出来立てビールで乾杯!「オリオンハッピーパーク」で大人の工場見学

2016.10.16 更新

沖縄生まれの代表的なビール「オリオンビール」。今や日本だけでなく、海外でも親しまれているオリオンビールは、沖縄県の北部にある名護市の工場で、輸出分を含めたすべてのビールが作られています。この工場の見学施設「オリオンハッピーパーク」は、ビール製造の工程から出来立てビールの試飲までたっぷり楽しめる、まさに大人のための社会科見学施設。その施設の魅力に迫ります。

那覇空港から車で約1時間、沖縄自動車道許田ICを降りて約10分のオリオンビールの工場。もともと見学施設として一般公開されていましたが、見学できる工程や、レストラン「やんばるの森」を新たに増設し、平成23(2011)年に「オリオンハッピーパーク」としてリニューアルオープンしました。
この施設、何と無料で見学OK!とってもお得で、沖縄ならではの観光施設として人気を博しています。

待ち時間でも退屈させない!こだわりの入口&待合室

早速オリオンハッピーパークの入口をくぐると、パンが焼けるような、なんとも香ばしい匂いが漂っています。これは、ビールの元とも言える「麦汁」の香りなんだそう。入口からビール好きには垂涎ものの匂いに満ちているオリオンハッピーパーク。期待が高まります。
受付ロビーには、味のある色艶をした大きな釜が!これは、昭和30年代の創業時に使われていたビールの仕込み釜。当時は銅製の釜が主流で、5つあったうちの1つだけ現存しているとのこと。現在では、より衛生的なステンレス製の釜が使われているそうです。
▲展示のために磨かれ、往時の輝きを取り戻した仕込釜

見学ツアーは20分間隔でスタート。見学の所要時間は約35分、試飲も含めると全行程で約60分。込み合う場合もあるので事前の予約がおすすめです。

待ち時間でも飽きさせない!オリオンビールギャラリー

見学スタートまでの待ち時間も飽きずに過ごすための施設が「オリオンビールギャラリー」です。
▲今では珍しい「まちやぐぁ」がギャラリーの一角に!

見学ツアー開始地点にあるこのギャラリー。
見どころの一つに、昭和40年代の「まちやぐぁ」を再現したスペースがあります。「まちやぐぁ」とは、沖縄の方言で商店のこと。オリオンビールの創業当時は、このような小さな商店に社員が一軒一軒回り、販路拡大に努めたんだそうです。
▲「まちやぐぁ」の奥には、昭和を感じる居間の様子が再現
ギャラリーではそのほかにも、昔のオリオンビールCMの放映、ビール缶などの展示がされていて、オリオンビールの歴史がわかるような場所になっています。

ギャラリーにはさらに、ビールが樽詰される工場まで併設!窓越しにその様子を見ることができます。
▲ビール樽はリサイクルしており、昭和50年代のものが未だに使われている場合も

あまりに見どころ満載なので、待ち時間だけではすべて見られなさそう……と感じるほどですが、ご安心を。見学ツアー終了後でも、ギャラリーの見学は可能です。

いざ、工場見学スタート!

この日は、オリオンビール・総務部の當銘(とうめ)さんが案内してくれました。

「ビールは、まず原料である麦芽の粉砕、次に仕込み、そして発酵、貯酒、ろ過、ビン・缶・樽詰、製品管理を経て、ようやく出荷されます。見学ツアーではその工程を、実際の工場の施設とイメージ映像などを通して体感していただきます」(當銘さん)
▲はじめに、パネルを使いながらコースの概要を説明してくれます

まず訪れたのは仕込室。「ここでは、粉砕した原料を仕込み釜に入れ加熱。ビールの元となる麦汁を作ります」(當銘さん)
▲ずらりと並んだ5つの釜。煮込み、糖化、ろ過、煮沸、不要物の除去と、それぞれの釜で異なる作業が行われている
釜の一部がガラス張りになっていました!中を覗いてみましょう。
麦汁がぐるぐるかきまわされていています。ろ過前なので「濁った水」という感じで、まだビールっぽくはありません。

しかしこの仕込室、とにかく暑い!
「釜が動くと室内の温度が上昇するため、40度ぐらいになります」(當銘さん)
むせるような甘い麦汁の香りと、じっとりとした空気があいまって、何とも言えない蒸し暑さ。いくらビールが好きでも、長くいるのは少々きつい……。

缶ビールが1500年分!巨大な貯酒タンク

次に訪れたのは、発酵&貯酒タンク。1つのタンクに190klものビールが入るというのですが、いまいちその量の多さがピンときません。
そこで、當銘さんがわかりやすい説明をしてくれました。「350mlの缶ビールを、1年365日毎日飲むと、1500年後に空っぽになります」とのこと。
タンク一つで一生分以上のビールが軽く賄えます。このタンク一つ欲しい!
▲発酵&貯酒タンク。麦汁に酵母を加え発酵させ、約1週間で若ビールに。その後数十日間熟成し、ビールが完成!
通路を進んでいくと、不思議な形をした装置を発見!これは、発酵タンクの底をイメージして作られたもの。ここでは、ビール酵母の働きを顕微鏡で拡大した映像が見られます。
「使われている酵母の種類とその配合は企業秘密。ただし、映像に映し出されている酵母の番号はわかるようにしています。それは『75-0140』というもの。『ナゴのオイシイ』オリオンビールになるように、という当時の技術者の願いが込められています」(當銘さん)
▲酵母「75-0140」=「ナゴのオイシイ」オリオンビール!

