「UCCコーヒー博物館」でコーヒー三昧の旅
日本を代表する飲料メーカー「UCC上島珈琲」が運営する「UCCコーヒー博物館」は、豊富な展示物や体験プログラムを取り揃えた、コーヒーの博物館。とっても奥の深いコーヒーの世界へと私たちを誘ってくれます。

これは、コーヒーを愛して止まなかったという、かの有名な音楽家ベートーベンが残した言葉。
というわけで、今回のテーマは、ずばり「コーヒー」!
時代を超えて、国境を越えて、世界中のたくさんの人びとに愛されているその飲み物は、現在では世界で最も多くの国で飲用されている嗜好飲料なんだとか。
かくいう筆者もほぼ毎日お世話になっています。
そんな「コーヒー」の世界にどっぷりと浸かることのできる博物館が「UCCコーヒー博物館」。コーヒーだけにスポットをあてた博物館なんです。
いざ!UCCコーヒー博物館へ
そして、その本社の隣に併設されているのが今回のお目当て「UCCコーヒー博物館」です。

と、案内してくださったのは博物館スタッフの小出眞梨子(こいでまりこ)さん。
グループ創業80周年を記念し、2013年にリニューアルしたというこの博物館は、コーヒーの歴史や文化をはじめ、コーヒーにまつわるさまざまな展示に加え、テイスティングコーナーや焙煎体験などの体験メニューも用意された、まさにコーヒーずくめの博物館。
コーヒーに特化した博物館というのは日本で唯一ここだけだそうで、世界的にもめずらしいということから、日本人はもちろん海外からもたくさんの方が訪れるといいます。

「こちらのインテリアアートは、和紙デザイナーの第一人者、堀木エリ子氏が手がけたもので、コーヒーの粉を漉き込んだ手漉きの巨大な和紙が使われているんですよ」と小出さん。
ここにもコーヒーとは、さすがコーヒー博物館です。
コーヒーの歴史から、作り方・おいしい淹れ方まで。これであなたもコーヒー博士!?
早速、館内の展示を見て回ることに。順路に沿って、まずはエスカレーターを昇っていきます。
昇った先にまず見えてきたのは…

もちろん、コーヒーの木のことやコーヒーができるまでのこと、なんとなくは知っていましたが、こうして小さな苗木を見ると、私たちが口にしているコーヒーができるまでの壮大さに改めて気付かされる思いです。
それがコチラ。

「展示音声ガイド」というスマートフォンサイトが準備されていて、それぞれの展示の番号を選ぶとその展示の解説が聞けるという仕組み。音声ガイドを聞きながら回れば、展示がさらにわかりやすくなることまちがいなしです。

コーヒーの生豆は、市場で取引されるために、厳しい鑑定を受けて等級が決められるんだとか。
世界最大のコーヒー生産国であるブラジルでは、「クラシフィカドール(ポルトガル語でコーヒー鑑定士の意)」と呼ばれる人たちが鑑定作業を行います。彼らはコーヒー鑑定士学校でさまざまな専門技術を学び、鑑定士認定試験をパスしたプロフェッショナル。わずかな違いも見逃さない彼らの卓越した味覚と鑑定技術にはただただ感心するばかりです。

「焙煎とは、生豆を炒ることによって、コーヒー特有の色や味わい、香りをつくり出す工程です。 焙煎はコーヒーの味を決定付ける重要なポイントであり、焙煎具合によって味はさまざまに変化していくんですよ」と小出さん。
ここでは、壁一面を豪快に使って、焙煎度といわれる炒り具合の解説がされているほか、UCCのコーヒー製造工場などで実際に使用されている焙煎機も展示されています。



テイスティングにショッピング。展示以外も楽しい!
ここでは一日4回決められた時間にコーヒーの飲み比べが実施されています。来館者は、入館時に配られたチケットと引き換えに無料で飲み比べができるんです。

この日のテーマは、水出しアイスコーヒーとお湯出しアイスコーヒーの飲み比べ。ほかにも、同じ産地で等級の違うコーヒーやブラジルとコロンビアのコーヒーを飲み比べるなどテーマは毎月変わるので、さまざまな飲み比べを楽しもうと何度も訪れるリピーターもいるのだとか。

こちらのショップには、コーヒーに関連する珍しいものや可愛いアイテムがいっぱい。


なんとなくしか知らなかったコーヒーの仕組みを勉強しながら、友人や恋人とコーヒーショップに行った際に、ついつい披露したくなるコーヒー小話をいっぱい覚えて、気分はコーヒー博士です。
自分だけのコーヒーが作れる!焙煎体験に挑戦
なかでもほぼ毎日開催されている定番の体験プログラムが「焙煎体験」。自分だけのオリジナルローストコーヒーをつくれるという素敵なプログラムなんです。(定員:12名、参加費:税込1,000円/人、要事前申し込み)
時間にあわせて、館内にある体験ルームへと向かった筆者一同。部屋の中には、コンロが設置されたテーブルが並んでいて、雰囲気はまさにお料理教室。前の机には5種類のコーヒーの生豆が並んでいます。

