右も左も妖怪だらけ!水木しげるロードの見どころ巡り

2016.08.11

鳥取県西部にある境港(さかいみなと)市は妖怪漫画のパイオニア・水木しげる先生の出身地。妖怪をテーマにした商店街「水木しげるロード」は国内外から観光客が訪れる山陰地方屈指の観光スポットです。今回は街のいたるところに出没する妖怪たちと遊びながら、通りをぶらぶら歩いてみます。

▲境港駅前の広場にも妖怪のモニュメントが

妖怪見たさに3,000万人!

冬は紅ズワイガニ、夏は生の本マグロが全国トップクラスの水揚量を誇る日本海有数の港町「境港」。島根県と接する県西部の日本海に突き出した弓ヶ浜半島の北端にあり、米子駅からは列車で約40分の場所にあります。
▲境港駅に到着する「鬼太郎列車」

米子駅と境港駅を結ぶJR境線では「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラクターでラッピングされた車両が運行されています。1日22往復の内18往復(土日は17往復の内16往復)はラッピング車両なので、かなりの確率で遭遇できるはず。車両デザインは6種類あり、座席や車内アナウンスにもお楽しみが隠されていますよ。
※2016年7月現在
▲境港駅は待合室にも妖怪たちが

JR境線の各駅には妖怪の名前が付けられ、米子駅は「ねずみ男駅」。途中で「傘化け(河崎口)駅」や「こなきじじい(余子)駅」などに停まり、終点の「鬼太郎(境港)駅」へ。
▲境港駅前にある水木しげる先生のブロンズ像

「水木しげるロード」ができたのは1993年。もともとは観光客誘致が目的ではなく、地元商店街の活性化のために整備されたものですが、予想外の評判となって2016年5月には入り込み客数が3,000万人を突破。ブロンズ像も当初は23体だけでしたが、観光客の増加に呼応して次々と追加されています。
▲海外からの観光客も多く、道路標識にもハングルや中国語が

境港駅を出ると、そこはすでに妖怪ワールドの入口。ここからアーケード商店街までの約800mが「水木しげるロード」と名付けられています。さあ、それでは妖怪退治、じゃなかった妖怪と友達になれる街歩きに出かけましょう。
▲ご存知「目玉おやじ」は茶碗のお風呂で入浴中
▲等身大?の「ねずみ男」は握手ポーズ

「水木しげるロード」の観光の目玉となるのが妖怪ブロンズ像。「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラクターをはじめ、大小合わせて150体以上が設置され、いたるところで観光客が記念写真を撮っています。人気の妖怪はみんなが撫でて行くせいか、一部分だけがピカピカ。
▲お土産のお饅頭はもちろん…

そして、目玉と言えば「目玉おやじ」をモチーフにしたデザインを街のあちらこちらで見かけます。
▲ペットボトルの飲料水や…
▲タクシーの行灯も…
▲街灯までもが目玉デザイン!

観光客の間で「水木しげるロード」のマストアイテムになっているのが「妖怪ガイドブック(税込120円)」。スタンプラリーの台紙にもなっていて、街中にある37個のスタンプを全部押せば完走証がもらえます。
▲スタンプラリーで「水木しげるロード」を巡るのも楽しい

「妖怪ガイドブック」は境港駅に隣接する「みなとさかい交流館」の観光案内所をはじめ、お土産物屋さんなどでも販売しているので、街歩きのお伴にぜひどうぞ。
▲キャラクターたちも登場する

鬼太郎やねずみ男、ねこ娘など、お馴染みのキャラクターも現れ、記念撮影にも気軽に応じてくれます。ただし、妖怪だけに神出鬼没。基本的には毎日どこかにいますが、誰がいつ、どこに現れるかは非公開。会えるかどうかは運次第!

人間「水木しげる」の魅力と作品を紹介する記念館

▲水木しげる先生の81歳の誕生日(2003年3月8日)に開館した「水木しげる記念館」

「水木しげるロード」の東端はアーケード商店街。その一角にあるのが「水木しげる記念館」です。
▲入口では水木しげる先生のパネルがお出迎え

来館者数は年間約20万人。これまで(2016年7月現在)に延べ300万人以上が来館した人気スポットで、NHKの連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」が放送された2010年には約40万人が訪れたそうです。
▲水木しげる先生が来館するたびに残したサインが壁にたくさん

代表作「ゲゲゲの鬼太郎」はもちろん、昭和30年代の漫画や幻の名作などファン必見のお宝もいっぱい。鬼太郎の誕生秘話や目玉おやじの正体など、ちょっと自慢したくなるトリビアも紹介されています。
▲「ゲゲゲの鬼太郎」に登場するキャラクターたちが暮らす「妖怪アパート」

