期間限定の絶景!姿見の池を楽しむ大雪山旭岳トレッキング
ロープウェイを降りると、そこは天空の別世界!7月でも残雪が残り8月末には紅葉が始まるという、北海道大雪山系の旭岳中腹にある「姿見の池」です。水面に映る旭岳の姿や遠くまで連なる雄大な山々、散策路周辺に花開く高山植物など、カメラを向けたくなる風景がどこまでも続きます!

ロープウェイに乗って、天空の別世界へ

姿見の池は、北海道で一番標高が高い旭岳(標高2,291m)の中腹、約1,600m付近にあります。旭川空港から車で約50分走り、旭岳ロープウェイの山麓駅でロープウェイに乗り換え10分で姿見の池の入口、姿見駅に到着。姿見駅から姿見の池までは、歩いて片道20~30分で行くことができます。

それでは、7月中旬に姿見駅から姿見の池に向かって歩いた様子を紹介します。

満月沼や夫婦池を眺めながら姿見の池を目指します
おすすめの巡り方は、後者のルートで景色を楽しみながら姿見の池まで行き、帰りは前者のルートで姿見駅まで戻るパターン。

では、スタート!姿見駅から坂道や階段を5分ほど登っていくと、第一展望台があります。この先、姿見の池付近にある第五展望台まで5つの展望スポットがあります。

第一展望台を過ぎると、いくつかの沼や池が現れます。最初に現れたのは、満月沼。

満月沼から5分ほど歩くと第二展望台と第三展望台があり、この付近では旭岳の雄姿とともに、鏡池と擂鉢(すりばち)池(通称:夫婦池)を眺めることができます。

鏡池は旭岳の姿が鏡のように水面に映ることから名づけられた池。空気が澄んで風がなく波立たなければ、綺麗に映る様子を眺めることができます。


これらの沼や池は、昔の火山活動の名残りです。水蒸気爆発が起こった時に小さな噴火口ができ、火山活動が終わった後に噴火口跡のくぼ地に水がたまったものです。
第三展望台から第四展望台へ行く途中で道が二手に分かれます。姿見の池へと向かう道と、高山植物の群落がある裾合平(すそあいだいら)や愛山渓(あいざんけい)をはじめ、他の山々の縦走コースへと向かう道です。

案内標識が立っているので迷うことはないと思いますが、万が一間違えて後者の道へ行ってしまったら大変!この先は足場が悪い本格的な登山道が続くうえ、天候が急変した時は道を見失い遭難してしまうリスクがあります。本格的な登山装備がないと行けない道なので、気を付けて。

火山の迫力、大地の威力を感じる!
しばらく坂道や階段が続く上り斜面を進んでいき、後ろを振り返ると鏡池や擂鉢池が眼下に!


登るにつれ見通しもよくなり、見晴らしもよく爽快な眺めです。そんな広々とした風景の中にあるのが、第四展望台です。

この付近の岩場にはところどころ小さな穴があいていて、地中から水蒸気や火山ガスが噴出しています。そのため周囲よりも地熱が高く暖かいため、高山植物が姿見の池界隈では比較的早く咲くと言われているほか、エゾリスなど小動物もよく現れるそうです。


第四展望台を過ぎ、姿見の池へ近づくと、水蒸気などの噴出がさらに激しくなってきました。シューッと噴き出す大きな音が響きわたり、真っ白い煙がもうもうと立ちこめています。
散策路の途中、姿見の池の直前で道を離れ、噴気孔を間近に眺められるスポットまで行くことができます。


まだ雪や氷が浮かぶ姿見の池へ到着!

長い冬の間ずっと氷結していた水面が、つい最近やっと溶け始めたようで、これから春を迎える、という雰囲気でした。一年を通じてみると、姿見の池に雪や氷がない期間のほうが圧倒的に短いのです。わずかな夏の間(例年8月~9月)に、このような美しい風景を眺めることができます。

日本で一・二を競う早さで紅葉が訪れる姿見の池周辺、8月末から9月上旬に色づき始め、9月中旬位には見ごろを迎えます。

記念撮影スポットから少し山を登っていくと、第五展望台があります。ここからは、旭岳を正面に眺め、眼下に姿見の池や噴気孔を見下ろすことができます。


さぁ、姿見の池の絶景を写真に収めたら、姿見駅まで戻りましょう。帰りのルートには途中に展望台などはありませんが、散策路から眺める旭岳や、周囲に咲く高山植物の姿も見事でした。




旭岳をはじめとする雄大な山々、鏡のように水面へ映る山や空の風景、散策路脇に咲く高山植物。どこを見ても絵になる風景が続いていました。

散策とはいえ高山地帯の登山道、靴や服はアウトドア仕様で

足元は登山靴やトレッキングシューズがベスト、持っていない方は底が厚めのスニーカーでも大丈夫です。
ちなみに、6月頃は残雪が多く雪渓の上を歩く場所もあるので、長靴か冬山登山用の靴が必要。長靴は姿見駅でレンタル(300円・税込)もあります。

標高が高く気温が低いのに加えて風が吹き抜けるため、服は夏でも長袖必須!さらに、山の天候は変わりやすいので、晴天の日でも念のため雨合羽持参で。秋に訪れようと思っている方は、9月末から10月上旬には初雪が降るので防寒対策もしっかりしておきましょう。

一年の大半が雪に閉ざされるので雪がない中を散策できる時期が短いのですが、短い春から秋までの気候や風景は、日常生活とはかけ離れた天空の別世界!一生のうちに一度は訪れておきたいと思えるスポットです。都会の喧騒を離れ、足を運んでみませんか?
旭岳 姿見の池
北海道上川郡東川町勇駒別
[旭岳ロープウェイの運行期間]
通年 ※運行・運休期間は年により変わります。詳しくは公式サイトをご確認ください。
[旭岳ロープウェイの運賃]
トップシーズン(6月1日~10月20日)往復券:大人(中学生以上)2,900円、小人(小学生)1,450円、通常シーズン(10月21日~5月31日)往復券:大人(中学生以上)1,800円、小人(小学生)900円 ※いずれも税込
0166-68-9111(旭岳ロープウェイ)、0166-82-3761(ひがしかわ観光協会)

川島信広
トラベルライター・温泉ソムリエ・イベントオーガナイザー/横浜市出身、札幌市在住。北海道内の全市町村を趣味で訪ね歩くうちに北海道の魔力に惹かれ、都内での雑誌の企画営業と執筆業務を経て北海道へ移住し独立。紙媒体やweb媒体などで主に観光や旅行、地域活性をテーマにした取材執筆と企画・編集を手がける。スイーツ好きの乗り鉄、日光湿疹と闘う露天風呂好き。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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