沖縄やんばるの秘境「ター滝」リバートレッキング!子どものように滝遊びを楽しむ大人の休日

2016.09.22

沖縄といえば海!と思いがちですが、「実は川はもっと素敵!」と言えば驚きますか?亜熱帯の森を抜け、川を上り、南国特有の植物や生き物に出合う大冒険ができる、ローカルにも観光客にも大人気な沖縄本島北部の平南川(へなんがわ)上流に位置する「ター滝」に行ってきました。目的地である「ター滝」の滝つぼでは定番のあの遊びも。沖縄ならではの川の魅力をご紹介します。

国内33番目の国立公園に指定された本島北部一帯は「やんばる(山原)」と呼ばれ、亜熱帯の照葉樹林が広がるエリア。その自然をたっぷり満喫できるのが、大宜味村(おおぎみそん)の清流を歩くリバートレッキングです。
沖縄ならではの美しい自然をはじめ、珍しい植物や生き物を丁寧なガイドとサポートで楽しませてくれる、スピッツネイチャートレッキングの「沖縄やんばるリバートレッキングコース」に参加してきました。

目的地は川の上流にある「ター滝」。沖縄本島では数少ない滝であり、パワースポットとしても知られています。ベテランガイドさんと一緒に川をザブザブ進んでいきたいと思います!

亜熱帯の森に出発!

集合場所は2016年4月に完成したター滝専用駐車場。那覇空港から沖縄自動車道経由で約90分の距離にあり、沖縄本島南部からも日帰りで十分に楽しめるエリアです。無料で駐車場を利用でき、トイレも完備されているのがうれしいです。
あらかじめ濡れても良い格好で訪れ、今回ご案内してくれる「スピッツネイチャートレッキング」代表の世古徹(せことおる)さんと合流します。ライフジャケットとマリンブーツを装着して準備完了。ウェットスーツ(7~9月はライフジャケット)、マリンブーツのレンタル代、ツアー中の撮影と写真のダウンロードサービスはすべて無料なので、とてもお得です。

駐車場からリバートレッキングのスタート地点までは約5分、徒歩で移動します。森の中をてくてく歩くだけで気分爽快。緑に囲まれているせいか、夏の沖縄なのに不思議と暑さを感じません。夏場以外のツアーでは寒さ対策にウェットスーツを着用します。

危険情報やローカル知識が盛り込まれるガイディング

突然、世古さんが立ち止まった先にはユニークな生き物が。
▲うっかり踏むと悲惨なことに…

パッと見るかぎりでは浜辺に落ちていそうな貝ですが、これはアフリカマイマイと呼ばれる世界最大級のカタツムリです。もともとは食用として持ち込まれたものの、現在食べる人はいません。そればかりか危険な寄生虫を宿していることが多いので、触らないように気を付けましょう。沖縄の子どもたちは「でっかいカタツムリには絶対に触らない!」と親や先生からキツ~く教えられて育っています。
▲高級フルーツの島バナナを発見!

さらに進むと、民家の庭先で島バナナやパパイヤの木が揺れていました。昔ながらの家々では、屋敷内に「あたいぐゎー」と呼ばれる小さな畑をもっていて、普段の食卓用の果物や野菜を育てているそうです。
島バナナは一般的なバナナに比べて小ぶりながら、濃厚な甘さとねっとりとした食感が特徴。希少なのでお値段は張りますが、その分味は折り紙付きです。
▲案内板には恐ろしい記事が

世古さんのトークが終わらぬうちに、リバートレッキングの入口に到着しました。日焼けによりほぼ読めませんが、案内板には「2012年、川の増水により41名が孤立」との記事が掲示されています。全員無事に救助されたものの、やはり安全管理は大切ですね。

リバートレッキング開始!