現れたのは、先程まで、館内の展示を案内してくださっていた小出さん。火にかけられているコーヒー豆のイラストが描かれたエプロン姿で登場です。どうやら、本日の「焙煎体験」の講師を務めてくださるご様子。
小出さん改め小出先生の説明を聞いたらいよいよ焙煎体験スタートです!
まずは豆選び。体験参加者は、ひとりずつ自分好みの産地の豆を選びます。
ブラジル、コロンビア、キリマンジャロ、モカ、マンデリン。それぞれに特徴や合う炒り具合があるのでこれは重要な選択。
「すっきりした味わいがいいなら、これ。ミルクやクリームを入れて飲まれる方や、苦い方が好きな方はこの豆を深めに焙煎するのがおすすめで…」
先生は、一人ひとりにしっかりと相談にのってくれます。

各テーブルを回りながら丁寧に説明してくれる先生。

「体感では、もう10分以上たってるんだけどなぁ~」
運動不足の筆者は、軽いエクササイズ気分で、無我夢中に網を振り続けます。
すると、
「パチ!」
おっ!!!!
「先生!先生!!!これですか?」
「うーん、そうですね。もうそろそろですかね」
笑顔で答える先生。
「あれ。まだなのか~」そう思った瞬間。
パチパチと音を立てながら、網の中の豆たちは、筆者の手の振りとは関係のない動きを見せ始めました。
「来ました。1ハゼですね。ここからもうしばらく自分好みの頃合いまで続けてください」
いままで夢中に網を振り続けていたために気づかなかったのか、あたりには香ばしい香りが。いわゆるコーヒーの香りというよりも、もっと木の実を焼いたような、アーモンドのような香りです。

一般的には浅炒りは酸味が強く、苦味はひかえ目。そして深炒りにすればするほど、酸味が薄れ、苦味は強くなる傾向にあります。そして炒り具合は、8段階にわけて分類され、それぞれライトローストやシナモンロースト、イタリアンローストなどの名前がつけられています。8段階の真ん中にあたるのが「ハイロースト」と「シティロースト」。真ん中というだけあって一番飲みごろな焙煎度とされています。
というわけで、もちろん自分好みの具合まで焙煎すれば良い訳なんですが、そういわれましてもどうしたもんかというときには、テーブルに置かれている「ハイロースト」と「シティロースト」に焙煎されたコーヒー豆の色見本と見比べたりしながら、焙煎を進めていきます。

「せっかくいいタイミングで火をとめても、余熱で焙煎が進んでしまうので、手早く冷ましましょう」
なるほど、火を止めてからも気が抜けません。


自宅に帰って飲むのが楽しみです!
奥深いコーヒーの世界をあらゆる方向から完全網羅する「UCCコーヒー博物館」。
きっと、まだあなたが気づいていない新しいコーヒーの魅力を教えてくれるはずです。
UCCコーヒー博物館
兵庫県神戸市中央区港島中町6-6-2
[開館時間]10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
[休館日]月曜(祝日の場合は開館、翌日休み)、年末年始
[入館料]大人(高校生以上)300円、シニア(65歳以上)150円、中学生以下無料 ※すべて税込
※団体、障がい者割引きあり(シニア、障がい者の方は証明できるものをご提示ください。詳しくはホームページをご確認ください)
078-302-8880
博物館の見学の後は、喫茶室「コーヒーロード」で至高の逸品を味わう!


近年、高級なコーヒー豆を提供するコーヒーショップが増加し、「スペシャルティコーヒー」という言葉が聞かれるようになりました。これは、日本スペシャルティコーヒー協会が認めたコーヒーのことで、日本で流通しているコーヒー全体の約10%ほどしかないといわれるまさに一級品。
こちらでは、このUCC直営農園のブルーマウンテンのほか、4種類のスペシャルティコーヒーを楽しむことができます。
そして写真右は、オーストリアの女帝「マリア・テレジア」が好んだと伝わるコーヒー。深煎りのコーヒーにホイップクリームを浮かべ、オレンジのシロップを加えたアレンジコーヒーです。
コーヒーの香りとオレンジの爽やかな香りが見事に調和した一杯で、ふつうのコーヒーはちょっと苦手という方にもオススメ。

「同じコーヒー豆でも、淹れ方によって味は変わってきます。当店ではペーパードリップ、サイフォン、カフェプレスの3つの抽出方法からどの淹れ方がいいか、お客さまに好みで選んでいただけるようにしているんです」とお店の方。淹れてくれるのは、コーヒー抽出のスペシャリストたち。
コーヒー博物館併設の喫茶室なので、ある程度は予想していましたが、まさかここまでとは。
「本物のコーヒーはこういう味なんだよ」
と教えてくれるかのような、至高の一杯。
博物館でコーヒーの世界にどっぷりとつかった後は、ぜひこちらで本格コーヒーを味わってみてください。
喫茶室「コーヒーロード」
兵庫県神戸市中央区港島中町6-6-2 UCCコーヒー博物館1F
[営業時間]10:00~18:00(L.O.17:30)
[定休日]月曜(博物館に準ずる)
078-302-8823

James
イギリス人と日本人とのクォーター。大学では工学部、情報システムを専攻したかと思えば、ミュージシャンとしてギタリスト、MC、DJとして活動。TVやラジオなどでも活躍。その後(株)アドビジョンにて、デザインやコピーライティングなどマルチに活躍。バックグラウンドを活かした独自の視点が人気のライター。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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