四万十川が育んだ豊かな食材を味わいつくす。最後の清流は日本一のグルメの川!

2016.07.04

清流・四万十川は、専業の川漁師が活躍するほど恵み豊かな川。さらに川が運んだ肥沃な土壌を利用して農産物の栽培もさかん。天然ウナギをはじめとする希少な川の幸から、地元素材をふんだんに使った手作り料理・スイーツまでたっぷり。四万十川の流れを眺めつつ、滋味あふれる四万十グルメに舌鼓!

四万十川を眺めながら、ちょっとリッチに
四万十川産の天然ウナギを味わおう

四万十川の川の幸で誰もが「一度は食べてみたい」と思うのが天然ウナギだろう。流域の飲食店で天然ウナギを提供するお店は少なくないものの、やはり漁の状況により予約を入れたとしても味わえないこともある。

そこで今回は、ほぼ毎日天然ウナギを提供している「四万十屋」を選んだ。同店は地元川漁師を中心に毎日天然ウナギを仕入れ、店内の生け簀で飼育している。そのためGWやお盆の繁忙期の品切れ以外は、基本的に毎日味わうことができるのだ。(ただし11月~3月末のウナギ禁漁期は、禁漁前に水揚げした天然ウナギを冷凍保存したものを提供)
▲川漁師でもある料理長の佐田さんが次々にウナギを焼いていく

今回料理長の佐田明生(さたあきお)さんにオーダーしたのは、一番人気の「うな重(天然/3,880円・税込)」。天然ウナギはまず軽く炭火で両面を焼いて、仕上げにウナギのアラのダシが入ったタレにくぐらせて、もう一度表面を炙ってから提供してくれる。

できあがったうな重をいただくのは、春や秋のみ開放されるテラス席。目の前にはゆったりと流れる四万十川の姿を見ることができる特等席だ。
▲「うな重」には小鉢と汁物のほか、肝の煮物、骨せんべいが付いてくる

香ばしい香りのふっくら柔らかに焼き上がったウナギとご対面!天然ウナギは大きさにバラツキがあると言われるが、ご飯を覆い尽くすように十分な量を確保してくれているのがうれしい。

歯応えは柔らかで、ギュッと噛みしめれば、皮と身の間から旨みたっぷりの脂がにじみ出てくる。天然の野性味というより、上品でやさしい味わい。「味に香りがあるでしょ?」と佐田さん。確かに言われてみれば、鼻腔に残る心地よい香ばしさが印象的だ。

特製タレもほど良い甘さでご飯がすすむすすむ。しかし安くない天然ウナギは、もう少しじっくりと味わうべき。一口食べたら四万十川の流れを眺めて、余韻を楽しみつつ、じわりじわりと食べ進めるのを流儀としたい。
四万十屋では四万十川の伏流水で育てた養殖ウナギの「うな重(3,000円・税込)」も提供している。両方をオーダーして、味の違いを楽しむグループも多いそうだ。佐田さん曰く、その味は「全然違う!」とのこと。次回は少し予算を多めに確保して、両方を味わうことにするか。

なお、ほぼ毎日天然ウナギを提供しているものの、あくまで売り切れ次第終了なので予約は不可。できるだけ早い時間に足を運ぶのが賢明だろう。また1階のお土産売り場の隣には生け簀が設置されているので、生きた天然ウナギを見学するのも、ちょっと楽しいかも。

お母さんたちのやさしい味わいの
手料理に感涙する農家レストラン

▲ずらりとカウンターに並ぶメニューの数々。15種類ほど提供している

四万十市中心部から四万十川沿いにのびる国道441号を車で遡ること約30分。口屋内(くちやない)と呼ばれる小さな集落に、農家レストラン「しゃえんじり」がある。

「しゃえんじり」とは地元の方言で「野菜畑」。その名のとおり、農家のお母さんたちが、自分の畑で取れた野菜を主な素材として料理を提供している。食事はランチバイキング(大人1,300円、子ども700円、幼児300円 いずれも税込)のみだが、やさしい味わいの郷土料理がたっぷり楽しめると、観光客や地元客で賑わっている。
▲盛り付け例。手前中央の「川エビのそうめん」は5月~10月に味わえる

旬の素材を使った料理ばかりなので、足を運ぶ度に異なる味が楽しめるのも魅力。この日はタケノコと切り干し大根の煮物、ウドなど山菜の天ぷらをはじめ、川エビのそうめん、アメゴ(アマゴ)の甘露煮など川の幸も並んだ。

