世界遺産のライトアップとろうそくの灯りが輝く、幻想的な奈良の夏夜へ

2016.08.01

奈良の夏の夜を美しく彩る「ライトアッププロムナード・なら2016」が7月16日から9月25日まで開催。毎日、東大寺や興福寺などがある奈良公園周辺、平城宮跡、薬師寺など世界遺産の歴史建造物がライトアップされます。期間中は奈良公園が幻想的な雰囲気に包まれる「なら燈花会(とうかえ)」をはじめ、春日大社や東大寺でお盆の伝統行事が行われるなど、光と灯りのイベントが目白押しです。

▲なら燈花会開催時の奈良公園・浮見堂

昼間とはまた違う、幽玄な世界を散歩しよう

「ライトアッププロムナード・なら」は、奈良公園周辺、平城宮跡、薬師寺などの世界遺産や歴史的建造物がライトアップされる毎年恒例の夏のイベント。
 「プロムナード」とはフランス語で「散歩、散歩道」の意味です。 

奈良時代の社寺から明治時代のレトロモダン建築まで、それぞれの時代の建築物をさまざまな表情に輝かせる、古都ならではのライトアップは見るほどに深い味わいを感じます。   

さっそく奈良公園周辺から順に巡ってみましょう。  
まず、近鉄奈良駅から5分ほど東へ歩くと最初に出会えるのが、「興福寺」の五重塔。 
▲ライトアップされた興福寺の五重塔

昼間見るのとは雰囲気が違い、下からライトで照らし出されることによって、陰影がくっきりと出て、細かく施された意匠がはっきりと見えます。引き締まって見えてかっこいい!

また興福寺では、ライトアッププロムナードの期間中の特定の日のみ、国宝館の夜間拝観を行っています。  
あの有名な阿修羅像をはじめとする国宝・重要文化財の仏像がたくさん安置されている国宝館を夜に拝観できるのは、年に数回だけ。
静かな夜に仏さまとお会いすると、心穏やかにじっくりと対峙できるような気がしておすすめです。この機会にぜひ訪れてみてください。
興福寺を後にし、さらに東へ進むと目に飛び込んでくるのが、大きな朱塗りの鳥居。  
「春日大社」の一之鳥居です。鳥居をくぐると夜は特に神気を感じます。
▲幻想的に浮かび上がる春日大社の一之鳥居 

春日大社は、参道に石燈籠が約2,000基、御本社回廊内に釣燈籠が約1,000基あり、計約3,000基の燈籠がある、日本一燈籠の多い神社です。  
ライトアッププロムナード期間中は一之鳥居のみライトアップされますが、毎年8月14・15日に行われる「中元万燈籠」では、約3,000基の燈籠すべてに火が灯され、幽玄な雰囲気に。神様への願いを胸に多くの参拝者が訪れます。
▲ライトアップされる中門
▲さまざまな文様が刻まれた釣燈籠。昔の貴族や武将が奉納したものも(写真:矢野建彦)
少し南へ下ると、鷺池(さぎいけ)に輝く「浮見堂」が。  
水面に映り込む様子も美しく、涼やかな気持ちになれる場所です。  
ロマンチックな雰囲気がデートにもピッタリ。
▲六角堂、檜皮葺(ひわだぶき)の屋根が特徴の浮見堂(写真提供:ライトアッププロムナード・なら実行委員会)

北へ戻り、向かったのは「奈良国立博物館なら仏像館」。 
明治27(1894)年に建てられた、奈良で最初の本格的洋風建築で、重要文化財に指定されています。
▲闇夜に浮かぶ奈良国立博物館なら仏像館(写真提供:ライトアッププロムナード・なら実行委員会)   

どっしりと構える明治のモダン建築は、先ほどまでの奈良時代の建物とはまたひと味違った魅力がありますね。   

そのすぐ裏手にあるのは、「奈良国立博物館 仏教美術資料研究センター」。  
もとは、明治時代に県下の殖産興業と物産の展示販売を行う旧奈良県物産陳列所として建てられ、現在は、仏教美術に関連する調査研究資料の収集や保管、図書や写真などの公開を行う施設です。  
西洋の建築技術を取り入れた和風建築は、当時としてはモダンだったことがうかがえます。
▲奈良国立博物館 仏教美術資料研究センター。夜間は閉門していますが、門の外から見ることができます   

そして北へ5分ほど歩くと、「東大寺」に到着です。 金剛力士像が構える南大門、中門、大仏さまがいらっしゃる大仏殿がライトアップされています。   

なかでも、8月13~15日の3日間は、大仏殿の扉の上にある桟唐戸(さんからと)が特別に開かれ、大仏さまのお顔をお堂の外から拝むことができるんです!窓が開くのは原則、この期間と元日だけ。
▲桟唐戸から大仏さまのお顔が!
▲参道からはこんな風に見ることができます   

通常、夜間は大仏殿の中へ入ることができませんが、8月13・14日は特別に夜間拝観が行われ、19時から21時の間は無料で拝観することができます!   

