舌で味わう世界遺産。知床の豊かな自然が育む絶品グルメ

2016.09.02 更新

海鮮自慢の北海道の中でも知床の海の幸は最高峰!なぜなら、冬の流氷に端を発する食物連鎖で知床の海は豊かな漁場となり、良質な海産物が育つからです。その代表格、鮭をはじめ産地だからこそ味わえる絶品グルメのお店を2軒紹介します!

※知床料理 一休屋は閉店しました(2016年10月現在)
▲鮭の腎臓「メフン」など、ごはんがすすむ珍味やお酒のアテが!

知床の海の幸は、流氷と食物連鎖が生みの親

世界自然遺産に指定されている知床は、流氷が接岸する世界最南端の地。流氷には豊富な栄養が含まれていて、春になると流氷から溶け出した栄養と光合成のため植物プランクトンが増え、それをエサにするオキアミなどが大量発生します。すると、オキアミを食べる魚や水鳥が知床沿岸に集まってきます。魚の代表格が、鮭です。
▲オホーツク海の流氷。近年は温暖化の影響か、流氷の厚さが薄くなり沿岸に押し寄せる日も減っています(2014年2月下旬頃のオホーツク海)

鮭は春にオキアミをたっぷり食べ、夏に外洋へと出た後、秋に産卵のため生まれた川へ戻ってきます。遡上する鮭はヒグマやキタキツネなどのエサとなり、食べ残った鮭の死骸や野生動物の糞が土の養分になり、森の草木を育てます。
▲海から山へと続く食物連鎖が回っているからこそ、知床は世界自然遺産に選ばれました

自然のサイクルの要でもある鮭をはじめ、知床の豊かな海に集まる魚は、大自然が生み出す天然のごちそう!そんな最高峰の海の味覚を知床で味わってみませんか?

おすすめのお店が、知床観光の中心ウトロ温泉地区にある「ウトロ漁協婦人部食堂」と「知床料理 一休屋」です。ともにランチのみ提供のお店ですが、最高峰の素材を存分に味わえます!

漁師のおかみさんたちが営む「ウトロ漁協婦人部食堂」

「ウトロ漁協婦人部食堂」は、店名のとおりウトロ漁協の婦人部の皆さんが営むお店。約45年前に、当時のウトロ漁協組合長から婦人部に対し、漁師向けの雑貨店を出してほしいと要望があり開店しました。
▲ウトロ港にあるウトロ漁協の一角にお店をかまえます

開店当時は漁師向けに日用品を販売していましたが、食事の提供もするようになると、漁協経営ならではの新鮮な海鮮グルメが観光客の間で評判となり、雑貨類の販売はやめて食事提供のみしています。
▲港にある大衆食堂の佇まいで、厨房を囲むようにカウンター席と、窓側を向いた席があります。婦人部のおかみさん4名で切り盛りしています

お店で提供している海産物は、もちろんウトロ港で水揚げされた新鮮な海の幸。知床では主に、春と秋にとれる鮭のほかホッケ、真夏にはウニが水揚げされます。なかでも鮭やホッケを使った食事がこの店の定番メニューだそうです。

早速鮭を使ったメニューで一番人気の、三種丼(2,000円・税込)をオーダー!醤油タレに漬けた生鮭の切り身と、おかみさんが塩焼きしてほぐした鮭の身、イクラが盛られた丼、北国ならではの親子丼です。
▲ごはんをぎっしり覆う鮭とイクラ!3つの異なる味わいを楽しめるので、飽きることなくぺろりと食べられます

生鮭はほんのりとした塩気とともに素材の旨みが繊細に感じられ、鮭の脂の甘みがダイレクトに舌に残ってよい風味。ワサビを醤油にといて丼にかけてもよいのですが、ほとんどかけずにそのまま食べてもいけます!むしろ、かけないほうが脂の甘みを強く感じるかもしれません。

焼鮭のほぐし身は、ほぐし方が粗めなので塩焼した鮭の食感も楽しめながら味わえます。思わずご飯がすすみます!

イクラも塩気や醤油の風味が強くないので、うす味派の方はそのままでも美味しく食べられ、濃い味派の方はワサビ醤油をかけるとちょうどよい味わいで食べられます。これもごはんがすすみます!
▲イクラ大好きという方は、イクラ丼(1,700円・税込)を、がっつりとどうぞ!

観光客にも地元の人にも人気のメニューが、焼き魚の定食。なかでもホッケ定食(1,200円・税込)がイチオシ!知床の豊かな海で育っただけあり、超巨大なのです。
▲これってホントに一人前!?茶碗やお椀より何倍も大きい皿に、超肉厚で巨大なホッケの開きが丸々一尾!