特に目を引くのが茹でた川エビと、地元の肉厚なシイタケをトッピングしたそうめん。川エビは殻をむけばプリプリの身が味わえ、濃厚な旨みのシイタケも、あっさりとしたそうめんに相性バッチリだ。ほかにも夏にはナスのタタキ、秋にはツガニ(モクズガニ)汁なども登場する。
▲レギュラーメニューのひとつ「柚香(ゆこう)」は地元産の柚子の皮の砂糖煮。柚子の苦味と甘さがお口直しにぴったり

ご飯は白米、炊き込みご飯、ちらし寿司等の3種類。またデザートには「ゆずケーキ」や「ゆず寒天」なども並び、スイーツ好きも満足できる内容になっている。
▲花柄のエプロンが似合うお母さんたち。飾らない笑顔も魅力的だ。後ろのテラス席で食事も可能

料理だけではなく、やはりお母さんたちの人柄も魅力的。忙しそうに働きながらも、彼女たちのやさしい響きの幡多弁(はたべん。高知西部の方言)での対応は、故郷に帰ってきたような、どこかホッとするような気持ちにしてくれる。

あたたかい雰囲気の中で四万十の郷土料理がたっぷり味わえる「しゃえんじり」。お母さんたちの笑顔とやさしい味わいの料理を目当てに、わざわざ足を運ぶ価値がある店だ。

話題沸騰! 四万十産スイーツが楽しめる清流沿いのカフェ

▲四万十川河畔に建つ「Shimanto おちゃくりカフェ」から四万十川を望む

四万十川流域らしい素材を使った本格スイーツを味わいたいなら「道の駅四万十とおわ」に併設された「Shimanto おちゃくりカフェ」がおすすめだ。読んで字の如く、周辺で採れた茶葉を使った紅茶と四万十特産の栗のスイーツが自慢の店。

四万十スギとヒノキをふんだんに使用した店舗は、壁一面がガラス張り。その大きな窓に向かってカウンター席が並び、目と鼻の先に流れる四万十川を愛でつつ、スイーツを楽しむことができる。

早速、この店の名物でもある「しまんとモンブラン(500円・税込)」と「しまんと紅茶(単品350円、スイーツとセットで250円 いずれも税込)」を味わうことにしよう。
モンブランに使用されているのは「四万十の栗」と呼ばれる地元で生産されている地栗。その栗のペーストが2層になったのがこのモンブランだ。上にかかっている細いペーストはフワフワの食感、内側のペーストは栗の舌触りを感じられるように少し堅めになっている。栗の風味と紅茶の香りが絶妙にマッチして、お互いをひき立て合っている。

通常モンブランは原料にリキュールなどを加えるが、このモンブランは少しの生クリームと渋皮煮、そして甘露煮のシロップだけを使う。
「四万十の栗」自体の糖度が高いため、砂糖の使用も控えめ。そのため栗本来の香りと甘みが、ジワッと口の中に広がるのが特徴だ。隣に添えられた無糖の生クリームと共に味わえば、さらにマイルドな味に変化する。

しまんと紅茶は地元の茶葉をじっくり手揉みで自家発酵させた一杯。控えめな香りながら、しっかりとした紅茶の味が楽しめる。この紅茶と栗を生地にもクリームにも使用し、それぞれ素材の風味が生きた「しまんとロール(地栗・紅茶)」(400円・税込)もあわせて楽しみたい。
▲四万十川河畔から「Shimanto おちゃくりカフェ」を望む。緑豊かな自然に囲まれたロケーションだ

カフェから続く階段を下りれば、そこは清流・四万十川。少し流れが速いところがあるものの、心地よい流れに足を浸しながら、テイクアウトしたスイーツを味わうのもいいだろう。
希少な川の幸から郷土料理やスイーツなど、多彩なグルメが楽しめる四万十川流域。単にドライブ途中に立ち寄るのも良いが、サイクリングやカヌーなどアクティビティに参加して、お腹を空かしてから足を運べば、さらに美味しく楽しめるはず。季節ならではの素材を味わうために、何度でも足を運んでほしい。
藤川満

藤川満

清流・仁淀川流れる高知県いの町在住。出版社勤務を経て「撮って書く」フォトライターに。カヌーやトレッキングなど自然と親しむ一方で、利酒師の資格を有する日本酒党。またジャズライブの撮影はライフワークのひとつ。

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