湯けむり漂う「草津温泉」、森に浮かぶ巨大露天風呂と温泉街食べ歩きの旅

2016.09.05 更新

草津よいとこ一度はおいで、チョイナチョイナ…そんな一節をすぐ思い出す草津温泉。全国屈指の湧出量を誇る日本三名泉の一つであり、歴史上の偉人もこぞって訪れたという名湯中の名湯。まるで町全体が巨大温泉のような草津には、たくさんの立ち寄り湯がありますが、中でも2015年にリニューアルした巨大露天風呂「西の河原露天風呂」は広さ・泉質ともに素晴らしいと聞きます。筆者人生初・草津温泉体験をリポートします。

草津温泉着。温泉街のシンボル、湯畑付近をぶらぶら夜歩き

仕事を終えた金曜日の夜、車で東京から草津へと向かいました。湯畑からほど近い旅館にチェックインを済ませ、早速温泉街を歩いてみました。
▲もう21時をまわっているのに、街にはまだ浴衣に下駄姿で出歩く人がちらほら。非日常感が半端じゃない!
温泉街のシンボル・湯畑はスポットライトを浴びて淡いエメラルドグリーンに輝いています。周囲のお店のオレンジ色のネオンが反射して、レトロ感たっぷり!
▲夜の湯畑。何とも幻想的な雰囲気ではありませんか!

「これが湯畑か!」写真では何度も見たことはあったけれど、間近で感じるのは全く違います。毎分4,000リットルもの温泉が湧き出る源泉は、硫黄の香りと湯けむりに包まれて、まるで異国映画のセットのよう。外国人トラベラーのような感覚で、しばしその光景に見入ってしまいました。
▲湯畑のすぐ脇にある「湯けむり亭」。夜だというのに足湯を楽しむ人でいっぱい(24時間開放・無料)
▲湯畑を見下ろす高台にある光泉寺も夜はライトアップ。奈良時代に開かれた歴史あるお寺。ご本尊は薬師如来です
▲最近広場も綺麗に整備されたそう
明日は早朝に噂の巨大露天風呂・西の河原(さいのかわら)露天風呂に行く予定です。夜歩きはこのくらいにして、旅館に戻って源泉かけ流しの湯でゆっくりと一日の疲れを癒します。

500平方メートルの巨大露天風呂「西の河原露天風呂」。
大パノラマの景観と万代の源泉でリラックス!

湯畑と並ぶ草津温泉の名物が、西の河原公園内にある露天風呂「西の河原露天風呂」。2015年にリニューアルしたばかりのこちらの施設は、大自然の中にある大きな池のような露天風呂です。湯畑から歩いて10分ほどなのですが、まだ朝も早いので車で向かいました。

標高の高い天狗山第一駐車場に車を停めて(無料)、霧雨が降り少しひんやりとした山道をくだって西の河原露天風呂をめざします。
▲少し霧雨の降る山道を下っていきます
▲西の河原露天風呂の看板

5分ほど歩いたところに西の河原露天風呂の看板が見えてきました。リニューアルしてまだ間もない木造の施設は、山の中にあるとは思えないほど清潔感があり綺麗です。受付で利用料(大人600円、子供300円。ともに税込)を払い、男湯・女湯に分かれます。中に入ると壁も床も木製のシンプルな脱衣所があり、その奥が露天風呂です。
▲まだ新しさが感じられる脱衣所。洗い場はなく、服を脱いだら即温泉へ
▲開放感あふれる露天風呂。男女合わせて500平方メートルもの広さ

広いとは聞いていましたが、まさかここまでとは!レジャー施設などにある大きなプールくらいの広さです。周囲を小高い山に囲まれ、深緑を眺めながらの入浴は最高!春は新緑、冬の雪見風呂も格別だそうです。
▲こちらは男性風呂より少し狭い女性風呂。周囲から見えないよう設計されています
源泉は万代鉱(ばんだいこう)から湧き出る万代源泉。草津温泉の中でもマグマに近い高温の源泉で、その湧出温度は約95度ととても高く、殺菌・抗炎症作用に優れているとされています。恋の病以外は治せる、というのが草津温泉の特長なのだとか。

