泳ぐゾウ、肉に食らいつくライオン!「富士サファリパーク」で、動物の野生の姿を目撃!

2016.09.11 更新

静岡県裾野市にある「富士サファリパーク」。こちらでは、世界中から集まった動物たちがのびのびと暮らしています。マイカーで回るのも楽しいですが、ジャングルバスに乗れば、すぐ目の前にやってくる動物たちとあんなことやこんなことができるんです!

晴れた日には富士山をバックに、約30種もの動物に出会える!

静岡県裾野市のなかでも、標高約850mという冷涼な気候の富士山麓に広がる「富士サファリパーク」。晴れた日には手が届きそうなほど近くにある富士山をバックに、放し飼いにされた動物たちの野生の姿を眺めることができます。
▲ゲートで入場料を支払い、パーク内へ

園内は、車で回る「サファリゾーン」と、小さな動物たちとふれ合える「ふれあいゾーン」の2つに分かれています。ここへ来たら、真っ先に行きたいのがサファリゾーン!
マイカーでも回れますが、今回は、専用のジャングルバスに乗って回ることにしましょう。
▲バスのチケット(3歳以上・税込1,300円)は、入り口ゲートのすぐ横にある案内所で購入できる

ジャングルバスは全部で11種類。ライオンバスやサイバスなど、モチーフが一台ずつ違うんです。でも、回るコースやエサをあげられる動物は同じなので安心してくださいね。

バスは、日によって異なりますが10~30分間隔で運行しています。
案内所に行けば、どのバスがいつ出発するのかわかるので、自分の好きな動物のバスを選んで乗ることもできますよ。
今回乗車するのは、一番手前に停まっているタイガーバス。32人乗り、全長10m超の大型バスです。バスの発車時刻は決まっていますが座席は指定されないので、出発時間より少し早めにバス停へ行くのがオススメです。

バスに乗り込んだら、エサが入った黄色い箱と青い箱を受け取ります。
中には、リンゴや肉などが入っています。これらはサファリゾーンで動物にあげるエサ。
乗用車と異なり窓ガラスがないジャングルバスは、金網越しにエサをあげることができるんです。

バスが満席になったタイミングで、ガイドでもある運転手さんからエサやりについてのアナウンスが入ります。
動物によって、バスに備え付けられている赤いハサミのような道具を使ったり、箱のようになっている場所に入れたりしてエサをあげることなどを教えてくれました。

そしていよいよ、出発の時間。サファリゾーンの入り口へ向かって、バスは走り始めます。

いよいよ野生の王国「サファリゾーン」へ!

サファリゾーンの入り口へやってくると、金属のゲートがゆっくりと開いていきます。
富士サファリパークにあるゲートはすべて2重になっていて、最初のゲートが完全に閉まるまで、次のゲートは絶対に開きません。
その間、1分足らず。これから始まるおよそ50分の旅に期待が高まります。
ゲートを抜けて、いよいよサファリゾーンへ。
野生の動物の世界へ入っていくのだとワクワクすると同時に、真っ赤な「DANGER!」の文字に、野生の動物の怖さを感じとり、気が引き締まります。

テディベアのモデルになったクマに、エサをあげる

トップバッターはクマゾーン。ここで最初にお出迎えしてくれるのは、カナダやメキシコなどに住んでいるアメリカグマでした。バスがエサをあげる場所に到着すると、大きなアメリカグマがのっしのっしとやってきます。
「クマには、リンゴをあげてくださいね」と運転手さん。
バスに掴まって立ち上がるクマ。息づかいまで伝わってくる!
「早く早く」とでも言いたげなクマにリンゴを差し出すと……。
食べてくれた!たったそれだけなのに、何だかとてもうれしい!
さっきのクマがいなくなると、別のクマがやってきてリンゴを催促します。
テディベアのモデルになったと言われているアメリカグマ。そのかわいい姿からは想像できない、鋭い牙が数10cm先に見えて、一瞬怯みます。
「リンゴをくれ」と言わんばかりに立ち上がるクマの姿がなんだか健気で、恐る恐るリンゴを差し出すと、ガブリ!むしゃむしゃ。
怖い……でもやっぱりかわいい!だからもっとリンゴをあげたい!
そう思う頃には、箱の中にリンゴは1つもありません。後ろ髪を引かれながら、この場を後にします。
▲右にいるのは、2016年1月に、三つ子で生まれてきたアメリカグマの赤ちゃん

「大人になると体長2m、体重150kg以上にもなるアメリカグマですが、生まれてくるときの大きさはネズミくらいなんです」と運転手さん。
7か月ほどでここまで大きくなるんですね。
クマゾーンには、アメリカグマのほか、ヒグマやヒマラヤグマなど、世界各国のクマが暮らしています。こんな風に、木の上でお昼寝するクマの姿を見ることもできますよ。

百獣の王・ライオンに肉を食べさせる!

