海女の町・鳥羽で、海の宝石「鮑」に舌鼓

2016.08.23

伊勢・志摩・鳥羽の味覚といえば、伊勢海老・鮑は外せません。鳥羽市にある、伊勢海老・鮑 海鮮蒸し料理の「華月(かげつ)」で、今が旬の極上鮑料理を、お腹いっぱいいただいちゃいました。

鳥羽が誇る立派な鮑と出合う!

JR・近鉄の鳥羽駅から車で5分ほどのところにある落ち着いた佇まいの「華月」。
▲中央にある大きな水槽には鮑がぎっしり! 

店内はとても広いです。
カウンター席の他にテーブル席・お座敷など、全部で126席も。
▲所狭しと水槽にへばりつく立派な鮑 

「華月」で使われる鮑は、すべて地元の海女さんが獲った正真正銘・三重県産の天然もの。
三重県では、資源保護のために毎年1月1日から9月14日までの間しか鮑漁をすることができません。
鳥羽市ではその規則をさらに厳しくし、1日の操業時間を制限したうえで、4カ月遅らせた5月から漁が解禁になります。
漁が行われる間だけしか口にすることができない希少なお宝的食材「鮑」を使った鮑三昧の料理をご紹介します。

贅の限りを尽くした鮑料理を堪能!

▲「鮑づくしコース 海女さん応援企画」11,000円(税別) ※5月上旬~9月中旬

「鮑づくしコース」には、お造り(三重県産の天然鮑や地元産鮮魚など)、蒸し物(三重県産の天然鮑、三重県産の魚)、三重県産天然鮑のバター焼き、三重県産天然鮑の天ぷら、海鮮サラダ、伊勢志摩産あおさの味噌汁や小鉢がつきます。

なんと豪勢な…!
鮑をはじめとした海の恵みがぎっしりです。

昔から三重県の鳥羽・志摩地方では、海女さんによる漁が盛んにおこなわれてきました。
今でも全国の海女さんのうち、約45%が鳥羽・志摩にいるそうですが、海女さんの高齢化や後継者不足、資源の減少とともにその数は年々減り続け、多かったころの3分の1ほどになってしまったのだそう。

「鮑づくしコース」は「海女さん応援企画」といって、食事代金の1%が海女さん応援基金に寄付されるしくみ。
積み立てられた基金は、海の環境保護や水産資源の保護に使われます。
2015年にはその基金を使って約4,000個の鮑の稚貝が放流されたのだそう。
「少しでも鮑が増えることで、伝統の海女文化をこれからもずっと継承してほしいですよね」と、華月の代表 尾崎さん。
▲鮑と地元で水揚げされた鮮魚(この日は、タコ・コチ・ハモ)のお造り 

三重県産・天然鮑のお造りは、鮑が丸ごと1個使われています。
艶っぽくてなんとも美しい。
これぞ鮑。コリコリの身を舌の上で転がせば、優しい磯の香りが口いっぱいに広がります。
 
数は少ないそうですが、この日たまたま上がったというタコ。
なんとタコのエサは鮑や伊勢海老なのだそう。 
きゃ~やめて~!希少な鮑や伊勢海老なんて食べないで~!
という感じですが、これも自然の営み。しかたないですよね。
でもさすが高級食材を食べて育ったタコだけあって、旨みも濃いです。
▲三重県産 天然鮑のバター焼き 

鮑は5月過ぎから夏にかけてふっくらと肉厚になり、どんどん旨みが増してくるのだそう。 噛むほどにジュワーっと旨みがあふれます。 バターの香りが鮑の香りを引き立てて絶妙なハーモニー。やはりこの組み合わせは最強です。
▲三重県産 天然鮑の天ぷら 

熱々の天ぷらに少しだけ塩を付けて口に運びます。
サクサクの衣と柔らかな鮑の食感。ふわ~っと広がる香りがたまりません。
▲仰向け?にされて必死にもがく鮑 

さっきまで水槽にへばりついていた鮑。元気がいいです。
これからテーブルに備え付けられたヒノキのせいろを使って、料理してもらえるとのこと。 ワクワクしながら待つこと7分。
できました!
蓋を開けたとたん、ホワッと立ち上る湯気。鮑の優しい磯の香りが鼻をくすぐります。
熱いうちにほふほふといただきます。
「フォークを突きさして、そのままかぶりついてもいいんですよ」と仲居さん。
こんな豪快な食べ方ができるなんて、贅沢! 

ふっくらと柔らか~い!
鮑の旨みが凝縮されて、まろやかな甘みを感じます。 これはちょっと感動的。
▲地元で獲れた鮮魚(この日はコチ)
▲せいろで蒸し上がったコチ

同じくコチもせいろ蒸しに。
ほんのりとしたヒノキの香りも、料理に深みを出すひとつのスパイスになっているよう。
コチのホクホクした身をポン酢でさっぱりといただきます。 

蒸し飯のもち米(熊本県産)以外は、名産のちりめんじゃこをあしらった海鮮サラダやあおさの味噌汁、香の物まで、すべてが三重県産の食材です。 

ゆったりとくつろげる店内でいただく鮑三昧は最高。
ふぅ~!お腹いっぱいで、もう動けません…

手軽に鮑が楽しめるお昼の限定メニュー「鮑海鮮丼」が、これまた絶品!

▲お昼のみの限定メニュー「鮑海鮮丼」3,500円(税別)※5月上旬~9月中旬

手軽に鮑を楽しむなら、お昼の限定メニュー「鮑海鮮丼」がおすすめです。 鮑がまるまる1個付いた海鮮丼と、その日の一品(この日はコチの唐揚げ)、伊勢志摩産あおさの味噌汁、香の物、ところてん。
海鮮丼にはその時に獲れた鮮魚が使われるので、鮑以外の魚介はその日のお楽しみ! 

そして、デザートの「ところてん」にも注目です。 細長く突いてあるものではなく、さいの目にカットされた「ところてん」に、きな粉を付けていただきます。
鳥羽では各家庭で作られるものだそうで、海藻の採れた場所によって味もそれぞれ違うのだそう。 「華月」の「ところてん」は、クセのないさっぱりとした味で、いくらでも食べられます。
この地方では昔から、鮑の貝殻を神棚のお供え物のお皿に使うなど、鮑を神聖なものとして扱ってきました。
そして、お腹に赤ちゃんを授かった女性が鮑を食べると、瞳の美しい健康な子どもが産まれると言い伝えられ、今でも安産祈願の縁起物とされているんです。

鮑本来の味を最大限に引き出した絶品料理。
豊かな海と海女文化が、いつまでもつづきますようにと願わずにはいられません。
Yukitake

Yukitake

三重の雑誌「Edge」をはじめ、さまざまな雑誌・情報誌において、グルメ・観光などの記事を執筆。女性目線の取材とソフトな文体を大切にしています。

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