宮島のあなごめしに歴史あり。穴子三昧を楽しむならココ!

2015.06.17

宮島口の駅に降り立つと、どこからともなくふわっと甘いタレが焼けた香ばしい匂いがします。食欲をそそるその匂いの正体は「あなごめし」。匂いに誘われるがままに商店街をそぞろ歩くとそこには長蛇の列が。平日でも行列の絶えない人気店「あなごめし うえの」です。

懐かしいけれども新しい。店主こだわりの店内をぬけて

あなごめしは、明治30年(1897年)に開業した旧宮嶋駅(現・JR西日本宮島口駅)の駅売弁当として生まれました。生みの親は上野他人吉(たにきち)さん。そう「あなごめし うえの」の十代目ご当主です。
宮島で商いをしていた他人吉さんは、宮島口の駅前参道に茶店を開業。人が行き交うこの町で愛されていた「あなごどんぶり」を、温かくても冷たくても美味しい現在の「あなごめし」にしました。
そんな、あなごめしを振る舞うお店が旧宮嶋駅に創業したのが明治34年(1901年)のことです。それが「あなごめし うえの」。作りたてのあなごめしが食べられて、なおかつ、あなごめし弁当も買うことができるお店は瞬く間に人気のお店となりました。

現在、他人吉さんの孫にあたる十三代目の上野純一さんがお店を切り盛りしています。純一さんは、祖父や父母から受け継いだあなごめしの味を守りつつ、現代の旅人に喜ばれるサービスであなごめしを最良のかたちで提供しています。

まず注目したいのは店内のセンスのよさ!うえのが創業した明治時代のハイカラさを彷彿とさせる古民家のリノベーション空間です。
建物は、戦後、他敷地の木造家屋を改修して移築。この味わいは新築では出せません。「うえの」が脈々と繋いだ百年余りの歴史を表す店内です。
行列の絶えない「うえの」ですが、待合室は女子旅の休憩にもってこいの雰囲気。タイムトリップした空間での待ち時間はあっという間に過ぎます。また店内にちりばめられたセンスの良いアンティーク家具は純一さんが買い集めたものです。
「うえの」の待合室奥には、「みやじまぐちの想い出Shop epilo(えぴろ)」というブックカフェ&雑貨屋さんがあります。ま、まさか、あなごめし屋さんの同じ敷地の奥にこんなおしゃれすぎる雑貨屋があるとは…!
広島のものづくり作家さんの作品や地元にゆかりのあるこだわり菓子、食材、そしてただの土産物とは一線を画すオリジナルの宮島土産を販売。地元のかたも多く利用しているので、地元民と旅行者の交流場としても愛されているお店です。
▲おしゃれしゃもじ…!

あまりのセンスのよさにトリップしてしまいましたが、楽しい待ち時間を経て、いよいよ、あなごめしの登場です!
こちらがあなごめし上1,890円(税込)。あなごめしはほかに特上2,160円(税込)もあります。女性に嬉しいサイズのあなごめし小は1,470円(税込)。量が少なめというだけで品質は「上」と同じ穴子が味わえます。
創業から継ぎ足され続けた秘伝の甘辛タレがたっぷり塗られた穴子がてりってり。いただきます!!
まずは、穴子をぱくり。直火で焼いた穴子は歯ごたえがいい。純一さんは「煮穴子が主流の東京人にも『焼き穴子も美味しいな』と言ってもらえたのが嬉しかった」とにっこり。食文化の違いを飛び越え、旅行者を虜にしてしまう「うえの」の穴子。またほどよく乗る脂もいい。しつこくない程度の脂は穴子自体の身の味を引き立てます。タレと焼き加減と身の旨さ。すべてがそろっていないとこの味にはなりません。
また「うえの」の穴子へのこだわりは純一さんの並々ならぬ知識と穴子への愛情が支えています。
「『うえの』では1日100匹の穴子をさばきます。昔は穴子がたくさん穫れた宮島近海ですが、現在はすべての量を補うほどは穫れません。いい穴子がいなくなったわけではなく、供給システムや漁師の跡継ぎ問題など様々な原因があります。僕たちが美味しい穴子を追求していくことによってそのあたりの底上げができたらいいと思っています。ただ旨いものを作るだけではなく、うまい穴子の安定供給にも気を配っていきたいです。それこそ穴子の餌から広島の水揚げまで。それがうまいあなごめしをお客さんへ提供することに繋がりますから」と純一さん。

また、ごはんがうまい。穴子のアラで炊き込んだ醤油ご飯はそれだけでコクがあります。穴子の旨さを受け止めさらなる高みへ導く懐深さを感じます。

これぞ、「うえの」のあなごめし。
▲2Fは予約も可。

宮島で感じる最上のおもてなし

タレの味を守り、穴子の質を守り、先代より受け継いだレシピを守る。純一さんが「今も昔も、一番美味しいと思う味」のすべてが味わえる喜び。そのなかで、心地よい店内にリノベーションをして、カフェや雑貨屋を併設するなど、あなごめしを味わう“場”は、時代のニーズに応えるセンスの良さ。味を守る“剛”と最良のサービスを提供する“柔軟”さ。これが純一さんはじめ、「あなごめしうえの」がもたらす最上のおもてなしだと感じました。
店内で食べるのはもちろん、持ち帰りのお弁当も大人気。パッケージは「蔵の中から、昔使っていたお弁当の包み紙が見つかり、これはいいと復刻しました」というレトロかわいいもの。
そう、このお弁当の存在そのものが、「あなごめしうえの」の「味」「歴史」「センス」が凝縮したものなのです!

旅の道連れに、想い出に、宮島口のおもてなしを鞄にひとついかがでしょう。
ココホレジャパン

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