沖縄やんばるの秘境「ター滝」リバートレッキング!子どものように滝遊びを楽しむ大人の休日
沖縄といえば海!と思いがちですが、「実は川はもっと素敵!」と言えば驚きますか?亜熱帯の森を抜け、川を上り、南国特有の植物や生き物に出合う大冒険ができる、ローカルにも観光客にも大人気な沖縄本島北部の平南川(へなんがわ)上流に位置する「ター滝」に行ってきました。目的地である「ター滝」の滝つぼでは定番のあの遊びも。沖縄ならではの川の魅力をご紹介します。

沖縄ならではの美しい自然をはじめ、珍しい植物や生き物を丁寧なガイドとサポートで楽しませてくれる、スピッツネイチャートレッキングの「沖縄やんばるリバートレッキングコース」に参加してきました。
目的地は川の上流にある「ター滝」。沖縄本島では数少ない滝であり、パワースポットとしても知られています。ベテランガイドさんと一緒に川をザブザブ進んでいきたいと思います!
亜熱帯の森に出発!


駐車場からリバートレッキングのスタート地点までは約5分、徒歩で移動します。森の中をてくてく歩くだけで気分爽快。緑に囲まれているせいか、夏の沖縄なのに不思議と暑さを感じません。夏場以外のツアーでは寒さ対策にウェットスーツを着用します。
危険情報やローカル知識が盛り込まれるガイディング

パッと見るかぎりでは浜辺に落ちていそうな貝ですが、これはアフリカマイマイと呼ばれる世界最大級のカタツムリです。もともとは食用として持ち込まれたものの、現在食べる人はいません。そればかりか危険な寄生虫を宿していることが多いので、触らないように気を付けましょう。沖縄の子どもたちは「でっかいカタツムリには絶対に触らない!」と親や先生からキツ~く教えられて育っています。

さらに進むと、民家の庭先で島バナナやパパイヤの木が揺れていました。昔ながらの家々では、屋敷内に「あたいぐゎー」と呼ばれる小さな畑をもっていて、普段の食卓用の果物や野菜を育てているそうです。
島バナナは一般的なバナナに比べて小ぶりながら、濃厚な甘さとねっとりとした食感が特徴。希少なのでお値段は張りますが、その分味は折り紙付きです。

世古さんのトークが終わらぬうちに、リバートレッキングの入口に到着しました。日焼けによりほぼ読めませんが、案内板には「2012年、川の増水により41名が孤立」との記事が掲示されています。全員無事に救助されたものの、やはり安全管理は大切ですね。
リバートレッキング開始!
入り口からター滝まで遊歩道はなく、ここからは川の中を進んでいきます。澄み切った水面に足を浸すと、ひんやりとして気持ちがいい。朝の9時台はまだ訪れる人が少ないこともあって、水の透明度が違います。





どうしよう、世古さんが虫博士に見えてきました。その後も発見の手は緩めないので、得意な方はどうぞ思いっきり楽しんでください。どうしても苦手な方は「虫は少なめ」を事前にリクエストしておくと安心です。
道なき道を突き進む!





目的地の「ター滝」にいよいよ到着!


あ!少しだけ見えましたね。青々とした森の香りとともに、滝のマイナスイオンを感じます。

今回の目的地「ター滝」です。不思議な名前だと思われるでしょうが、沖縄の島言葉では「1・2・3」のことを「ひとつ・ふたつ・みっつ」ではなく「てぃーち・たーち・みーち」と数えます。ター滝は大きく2本の滝が流れ落ちることからそう呼ばれているのです。


それでは「ター滝」での遊び方を世古さんにレクチャーして貰いましょう。まずは定番のアレに挑戦。

その後も岩場でジャンプをしたり、滝の裏側に回り込んだりと、大人二人の遊びは続き、とうとう子どもしか並んでいない名物コーナーに侵入。


浮かれた晩婚カップルのようですが、遊びは楽しんだもん勝ちです。ターザンロープはグングン加速してダイナミックに着水しました。うーん、これは相当面白いです。「大人がやるとああなるんだ~」と想定外の拍手をもらい、世古&阿久津ペアは気持ちよく演技を終えました。

岩陰に隠れているのは、ター滝に生息する「タナガー」。タナガーとは手長(てなが)の沖縄言葉であり、「手長エビ」を意味します。視界の先には手のひらほどの大きなタナガーが見えますが、なかなか出てきてはくれません。大人の手長エビは警戒心が強いため、人がにぎわう夏場はほとんど捕まえられないそうです。

代わりに世古さんが見せてくれたのは、生まれたての赤ちゃんタナガー。子どものエビは水中を泳いでいるので、川底を軽くなぞるだけで次々と捕ることができます。この子があの高級食材になるのか…とよからぬ想像をしましたが、キャッチ&リリースがお約束。しばしかわいらしい姿を観察させていただき、自然に帰ってもらいました。

さて、ここから先は帰るのみ。実は帰路にも大冒険が待っていました!

行きで川歩きの感覚に慣れてきたので、帰りはハードなコースにチャレンジしました。



やってしまえばすこぶる楽しい。先ほどのターザンもそうですが、飛び込み系は得意なのかも。水がきれいなのでとっても爽快。海水と違って川はベタつかないのもうれしいです。どんなに動いても汗スッキリ。
もちろん迂回ルートも用意されているので、濡れたくない人や体力に自信がない人でも心配ありません。各自のスキルや体力に合わせてコースを選ぶことができます。過去には80歳以上の方が参加したこともあるそうです。


体を乾かしたら、そのまま北部観光に出掛けられるくらい。適度な運動量で楽しめました。
大冒険の思い出も、ツアー費用に含まれている撮影サービスが役立ちます。ガイドさんがベストショットをバンバン撮ってくれるので、完全にお任せできますよ。

終始、飄々とした雰囲気と絶妙なトークで楽しませてくれた世古さん。常にゲストのベストショットを狙おうとする心配りは、運動会でわが子を応援するお父さんのようでした。普段はカメラを向けられると苦笑いを浮かべる私でさえも、最後にはこの表情。世古さんをはじめ、丁寧で明るいスタッフさんによるガイドツアーを目当てにリピーターが訪れるのも頷けます。

生き物との出合いや美しい景色を通じて、自然のパワーに触れる時間。やんばるの森を一歩一歩進むたびに、ふわっと心が軽くなるのを感じますよ。
スピッツネイチャートレッキング
沖縄県国頭郡恩納村真栄田2382
やんばるリバートレッキングコース
[料金]1名参加8,000円/2名参加5,500円/3名以上参加4,500円(いずれも1名料金、税込)
※ウェットスーツ(7~9月はライフジャケット)、マリンブーツのレンタルと写真撮影およびダウンロードサービスは無料
[集合場所]ター滝駐車場
[集合時間]1~3月(全日)9:30、13:30/4~12月 平日 9:30、13:30、土・日・祝日 8:30、12:30
[所要時間]約2時間30分
098-965-0012

阿久津彩子
WORD WORKS OKINAWA 運営&ライター。本島南部、中部と住む場所を変えながら、各地で出会ったヒト、モノ、コトを発信。がちまやぁ(沖縄で食いしん坊の意味)ぶりを発揮し、最近ではグルメ取材が多め。春のトマトと夏のマンゴー、島野菜全般に目がない。次は北部へ引っ越してシークヮーサー狩りを満喫したい。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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