「上野桜木あたり」でゆるりと過ごす、昭和レトロな谷根千散歩

2016.07.17

谷根千散歩の新たな定番スポット「上野桜木あたり」は、築80年になる古民家を再生した複合施設。2015年3月のオープン以来、ご近所の常連さんから外国人観光客まで多彩な人々を魅了しています。散歩の途中でひと息つくのにぴったりな、通りを一本入った路地裏の立地や洗練されたお店……。昭和レトロな空間でゆるりと過ごしてみませんか。

▲JR日暮里駅、東京メトロ根津駅、千駄木駅の各駅から徒歩10分ほど。通りを一本入ると、中庭を囲んで3軒の古民家が姿を現します

地域に暮らす人々の思いが創りあげた、特別な場所

表通りを一本入ると、その一角に風情ある木造の家屋が見えてきます。敷地内には、「Kayaba Bakery」「塩とオリーブの店 おしおりーぶ」「谷中ビアホール」「でも俺5時間だからユウスケ」の4店舗と、レンタル可能なコミュニティースペース「みんなのざしき」「みんなのろじ」があります。

ちょっとユニークな「上野桜木あたり」という名。それは、この地が育んできた丁寧な暮らしを再び発見し、生み出し、広げていきたいという思いが込められています。
▲古民家が立ち並ぶ路地にはさわやかな陽光が差し込みます。ときにはイベントが開催されることも

あの「カヤバ珈琲」がオープンしたパン屋さん
「Kayaba Bakery」

路地をぬけて中庭の奥へ進み、まずは朝9時から営業している、「Kayaba Bakery(カヤバベーカリー)」へ。お話を伺った店長の村上慎吾さんは、谷中の老舗喫茶店「カヤバ珈琲」の店長を兼務しています。
古民家を再生して出店するにあたり、「この場所で、コーヒーに合う美味しいパンを提供したい」という思いがあったといいます。その思いをかたちにしたのが、このカヤバベーカリーです。
▲レトロな引き戸の奥には、焼きたてのパンたちが!

カヤバベーカリーには、国産小麦を使った約50種類のパンが店頭にならびます。やや小ぶりで控えめな価格設定は、子どもから大人までいろいろな種類を楽しんでほしいという気持ちから。

桜木の地名にちなんだ名物の桜大納言あんぱん(170円)、大葉チーズベーコンエピ(260円)、七味チーズ(180円)など、大葉や唐辛子など和の素材使いも新鮮です。クリームや餡はもちろん自家製、ハード系のパンは自家製天然酵母を使用する本格派。魅力的なパンたちを前に目移りすること間違いなしです。
▲ハード系のパンも充実。カヤバ珈琲の玉子サンドに使用されるカヤバ食パン(下段、280円)は売り切れ必至
▲人気のじゃがぱんは3種類。左から、じゃがぱん(180円)、コンビーフじゃがぱん(220円)、ローズマリーじゃがぱん(190円)。ちなみに、ゴロッと入ったコンビーフは、谷中銀座商店街のコシズカハムのもの。食べごたえあり!
▲種類豊富な甘いパンたち。フィリングやトッピングはどれもたっぷり♪左から、ごまあんぱん(160円)、くるみのハニートースト(160円)、ブルーベリークリームチーズリュスティック(280円)

パンとコーヒー、パンとビール
お好みの組み合わせで自由に楽しんで!

買い込んだパンは、中庭のテーブルや路地にあるベンチでさっそく味見できます。カヤバ珈琲謹製のコーヒーとともに楽しむのも、お向かいの谷中ビアホールでテイクアウトしたビールを飲みながらパンをつまみにするのも良し。
▲アイスコーヒー(350円)はカヤバ珈琲のもの。中庭のベンチでひと息。パンは左から、桜大納言あんぱん、ローズマリーじゃがぱん
▲谷中ビアホールでテイクアウトした谷中ビール(Mサイズ・900円)には村上さんおすすめの大葉チーズベーコンエピを
▲朝4時から焼いている絶品パンと、とびきりの笑顔でお出迎えしています!
▲カヤバベーカリー店長の村上慎吾さん。店舗が入る古民家の軒先にて

