「もろこし街道」で収穫体験&食べ比べ!甘くてみずみずしいトウモロコシを求めて長野県信濃町へ

2016.08.10

トウモロコシの作付面積全国第3位(農林水産省・平成26年産野菜生産出荷統計)を誇る長野県。中でも昼夜の寒暖差が大きい信濃町のトウモロコシはおいしいと評判で、直売所が並ぶ「もろこし街道」の賑わいは夏の風物詩です。そんな信濃町でトウモロコシの収穫体験をしてきました。信濃町で購入できるさまざまなトウモロコシの品種もご紹介します。

甘~いトウモロコシの名産地、長野県信濃町

長野県の北端、黒姫山の麓に位置し、新潟県との県境にある風光明媚な高原の町・信濃町。昼夜の寒暖差が大きく、霧がかかることが多いという高原ならではの気候によっておいしい農産物が収穫されています。中でも有名なのが、甘みが強くて濃厚な味わいのトウモロコシ品種、スイートコーンです。

信濃町の隣町で生まれ育った私は、大のトウモロコシ好き。これまで様々な産地のトウモロコシを食べてきましたが、子どもの頃から食べ続けている信濃町のトウモロコシは、やはり自信を持っておすすめできるおいしさです。
▲様々な産地を食べ比べてきた自称「トウモロコシマニア」の私ですが、やっぱり信濃町のトウモロコシが一番おいしい!

特に近年は、信濃町の中心部にある「しなの鉄道 黒姫駅」から観光地としても有名な戸隠エリアへと続く道路沿い(通称・戸隠街道線)に何軒かのトウモロコシの直売所が並び、いつからか「もろこし街道」と呼ばれて人気を博すようになりました。最盛期である8月は、どの直売所も行列ができるほどの賑わいです。
▲両脇にトウモロコシ畑が広がるもろこし街道

そんな信濃町では、タイミングが合えばトウモロコシの収穫体験ができるのだとか!そこで、張り切って信濃町へと向かいました。

観光協会おすすめの農家で、いざ収穫体験!

収穫体験にチャレンジしてみたい場合は、まず「信州しなの町観光協会」に事前に申し込みます。当日は黒姫駅に集合。その日の朝の畑の状況によって受け入れ可能な農家が決まるそうで、駅から農家までは観光協会の方に案内してもらえます。

畑の状況によっては催行できない日もあるため、必ず、前もって問い合わせや申し込みが必要です。
▲小林農園。収穫シーズンの週末となると、驚くほど行列ができている人気店です

今回、案内していただいたのは「もろこし街道」の中でも常に一番長い行列ができるほどの人気を誇る小林農園。直売所の今シーズンの開園初日だったこの日、朝10時の時点ですでに多くのお客さんで賑わっていました。
▲取材日も多くの人がトウモロコシを購入していました。右は、小林農園の女将さん

早速、直売所の店頭に立っていた女将さんが畑へと案内してくれました。収穫できる品種は農家によって異なりますが、ここで栽培されているのは、メロンより糖度が高くて甘いといわれる品種「サニーショコラ」です。
▲広大な畑に植えられたサニーショコラ。畑ごとに時期をずらして植えられているので、長い期間収穫ができます

畑に入ると、あちらこちらに大きく実ったトウモロコシが!これだけで否応なしにテンションがあがりますが、おいしいトウモロコシを見分けるコツは、根元部分が太くてしっかりしていることだそう。

皮の上から実の一番膨らんでいる部分を触って、実が詰まっている感触を確かめます。また、先端のヒゲが茶色くなって乾いているのが収穫適期のトウモロコシとのこと。そこで、「これぞ」というものに目星を付けてみました。
▲トウモロコシの先端から出るふさふさのヒゲの本数はトウモロコシの粒の数と一緒だそう。そこかしこに上に向いて実ったトウモロコシがあります

「下に引っ張るように収穫するんですよ。やってみてください」と女将さん。「欲しい分だけ収穫したら、あとで直売所まで持ってきてくださいね」と言い残して忙しい直売所の仕事に戻っていきました。

実は私、トウモロコシ好きを豪語しておきながら、収穫は初体験…。恐る恐るトウモロコシに手をかけて、思い切って「こんな感じか?」と下方向に力を入れますが、意外に硬くて根本が折れません。
▲このように両手でゆっくり引っ張っても、全然根元が折れません
▲結局、茎の下のほうまで採れてしまいました。これは失敗例です

どうやら、このビクビクした手付きが仇となっているようです。気を取り直して、片手で茎と実の付け根部分を押さえ、もう片方の手で勢いよく下に引っ張ると、今度はうまく採れました!
▲片手で実の根元を押さえ、もう片手で地面に向かって勢いよく力を入れると、うまくもぎ取ることができました
▲納得の収穫ができて満足の表情

この収穫体験、時間や本数は特に決まっていないそうですが、実はトウモロコシは「お湯を沸かしてから採りにいけ」と言われるくらい収穫後の鮮度が低下しやすい野菜。そのため、収穫体験では食べきれる量だけを採るのがポイントだそうです。

料金は体験する農家によって異なりますが、概ね1時間で500円前後。収穫したトウモロコシは1本あたり150円前後で購入が可能です。
▲小林農園で収穫した「サニーショコラ」。高い糖度で粒皮も薄いため食べやすくみずみずしい食感をしています