クマとサヨナラすると、バスは、ライオンゾーンへ。
朝晩は活発に活動するライオンですが、昼間はノンビリと過ごします。
こんな風にくた~っと眠る、かわいい姿を見ることができます。ライオンがネコ科の動物というのも合点がいくかわいさです。

ライオンの寝姿に癒されているうちに、バスはエサをあげる場所へと向かいます。
エサをあげる場所のすぐ近くにいるライオンの群れに近づくと、立派なたてがみの雄ライオンと目が合いました。そして、バスへ向かってゆっくり歩いてきます。

ライオンのお目当ては、青い箱に入っている肉。早速差し出してみます。
道具を使って肉をつまみ、金網の隙間から差し出すと……
大きな口でガブリ!迫力満点です。
モグモグ。ハサミごと食べちゃう勢いで、口を閉じます。
差し出した肉をペロリと平らげると、満足げな表情を浮かべ、元いた場所へのっしのっしと帰っていきました。

ライオンがバスに近づいてくると、なんとも言えない獣臭が漂います。水が嫌いなライオンは水浴びをほとんどしません。なので、ほかの動物に比べて臭いが強くするんですって。
サバンナで、ライオンは、10~15頭ほどの群れとなって暮らしています。だから、ライオンゾーンでは、いくつものライオンの群れを確認することができます。
「たてがみの色が黒ければ黒いほど、年寄りなんですよ」と運転手さん。
周囲を見渡すと、確かに、ライオンによってたてがみの色が違う!
さっき肉をあげたライオンより、ここにいるライオンのほうが年を取っているんだなぁ。
こんな発見があるのも、ガイドをしてくれる運転手さんがハンドルを握るジャングルバスに乗っているからこそ。
「右手に、木登りをしているライオンがいますよ」と運転手さん。
半信半疑で言われた通り右側を見ると、木の上でくつろぐライオンを発見!
ライオンが木登りできるなんて、サファリパークに来るまで知らなかった!

「木登りはオスよりメスのほうが得意なんです。木登りをするのは、誰にも邪魔されずにゆっくり眠るためなんですよ」と運転手さんの言う通り、木の上でぐっすり眠ってるライオンもいました。すごい、よく落ちないなぁ。

さてさて。
くつろぐライオンに見送られ、今度は、トラゾーンへと入っていきます。ここにいるのは、トラのなかで最も体の大きいアムールトラ。中国とロシアの国境あたりに暮らすアムールトラは、その模様の美しさゆえ乱獲され、野生の個体は現在400頭ほどしかいないそう。
ライオンと同じネコ科の動物ですが、ライオンと異なるのは、水が大好きなこと!肌寒い日でも池で水遊びを楽しむほどなんですって。池の中で水遊びをするアムールトラを見られることもあるそうです。
そして次は、同じネコ科のチーターがいるチーターゾーンへと進みます。
「走り始めて2秒で時速75km、3秒で時速100kmになるんです。その加速力はまるでレーシングカーのようなんですよ」と運転手さん。世界一速く走るアスリートの体は、体脂肪3%ほど。確かにその体つきはシャープでかっこいい!

運が良ければ、その速度で走る姿を見ることができることも。
でも、この日はずっと、まるで哲学者のように空をじっと見つめていました。
走る姿を見たかったなぁ。残念!

ゾウが泳ぐ姿を間近に見れる!日本初の「水の中のゾウ!」

バスは次に、ゾウゾーンへと入っていきます。
ゾウゾーンにいるのは、アジアゾウとアフリカゾウ。
まずは、耳の小さなアジアゾウが私たちを出迎えてくれます。手前にいるのは、4歳のガームちゃん。タイ語で“美しい”という意味なのだそう。

バスが近づくとガームちゃんとガームちゃんのお母さんが、奥の木立の方向へと歩き始めました。
その姿を確認すると、バスも出発。普段アジアゾウのいる場所のちょうど反対側あたりに停車します。
目の前には、水を湛えた大きなプールがありました。

実は「富士サファリパーク」では、毎年9月末まで、アジアゾウが水中を遊泳する姿を見ることができるんです!
しばらくすると、ガームちゃんとお母さんが泳いできました。前足を器用に使い、気持ちよさそうに泳いでいます。
プールの全長は30m、水深はおよそ3m。鼻を伸ばして息継ぎをしながら泳ぐ姿は、とても楽しそう!
結構なスピードで泳いでいくので、30mにかかる時間はわずか数分とあっという間。重さ3tもあるゾウが浮くんだ……と感動し、ゾウの泳ぎの優雅さに心を奪われたひとときでした。
▲長い鼻でつかんだ草を浴びるように放り投げる、アフリカゾウ

水の中を泳ぐアジアゾウの姿に感動したら、アフリカゾウをチェック。「アジアゾウよりもずっと耳が大きいんですよ」と運転手さんの言う通り、確かに耳が大きい!長い鼻で草を持ち上げ、背中へかける仕草がかわいいんです。