ガイドの必要性を改めて感じたところで、リバートレッキングのスタート!
入り口からター滝まで遊歩道はなく、ここからは川の中を進んでいきます。澄み切った水面に足を浸すと、ひんやりとして気持ちがいい。朝の9時台はまだ訪れる人が少ないこともあって、水の透明度が違います。
亜熱帯に位置する沖縄では、本州では見られない動植物が生息しています。特に手つかずの自然が残るやんばるの森は固有種の数も多く、さまざまな生き物との出合いもトレッキングの楽しみの一つです。例えば…
手のひらサイズのヤンバルヤマナメクジがいたり、
無数のコオロギが木を埋め尽くしていたり、
巨大なホルストアマビコヤスデがいたり、
美しい翅を持つ雄のリュウキュウハグロトンボがいたり…

どうしよう、世古さんが虫博士に見えてきました。その後も発見の手は緩めないので、得意な方はどうぞ思いっきり楽しんでください。どうしても苦手な方は「虫は少なめ」を事前にリクエストしておくと安心です。

道なき道を突き進む!

周囲は見渡す限り一面グリーンの世界。耳を澄ませると鳥のさえずりや風の音が優しく響きます。
流れの急な箇所は陸路も通ります。アップダウンもあり、足元が濡れている際は特に滑らないように気を付けましょう。
川は水深が深いところ、岩がゴロゴロしているところもあるので、焦らずゆっくりマイペースに。途中、腰のあたりまで水に浸りながら進みます。
巨大なシダが生い茂り、巨石が行く手を阻む様子はまるでジュラシック・パークの世界観。
踏ん張りが必要なポイントはガイドさんがしっかりとサポートしてくれるので、小さな子どもでも安心です。

目的地の「ター滝」にいよいよ到着!

途中、ツタで出来た天然のブランコで遊びながら進むこと約30分。ザザッ、ザザザーッ。ついに滝の音が遠くから聞こえてきました!
▲森の奥に待ちに待った光景が…

あ!少しだけ見えましたね。青々とした森の香りとともに、滝のマイナスイオンを感じます。
▲やんばるのオアシス「ター滝」に到着!

今回の目的地「ター滝」です。不思議な名前だと思われるでしょうが、沖縄の島言葉では「1・2・3」のことを「ひとつ・ふたつ・みっつ」ではなく「てぃーち・たーち・みーち」と数えます。ター滝は大きく2本の滝が流れ落ちることからそう呼ばれているのです。
「滝口から滝壺までの落差は10mほど。本州の滝に比べると大きくはありませんが、もともと沖縄には高い山がないので滝自体がめずらしいです」と世古さん。
▲子どもに負けず、思いっきり楽しみましょう!

それでは「ター滝」での遊び方を世古さんにレクチャーして貰いましょう。まずは定番のアレに挑戦。
通常なら罰ゲームに近い滝行ですが、ここは南国の沖縄です。ちょうどいい水温で天然のシャワーのよう。流れ落ちる水が全身を刺激し、肩のコリにばっちり効きます。

その後も岩場でジャンプをしたり、滝の裏側に回り込んだりと、大人二人の遊びは続き、とうとう子どもしか並んでいない名物コーナーに侵入。
▲子どもに交じって並ぶ先には…
▲大人気のターザンロープ!

浮かれた晩婚カップルのようですが、遊びは楽しんだもん勝ちです。ターザンロープはグングン加速してダイナミックに着水しました。うーん、これは相当面白いです。「大人がやるとああなるんだ~」と想定外の拍手をもらい、世古&阿久津ペアは気持ちよく演技を終えました。
この時点で十分満喫しましたが、お楽しみはまだまだ終わらず。続いてはター滝の生き物を探しましょう!シュノーケルを装着して川の中をのぞくと、何かが動いた!

