水晶のように透明で薄紅色に輝く、富山湾の宝石・シロエビの神髄を贅沢に味わう!

2016.08.22

日本全国の海域に広く分布していながら、漁業が成り立つほど漁獲されるのは富山湾のみという「シロエビ」。その美しい姿から「富山湾の宝石」と呼ばれています。淡白で上品な甘みを持つ味わいで、地元では天ぷらやから揚げ、汁ものなどで親しまれてきました。漁獲量と鮮度の保持が難しいことからあまり多く流通されていないとか。そこで、そんなシロエビの魅力と、シロエビを贅沢にたっぷり味わえる富山のお店をご紹介します!

▲白えび刺身(写真協力:白えび亭)

シロエビはどうして希少なの?

地元ではシラエビ、ヒラタエビ、ベッコウエビなどの名前で呼ばれることもある「シロエビ」。
体長は約5~8cm。水深200~300mの深海に生息しているため、富山湾の中でも深い海底渓谷をもつ新湊(しんみなと)沖、岩瀬(いわせ)沖、水橋(みずはし)沖だけで、中層引き漁で漁獲されています。

とりわけ新湊沖は急深の地形でシロエビの数も多く、濃い藍色の海面で甕(かめ)のような地形から「藍甕(あいがめ)」と呼ばれ、地元の漁師たちから大切に守られてきました。
今回はその新湊漁港でお話を伺いました。
▲新湊漁港に揚げられたばかりのシロエビは透明でほのかに薄紅色。この美しさが「富山湾の宝石」と呼ばれる所以

流通できるほどまとまった量が水揚げされるとはいえ、新湊漁港でのシロエビの漁獲量は漁期間を通して約200t。しかもメスの産卵数は1匹あたり年間約300個と少ないことから、富山県ではシロエビを守るために漁獲期間は4~11月に限定されています。

漁師たちは船上で水揚げしたシロエビが小さかったり反応が鈍かったりした場合、その日のシロエビ漁を中止するよう連携を取り合っているそうです。週の半分近くシロエビ漁に出られないこともありますが、全ては将来の資源のため。深海の魚で体が小さく繊細なことに加え養殖も難しく、水槽では1週間ももたないシロエビを大切に保護しているのです。
▲水揚げ後、すぐにセリにかけられます

シロエビは鮮度落ちが非常に早いので、船上に水揚げするとすぐに殺菌冷海水を掛け流しますが、より鮮度を守るために網を引き揚げるごとに約1時間かけて漁港へ戻り、セリが行われます。午前中で2~3回セリが行われることも。漁港独特のセリ言葉が交わされる中、次々とシロエビの買い手が決まっていきます。
▲新湊漁港でセリ落とされた生シロエビの量が測られます

流通や冷凍技術が発達する前は、水揚げするとすぐに天日干しや煮干しにされるのが普通で、生シロエビでの出荷はとても困難だったそうです。急速冷凍で生シロエビの流通がある程度可能になった現在は、ムキ身などに加工されて高級食材として利用されたり、洋食の食材として注目されたりして用途が広がっています。

希少なシロエビを存分に味わうには、やはり富山が1番!

富山でシロエビがいただけるお店はいくつかありますが、中でも「白えび亭」は、その名の通りシロエビ料理専門店。JR富山駅に着いたら徒歩で約3分という好立地も魅力です。
▲JR富山駅1Fの駅ビル「とやマルシェ」内にある「白えび亭」(写真協力:白えび亭)

1991年創業で、2015年2月まではちょっと離れた駅ビルにありましたが、同年3月14日の北陸新幹線開業とともに現在の場所にオープンしました。

こちらではシロエビの刺身や天ぷらが気軽にいただけますが、いちおしはシロエビの刺身!富山でもシロエビの刺身をいただけるところは少ないといわれるだけに、駅ビルで気軽にいただけるのは嬉しいですね。
▲白えび刺身(税込1,800円/写真協力:白えび亭)

こちらのシロエビの刺身は、1人前でなんと約50~60匹も!ねっとりとした食感と独特の甘みが口の中いっぱいに広がります。テーブルには真昆布刺身醤油のこいくちとあまくちが用意され、どちらを選ぶかはお好みで。シロエビの味わいを堪能するなら、醤油は少なめ、あるいは使わなくてもいいくらいです。
▲白えび刺身丼定食(税込2,400円/写真協力:白えび亭)

贅沢なお刺身は丼でもいただけ、この定食ではシロエビが約60~70匹乗っています。
▲白えび刺身丼スペシャル定食(税込4,500円/写真協力:白えび亭)

