「北上展勝地さくらまつり」、約2kmの桜並木を馬車や船上から楽しむ

2019.04.29 更新

岩手県北上市にある公園「北上展勝地(てんしょうち)」。県内有数の桜の名所として知られており、毎年4月中旬~5月上旬には「北上展勝地さくらまつり」が開催されます。約2kmも続く桜並木を、船上から眺めたり、馬車でくぐったりと、様々な方法で楽しむことができます。県内外から多くの花見客が訪れ、毎年賑わうこのさくらまつりを楽しんできました(※2019年4月下旬取材)。

▲(写真提供:北上観光推進室)

約100年の歴史を刻む、桜の名所「北上展勝地」

「北上展勝地」(以下、展勝地)は大正9(1920)年、黒沢尻町(くろさわじりまち/現在の北上中央部)の町長・沢藤幸治氏のもとで桜の植栽事業が行われたことに始まり、翌大正10(1921)年に開園。昭和29(1954)年、北上市の市政施行に伴い「北上市立公園 展勝地」と呼ばれるようになりました。令和3(2021)年には開園100周年を迎える、歴史ある市立公園です。
▲約100年の歴史を感じます

展勝地という名称は、公園内にある陣ヶ丘という高台からの眺めが素晴らしく、「展望のきいた名勝・景勝の地」であることから展望の「展」と景勝地の「勝」を取って付けられたもの。四季を通じて豊かな自然を楽しむことができ、春のツツジや秋の紅葉、冬に飛来する白鳥など、どの季節も見どころにあふれています。
▲陣ヶ丘からの眺め。ピンク色が続く桜並木が美しい(写真提供:北上観光推進室)

中でも春は293haの敷地内に約150種・1万本の桜の花が咲き乱れ、「さくら名所100選」「みちのく三大桜名所」にも選ばれているほど。4月中旬のソメイヨシノから5月上旬のカスミザクラまで順番に咲いていき、約1カ月間、お花見を楽しむことができます。

例年4月中旬~5月上旬には「北上展勝地さくらまつり」も開催。昼は公園内の芝生でピクニックをしながらのんびり過ごし、夜はライトアップされた夜桜を眺める――。昼も夜も桜づくしで大満足の1日を過ごすことができますよ!

まずは桜のトンネルをくぐって、馬車の上からお花見しよう

▲道も広く、ゆったりと楽しむことができます

展勝地へのアクセスは、電車なら最寄りのJR東北線・北上駅で下車し、熊沢・江刺線のバスで約15分。車なら東北自動車道・北上江釣子ICから車で約12分です。

今回は車で向かいましたが、さくらまつり期間中の展勝地付近は渋滞することも多々。そこで駅近くの駐車場に駐め、渡し船で園内へ向かうことにしました。さくらまつりの期間中、展勝地の真横に流れる北上川を渡し舟が行き来していて、北上駅近くの西岸船着場と展勝地間を約5分で結んでいるのです。運行時間は9:00~16:30(最終日は12:00まで)、料金は大人(中学生以上)400円・小学生300円・未就学児無料(ともに税込)。
▲ソメイヨシノが連なる桜のトンネルの下を馬車が通ります(写真提供:北上観光推進室)

展勝地側の船着場で下船すると、目の前に桜並木が!桜並木をのんびり散策していたら、突き当たりにあるレストハウスに到着。ここからは、レストハウスの近くから出ている赤い屋根の馬車に乗って、来た道を戻ってみることに。こちらの馬車は、さくらまつりの期間中のみ特別に運行されます(運行時間は10:00~16:00、料金は中学生以上500円・小学生300円・未就学児無料 ※ともに税込)。
パッカパッカと蹄の音を鳴らしながら、約20分かけて桜並木を進んでいきます。
▲馬車に乗ると目線が高くなり、花の美しさがより近く感じられます

並木沿いでお花見しているお客さんから手を振ってもらい、馬車の乗客みんなで振り返すという微笑ましい場面も。少し照れくさかったですが、賑やかさから少し距離を置いた馬車の上で腰を落ち着け、心地よい揺れと共に見上げる桜の花は、展勝地だからこその思い出深い景色でした。