今まで見たことないゾウの水泳を楽しんだら、今度は、草食動物ゾーンへと入っていきます。

草食動物ゾーンでラクダにエサをあげよう

草食動物が暮らすゾーンは、低地の動物が暮らす「一般草食ゾーン」と標高の高い地域の動物が暮らす「山岳草食ゾーン」に分けられています。

まずは、キリンやシロサイ、シマウマなどがいる「一般草食ゾーン」を回ります。
シマウマの美しい縞模様に目を奪われます。絵に描くとき、どうやって縞を引けば正しいシマウマが描けるか、運転手さんのアナウンスで知ることができますよ!
凛としたアミメキリン。奥には赤ちゃんもいました。
ここでエサをあげるのは、フタコブラクダをはじめとした草食動物。エサをあげるスポットでバスが停車すると、動物たちが近づいてきました。
運転手さんの合図で、バスに設置された取っ手のついた箱のような部分に、直径1cmほどの粒状のエサを入れ、ガチャリと閉めます。
すると、外にいるラクダやラマの目の前にエサが差し出されます。動物たちは、顔をバスに近づけ、ムシャムシャ。
▲他のジャングルバスからもらうエサを食べる、ラクダやラマ
▲エサを食べているラマ。目の前にヌッと長い顔が近づいてきて、迫力満点!
あっという間に食べ終えると、動物たちは、自分の顔を使い箱をパタリと閉めて、その場を立ち去ります。エライ!
他にも、エランドやトムソンガゼル、ヤギなどの草食動物を堪能。人気のミナミシロサイに見送られ、「一般草食ゾーン」から「山岳草食ゾーン」へと向かいます。
ここには、ニホンジカやダマジカのほか、ムフロン、ヒマラヤタールなど、標高の高い山のなかで暮らす草食動物がいます。
▲ダマジカの赤ちゃん。思わず「かわいい!」と呟いてしまいました

山岳草食ゾーンを抜けたら、サファリゾーンはおしまい。バスは、案内所へ向かって進んでいきます。
▲タイガーバスのミニチュアが、バスのダッシュボードに飾られていました

ふれあい牧場で、小さくてかわいい動物たちとたわむれよう

バスを降りたら横断歩道を渡り、ふれあい牧場へ行ってみることに。こちらでは、小さい動物たちに触れたり、エサをあげたりできるんです。
▲なでるとうっとりとした表情になるカピバラ。意外と毛がゴワゴワしていました
▲レッサーパンダのなかには、2本足で立つことで2005年に話題になった「風太くん」の血を引く子もいるんですって
▲小さくてかわいい、ウシ科のギュンターディクディク。日本国内では富士サファリパークでしか出合えないそう
▲カンガルーやカピバラにはエサをあげることができる。エサは1カップ税込50円~100円
▲よく見ると、おなかのポケットのなかに赤ちゃんがいる!

カンガルーの赤ちゃんは1cmほどの大きさで生まれてきて、お母さんのおなかにあるポケットへと自力で這い上がっていくのだそう。
そのため生まれた日がはっきりとわからないので、お母さんのおなかのポケットから顔を出した出た日をカンガルーの誕生日とするそうです。
かわいいカンガルーの親子をのんびりと眺めていると、その向こうで突然始まったのが、カンガルーの本気のボクシング!
ぴょんぴょんと飛び跳ねながら、相手の顔にパンチを繰り出します。
「カンガルーって、本当にボクシングをするんだ」そんな妙な感動を覚えつつ、その迫力と激しさに目を奪われます。

熱いファイトを堪能した後は、サファリレストランの裏手にある「どうぶつ村」へ足を伸ばしてみることに。
こちらでは、ヒョウやシマハイエナなどのどうぶつを、ガラス越しに眺めることができます。
お昼寝するカバたち。彼女たちは、同じ齢の仲良しコンビなのだそう。
ワオキツネザルやヤマアラシなど、普段エサをあげることのできない動物にエサをあげられる「限定エサあげ体験」を実施していることも。実施日や整理券の配布場所などの詳細は公式ホームページで知ることができるので、出かける前にチェックするといいでしょう。

普通の動物園とはひと味違うから、楽しみ方もいろいろ!

ジャングルバスのほか、ゼブラ模様の4WD車・ナビゲーションカーを利用したり、サファリゾーンの外側のフェンス沿いをぐるりと一周歩いて回るウォーキングサファリも。
▲ライオンが乗っているのは、ウォーキングサファリのエサあげポイント。猛獣も、間近に見ることができるように工夫されている

さらに、季節によってはライオンの赤ちゃんを抱っこしたり、週末には動物が活動的になる夜のナイトサファリを楽しむこともできるんです!

「富士サファリパーク」は、いろいろな楽しみ方で、動物の生態を見ることができる場所。
ジャングルバスに乗ったら、次は違った見学方法で動物の姿を見に行ってみてはいかがでしょう?きっと、また新たな発見があるはずです。
永井理恵子

永井理恵子

日大芸術学部写真学科卒のフリーライター。食いしん坊(飲んべえでもある)。東京の荒波に15年揉まれて気づいたのは、生まれ育った静岡県と御殿場市が思いのほか素敵な場所だったってこと!地元のいいところを発信すべく鋭意活動中。

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