まちの名は「美星町」。住民一丸で守る“美しい星空”に会いに行こう!
岡山県井原市にある「美星町(びせいちょう)」。天文家の間で有名なこのまちは、全国に先駆けて光害防止条例を制定し、地域一丸となって星空を守っています。夜はまちと空が同化する神秘的な美星町。訪れるならキャンプに最適な、夏から秋がオススメ!

「多くの人々がそれぞれに感動をもって遥かなる星空に親しむよう宇宙探索の機会と交流の場を提供することが美星町及び美星町民へ与えられた使命」
こんなステキな前文を持つ光害防止条例を平成元(1989)年、全国に先駆けて制定した「美星町」(2005年の合併後は「井原市美星町」)。岡山市内から車で1時間半ほど走らせるとたどり着く、棚田や清流が印象深いまちです。



まちを流れる「美山川」と「星田川」。それぞれの先頭1文字を合わせてその名になったとされる「美星町」は昭和63(1988)年、旧環境省が「星空の街」に認定。元々、「星の郷」として町づくりに取り組んでいた素地も重なり、星空を守る機運が高まって条例制定へとつながっていきました。
「美星町」では、夜空を明るくする散乱光を防ぐため、街灯には、光が水平以上に漏れない照明を使用し、看板を照らす照明などといったすべての上向きの明かりを禁止。さらに、屋外照明は午後10時以降、消灯することを奨励しています。主要道路も通っていないため、まちは星空と同化するほど真っ暗闇に包まれます。

星空とキャンプは好相性!
この日は、テントも借りることができて、炊事場やシャワーなどの設備も整っている、岡山の人でも知る人ぞ知るとっておきの穴場キャンプ場に行ってきました!
それは、町の東部にある「大倉龍王山」(標高514m)の山頂付近にある「ir.bisei星空間オートキャンプ場」。

丘の上を涼風がなめらかに吹き抜け、眼下に緑の眺望が広がるバツグンのロケーション。
コーヒーを片手に読書するもよし、会話するもよし。夜の帳が下りるのをのんびりと待つぜいたくな時間が流れます。


このキャンプ場の魅力は、運営団体にアリ。地元の若者有志でつくる「ir.bisei(アイアール.ビセイ)」(川上直哉代表)は、2013年に結成し、キャンプ運営やイベント開催などに取り組み、自主的に地域を盛り上げています。

この「星空間オートキャンプ場」の他、西部の木野山にある「木野山オートキャンプ場」も運営している彼ら。美星のキラーコンテンツである星空を、外部の人たちに楽しんでもらうには何が必要か真剣に向き合った結果、メンバー自らの手でキャンプ場整備に乗り出したのです。

手作り感やメンバーの地域愛が、この施設の居心地の良さを醸しているのですね。
2015年には、「空宙(そらそら)ガールズミーティング」を開催。「宙(そら)ガール」としても知られるタレントの篠原ともえさんをスペシャルゲストに迎え、音楽と星空、料理のコラボを楽しむ女性限定のイベントを企画、開催しました。2016年の今年は10月1日に開催予定です。(問い合わせ:井原市役所美星支所 0866-87-3113)

ここ「星空間オートキャンプ場」の魅力をメンバーの中本力(なかもとちから)さんが教えてくれました。
「ベストコンディションだと夏は頭上に天の川がくっきりと浮かびます。特に未明の空は必見ですよ。このキャンプ場で美星の魅力をたっぷり感じてください」
Ir.bisei星空間オートキャンプ場
岡山県井原市美星町宇戸1165-1
[利用日]要問い合わせ
[サイト利用料]1サイト1泊4,500円(貸テント4人用2,000円、6人用3,000円あり)※すべて税込
[チェックイン]14:00~、[チェックアウト]~12:00
0866-87-2066
宇宙と人間の叡智のフュージョン!「井原市美星天文台」

道中に出くわす光は対向車のライトだけと言っても過言ではないほど、本当に真っ暗。野生の動物が車道を歩いていることもあるので、運転には細心の注意が必要です。
車のライトが星の観測に影響を及ぼすため、専用駐車場から上り坂300mを歩きます。道路脇に点在する高さ約30cmの街灯がほんのり照らす程度でほぼ暗闇。徹底的に星優先ですね。
この天文台は、1993年に設立。「最高の星空を最高の条件で見ることができるように作られ」(パンフレットより抜粋)ており、切り開かれた丘の上に立っています。


「井原市美星天文台」は、中国地方屈指の大きさを誇る「101cm反射望遠鏡」や、特殊なフィルタを用いて太陽を撮影しモニターで見られる「太陽望遠鏡」など設備が充実。天文愛好家はもちろん、家族連れも気軽に楽しめる人気スポットなんです。

夜間の天文台は、望遠鏡での観測がメイン。
綾仁(あやに)天文台長によると、「101cm反射望遠鏡」は、人間の瞳の2万倍の光を集め、肉眼では見ることができない星雲やはるか彼方の天体を見ることが可能。この時期は、土星や火星を見ることができるそう。
「さっき、雲間から土星が見えましたよ!」という台長さんの呼び掛けで、望遠鏡のある部屋に直行!レンズを覗いてみると、リング付きの土星がクッキリ!自分の目でしっかりと捉えた、初めての土星に感動です!



太陽の20倍以上の大きさという37光年先の恒星も観測。眩い光は宇宙に浮かぶ巨大なダイヤモンドのようでした。
改めて宇宙って未知で偉大。合わせてこんな望遠鏡を作った人間の叡智も偉大。

スタッフの人たちが丁寧に解説してくれるので、訪れた際はいろいろ質問してみて!
井原市美星天文台
岡山県井原市美星町大倉1723-70
[営業時間]9:30~16:00、18:00~22:00(夜間は金~月曜、祝日のみ)
[休館日]木曜、祝日の翌日、年末年始
[入館料]昼間、夜間とも税込300円(小学生以上)
0866-87-4222
星に願いを――。ロマンチックなイベントも充実
毎年8月は、「願いかなう町」にちなんだ2大イベントが開かれます。
「美星町」を中心に、岡山県内37カ所、広島県5カ所で「願いかなうポスト」を設置。ポストに投函した願い事は、美星町の「星尾神社」に集められ、毎年8月7日、同神社で願い事の成就を祈願。天に向かって焚き上げる「七夕祈願祭」が開かれます。

同じく8月に開かれる町最大の夏イベントが、「天の川まつり」。
全国から募った願い事が書かれた約2,000個の「願い事灯ろう」を路上に飾る、夏の名物行事です。


西野曻(にしののぼる)美星町観光協会会長によると、昔はお盆の頃、自宅前に灯ろうを飾る習わしがあったことに注目。1999年から毎年開催しているそうです。

天の川に見立てた幻想的な光の群れを目当てに、県内外から多くの観光客が訪れる「天の川まつり」。8月に訪れる際は、ぜひ地上の天の川も堪能してみて!
美星の自然と温かい人たち、宇宙の神秘に触れ、すっかり美星ファンに。次こそ、満天の星空のリベンジ!美星の空に、再訪を誓いました。

ココホレジャパン
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