遠目にはグリーンがかって見えますが、実際は無色透明でさらりとした感触。源泉が流れ込む湯口付近の温度は高く、源泉から離れるほどぬるめになっているので、熱いのが苦手な人や子どもでも、いい湯加減を見つけることができます。
大人でも思わず泳いでしまいたくなる、山の中の露天風呂。霧雨でも気持ちよさはマックスです。
洗い場はありませんが、殺菌力の強い源泉かけ流しのため、そのまま入っても大丈夫。
湯上りの肌はしっとりすべすべ。酸性が強い分、湯あたりもするので、長湯は禁物です。
▲湯口からは熱いお湯が勢いよく流れ込みます。この付近はお湯がとても熱いので要注意
▲男女が待ち合わせをするスペースもリニューアルの際に作られました

ゆっくり朝風呂を楽しんだあとは、朝の静けさのなか付近を少しだけ散歩。西の河原公園の散策はまたあとでまた楽しむとして、今は宿に戻ってもうひと休みします。


見どころ満載なレトロな町並みをゆるりとお散歩

ひと休みしたあと、宿のチェックアウトを済ませ、再び朝の湯畑へ。見どころも寄りどころも満載の日本屈指の温泉街を満喫します。夜とはまた違った風情の温泉街、夜には見えなかった風景が新鮮に目に映ります。
▲ようやく雨もあがりました。いたるところにこうした道案内があります
▲レトロな草津観光案内所は温泉地ならでは。最初に寄って、見どころを案内してもらってもいいですね
▲こちらは立ち寄り湯「御座之湯(ござのゆ)」。江戸時代の共同浴場を再建した建物。外出用浴衣を貸してもらえます(浴衣レンタル・御座之湯入浴付2,500円。三湯めぐりと浴衣レンタルをセットにしたプラン3,500円もあり ※ともに税込)
まずは「熱乃湯」で伝統の「湯もみと踊りショー」を覗いてみました。温泉街のほぼ中央に位置する大正ロマン風な建物は2015年に新設されたばかり。1日6回公演されるショーを一目見ようと人が集まっています。
▲伝統の湯もみが体験できる「熱乃湯」。江戸時代は公衆浴場として賑わっていたそう
草津温泉の源泉の温度は51度から95度もあり、そのまま入浴することはとてもできません。温泉の効能を薄めることなく入浴する方法として、一定の温度に湯温を下げる「湯もみ」が考え出されたそうです。

江戸時代から行われているこの伝統的な湯もみの際に、調子を取るため歌われたのが「草津湯もみ唄」で、特に有名なのが、そう!草津節(草津よいとこ~一度はおいで)です。なるほど、 つながりました!
▲熱い源泉の中に六尺板を入れて湯をもみ、入浴できる一定の温度にまで下げます。湯を柔らかくする効果もあるそうです
▲かつては男衆が勢いよく行っていた湯もみ。湯を大きく混ぜる「大もみ」は今でも相当な迫力
▲お客さんも飛び入りで湯もみを体験できます
▲草津節を唄い、踊るショーもあり
ショーを出ると、湯畑にはたくさんの人が集まっています。昨夜行った足湯も行列ができるほどの賑わいです。湯畑のまわりをぐるりと一回りして、「西の河原通り」に食べ歩きに向かいました。
▲明るいところで見る湯畑もまた迫力があります
▲湯畑を囲む石柱には、草津を訪れた偉人たちの名が刻まれています
▲「湯けむり亭」にも人がたくさん

老舗のおまんじゅうを食べ比べ
こし餡、つぶ餡、どちらがお好き?

温泉と言えばやっぱりはずせない温泉まんじゅう。湯畑付近にはいくつかのお饅頭屋が並びますが、草津を代表するお店と言えば「本家ちちや」と「松むら饅頭」。「本家ちちや」はこし餡、「松むら饅頭」はつぶ餡が有名とのこと。
早速両方をいただいてみます。
▲「本家ちちや」は湯畑付近に3店舗あります。西の河原通りに行く前に立ち寄りました。こちらは本店
▲ふわふわの白皮の中には、こし餡の中にさらに栗餡が(2色あんまんじゅう・白 120円)。しっとりとやさしい味わい。つぶ餡の茶皮饅頭(100円)もあります ※ともに税込
続いては、西の河原通りの「松むら饅頭」へ。
▲西の河原通りに入ってすぐの場所にあります
▲茶皮の中には、つぶ餡がぎっしり!弾力があります(茶皮饅頭・税込85円)
どちらかと言えばもともとこし餡が好きですが、蒸したてのお饅頭の餡は、つぶが気にならないほどやわらか。1個ずつ買えるのも嬉しいですね。