岩陰に隠れているのは、ター滝に生息する「タナガー」。タナガーとは手長(てなが)の沖縄言葉であり、「手長エビ」を意味します。視界の先には手のひらほどの大きなタナガーが見えますが、なかなか出てきてはくれません。大人の手長エビは警戒心が強いため、人がにぎわう夏場はほとんど捕まえられないそうです。
▲タナガーの赤ちゃん。成長すると20cmほどにもなる

代わりに世古さんが見せてくれたのは、生まれたての赤ちゃんタナガー。子どものエビは水中を泳いでいるので、川底を軽くなぞるだけで次々と捕ることができます。この子があの高級食材になるのか…とよからぬ想像をしましたが、キャッチ&リリースがお約束。しばしかわいらしい姿を観察させていただき、自然に帰ってもらいました。
遊び疲れたら温かいさんぴん茶でブレイクタイム。もちろんツアー料金に含まれています。ハァ~、童心に帰ったなぁ~。マイナスイオンをたっぷり浴びて、思う存分癒されました。今回は張り切りましたが、木陰で読書をしたり、のんびり涼むだけでもリラックスできると思います。

さて、ここから先は帰るのみ。実は帰路にも大冒険が待っていました!
▲倒木をくぐり、全身を使って進んでいきます

行きで川歩きの感覚に慣れてきたので、帰りはハードなコースにチャレンジしました。
倒木の下を通り抜けたり、首まで水に浸かったり、とにかく全身を使って進んでいきます。
アドベンチャーさながらの帰路のハイライトといえるのがこの場所です。写真ではなかなか伝わりませんが、3m以上の高さはあるはず。思わず後ずさりした私でしたが、「取材なんでやらないとダメだと思う」という世古さんの真顔によって飛ぶことができました。
▲あきさみよー!(沖縄で驚いた時や、助けを求める時にはこのセリフを!)

やってしまえばすこぶる楽しい。先ほどのターザンもそうですが、飛び込み系は得意なのかも。水がきれいなのでとっても爽快。海水と違って川はベタつかないのもうれしいです。どんなに動いても汗スッキリ。

もちろん迂回ルートも用意されているので、濡れたくない人や体力に自信がない人でも心配ありません。各自のスキルや体力に合わせてコースを選ぶことができます。過去には80歳以上の方が参加したこともあるそうです。
プカプカと川を流れ、時には犬かきをし、スタート地点に無事到着。もっと疲れるかと思いきや、自力で泳ぐ場面は少ないので疲労度合いは軽かったです。
▲女性には着替え用のテントも完備

体を乾かしたら、そのまま北部観光に出掛けられるくらい。適度な運動量で楽しめました。

大冒険の思い出も、ツアー費用に含まれている撮影サービスが役立ちます。ガイドさんがベストショットをバンバン撮ってくれるので、完全にお任せできますよ。
▲モデル気分を味わえます

終始、飄々とした雰囲気と絶妙なトークで楽しませてくれた世古さん。常にゲストのベストショットを狙おうとする心配りは、運動会でわが子を応援するお父さんのようでした。普段はカメラを向けられると苦笑いを浮かべる私でさえも、最後にはこの表情。世古さんをはじめ、丁寧で明るいスタッフさんによるガイドツアーを目当てにリピーターが訪れるのも頷けます。
ター滝のリバートレッキング体験は一年中参加OK。亜熱帯の森が強い風を遮ってくれるので、冬場のアクティビティとしてもオススメです。人気のお正月ツアーでは、清らかな空気を吸い込みながら一年のはじまりを祈ります。
生き物との出合いや美しい景色を通じて、自然のパワーに触れる時間。やんばるの森を一歩一歩進むたびに、ふわっと心が軽くなるのを感じますよ。
阿久津彩子

阿久津彩子

WORD WORKS OKINAWA 運営&ライター。本島南部、中部と住む場所を変えながら、各地で出会ったヒト、モノ、コトを発信。がちまやぁ(沖縄で食いしん坊の意味)ぶりを発揮し、最近ではグルメ取材が多め。春のトマトと夏のマンゴー、島野菜全般に目がない。次は北部へ引っ越してシークヮーサー狩りを満喫したい。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
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