ここは天空の別世界!大雪山旭岳の姿見の池でトレッキング

2016.08.27

ロープウェイを降りると、そこは天空の別世界!7月でも残雪が残り8月末には紅葉が始まるという、北海道大雪山系の旭岳中腹にある「姿見の池」です。水面に映る旭岳の姿や遠くまで連なる雄大な山々、散策路周辺に花開く高山植物など、カメラを向けたくなる風景がどこまでも続きます!

▲姿見の池へ通じる散策路から眺めた旭岳

ロープウェイに乗って、天空の別世界へ

姿見の池周辺は、7月でも残雪が残り、8月末には紅葉が始まる地。猛暑が続く都会の夏と比べると想像もつかない、別世界の気候です。姿見の池周辺には散策路があり、気軽に散策できます。
▲2015年9月後半の姿見の池周辺、旭岳山麓の様子

姿見の池は、北海道で一番標高が高い旭岳(標高2,291m)の中腹、約1,600m付近にあります。旭川空港から車で約50分走り、旭岳ロープウェイの山麓駅でロープウェイに乗り換え10分で姿見の池の入口、姿見駅に到着。姿見駅から姿見の池までは、歩いて片道20~30分で行くことができます。
▲旭岳ロープウェイの姿見駅。山岳地帯で背の高い樹木が生育できず低木しか育たなくなる境界線、森林限界を超えた山の上にあります

それでは、7月中旬に姿見駅から姿見の池に向かって歩いた様子を紹介します。
▲旭岳ロープウェイの姿見駅で降りると、下車客全員に対して「3分レクチャー」という、旭岳登山や姿見の池散策での注意点などの案内があります

満月沼や夫婦池を眺めながら姿見の池を目指します

姿見駅から姿見の池までは、ルートが2つあります。比較的直線が多く歩いて約20分位で行くことができるルートと、展望台などを巡りながら約30~40分かけて歩いて行くルートです。
おすすめの巡り方は、後者のルートで景色を楽しみながら姿見の池まで行き、帰りは前者のルートで姿見駅まで戻るパターン。
▲姿見駅付近は綺麗な木道ですが、すぐに途切れて地面や岩がむき出しの散策路になります

では、スタート!姿見駅から坂道や階段を5分ほど登っていくと、第一展望台があります。この先、姿見の池付近にある第五展望台まで5つの展望スポットがあります。
▲第一展望台から眺めた旭岳。散策路より高い場所にあるので、見渡しがよい!

第一展望台を過ぎると、いくつかの沼や池が現れます。最初に現れたのは、満月沼。
▲満月沼。名前のとおり、満月のように丸い沼です。水面にはまだ雪と氷が!

満月沼から5分ほど歩くと第二展望台と第三展望台があり、この付近では旭岳の雄姿とともに、鏡池と擂鉢(すりばち)池(通称:夫婦池)を眺めることができます。
▲第二展望台から眺めた旭岳。展望台にはベンチもあるので、雄大な景色を眺めながら軽く休憩もできます

鏡池は旭岳の姿が鏡のように水面に映ることから名づけられた池。空気が澄んで風がなく波立たなければ、綺麗に映る様子を眺めることができます。
▲第三展望台付近から眺めた旭岳と鏡池
▲擂鉢のようにくぼんだ形をしているからと命名された擂鉢池

これらの沼や池は、昔の火山活動の名残りです。水蒸気爆発が起こった時に小さな噴火口ができ、火山活動が終わった後に噴火口跡のくぼ地に水がたまったものです。

第三展望台から第四展望台へ行く途中で道が二手に分かれます。姿見の池へと向かう道と、高山植物の群落がある裾合平(すそあいだいら)や愛山渓(あいざんけい)をはじめ、他の山々の縦走コースへと向かう道です。
▲姿見の池へは、鏡池を左手に見ながら進みます。鏡池を右手に見ながら進むと、裾合平方面へ行ってしまいます

案内標識が立っているので迷うことはないと思いますが、万が一間違えて後者の道へ行ってしまったら大変!この先は足場が悪い本格的な登山道が続くうえ、天候が急変した時は道を見失い遭難してしまうリスクがあります。本格的な登山装備がないと行けない道なので、気を付けて。
▲裾合平方面へ向かう道へ少しだけ進んでみました。岩がゴツゴツとし、ルートが少々判然としない登山道でした

火山の迫力、大地の威力を感じる!

