糸島の海辺カフェ「SUNSET(サンセット)」で過ごす休日

2015.06.17

福岡から車で約40分。海沿いにはカフェやレストランが点在、内陸部には、連日行列ができる野菜や魚介の直売所などがある糸島半島。地元出版社からガイドブックが発売されるなど、今、いちばん注目を集めるエリアといっても過言ではない糸島エリアですが、まだここまでたくさんの人が訪れていなかった1990年、ある一人の若きサーファーが、カフェを開きました。その名は「Beach Cafe SUNSET」。福岡の夏の風物詩「Sunset Live」も、この店の駐車場から始まりました。糸島ドライブの聖地「Beach Cafe SUNSET」を訪ねます。

サーフポイントの目の前に住みたい!という若者の想いから生まれたカフェ

福岡は暮らしやすいとよく言われ、最近は移住者も増えています。暮らしやすさの理由は様々ありますが、多くの人々は「街と自然が近いこと」が大きな魅力だと感じているようです。

福岡・天神から車を走らせること約40分。糸島半島の海沿いの道に出ました。真っ青な空と海に、心躍ります。「Beach Cafe SUNSET」がオープンしたのは、1990年のこと。店主・林憲治さんが29歳のときでした。糸島半島にほど近い福岡・今宿で生まれた林さんは、お父様の仕事の都合で、3歳から20歳まで関西や関東、東北で過ごします。「当時は高度成長期。周りにかっこいいと思える大人がなかなかいなくて。抑圧された日々が嫌で、高校もドロップアウトしてしまいました。20歳の頃は仙台に住んでいましたが、父が他界し、母とともに地元・福岡に帰ることになったのです」と、林さん。
福岡に戻ってきた林さんは、ほどなく、糸島でサーフィンをしている人々と出会います。サーフィンを通して出会った大人たちはとてもかっこ良く、サーフィンはもちろん、自然を中心に据えた生き方に惹かれ、飲食店で料理人をしながら、糸島へサーフィンに行くという生活を送るようになりました。サーフィンポイントのすぐそばで暮らしたい――そう想うようになった林さんは、29歳のとき、400坪の土地を年間5万円で借りて、小さなお店を始めました。それがこの、「Beach Cafe SUNSET」なのです。
今回訪れたのは平日の昼下がりでしたが、ひっきりなしにお客様がやってきます。目の前に海が広がる圧倒的なロケーションもさることながら、この店の魅力は食事もしっかり楽しめること。野菜や魚介、お肉など、食材の宝庫でもある糸島。素材の力強い味わいを感じられる多彩なメニューが用意されています。
なかでも、糸島豚と和牛のジューシーハンバーグに、糸島産「天上卵」の半熟目玉焼きをのせた「ロコモコ」(ランチはスープ付き1,080円・税込)は、この店の名物的存在。ほかにも、姉妹店「Bakery Restaurant CURRENT(カレント)」で作られたケーキ(450円・税込)も人気。シーンに合わせて食事にカフェタイムに活躍します。
▲まるでヨーロッパのリゾート地にいるような「カレント」

オーナーの林さんは、「SUNSET」のほか、地産地消をテーマにした「Bakery Restaurant CURRENT」、和食の文化を伝承する寿司店「空-ku-」を営んでいますが、いずれも目の前に海が見えるロケーション。非日常のひとときを過ごすことができます。
▲カウンター越しに港の風景が見える和食と寿司の店「空-ku-」

福岡の夏の風物詩「Sunset Live」

▲「Beach Cafe SUNSET」などを営むオーナーの林憲治さん

「SUNSET」といえば、毎年8月末から9月上旬に開催される「Sunset Live」を開催していることでも知られています。ロックばかり聴いていた林さんは、サーフィンを通じてレゲエという音楽に出合います。「メッセージ性の強い音楽を初めて聴いて、凄く共感しました。この音楽を、メッセージを伝えたいと思い、店の駐車場で始めたのが、『Sunset Live』だったんです」と、林さんは言います。
▲「Sunset Live 2014」の様子

1993年に始まった「Sunset Live」も今年で23回目。9月4日(金)~6日(日)の3日間に開催されます。こちらのフェスの特徴は、アーティストからの評価が高いこと。「スタッフがいい、環境がいい、ご飯が美味しいと言っていただいています」と林さん。ここまで大きなフェスになっても、林さんは“手づくり”にこだわり、熱い想いを持ったスタッフで、この一大イベントを運営しています。「お店がいちばん忙しい時期にライブの準備をしていくので、スタッフたちは大変です。けれど、みんなの笑顔を見たら、その苦労を忘れて、次の年も頑張っちゃうんですよ」。

絶好のロケーションと心意気のあるスタッフのもてなしが、訪れる人を心から楽しませてくれる――お店もLIVEも、そんな心地よさが、多くの人々を魅了しています。
寺脇あゆ子

寺脇あゆ子

福岡を中心にグルメや旅などを中心に活動するフリーの編集者・ライター。美味しいものがあると聞けば、行かずにはいられないフットワークの軽さが自慢。主な仕事はグルメ情報誌「ソワニエ」、greenz.jpなど。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

こちらもおすすめ

もっと見る
PAGE TOP