清水寺周辺で訪れたい、京都の地元民からも愛される名店3選

2016.09.08

京都観光の超定番スポット・清水寺。参拝した後は、二年坂、三年坂に代表される石畳の坂道を散策するのがお決まりのコース。軒を連ねるたくさんのお店の中から、京都の地元民もお気に入りの麺と和菓子のお店をご紹介します。

▲清水寺の参道である三年坂。 「産寧坂」とも記されるのは、清水寺子安塔の安産信仰から

爽やかな風味をかみしめて
じっくり味わう「手打ちそば」

嵐山に本店のあるそば処 「よしむら」は、国産そばの実を生産者から直接仕入れ、脱皮から自社でおこなう、こだわりのそば処。
▲北は北海道から南は宮崎まで、全国の契約農家から仕入れるそばの実は年間40tにも上る

京都市内に4店舗あり、三年坂からすぐの場所に別庵として「よしむら清水庵」を構えています。

それでは早速、「よしむら清水庵」へ参りましょう。
観光客で賑わう周囲の雰囲気とは打って変わり、静かで風格ある佇まい。大正時代の建物を改装してあり、門構えは当時のままなのだとか。地元の方が、他府県からのゲストを連れて来られるというのも納得です。

暖簾をくぐり、おくどさん(竃)のある廊下を抜けて中に入ると、まず広さに驚きます。150坪の敷地に、ゆったり70席を配置。

そして、奥に進むと……見てくださいこの景色。
大きな窓から東山を一望。なんて贅沢なロケーションなのでしょう。庭にはテラスがあり、春と秋は外で食事をすることも可能なので、ぜひ気候のよい時期にも訪れてみてください。
今回いただいたのは、人気メニュー・天ざる膳(税込2,180円)。

角がキリッと立ち、しっかりとそばの風味がする食べ応えのある麺という印象。打ちたて茹でたてだからこその、新鮮な香りが食欲をそそります。
聞けば、のどごしではなく、“食べて味わうそば”を追求しているとのこと。
そばの実は石臼で挽きぐるみ。そば本来の香りや風味を損なわないよう、粗めに挽きます。

そして、一番のこだわりが、職人による手打ち。繁忙期には1日1,600食も出るというお店であるにも関わらず、機械を一切使わずに、手打ちを貫いているんです。
▲手打ちと釜の技を習得した職人約30人が「よしむら」の味を支える

そんなそばの引き立て役として、自家製つゆや、無添加のお漬物、オリジナルの信楽焼の器など、こだわりは細部にまで及びます。特に、ご飯の上にのせられた自家製そばの実ちりめんは、手作りの優しい味わいで締めにぴったりでした。
▲そばの実ちりめん(税込640円)は店頭販売しているので、お土産にぜひどうぞ

季節の野菜と食べる
名物うどん「おめん」

そばに続いて、うどんの名店もご紹介しましょう。
▲どこか茶目っ気のある看板がお出迎え

「おめん」という看板メニューが店名にもなっているこちらは、銀閣寺の近くに本店があり、四世代で訪れる方もいるという、地域に愛されるお店です。

清水寺からほど近い高台寺店は、場所柄、観光客も多いですが、本店同様、落ち着いた雰囲気を大切にしているそう。
「おめん」とは、創業者のふるさと、今の群馬県で郷土料理として食べられていたうどんのこと。野菜や具をたっぷりつゆに入れて食べるのが特徴なのだとか。
それを京都流にアレンジしたのが、名物「おめん」です。

つゆの中に野菜や具を入れていただくスタイルは同じなのですが、季節の野菜を彩り豊かに揃え、食感を楽しめるように細かく刻んだり、うどんと合うように味付けを工夫されたりしています。
取材時は夏だったので、そうめんかぼちゃ、茗荷、茄子、キャベツ、九条ネギ、生姜、ほうれん草にきんぴらごぼうと、たっぷりの野菜が添えられていました。

秋~冬にかけては、さつまいもやキノコ類、大根、白菜などが登場するということなので、季節ごとに楽しめますね。
そして、こちらが「おめん」のうどん。国産小麦100%の自家製麺です。
コシだけではなく香りを追求すると、国産の新鮮な小麦にしか出せない風味があるため、譲れないポイントなのだそうです。

では、実際にいただいてみます。
つゆの中にごまときんぴらごぼう、薬味野菜を少しずつ入れ、うどんをつけてつるっと一口。
ごまの香ばしさ、シャキシャキとした野菜の食感、柔らかすぎずかたすぎないもちっとした麺…それぞれがバランス良く絡み合って、想像以上の味わいに。

すべてを調和させるのが、ちょうどいい濃さのつゆ。鰹と昆布でとったダシに、季節によって醤油の割合を変えて加えます。中に入れた野菜の水分が出ることで、最後はそのまま飲めるほどの濃さになるように計算されているそうです。
▲お好みで、おめんオリジナルのオーガニック香辛料を
季節の花が飾られた、店内の上品な趣きも魅力のひとつ。
ヘルシーなうどんを味わいながら、ゆったりと過ごせます。

もちもちの食感がたまらない
「阿闍梨餅」

京都に銘菓は数あれど、地元にもファンが多いお菓子がこの「阿闍梨餅(あじゃりもち)」。京土産として、ご近所への手土産に、自宅でのお茶請けにと、日頃から重宝されている身近な存在です。
見た目はシンプルなあんこ菓子なのですが、何と言っても、もちもちっとした生地が他にない食感。ほどよい柔らかさに炊かれたつぶ餡の口当たりも絶妙で、ありそうでない一品なんです。

阿闍梨餅を作っているのは、「阿闍梨餅本舗 満月」。餡も生地もすべて自社で作り、「1種類の餡で1種類の菓子しか作らない」をモットーにしているため、阿闍梨餅をはじめ4種類のお菓子しか作っていないこだわりの老舗です。

そんな真面目な姿勢も、愛される理由なのでしょう。
百貨店や京都駅などでも購入できますが、なにぶん行列ができていることも多いので、直営店でゆっくり買い物するのがオススメ。 直営は、ここ清水産寧坂店と、左京区にある本店、金閣寺店の3店舗のみです。

清水産寧坂店は、石畳の町並みに溶け込む上品な店構え。奥には清々しい坪庭が設えてあります。
ちなみに、「阿闍梨」とは高僧のこと。阿闍梨餅のフォルムは、比叡山で千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)を行った阿闍梨だけが被れる網代笠(あじろがさ)を、下から見上げた形なのだそうです。
ほら、パッケージにも網代笠のイラストが。
店内の休憩スペースで、早速ひとついただくことにしました。
餅粉をベースとした薄皮に、丹波大納言のあんこがたっぷり包まれています。
甘さ控えめで、気軽なおやつにぴったりな素朴な味わい。
個別包装なので、1個(税込108円)から購入できます。
お土産には、清水産寧坂店限定のパッケージ(5ヶ入 税込551円)もありますよ。
いずれも、選び抜かれた素材で丁寧に作られた味ばかり。
清水寺周辺を散策しながら、ぜひ味わってみてください。
宮本貴美

宮本貴美

京都在住のフリーディレクター/ライター。旅にまつわる取材、執筆、編集をおこなう。 最近はスポーツトラベルに注目中。

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