鏡池や擂鉢池がある付近から、姿見の池へ向かって歩みを進めていきます。
しばらく坂道や階段が続く上り斜面を進んでいき、後ろを振り返ると鏡池や擂鉢池が眼下に!
▲鏡池(右)と擂鉢池(左)。隣り合うことから、二つあわせて夫婦池と呼ばれています

登るにつれ見通しもよくなり、見晴らしもよく爽快な眺めです。そんな広々とした風景の中にあるのが、第四展望台です。
▲第四展望台でしばし休憩

この付近の岩場にはところどころ小さな穴があいていて、地中から水蒸気や火山ガスが噴出しています。そのため周囲よりも地熱が高く暖かいため、高山植物が姿見の池界隈では比較的早く咲くと言われているほか、エゾリスなど小動物もよく現れるそうです。
この日、私たちの前をエゾリスが横切りましたが、あまりの素早さに残念ながら写真に収めることはできませんでした…。

第四展望台を過ぎ、姿見の池へ近づくと、水蒸気などの噴出がさらに激しくなってきました。シューッと噴き出す大きな音が響きわたり、真っ白い煙がもうもうと立ちこめています。
散策路の途中、姿見の池の直前で道を離れ、噴気孔を間近に眺められるスポットまで行くことができます。
▲噴気孔付近の見学スポット。激しく噴き出す水蒸気や火山ガスに、地球は生きているのだ!と実感
▲噴気孔から散策路へ戻る時、左手に姿見の池が見えてきました!

まだ雪や氷が浮かぶ姿見の池へ到着!

ついに、姿見の池へ到着!湖畔から一段高くなった丘の上に展望スポットがあります。ここが定番の記念撮影スポット。
▲7月中旬だというのに、水面には雪や氷が浮いていました

長い冬の間ずっと氷結していた水面が、つい最近やっと溶け始めたようで、これから春を迎える、という雰囲気でした。一年を通じてみると、姿見の池に雪や氷がない期間のほうが圧倒的に短いのです。わずかな夏の間(例年8月~9月)に、このような美しい風景を眺めることができます。
▲2015年9月後半の様子。すでに草花が色づき秋の装いです。天気がよい日は水面がエメラルドグリーンに見えます

日本で一・二を競う早さで紅葉が訪れる姿見の池周辺、8月末から9月上旬に色づき始め、9月中旬位には見ごろを迎えます。
▲2015年9月後半の様子

記念撮影スポットから少し山を登っていくと、第五展望台があります。ここからは、旭岳を正面に眺め、眼下に姿見の池や噴気孔を見下ろすことができます。
▲第五展望台から眺めた姿見の池と旭岳
▲この付近には旭岳山頂へと向かう登山道との分岐点も。もちろんこの先は登山装備がないと登れません

さぁ、姿見の池の絶景を写真に収めたら、姿見駅まで戻りましょう。帰りのルートには途中に展望台などはありませんが、散策路から眺める旭岳や、周囲に咲く高山植物の姿も見事でした。
春から夏、夏から秋がほんの一瞬のうちに過ぎてしまい、夏が1ヵ月くらいしかない、姿見の池。夏が短い分、街中が暑い時期でも雪見を楽しめ、残暑が厳しい頃に一足早く紅葉を楽しむことができます。

旭岳をはじめとする雄大な山々、鏡のように水面へ映る山や空の風景、散策路脇に咲く高山植物。どこを見ても絵になる風景が続いていました。

散策とはいえ高山地帯の登山道、靴や服はアウトドア仕様で

ただ、散策路といっても山の中なのでアップダウンがありますし、ごろごろ転がる岩の上を歩くところや、雪解け水や小川が流れぬかるんでいる場所もあります。
▲途中、こんな岩がごろごろしているところを登っていく場所もあります

足元は登山靴やトレッキングシューズがベスト、持っていない方は底が厚めのスニーカーでも大丈夫です。
ちなみに、6月頃は残雪が多く雪渓の上を歩く場所もあるので、長靴か冬山登山用の靴が必要。長靴は姿見駅でレンタル(300円・税込)もあります。
▲7月中旬、散策路の脇にはまだ雪が残っていました

標高が高く気温が低いのに加えて風が吹き抜けるため、服は夏でも長袖必須!さらに、山の天候は変わりやすいので、晴天の日でも念のため雨合羽持参で。秋に訪れようと思っている方は、9月末から10月上旬には初雪が降るので防寒対策もしっかりしておきましょう。
▲登山用のストックも持っていきました。登る時や下る時に楽ちんです

一年の大半が雪に閉ざされるので雪がない中を散策できる時期が短いのですが、短い春から秋までの気候や風景は、日常生活とはかけ離れた天空の別世界!一生のうちに一度は訪れておきたいと思えるスポットです。都会の喧騒を離れ、足を運んでみませんか?
川島信広

川島信広

トラベルライター/温泉ソムリエ/イベントオーガナイザー。北海道を拠点に活動。旅行雑誌や観光サイトでの執筆や撮影を中心に、観光施設などの集客支援や、イベントやツアーの企画と実施支援を行う。その日・その時・その場の空気感や現場感を活かした表現や演出が得意。常に「誰」を考え、利用者視点を重視している。

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