江戸前のあさりに舌鼓!創業明治30年「宝家」。ふたりの名物女将が盛り立てる老舗のおもてなしを堪能

2016.08.18 更新

かつては木更津県*の県庁所在地でもあったという木更津市。東京湾アクアラインの起点・終点であり、最近ではアウトレットモールのオープンや圏央道の開通により、存在感を新たにしています。そんな木更津市に居を構え、時代を見つめてきたのが「味処 宝家」。明治30(1897)年から守り受け継いできた江戸前の味を堪能すべく、木更津市を訪れました。(*明治4年に設置、その後廃止)

▲名物「あさり御膳」。こちらを味わうために遠方から足を運ぶ人も多いそう

お客様に「宝」のような時間を
過ごしてもらえるように

江戸時代、江戸と上総(現在の東京と千葉県・房総エリア)とを結ぶ物資の集散地として大いに栄えた木更津市。“江戸前”として親しまれてきた木更津の豊かな漁場で獲れる魚介類や、房総半島から集まる旬の山の幸は、この地を訪れる舌の肥えた人々を唸らせてきたとききます。

旬の山海の「宝」を食せる家、ということで「宝家」が創業したのは明治30(1897)年のこと。4代目となる今のご主人に受け継がれる現在まで、伝統の味を守ってきました。
▲老舗を感じさせる趣きある店構え。看板は木更津名誉市民「千代倉桜舟」先生の書。宝家をこよなく愛したお客様の一人

なかでも千葉県産を中心に、春から夏にかけて旬を迎える肉厚で粒の大きなあさりを使ったあさり料理は、宝家の名物。かつては旬の時期にのみふるまわれていましたが、来店客の強い要望により、1年中ふるまわれるようになったのだそう。
今では海外から訪れるお客さんも後を絶ちません。
「“宝家”とはお客様に宝のような楽しい時間を過ごしていただきたいという思いも込められているんです」とは、入口まで出迎えてくれた若女将、希依子(きえこ)さん。

数年前に女優業と並行して実家である宝家の若女将となりました。8年間の海外経験を生かした外国人客への応対、企画や広報、木更津市の宣伝も兼ねたラジオのパーソナリティーなど店内外で幅広く活躍し、あさり料理同様に、今ではお店の看板若女将となっています。
若女将に会いたくてわざわざ遠方から訪ねてくる人もいるそうです。
▲若女将・希依子さん。着物姿の立ち居振る舞いも大変お美しい
「実は家業を手伝うなんて1mmも考えてなかったんです」と希依子さん。しかし実際に始めてみて、お客さんの反応が直にわかる飲食業の魅力に取りつかれたのだそう。
若女将の活躍もあって宝家は大繁盛。今では母である女将のまり子さんとともに時間の許す限り客前に立ち、おおいに店を盛り立てています。

名物「あさり御膳」、「あさりのさんが焼」。
あさり尽くしのお料理をいただく

若女将のお顔も拝めたことですし、早速、名物のあさり料理をいただくことに。
ランチメニューには噂どおり“あさり”の文字がずらりと並びます。アサリカレー、アサリグラタンなど洋風なメニューも気になりますが、やはり一番人気「あさり御膳」をいただきます。メイン料理はあさりのかき揚げ、あさりの串揚げ、お刺身、天ぷらから選ぶことができます。
▲こちらが一番人気の宝家名物あさり御膳(2,000円・税別)

かき揚げか串揚げかを迷って、かき揚げにしました。あさり、タマネギ、ニンジン、長ネギの入ったかき揚げに、あさりご飯、あさりのお造り、あさりのお味噌汁がつきます。ご飯やお味噌汁にも“これでもか!”というくらいにあさりが入っています。
▲大きなかき揚げには、あさりがたっぷり!パリッパリの食感です
▲あさりご飯の中にもあさりがこんなにどっさり。味はあっさり目ですが、あさりの出汁が効いていて、箸がすすみます
単品であさりの串揚げ(1,000円・税別)も注文しました。大粒のあさりを串にさして揚げたもの。
▲むき身を串にたっぷりさして。しっかりとした歯ごたえと味わいです
▲あさりのさんが焼(800円・税別)

さらに、こちらも珍しいあさりのさんが焼(千葉県の郷土料理で魚を薬味と一緒にたたいて粘り気を出し、味噌で味付けして焼いたもの)を注文。魚のかわりにあさりをふんだんに使ったさんが焼です。
見た目は普通のさんが焼。でも食べてみると、しその風味にあさりがマッチして美味しい~!あさりならではの歯ごたえもあります
あさり以外のおすすめは、千葉県のブランド豚を使った「房総豚とんかつ定食」ということ。せっかくなので、こちらもいただいてみました。
▲房総豚とんかつ定食(1,500円・税別)

木更津市にある平野養豚場で、抗生物質を限りなく抑えたビタミンたっぷりの飼料で育てられた林SPF豚を使ったトンカツは、とても柔らかくジューシー!ほんのりと甘みがあり、まったく脂っこさは感じません。
どのお料理もお値段を聞いて驚くほどのコストパフォーマンスのよさ。緑が鮮やかなお庭を眺めながら老舗の割烹でいただくお料理は格別でした。

「来てよかった」と言ってもらえる
宝家、そして木更津市に

「あさりをお店の看板メニューにしようと言って下さったのは、俳優の中尾彬さんなんです」と女将のまり子さん。木更津市出身の中尾さんは女将のよきご友人であり相談相手。パンフレットや献立表の文字も中尾氏に書いて頂いたものだそうです。
木更津市の料理屋でなる女将さん会の会長を2期務めたこともある女将・まり子さんは、若女将同様、木更津市では名の知れた存在。大阪から宝家に嫁ぎ35年、先代の女将とともに宝家を通して木更津市の発展にも寄与してきた名物女将です。先代の女将から受け継いだおもてなしの心を若女将に引き継いでいくことが使命だと考えています。
▲笑顔が素敵な女将のまり子さんは、若女将・希依子さんのお手本であり憧れ
「時間がいくらあっても足りない」というほど木更津市のPR活動など国内外の様々な活動に参加しながらも、必ず店に顔を出し手ずからおもてなし。
お客さんに「美味しい、来てよかった」と言ってもらうのが一番嬉しい、と女将は言います。時にはお客さんから叱られることもありますが、それもすべて宝家の“宝”となっているそう。

100年以上にわたる伝統の味と心温まるおもてなし。お腹も心も満足のランチタイムとなりました。
▲店内にはジャズが流れモダンな雰囲気。庭の奥には、大小さまざまな個室や鉄板焼きが楽しめるゲストハウスがあります
2013年に圏央道が東金JCTまで開通して千葉東金道路と直結し、成田空港(成田市)と結ばれるようになったことで、ますますアクセスもよくなった木更津市。東京湾アクアラインの出口からも近いので、潮干狩りの帰りや、房総半島でのレジャーの帰りに、ぜひ立ち寄ってみてもらいたいお店です。
平間美樹

平間美樹

某広告代理店で情報誌・Webサイト等の広告企画・制作を経て独立。現在、企画制作会社CLINK(クリンク)を運営し、結婚・進学・就職・旅行など幅広い分野で企画・ライティング活動中。テニス・フラ・猫にハマる日々。 テニス観戦でグランドスラムを達成するのが目下の目標。

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