現地で採れたてのおいしさを実感

今回収穫体験をさせてもらった小林農園では、直売所で販売している焼きトウモロコシも名物。そこで、収穫後に焼きトウモロコシも堪能しました。
▲醤油とみりんを加えた甘辛いタレを付けた焼きトウモロコシ(税込250円)。炭火でじっくり焼かれます

出来上がった焼きトウモロコシをさっそく食べてみると…そのおいしさにびっくり!実は私、トウモロコシ本来の味を堪能したいため、焼きトウモロコシのタレや焦げは不要だと思っていたのですが、これはその考えを覆されるほどのおいしさ!
▲適度な焦げと甘辛いタレが絶妙にマッチした焼きトウモロコシ
▲一度蒸して旨みを凝縮した後に焼いているこだわりの一品
▲止まらないおいしさです

しかも、この「サニーショコラ」という品種は粒皮が薄いため、生食もできるのだそう。実際に食べてみると、生でもしっかりと甘く、トウモロコシ特有の生臭さもありません。信濃町の家庭では、こうした生食ができる品種をサラダの彩りにしたりもしているのだとか。
▲店頭には生食の試食もありました
▲トウモロコシ以外にもトマトやナスといった夏野菜も販売
▲あまりの焼きトウモロコシのおいしさに、焼き立てを大量購入しました

採れたて新鮮なとうもろこしをゲットし、絶品の焼きトウモロコシも堪能するという至福の収穫体験。収穫したトウモロコシは、おうちで食べるのを楽しみに大切に持ち帰りました。

トウモロコシの奥深さを求めてさらに直売所巡りは続く

「もろこし街道」には、ほかにもいくつかの直売所が並んでいます。今回は小林農園ともう1軒、隠れた名物があるという直売所を訪れました。小林農園のお隣りの「仁の蔵」です。
▲直売所「仁の蔵」。店舗奥は蕎麦屋になっていて、蕎麦のおいしさでも有名です。店頭には山盛りのトウモロコシが積まれていました
▲「仁の蔵」で栽培している品種は「ゴールドラッシュ」。数多あるトウモロコシの中でも根強い人気と知名度を誇る品種です

この「仁の蔵」で隠れた名物とされるのが、ゴールドラッシュを使って作られるコーンスープ(税込300円)。蒸したトウモロコシの粒をミキサーで撹拌し、手搾り(!)した混じりっけなしのトウモロコシ100%スープは、素材の味をとことん生かした衝撃的なおいしさで、何も調味料が入っていないだなんて信じられないほどの甘さです。
▲見た目はなんの変哲もないコーンスープながら、インパクト大のおいしさ。テイクアウトの場合は紙カップで提供してくれます

あまりのおいしさに、冷凍の「持ち帰り用パック(500ml・税込1,000円)」も購入しました。
たくさんの種類のトウモロコシを購入したいなら、「もろこし街道」から車で5分ほどの場所にある「道の駅しなの」の農産物直売所「ふるさと天望館」もおすすめです。
▲「道の駅しなの ふるさと天望館」。上信越自動車道信濃町ICのすぐ近くにあり、アクセスも抜群

ここで「道の駅しなの」の社長・石川俊明さんに、トウモロコシの品種別の特徴を教えてもらいました。

石川さんによると、食用であるスイートコーンは大きく分けて「イエロー系」と「バイカラー系」の2種類があるのだとか。黄金の粒の「イエロー系」は、先述の「サニーショコラ」や「ゴールドラッシュ」など。粒皮が柔らかくてフルーツのような甘みが特徴で、生食もできます。
▲まるでフルーツのように甘い「イエロー系(別称フルーツ系)」のトウモロコシ

一方、黄色と白の粒が混ざった「バイカラー系」は、甘みはもちろん、粒皮が厚く弾力があり、噛めば噛むほど粒皮の味わい深さが増します。
▲黄色と白の粒が混じったバイカラー系

なお、「イエロー系」のほうが皮が薄くて水分が失われやすいため、もし両方の品種を同時に購入したら、まずはイエロー系から調理するのがおすすめだそうです。また、持ち帰る際にもっとも重要なのは、冷やして運ぶこと。気温が高い場所に置いておくのは、鮮度が著しく低下するため厳禁です。

「道の駅しなの ふるさと天望館」の店頭には、「めぐみ」「しあわせコーン」「グラビス」「サニーショコラ」「優美(ゆうみ)」「ミエルコーン」「ピーターコーン」など数々の品種が並んでいました(いずれも1本・税込140円)。
▲信州伝統野菜に認定されている「もちもろこし」を栽培している農家も。粒は大きく黒色で、甘味が少なく食感がモチモチしている
今回収穫したトウモロコシは7月下旬に収穫できる早生種でしたが、8月5日以降に収穫できる品種は、より太陽の光をたっぷりと浴びていて、さらに甘みが強いとのこと。収穫時期は8月下旬までなので、トウモロコシ好きは急いで行ってみてください。
島田浩美

島田浩美

編集者/ライター/書店員。長野県出身・在住。信州大学卒業後、2年間の海外放浪生活を送り、帰国後、地元出版社の勤務を経て、同僚デザイナーとともに長野市に「旅とアート」がテーマの書店「ch.books(チャンネルブックス)」をオープン。趣味は山登り、特技はマラソン。体力には自信あり。(編集/株式会社くらしさ)

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