さらにスペシャルともなると、圧巻の約150匹!シロエビをこんなにも一度にたくさん味わえる贅沢さは富山ならではです。

そして驚くことに、これらのシロエビはなんと1匹ずつ手むきされているのです!
ローラーでカラをつぶす機械むきではなく、1匹ずつ手でカラを取り除く手むきの方が、シロエビ本来の上品な甘みや食感が保たれるからというこだわりから、こちらでいただくシロエビのお刺身は、全て手むきのものです。
▲シロエビのカラを丁寧に手でむく様子(写真協力:白えび亭)

漁港から近い富山市内であっても生身のシロエビは冷凍にかけて流通されています。一度冷凍にかけられたシロエビの身は、きゅっと縮んでカラと少しはなれるため、手でむきやすくなっているそうです。とはいえ、1人分をむくのに30分~1時間ほどかかるそうで、とても手間がかかる手むき作業。

カラをはがすと半分近くの重さになってしまうため、1gあたりのむき身のシロエビの価格はとても高価。それゆえシロエビの刺身を口いっぱいにほおばれる贅沢なおいしさは、他ではなかなか味わえません。

そしてこちらの名物といえば、「白えび天丼」。
▲白えび天丼定食(税込1,260円/写真協力:白えび亭)

こちらの天丼は、シロエビのおいしさと形の美しさを最大限に引き出すために、他の食材と合わせてまとめて揚げるのではなく、衣や味付けを極力少なめに1匹ずつ揚げているのが最大の特徴。シロエビの数も約25匹とたっぷりで、富山県産コシヒカリのお米とともにほおばると、その絶妙で上品な味わいに心が幸福感で満たされます。

今では富山のご当地丼となっているシロエビを用いた天丼は、実は「白えび亭」が元祖なのだそうです。
▲白えび天ぷら(税込780円/写真協力:白えび亭)

「白えび天ぷら」の単品もあるので、もっと白えび天ぷらを堪能したい時や、他の料理とともにちょっとずつ食べてみたい時などにもぴったり。

シロエビの地、富山ならではのシロエビ三昧。こだわりが光るお店なので、ほかでは味わえないシロエビのおいしさを楽しめます。

富山でしか味わえない「白エビバーガー」もお忘れなく!

他にも富山でしか味わえないシロエビグルメがあります。中でも新湊漁港近くにある道の駅「カモンパーク新湊」では多彩なシロエビグルメが気軽に楽しめますが、ぜひ味わってみてほしいのが、ファストフードコーナーで食べられる「白エビバーガー」です。
▲多くのグルメ番組などで取り上げられた元祖の「白エビバーガー」(税込420円/写真協力:カモンパーク新湊)

サクッと揚げたシロエビのかき揚げと、手作りのタルタルソース、たっぷりのキャベツがバンズでサンドされています。バンズはふんわりとやわらかく、シロエビのかき揚げのサクサクとした食感と香ばしさが絶妙で、大人から子どもまでやみつきになるほどの名物グルメです。
▲かわいいシロエビのキャラクター「白エビシーちゃん」が印象的なカモンパーク新湊(写真協力:カモンパーク新湊)
▲レストランの内観。他にはファストフードコーナー、物産・テイクアウトコーナーがあります(写真協力:カモンパーク新湊)
▲富山の味覚が味わえる豪華な「新湊膳」(税込1,800円/写真協力:カモンパーク新湊)

落ち着いた雰囲気のレストランでは、「新湊膳」がいただけます。
写真右下が2010年ご当地どんぶり選手権で優勝した、ボリューム満点な「白エビかき揚丼」のミニサイズ。その左がシロエビの昆布〆、お吸い物はシロエビ入りで上品な味わいです。シロエビのおいしさを1つならず2つ、3つも味わえるのです!さらにホタルイカの沖漬けなどがセットになっているのも嬉しい限り。
▲気軽に食べられるサイズの「白エビ天むす」(税込630円/写真協力:カモンパーク新湊)

テイクアウトコーナーでは「白エビ天むす」が販売されています。
シロエビの天ぷらが1匹ずつ包まれたかわいい一口サイズで、小腹が減った時にぴったり。ふっくらと握られたおにぎりとシロエビの風味が口に広がり、次々と手が伸びます。
これは「2015 富山マラソン」をきっかけに開発された新メニューで、新湊高校の生徒たちとのコラボグルメなのだそうです。
上品で繊細な「富山湾の宝石 シロエビ」をたっぷりと多彩なメニューで、こんなにもお手頃に味わえるのは富山ならでは。今回ご紹介したお店のシロエビグルメは、どれも心に残るおいしさです。ぜひ何度でも食べに訪れてみてください!
SARYO

SARYO

石川県の温泉地として名高い南加賀在住のライター・エディター、時々シナリオライター。北陸の地域情報誌に10年勤めていた経験と、国内も国外も興味津々な好奇心をフル活用し、さまざまな情報をお届けします。歴史、神社仏閣、旅、温泉に強く、利用者と同じ目線を重視するスタイル。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

こちらもおすすめ

もっと見る
PAGE TOP