水木しげる先生が世界中で集めた妖怪コレクションの展示や東京の仕事場を再現した部屋などもあり、妖怪をライフワークとした人間「水木しげる」を知ることもできます。
▲音と照明の演出で妖しい雰囲気の「妖怪洞窟」

館内には妖怪たちのジオラマや、各都道府県の妖怪がわかる全国妖怪大地図などもあり、お化け屋敷さながらのドキドキ感も味わうことができます。
▲中庭には「鬼太郎の家」も

老舗料亭を改装しているので立派な中庭もあり、ベンチに腰掛けて休憩することもできます。でも、ここは妖界なので、何かが潜んでいるかも…?
▲鬼太郎の誕生を題材にしたブロンズ像
▲「のんのんばあ」と水木少年

鬼太郎の誕生や「のんのんばあ」など、つい見過ごしてしまいそうなエントランスのブロンズ像も、館内を巡った後なら設置された意味がよく分かります。理由が気になる方は、ぜひ「水木しげる記念館」で確かめてください。

妖怪たちも遊んでいそうな「ゲゲゲの妖怪楽園」

▲妖怪のテーマパーク「ゲゲゲの妖怪楽園」

「水木しげる記念館」の横にある路地を入ると、妖しいムードなのに何やら楽しげな「ゲゲゲの妖怪楽園」があります。
▲人気の妖怪キャラを描いた妖怪ラテが人気の茶屋

オリジナルグッズや妖怪グッズなど土産物が豊富に揃い、妖怪と一緒に記念撮影ができるスポットや茶屋もあるので街歩きの休憩にもピッタリの場所です。
▲テーブルとベンチが用意され、休憩にも便利な広場

広場には子どもだけ入ることができる「鬼太郎の家」や一反木綿(いったんもめん)の遊具のほか、射的やスマートボールなど懐かしい縁日遊びもあるので、大人も童心に戻って楽しめます。

「妖怪神社」にお参りすれば不思議な力がもらえそう

▲妖怪パワーで願いが叶うかも?

一反木綿の鳥居がある「妖怪神社」は水木しげる先生が入魂された御神体をまつり、絵馬はぬりかべや目玉おやじなどユニークな形が用意されています。また、おみくじは妖怪からくり人形が運んでくれます。
▲茶碗風呂に入っている目玉おやじをイメージした手水舎

手水舎もユニークです。中には直径38cm、重さ約70kgの石でできた目玉があり、下から涌き出す水の力でクルクルと回転。水木しげる先生に「目玉おやじ清めの水」と命名してもらったそうです。
▲黒御影石と樹齢300年の欅を組み合わせた御神体

建立されたのは2000年元日。その年の10月には震度6強の「鳥取県西部地震」が発生しましたが、妖怪ブロンズ像や周辺の店はほどんど被害がなかったとのこと。地元では「これも妖怪のおかげ…?」と噂されているそうで、やはりここには不思議なパワーがあるのかも。

妖怪たちが癒しを求めてやってくる「河童の泉」

▲水辺の癒しスポット「河童の泉」

「水木しげるロード」の癒しスポットが、ここ「河童の泉」。妖怪たちに癒されるというのも妙な気がしますが、整備された水辺の空間はのんびりと過ごすにはピッタリの場所。
▲幅7m、深さ30cmの泉で妖怪たちがくつろぐ

泉にはカッパや小豆あらいなど水と関わりのある妖怪のほか、鬼太郎の小便小僧や気持ちよさそうに寝そべるねずみ男の姿も。見ているだけで何だかホッとした気分になれます。
▲2016年度中に「人に優しいロード」へのリニューアルに着手

恐ろしいはずの妖怪も、親しみのある存在に変わる「水木しげるロード」。2016年度中には歩道拡張などの工事に着手し、数年後には車が主役の道から人を大切にする道へとリニューアルされる予定です。
シャッター通り活性化の成功例としても注目される妖怪の街は、これからも目が離せそうにありません。
(C)水木プロ
廣段武

廣段武

企画から取材、撮影、製作、編集までこなすフリーランス集団「エディトリアルワークス」主宰。グルメレポートの翌日に大学病院の最先端治療を取材する振り幅の大きさと「NO!」と言わ(え?)ないフレキシブルな対応力に定評。広島を拠点に山陽・山陰・四国をフィールドとして東奔西走。クラシックカメラを語ると熱い。

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