岸和田だんじり祭と城下町の魅力
勇壮さで知られる大阪・岸和田のだんじり祭。日程は毎年9月の敬老の日の前々日の土曜が宵宮、前日の日曜が本宮の2日間で、例年40万人以上の観客が訪れる。「祭こそわが人生」と地元民が熱狂する、類まれな祭礼の魅力とその舞台となる岸和田城下を訪ねる。

大阪湾に秋を告げる壮大な岸和田祭
大阪湾沿岸と淡路島を中心に、奈良、和歌山ほか近畿各地の祭礼に出される地車は500台を下らないといわれる。
地元大阪の地車研究家によると、各地でその構造や型、製造された歴史的背景などから、岸和田型、大阪型、神戸型などと呼ばれ、10種以上に分類されている。
共通しているのは、太鼓や鉦(かね)、笛といった鳴物が乗り込み、そのだんじり囃子に乗せて、曳き手が地車を操る。

映像でご覧になったことがある方も多いと思うが、岸和田だんじり祭の特徴は「遣(や)り回し」の迫力につきる。
重さ約4t、高さ約4mの欅(けやき)造りの岸和田型のだんじり。
遣り回しは城下町特有の直角の交差点を直前から加速して一気に方向転換する。


とくに大きなパートを占める正面・左右の腰廻りや小屋根下の見送り(後ろ)には、源平合戦や難波戦記、忠臣蔵などの名場面が彫刻され、だんじり祭礼に参加する22町おのおのの「我が町」自慢となっている。



2日間の祭礼のクライマックスは、本宮に行われる岸城(きしき)神社の宮入。
15台のだんじりが次々と岸和田城の入口となる「こなから坂」を一気に駆け上がり、ここ一番の遣り回しを見せる。

そのため遣り回しが行われる曲がり角前後の道路は立入禁止になり、厳重に警備される。
観客は脚立や踏み台に乗って見たり、雨天の場合に傘を差して見たりするのを禁止されている。


夜は昼の勇壮さから一転。200個ものコマ提灯で飾られた華麗な姿に変貌し子どもが曳き手の主役となる。
このときはゆっくり歩く速さで曳行されるので、リラックスして見られる。

岸和田だんじり祭の写真は六覺千手(ろっかくせんじゅ)による
岸和田だんじり祭
[開催日時]2018年9月15日(土)6:00~22:00、9月16日(日)9:00~22:00
[会場]南海本線岸和田駅~岸和田城周辺
072-436-0914(岸和田市観光振興協会/岸和田だんじり会館内)
だんじり祭の迫力を体感できる「岸和田だんじり会館」

元禄16(1703)年に始まったとされるだんじり祭の歴史から、各町のだんじりについてまで、岸和田だんじりのすべてが実感できる専門博物館だ。











圧巻は3Dめがねをかけての「3Dだんじりビジョン」。立体カメラが撮影した迫力満点の映像で、まるでだんじりに乗っているように「遣り回し」体験ができる。






岸和田だんじり会館
大阪府岸和田市本町11-23
[開館時間]10:00~17:00(入館は16:00まで)
[休館日]月曜(祝日の場合は開館)、12月29日~1月3日
[入館料]大人600円、小人(小・中学生)300円(ともに税込)
072-436-0914
皆でここ一番の遣り回しを決め、「今年もええ祭やった」と泣く、「祭こそ我が人生」本番の、年に一度の祭はもうすぐだ。
※本記事は2016年の取材を元に一部修正したものです。
※写真はすべて2016年以前のものです。

江弘毅
編集者。京阪神エルマガジン社時代に雑誌『ミーツ・リージョナル』を立ち上げ、12年間編集長を務める。著書『街場の大阪論』(新潮文庫)、 『「うまいもん屋」からの大阪論』(NHK出版新書)、『飲み食い世界一の大阪』(ミシマ社)など、主に大阪の街や食についての著書多数。最新刊は7月15日発売の『濃い味、うす味、街のあじ。』(140B)。編集出版集団 140B取締役編集責任者。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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