おせんべいやかりんとう、
温泉卵もいただきます

さらに西の河原通りを登っていくと、お土産屋さんやおせんべい屋さんなど、気になる店舗が並びます。
▲まず気になったのが「おかき処 寺子屋本舗」の串ぬれおかき。こちらはどんなお味でしょうか
▲その名のとおり串にぬれおかきが刺さっています。基本の甘口醤油だれのおかきに、色々な味をトッピング

黒コショウ、激辛なども気になりましたが、マヨネーズと七味唐辛子を購入(各200円・税込)。ぬれせんべいの甘辛と、マヨネーズや七味が意外にマッチ。串に刺さっているので食べやすいのもポイントです。
続いて気になったのがこちら。ガラス細工屋さんの店頭に並ぶ温泉卵。
お店の前にある温泉風呂で作られた温泉卵をその場でいただくことができます。
▲「草津ガラス蔵」はガラス細工のお店。その店頭でなぜか温泉卵(Mサイズ・税込120円)
▲周囲に置かれたベンチで早速いただきます。ほんのり温泉の香り
西の河原通りを登り切ると、ふたたび「西の河原公園」へ到着。公園内を朝とは違うルートで歩いてみます。

温泉が湧き出る巨大な公園
天然記念物にも遭遇!

草津温泉の西方にある「西の河原公園」は、見どころもたくさんあるので、散策するならやはり明るい時間帯がよさそうです。公園内のいたるところから温泉が湧き出て、湯の川へと流れ込む光景は、日本広しと言えど、数少ないのではないでしょうか。
▲「鬼の茶釜」は、代表的な温泉湧口。茶釜が沸騰するようにお湯が吹き出したことから名付けられました。この付近にはほかに「鬼の盥(たらい)」もあったそう
▲「ベルツ・スクリバ両博士胸像」。明治時代、東京帝国大学(現在の東京大学)の二人の博士が、草津温泉を科学的に研究し医学的効能を世界に知らしめました
今朝訪れた「西の河原露天風呂」の手前にある親水公園に到着。浴衣で訪れている粋なグループも。皆、温泉の楽しみ方をよく知っているようです。
▲皆さん、自前の浴衣だそう。浴衣に下駄で湯を巡るのが草津流
▲歩き疲れたので、親水公園でひと休み。癒される~
▲なんとここで天然記念物ニホンカモシカに遭遇!怖がる様子もなく、草を食んでいました
西の河原公園の遊歩道は、もう間もなく地下に湯を通し融雪をして、冬でも下駄を履いて歩けるように整備されるとのこと。また冬場の湯畑を彩るライトアップも草津温泉の見どころの一つですが、さらにそれを西の河原公園まで延長する計画もあるそうです。
冬に訪れてみるのもまた、楽しそうですね。
▲草津温泉の見どころをレトロなバスで巡る4コースもあるそう(1回100円・税込)。バスを利用する旅も楽しそうですね

圧倒的なスケールと歴史。
草津の魅力は進化と継承にあり

歴史ある温泉街であり圧倒的な湯量を誇りながら、毎年何かしら新しいことに取り組み、進化をやめない草津温泉。それがさらに人を集め、天下の名湯と言われる歴史を作ってきたのかもしれません。

たった1泊半日のプチトリップでしたが、草津温泉の魅力に存分に触れることができました。今度は2泊位して、ゆったりと訪れたいと思います。
▲またゆるりと湯畑まで戻ってきました。癖になりそうな温泉地です
平間美樹

平間美樹

某広告代理店で情報誌・Webサイト等の広告企画・制作を経て独立。現在、企画制作会社CLINK(クリンク)を運営し、結婚・進学・就職・旅行など幅広い分野で企画・ライティング活動中。テニス・フラ・猫にハマる日々。 テニス観戦でグランドスラムを達成するのが目下の目標。

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