この日も朝から、近所に住む子ども連れのお母さん、初老のご夫婦、近隣の学生や外国からの観光客などが、焼きたてのパンを求めてひっきりなしに訪れていました。
この場所に携わる人々の思いとエネルギーが、歴史ある古民家をわくわくするような活気ある場所に変えているようです。

限定クラフトビールと和のBBQが人気!
「谷中ビアホール」

次に訪れたのは、高品質なクラフトビールとここでしか味わえない土鍋を使った「和のBBQ」を出してくれると話題の谷中ビアホール。
▲レトロな雰囲気のなか、クラフトビールを味わうしあわせ
▲店内の看板は、よく見るとヒゲのおじさんがビールを片手に

古民家でビール!胸を躍らせながら暖簾をくぐると、カウンターにはどっしりとした土鍋がずらり。
▲土鍋は、BBQ用、スモーク用、蒸し焼き用と調理法により使い分けています
▲土鍋でつくるBBQは、皮はパリッと中身はジューシー。「フランクフルト」(左、3ピース300円)、「スモークの盛り合わせ」(中央、600円)
▲人気のおつまみ、「焼きバター枝豆」(300円)

ビールは飲み比べセットがおすすめ!
お気に入りのテイストをみつけて

こちらでは、「谷中ビール」「アウグスオリジナル」「インディア・ペールエール」「ホワイト」の全4種類のクラフトビールが樽生で楽しめます。サイズは、S・260ml(600円)、M・390ml(900円)、L・520ml(1,200円)からチョイス。全種類楽しめる、うれしい飲み比べセット(1,200円)もあります。

ここでしか飲めない限定の「谷中ビール」は、アルコール4.5%のさわやかさと芳ばしい麦芽の風味が特徴。土鍋BBQに合うんです!
▲飲み比べセット。左奥から時計回りに、「アウグスオリジナル」「インディア・ペールエール」「谷中ビール」「ホワイト」
▲好みを伝えれば、ぴったりのビールを選んでくれます
▲ランチメニューは、なつかしい味わいの「やなカレー」「やなポリタン」。(サラダ付き・各900円)。やはりビールに合います
▲ランチは風通しの良いテラス席で。夜もレトロな灯りがともり、風情があって素敵です

こじんまりした店内には「美味しい!」がぎっしり
「塩とオリーブの店 おしおりーぶ」

ランチのあとはカヤバベーカリーのお隣にある、「おしおりーぶ」にやってきました。こちらは塩とオリーブの専門店。貴重な品がところせましと並んでいます。
▲かわいらしい看板に誘われて

こだわりのオリーブオイルは、クロアチア、フランス、イタリア、スペイン、トルコ、ギリシャ、ポルトガル、そして日本などから、オリーブの実が青いうちに収穫した早摘みのエクストラバージンオリーブオイルのみをセレクト。
収穫量が少なく貴重なオイルは、フレッシュな香りとさわやかな青味、苦味、辛味が特徴。パーティーやプレゼントにもぴったりの、おしゃれなボトルばかりで気分があがります。
▲コスメのように美しいボトルの数々。カヤバベーカリーでもこちらのオリーブオイルを使用しています
▲オイルは小さく切ったカヤバベーカリーのパンに付けて味見。お気に入りをみつけて
▲オリーブオイルへの愛と知識があふれるオリーブコンシェルジュの中川潔さん。驚きのあるオイルとヴィネガーのペアリングを、ていねいに教えていただけます

暑くなるこれからの季節におすすめなのは、レモングラスが香るオリーブオイルとマンゴーヴィネガーのペアリング。簡単に本格的なアジアンテイストドレッシングができあがるそう。
▲奥能登しおサイダー(左、248円)と復活塩(右、648円)は、オリジナルドリンクにも使われています

塩やオリーブ、ヴィネガーをつかった
ヘルシーなオリジナルドリンクが美味!

