本州最東端にある「青の洞窟」と浄土ヶ浜の絶景を“さっぱ船”でめぐる!

2016.09.06 更新

本州最東端の町・岩手県宮古市を代表する観光名所「浄土ヶ浜」。その周辺には楽しみ満載のダイナミックな自然が広がっている。なかでも、さっぱ船に乗って断崖の奥へとワイルドに進む「青の洞窟遊覧」は感動のひと時だ。

白い岩と青い海のコントラストが美しい浄土ヶ浜

岩手県の県庁所在地・盛岡市から車で東へ約2時間。本州最東端の町、宮古市を代表する景勝地・浄土ヶ浜は、白い小石と青い海のコントラストが美しい浜辺だ。

浄土ヶ浜は、火山岩から作られた真っ白な岩と小石で入江が形成されている。外海から隔てられた穏やかな入江の中は、静かで美しい青い海が広がり、海岸線には松の木の群生も見られることから、日本庭園のような景色を見ることができるのだ。
▲駐車場脇遊歩道を下った向こうに、「浄土ケ浜」がある!
▲透明感あふれる海

陸域だけで28,537ヘクタールも及ぶ広大な三陸復興国立公園の中心にある浄土ヶ浜周辺は、東日本大震災の津波による被害が大きかったが、2012年7月に海水浴場が再開し、レストハウスもリニューアルオープン。再びその美しさを取り戻し、現在は多くの人で賑わっている。
▲浄土ヶ浜周辺には、てくてく歩ける範囲に見どころが点在している

そんな浄土ヶ浜を訪ねるなら、ぜひ体験してほしいアクティビティがある。それは、さっぱ船で行く浄土ヶ浜周辺と青の洞窟遊覧。さっぱ船とは、漁師が磯場での漁に使う小型の船のこと。この船で、浄土ヶ浜周辺の絶景スポットと、「青の洞窟」として知られる八戸穴の内部を巡る約20分の遊覧ツアーだ(1人税込1,500円)。

小型の船で絶景スポットをめぐるさっぱ船ツアー

▲湾沿いにある「浄土ヶ浜マリンハウス」

さっぱ船の遊覧ツアーを運営しているのは「浄土ヶ浜マリンハウス」。2008年からさっぱ船遊覧をはじめたが、東日本大震災の津波で船や設備が流されてしまい、震災後はたった一隻から営業を再開したそうだ。
「全国から支援をいただき、船やボートなどを手配することができた」と代表の早野秀則(はやのひでのり)さんは、震災直後を振り返る。
▲「浄土ヶ浜マリンハウス」の代表・早野さん

現在は6隻のさっぱ船で営業。ツアーは事前予約はできず、「浄土ヶ浜マリンハウス」での直接受付のみ。グループの人数に合わせた大きさのさっぱ船で出航してくれる。

波が安定していれば船は出るが、「洞窟に入るなら、できるだけ午前中の早い時間のほうが美しい色と出合える可能性が高い」と早野さん。季節や時間帯、水の透明度、光などさまざまな条件で水の色が変わるため、毎日違った表情を見られるのが「青の洞窟」の醍醐味だ。

取材に出かけた日は、快晴で風もなく、申し分ない条件。期待をふくらませて、さっそく準備を整える。ライフジャケットとヘルメットを装着して、いよいよ出発!
▲JR東日本のCM撮影で吉永小百合さんが乗った船に乗船できた。ちなみに、ライフジャケットは子ども用もあるので安心
▲どんな絶景に出合えるのか、わくわくしながら出航

極楽浄土を地獄に見立てた風景をめぐる

青の洞窟に入る前に浄土ヶ浜周辺の名所をめぐる。桟橋から出航してすぐ見えてくるのが「日出島(ひでじま)」だ。観光用ポスターでしばしば使われる風景だが、沖から見ると印象が違って面白い。そこから、左手にある浄土ヶ浜へと周る。
▲こんもりカワイイ「日出島」
▲浄土ヶ浜周辺マップ。出発地の浄土ヶ浜マリンハウス(写真中央)から浄土ヶ浜(写真上)へ向かい、最後に青の洞窟(写真右下)を訪れる
▲陽ざしを浴びて、エメラルドグリーンに輝く海
▲まん中にあるひらけた空間は、浄土ヶ浜の海水浴場

浄土ヶ浜が見えたあたりでUターンすると、進行方向の左手、浄土ヶ浜の対岸に険しい岩山が見えてきた。「剣の山」と呼ばれるこの岩山は、約4000年前にできた白い流紋岩が波で浸食され現在の形になったそう。
▲鋭くとがった岩が特徴の「剣の山」

続いて、見えてくるのが「賽(さい)の河原」だ。白い浜を浄土に見立て、外海を地獄に見立てて名づけられたと言われるが、その詳細は定かでない。
▲子安地蔵が祀られる「賽の河原」

「賽の河原」の頂上には子安地蔵を祀った祠があり、参詣のためにつくられた階段もあるが、現在は上陸することができない。さらに進むと「血の池」と呼ばれる広い岩場がある。秋に海藻が夕日を浴びて赤く映ることからその名がついたそうだが、条件が合わないと見られない貴重な光景だという。

いよいよ、「青の洞窟」へ潜入!