また、8月15日には大仏さまに灯籠をお供えして先祖の供養を行う万灯供養会(まんとうくようえ)が行われます。参道には約2,500基の灯籠が並び、普段見ることのできない幻想的な東大寺を楽しむことができます。
▲東大寺大仏殿の万灯供養会   

貴重な機会なので、いつもと違う特別な東大寺へぜひ足を運んでください。
「ライトアッププロムナード・なら2016」では、公式facebookページから事前に予約すると無料で浴衣のレンタルができ、カメラマンによる記念撮影をしてくれるサービスを開始。着付けや下駄などの小物の貸出もついているから、手ぶらで訪れることができます。  
申し込み、詳細は、下記リンクページ内の「浴衣レンタル&記念撮影」をチェック!

奈良公園では夏の定番「なら燈花会」も開催!

奈良公園一帯で開催される「なら燈花会」は、1999年に始まり、いまや奈良の夏の定番イベント。  
「燈花」とは、灯心の先にできる花の形のかたまりのこと。縁起が良いと言われることから、「訪れた人々が幸せになりますように」という願いを込めて、ろうそく一つ一つに火が灯されています。   

2016年は8月5~14日に開催。 奈良公園の浮雲園地(うきぐもえんち)、春日野園地、浅茅ヶ原(あさじがはら)、東大寺、春日大社、興福寺など10エリアに2万本以上のろうそくが並びます。
▲光の道ができる浮雲園地
▲自分でろうそくに火を灯して並べることもできます。一客一燈500円(税込)/個
▲竹を使ったモニュメントなどがある浅茅ヶ原
▲東大寺の中門の前にも並べられます  

2016年は「なら燈花会」開始18年目にして初めて、ろうそくの配置デザイン案を一般の方から募集することに。  
採用されたデザインは春日野園地に登場するそうなので、楽しみですね。

平城宮跡では天平をモチーフにした夏のお祭りも

「ライトアッププロムナード・なら」のエリアの一つである「平城宮跡」では、朱雀門(すざくもん)や第一次大極殿などがライトアップされています。  
平城宮跡は、奈良時代に天皇の宮があった場所。かつての華やかな時代を想起させる立派な2つの建物は、夜の中にあっても威厳と存在感の大きさを放ちます。
▲「朱雀門」 

こちらでは、2016年8月26日~28日の3日間、「天平たなばた祭り~平城京天平祭・夏~」が行われます。見どころは、第一次大極殿の前庭に約1万個のろうそくの灯りが並ぶ「燈花会@大極殿」。天の川をモチーフにした、ろうそくのやさしい光が大極殿を包み込みます。
▲2015年の「燈花会@大極殿」。2016年は「天の川」をモチーフに灯されます(写真提供:平城宮跡にぎわいづくり実行委員会)    

また、毎年恒例の「光の天平行列」が2016年から「天平七夕行列」へと名称を変えてパワーアップ。ロマンチックな万葉集の歌の世界観を光と灯りで演出し、夜の平城宮跡を華やかに彩ります。
▲2016年から変更された「天平七夕行列」も見どころの一つ(写真提供:平城宮跡にぎわいづくり実行委員会)   

そのほか、星のようにきらめく「ミラーボーラー」や、ウォーターアートプロジェクション、宮崎県高千穂地方に伝承される「高千穂の夜神楽」の披露、奈良の地元グルメや多国籍料理の店が出店する「アジアンフードコート&夏の夜市」なども登場予定です。
奈良の夏の夜は、ライトアップだけでなく、光と灯りのイベントや歴史ある社寺の行事などと併せて訪れると、より満喫できます。  
周囲に灯りが少ない古都・奈良だからこそ楽しめるライトアップイベントへ。   

※クレジットのない写真はすべて、写真提供:奈良市観光協会
白崎友美

白崎友美

奈良の編集制作会社EditZ(エディッツ)の編集者。大阪、京都で雑誌や通販カタログなどの制作を行い、現在は居住する奈良県に軸足を置き、奈良の観光関連のガイドブックやホームページなどを制作。自社媒体の季刊誌『ならめがね』にて、「ユルい・まったり・懐かしい」奈良の魅力を発信している。

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