご紹介します。

見渡す限りの茶畑がお出迎え

牧之原のお茶は、大政奉還によって職を失った武士や大井川の川越し人足(人を肩などに乗せて川を渡すことを職業にした人)によって荒れ地だった牧之原台地を開墾したことに始まります。明治10年代後半になると、茶業農家も数多く現れ、明治政府による輸出政策も追い風になり茶園は一気に拡大していきます。今では、静岡県の茶面積の4分の1を占める日本一のお茶どころとしてその名を知られています。
東名高速道路、相良牧之原ICを下り南へ7分ほど行くと、茶畑の中に現れるのが「グリンピア牧之原」。こちらを運営しているのは、この地で80年以上の歴史を持つお茶の卸問屋である喜作園。富士山静岡空港から車で15分ということもあり、外国人観光客も多く訪れる人気スポットです。取材当日も大型バスが駐車していました。
こちらでは2,400坪もある広大な茶畑を舞台に、4月下旬から10月初旬まで茶摘みの体験ができます。静岡人でもなかなか体験できない貴重な経験。さっそく茶娘衣裳に着替えてチャレンジしてみました。
新茶は、一芯二葉を摘んでいきます。芯はまだ開いていない状態の葉で旨み成分がたっぷり。指先でつまんでひねると簡単に摘むことができ、農家さんは1時間で2kgほど収穫するといいます。茶の樹や葉っぱの香りに包まれ、無心で摘んでしまいます。
摘み取った茶葉は持ち帰ることができます。ホットプレートやフライパンを使った釜入り茶のレシピをもらえるので、自宅でお茶をつくってみるのもいいかもしれませんね。

お茶づくりを知れる工場見学など、見どころがいっぱい

茶畑の横にある工場棟には、牧之原のお茶の歴史や特徴を学べる資料館があります。昭和初期に実際に使われていた製茶機械が並べられ、当時のお茶の製造過程を間近に見ることができます。
▲ガラス越しに仕上げ加工から袋詰めまでの行程を見学

隣接する直売所では、お茶や茶器、地元の農作物も販売。日本茶アドバイザーが淹れるお茶を試飲したり、静岡県産の抹茶をふんだんに使った濃厚抹茶ジェラート300円~500円(税込)をおいしくいただきながらお茶の魅力を体感できます。
▲一番茶を深蒸し茶でいただく。渋みは少なくやさしい味わい
▲四季折々の富士山を描いたお茶缶450円(税込)
▲茶畑を前に休憩できる全天候型ウッドテラス「THE HOUSE」もある

築140年の古民家でお茶料理をいただく

直売所のすぐ隣にある「味処 丸尾原」。牧之原を開墾した茶農家の住まいを移築し、太い梁や味わいを増した柱が趣ある雰囲気をつくり出しています。こちらで腕を振るうのは、和の料理人として40年以上の経験を誇る大塚準次料理長。朝早くから摘み取った新芽の茶葉をたっぷりと使い、旬の食材と組み合わせたお茶料理をいただけます。
▲朝摘んだばかりのみずみずしい茶葉
▲かき揚げやおそばなど、8品がセットになった人気メニュー「茶姫膳 基本セット」1,512円(税込)
▲その日摘んだ茶葉をかすみ揚げした「新芽の天ぷら」

お茶っ葉の天ぷらは火を入れすぎると苦みが出てしまうので、揚げるタイミングが重要だといいます。グリンピア牧之原オリジナルの抹茶を調合した「天茶しお」をつけていただきます。しょっぱさはなく、まろやかな味が天ぷらを引き立て、一番茶ならではのやわらかな食感を味わえます。
駿河湾でとれた生の桜えびと茶葉、玉ねぎのかき揚げ。駿河の味覚が1つになった贅沢な一品。こちらも天茶しおをつけると美味しさが引き立ちます。
普段食べる茶そばは、抹茶を練り込んだものが多いといいます。しかしこちらでは、煎茶を粉末にして練りこんだオリジナルの緑茶そばを使用しているため、一口食べると、口の中にお茶の香りが広がるのが分かります。
料理長考案「お茶の駿河煮」。お茶の葉を桜えび、しらすと組み合わせ、甘辛く炊いた珍味。静岡の旧名である駿河の山と海の味覚をふんだんに使ったところが命名の由来です。
深蒸し煎茶の茶殻を特製調味料でじっくり2時間かけて炊きあげた「お茶の佃煮」。甘辛で山椒が利いた味に、ごはんが進みます。
今回は、遠州黒豚を使ったお茶しゃぶ鍋もオーダーしました。「茶姫膳 基本セット+お茶しゃぶ付き」は1,944円(税込)
▲煎茶と昆布のだしにくぐらせます。
▲ほんのりお茶の色に染まった黒豚をポン酢でぱくり
▲新芽はえぐみもなく、程よい苦みとやわらかな食感

普段はお茶として飲んでおしまいのお茶を丸ごと食べられて大満足。10月までの茶摘みが行われる季節はもちろん、オフシーズンも冷凍保存した茶葉を使い、1年を通じてお茶料理を楽しめます。
お茶は健康飲料として昔から親しまれ、今では世界的にもその効能が注目を集めています。お茶には身体を浄化する役割もあるといい、これから始まる暑い夏に向けてもピッタリ。友だちとわいわい言いながら、心もお腹も満腹になる茶体験を楽しんでみてはいかがでしょうか。
大杉晃弘

大杉晃弘

大阪にて結婚・住宅情報誌の制作ディレクターとして、企業の販促活動に従事。その後、地元浜松へUターン。編集、文章、写真の仕事をしつつ、活版印刷工としても修行中。

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