浄土ヶ浜周辺を一巡りした後、ついに青の洞窟へと船を進める。「八戸穴」と呼ばれるこの洞窟は、昔、青森県の八戸まで続いている穴だと言われていた。
▲ウミネコも一緒に洞窟へGO!
▲岩の間をくぐるように入っていく

頭上の岩に気をつけながら船を進めると、そこにはなんとも神秘的な世界が!ゆらめく水面が翡翠のような輝きを放っていた。
▲鮮やかなエメラルドグリーンの水面に感動

水の色は自然条件によって変わる。冬場から春先の水温が低い時期は、プランクトンが少なく透明度が高い。光を通しやすいためマリンブルーに見えるが、水温が高くなりプランクトンが増えるとエメラルドグリーンへと変わっていく。来るたびに違う水の色に魅せられ、何度も通う人もいるそうだ。
▲見よ!この美しさ

ため息が出そうな感動を覚えつつ、洞窟に来たルートを通って発着所に戻る。約20分の手軽なアクティビティだが、ワクワク感たっぷりの驚きにあふれたツアーだった。
▲「浄土ヶ浜マリンハウス」で購入できる、すっきりサイダー味の「青の洞窟ソフトクリーム」。左はバニラとのミックス。どちらも税込250円

「日本の海水浴場百選」の一つ、浄土ヶ浜に惚れ惚れ

さっぱ船を楽しんだ後は、湾沿いの遊歩道を数分歩いて、先ほど船上から臨んだ浄土ヶ浜の海水浴場へ移動。ここは「日本の海水浴場百選」にも選ばれた石浜。2012年1月には国の名勝に指定されている。真っ白な流紋岩が隆起した岩山と小石の浜、青く輝く海はまばゆいばかりの美しさ。
▲スケール感たっぷり!

今から300年以上前、宮古を訪れた僧侶がこの地を訪れた際に「さながら極楽浄土のごとし」と感嘆したことが、その名前の由来と伝えられている。確かに初めて来た人は、まさに「浄土?」と思うかも。

ご当地グルメ「雲丹麺」と「浄土ヶ浜カレー」に舌鼓!

さて、そろそろお腹も空いてきたところで、浄土ヶ浜の目の前にレストハウスを発見。食堂やお土産売り場、シャワー設備を備えた「浄土ヶ浜レストハウス」の1・2階には、食事を楽しめる「浜処うみねこ亭」がある。
▲3階には展望台もある「浄土ヶ浜レストハウス」
▲浄土ヶ浜を一望できる「浜処うみねこ亭」の店内

数あるメニューの中から、おすすめの「雲丹麺(うんたんめん)・830円」と「浜ラーメン・720円」、形がかわいい「浄土ヶ浜カレー・720円」をオーダー(価格はいずれも税込)。

「雲丹麺」は同店自慢のロングセラーメニュー。美味しそうなウニが載っているのはもちろん、なんと麺にもウニが練り込んである。
▲鮮やかなウニ入りの麺は、他にない一品!
▲ぷりっとしたウニをはじめ、ワカメ、メカブ、フノリ、ムール貝がトッピングされている

一方の「浜ラーメン」は、地元産ワカメ・メカブ・フノリ、エビ、イカ、ホタテ、ムール貝など海の恵みをたっぷり乗せた食欲をそそる一品だ。
▲こちらも人気の「浜ラーメン」。タレつきの持ち帰りラーメンも販売している

いずれも塩味のさっぱりしたスープだが、コクのある風味が特徴。その秘密を聞くと、同店で販売する「たつっと浜ダレ」を使っており、ホタテエキスが味のきめ手になっているという。
▲お土産にもおすすめの「たつっと浜だれ・税込540円」

そして気になる「浄土ヶ浜カレー」は、ぜひ、実景を眺めながら頂こう!浜に見立てたカレーは「いわて短角牛」入り。岩山をかたどったライスには、震災で折れてしまった松の木も再現されている。
▲カレーの海には「おっとっと」が遊泳(笑)

目の前に「浄土ヶ浜」を見ながら美味しい食事に舌鼓を打ち、満足のひと時。
浄土ヶ浜周辺には、地域の観光情報や自然情報を紹介するビジターセンター、岩手県立科学館もあり、浜辺散策をしながら立ち寄れるスポットが点在している。岩手沿岸の旅をするなら、ぜひ拠点にしてほしいエリアだ。

写真撮影:ナカムラ写真館
モデル:八木絵里
水野ひろ子

水野ひろ子

岩手県在住フリーライター。行政や企業等の編集制作に関わる傍ら、有志とともに立ち上げた「まちの編集室」で、ミニコミ誌「てくり」やムック誌の発行をしている。 (編集/株式会社くらしさ)

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