中庭に面したカウンターでは、商品のオリーブパウダーや塩などを使用したオリジナルドリンクが多数用意されています。おすすめは、「甘酒ブロッサム桜」。甘酒に杏仁をシェイクしたノンアルコールドリンクです。グラスのふちの桜フレークと塩がアクセント。まろやな味わいは、やみつきになりそうな美味しさ!
▲左から、「甘酒ブロッサム桜」(600円)、「能登ソルティ」 (800円)、「ヴィネガードリンク~カラマンシーヴィネガーとキウイソース」(600円)。キウイソースは生の果物からつくった自家製!

デザート感覚で楽しめるドリンクやオリジナルのカクテルは、どれもここでしか出会えない、うれしい驚きのある味わいです。

感性を刺激される空間
「でも俺5時間だからユウスケ」

谷中ビアホールの玄関左手にひっそりと2階へ通じる階段があります。入口には「でも俺5時間だからユウスケ」と小さく印されています。
▲玄関のパネルには、なぞかけのような店名が

ここは知る人ぞ知る秘密めいた空間につながる入口。ほの暗いやや急な階段を上がると、硝子戸の向こうにカラフルな洋服が並んでいるのが見えます。

靴を脱いで中に入ると、十畳ほどの和室中央に鉄のテーブル、その上に玩具やオブジェが整然と置かれています。窓辺には店主が西ヨーロッパで買い付けたというヴィンテージの衣類が。
▲カラフルなヴィンテージの衣類は、西ヨーロッパで買い付けた一点もの

床の間に目を向けると天井から鳥籠のオブジェがいくつかぶら下がり、まるでギャラリーにいるような不思議な感覚にとらわれます。一方で、畳敷きのその空間の意心地はとても良く、美意識の高い友人の家に招かれたようなくつろいだ気分に。たまに窓からふらりとやってくるという猫の気持ちもわかるような。
▲中国で買い付けた鳥籠。音や振動で小鳥が鳴きます!

衣類はもちろん、中国をはじめとしたアジアで買い付けた玩具やオブジェもほぼすべてが売りもの。さり気なく値札が付けられています。ユニークな雑貨類のセレクト基準は、“実用性のないもの”とか。

店主の遊び心に思わずニヤリとさせられ、思いのほか長居してしまいそう。フォルムが美しいヴィンテージの衣類は、ユニセックスのものが多くおしゃれ心をくすぐられます。
▲窓辺には、個性的なフォルムのシャツ。試着もできます

部屋のしつらえは、店主の気分で不定期に変わるそう。ぜひ一度、時空を超えた独特の世界観にひたってみてください。

みんなが一緒になって広げてくいく場
「みんなのざしき」「みんなのろじ」

レンタルできるコミュニティースペース「みんなのろじ」は、その名のとおり3軒の古民家をつなぐ路地のこと。路地もレンタルできるんです!こちらでは、マルシェや手づくり市など多くの人が集まる催しが行われ、地方と上野桜木をつなぐ交流の場ともなっているとか。

茶室のある「みんなのざしき」では、お茶会などのお稽古や交流会、ヨガ教室など、イベント企画・発信の場として活用されています。
「上野桜木あたり」には、地域に根ざす多くの人が携わっています。共通するのは、この場所を愛し変わらぬ姿を残したいという強い思い。自由に行き来できる個性あふれる店舗を巡りながら、この空間でしか味わえない時間をゆるりと過ごしてみませんか。

※記事中の価格はすべて税込
村上ジャンヌ

村上ジャンヌ

札幌出身、神奈川県在住。大学にて古美術とバイオリン、セツ・モードセミナーにてフランス文化を学ぶ。広告企画制作、雑誌編集を経てフリーライター。現在3歳の娘の育児奮闘中。酒場生活に別れを告げ、美味しいパンとジェラート探しに情熱を傾ける毎日。(制作会社CLINK:クリンク)

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