遊覧船からは、約2kmの桜並木を一望できる

▲鯉のぼりの下を通るたび歓声があがります

北上川を行き来する遊覧船から眺める桜並木もまた絶景ということで、こちらにも乗船してみることにしました。遊覧船はさくらまつりの期間中運航しており(強風・雨天・増水の場合は運休あり)、運航時間は9:00~17:00、料金は大人1,300円・小学生500円・未就学児無料(ともに税込)。
▲時折吹く風になびく鯉のぼり

取材に訪れた日は風がなく、桜並木のピンク色が水面に映り込む様子を見ることができました。その美しさは、同じ船に乗り合わせた方々と思わず歓声をあげてしまうほど!上を見上げると青空に悠々と泳ぐ、300匹の鯉のぼりも見事です。さくらまつり期間中に見ることができるこちらの景色、ついカメラに収めたくなってしまいますね!

桜を背景に鬼が舞う。郷土芸能「鬼剣舞」を楽しもう

さくらまつり期間中には、公園内に特設ステージが設けられ、様々な郷土芸能などが披露されます。その中でも特に人気の高い演目が、「鬼剣舞(おにけんばい)」という郷土芸能。
▲数ある郷土芸能の中でも、ファンが多い「鬼剣舞」(写真提供:北上観光推進室)

腰に脱垂(ぬぎだれ)という布をつけ、顔に仮面をつけて踊る「脱垂剣舞」の一種で、飛鳥時代の呪術者であり、修験道の祖として知られる役小角(えんのおづぬ)が、念仏を唱えながら踊ったのがはじまりといわれているのだとか。ダイナミックな踊りは迫力満点!桜とともに目の前で繰り広げられる剣舞にドキドキしてしまいます。

幻想的にライトアップされた夜桜も見どころのひとつ

▲ライトアップされた桜並木とレストハウス(写真提供:展勝地レストハウス)

約2kmに及ぶ桜並木は夜になるとライトアップされ、昼とはまた違う、ロマンチックな桜のトンネルに様変わりします。せっかくならば昼と夜、両方を楽しみたいですね!ただ、この時季の北上はまだ気温が低く、朝晩1桁台になることも多いので、防寒対策は万全にして夜桜の下を歩きましょう。

なお、ライトアップの開催期間は、その年の開花状況によって異なります(点灯時間は18:00~21:00)。

お花見グルメを楽しみたいなら、毎朝つく「展勝地もち®」がおすすめ!

お花見のもうひとつの楽しみは、おいしい食べ物。展勝地には、蔵をイメージした真っ白い外観のレストハウスがあります。こちらでは、さくらまつり期間はもちろん年間を通して、地元北上の伝統工芸品やお土産などを販売しており、建物内で食事を楽しむこともできます。
▲レストハウス外観
▲ところ狭しと並ぶ、北上の品々(写真提供:展勝地レストハウス)

そんなレストハウス前も、さくらまつりの間は特別な賑わい。おでんやおにぎり、焼き鳥などたくさんの屋台が屋外に並び、美味しそうな香りに目移りしてしまいそうになります。その中でも展勝地ならではの一品が「展勝地もち」。
▲あんこ、ごま、きなこの三種類、税込450円(写真提供:北上観光推進室)

コシがあるのにふわっとやわらかいのは、毎朝臼と杵でペッタンペッタンついているから。それぞれ甘さの中にも程よい塩加減が効いていて、いくつでも食べられそうな味でした。
桜の美しさを堪能できることはもちろん、鬼剣舞や展勝地もちなど、岩手県北上市の古き良き伝統に触れられるのも「展勝地さくらまつり」ならでは!
ぜひ、見て、食べて、乗って、桜の季節を満喫しに「北上展勝地」を訪れてみてはいかがでしょうか。
※本記事の写真は全て2019年以前のものです
菅原茉莉

菅原茉莉

岩手在住。盛岡発のwebマガジンLITERS運営。イベントを企画し、写真を撮り、記事を書く保育士です。 (編集/株式会社くらしさ)

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