ウトロ港であがった真ホッケを開き、店頭にある干し網の中に入れて天日干しし、オーダーがあると干し網からとってきて店内のグリルで焼いて提供しています。
▲店の入口脇にある干し網でホッケやサクラマスを天日干ししています

巨大なホッケは一人で食べるにはだいぶボリューミーで、食いしん坊の方でもかなり満腹になること間違いなし!
焼き目はパリッとしていて、中の身はホクホク。程よい塩加減だからか、脂がのりつつもくどさがなく、意外とさっぱり食べられました。これは絶品!
▲肉厚な身!二人でシェアしてもよいくらい、大きくて肉厚なホッケでした

鮭とホッケ、どちらを選びますか?二人で訪れたのなら、ぜひ1つずつオーダーしてシェアして食べ比べしてみてください!

珍味を味わえるウトロの老舗郷土料理店「知床料理 一休屋」【閉店】

ウトロ温泉バスターミナルの近くに店をかまえる「知床料理 一休屋」は、1956(昭和31)年創業で、ウトロ地区の郷土料理店では一番古いお店です。
▲お店の玄関は藤の木と花に覆われています
▲木を基調とした店内。和の趣があります

客層は、地元の人が半分、観光客が半分。それぞれのニーズに合ったメニューがあり、主に地元の人が好む定食類や麺類と、観光客に喜ばれる海鮮類の丼ものや刺身、珍味などがあります。

海鮮類の代表格は、もちろん鮭!地元でとれた鮭を丸々一尾お店でさばいて使用しています。ほぼ毎日、営業終了後に鮭をさばき、切身や醤油漬けなど、翌日使用する分の仕込みをしているそうです。
▲知床グルメの最高峰、立派な鮭をお店でさばいて使っています

お店のメニューで一番人気は、鮭とイクラが丼に盛られたさけ親子丼(1,836円・税込)!
少し硬めに炊かれたご飯が、ふわっとした柔らかさがある鮭やイクラによく合います。
▲ハマナスの花をイメージしたというさけ親子丼。ネイルアートをするかのごとく、極細のノリをピンセットで一本一本つまんで盛り付けます

味の決め手は2種類のタレ。ご飯とネタをなじませる下地のタレと、鮭とイクラをなじませる仕上げのタレです。

鰹節のダシと数種類の醤油をブレンドして作ったお店独自の下地のタレはご飯に染み込んでいて、ご飯をひと口食べるとダシと醤油の風味がふんわり鼻に抜けるようなよい香りがします。
仕上げのタレは艶があり、ほんのりと甘塩っぱい味わい。イクラの生臭さが消え、鮭漬けを味わうかのような、しっかりとした味を楽しめます。

さけ親子丼とともに人気なのが、珍味の各種。ご飯にも合いますし、お酒のアテにもピッタリ!新鮮な鮭が水揚げされる知床ならではの味、おすすめの三品をセレクトしました。
最初のひと品は、ご飯のお供におすすめの「焼き漬」です。
▲焼き漬(540円・税込)。昔は保存食として重宝されていたそうです

焼き漬とは、焼いた鮭をタレに漬け込んだもの。約40年近く継ぎ足し続けているという秘伝のタレを使っています。
ほんのりとした甘塩っぱさが辛すぎなくてよい味わい。これだけで食事のおかずになります!

二品目は、ごはんのお供にも、お酒のアテにもおすすめの「鮭の切込」。
▲鮭の切込(324円・税込)。北海道や東北地方などで目にすることが多い郷土料理です

鮭の切込とは、生鮭や生マスを切り刻み、塩と酒麹で漬け込み発酵させてなじませたもの。口に入れると、溶けてしまいそうなほど柔らかい食感。ご飯にのせたらとても美味しく食べられそうです!

最後の一品は、これぞ珍味!間違いなくお酒のアテ!という「メフン」です。
▲メフン(324円・税込)。イカスミのごとく真っ黒い見た目がインパクトあり!

メフンとは、鮭の腎臓を塩辛にしたもの。鮭一尾からおちょこ1~2杯分程度しかとれない希少な珍味で、臭みや苦みなどはなく、塩辛い味わいととろっとした食感が特徴です。
ご飯にかけてもよいのですが、これは絶対日本酒が欲しくなります!間違いなく、呑兵衛さんにおすすめの一品です!

知床ならではのさけ親子丼と珍味の数々。どれもこれも食がすすむこと間違いありません!
▲昼間からお酒を片手に、丼ものと珍味をモリモリ食べまくり!
知床グルメを楽しめるお店、いかがでしたか?知床にはお店がたくさんありますが、今回は特に、お昼ごはんで知床の海の幸を堪能できるお店を2つ選びました。
知床の海の幸の代表格、鮭をはじめ、マスやホッケ、真夏の一時期のみ出回るウニなど、旬の味を楽しんでください!
川島信広

川島信広

トラベルライター・温泉ソムリエ・イベントオーガナイザー/横浜市出身、札幌市在住。北海道内の全市町村を趣味で訪ね歩くうちに北海道の魔力に惹かれ、都内での雑誌の企画営業と執筆業務を経て北海道へ移住し独立。紙媒体やweb媒体などで主に観光や旅行、地域活性をテーマにした取材執筆と企画・編集を手がける。スイーツ好きの乗り鉄、日光湿疹と闘う露天風呂好き。

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