貯酒タンクで熟成されたビールはろ過を経て、ビン、缶詰へ。ろ過することで、すっきりクリアなビールに仕上がるとのこと。

ろ過の様子を見学することはできないのですが、そのイメージ装置が、天井にディスプレイされていました!見学を飽きさせないための仕掛けが、こんなところにも!気が利いています。
▲ろ過前の濁った状態のイメージ
▲ろ過後。クリアになっている状態
▲ビールが通るパイプの模型。周りに着いた水滴まで再現!

1分間で1,200本!驚きの缶詰スピード

そして工場見学のクライマックス、ビン詰と缶詰へ。施設に設置された大きな窓から見下ろす形で、ビールが容器に詰められて出荷されるまでの様子を見学できます。
▲缶詰見学の部屋。奥の大きな窓から、缶詰作業を見ることができる

驚くべきは、一分間のビン詰と缶詰の数。ビンでは320本、缶詰に至っては何と1,200本!
見学スペースに1,200本の缶が展示されていて、目の当りにすると、その数に改めて驚きます。
▲圧倒される缶の数!これだけの数のビールが家にあったらどんなに幸せか……
▲窓を覗くと、缶にビールを注ぐ機械が。輪状の機械が高速で回転し次々に注入される
▲ビールが詰められた缶がお行儀よく整列して、ベルトコンベアーで運ばれる
▲こちらはビン詰室。「床の青色は沖縄の海を、白い壁は砂浜を、ピンク色の機械はサンゴをイメージしています」(當銘さん)
▲冷たいビールが注入されたビンは、水をかけて常温に戻す。そうすることで、ビンの結露を防ぎ、ラベルを貼りやすくするそう
▲箱詰めして出荷へ

待ってました!ついに試飲へ

全ての工場見学を終え、ついにお待ちかねの試飲会場へ向かいました。
試飲会場までの廊下を歩いていると突然、「シュポン!シュワシュワ~」と、ビールの栓を抜き、グラスに注ぐ音が聞こえてきました。
「人が通るとセンサーが反応して、効果音が出る仕組みになっています」(當銘さん)。細部にわたり驚きの仕掛けが満載です。そして、この素敵な音に反応して思わずゴクリと喉が鳴ります……。
試飲会場「やんばるの森」についに到着!
ここは、ハッピーパーク内のビアレストラン。何と2杯ものグラスビールを試飲できるんです!ビールはもちろん出来立て。おつまみまで付いてくると言うから、うれしい限り。
店内に入ったらカウンターへ直行!店員さんにビールを注いでもらいましょう。
▲金色に輝く液体……
▲きめ細やかな泡とともに……
▲キンキンに冷えたグラスに並々と注がれました!泡と液体が絶妙なバランス
▲出来立て、注ぎたてのビールは泡がとってもクリーミー。いざ、試飲!
▲ごくりと一口。シュワっとはじける炭酸がとても細かく、心地よい刺激。それでいてまろやかで、まるでミルクティーを飲んでいるようでもあります
▲さすが出来立て。文句なしにおいしい!
▲そのほか、ノンアルコールビールも用意。さんぴん茶やウーロン茶などのソフトドリンクもあるので、お酒を飲めない方やドライバーでも安心です

工場見学&試飲だけじゃない!グルメとショッピングも楽しい

「やんばるの森」では試飲だけでなく、ビールによく合うさまざまな料理をオーダーできます。「『牛肉のオリオンビール煮』などビール工場ならではのものや、『自家製スーチカー』や、『ちきあぎ』など、沖縄の郷土料理が人気です」(當銘さん)。おなかに余裕があれば、ぜひお試しを!
▲「やんばるの森」は、最大130席もの座席数と、最大70人収容可能な個室を完備
▲写真左下から時計回りで「牛肉のオリオンビール煮(1,250円・税込)」「自家製スーチカー(豚肉の塩漬け520円・税込)」「ちきあぎ(沖縄風さつま揚げ520円・税込)」
「やんばるの森」の隣にあるお土産店には、オリオンビールのオリジナルグッズがずらり。沖縄ならではのアイテムは、お土産にぴったりです。
▲お土産店の営業時間は10:00~18:30
▲ボールペン5本セット648円・税込。文房具類はばらまき用のお土産におすすめ
▲ビールやおつまみ、衣料品なども人気

人気のお土産では、ドラフトビール350ml6缶パック1,100円、ビアナッツ20袋入り1,400円、ビアナッツ4連357円、しま豚ジャーキー500円、Tシャツ2,700円、タオル864円、キャップ4,860円、スマホケース(写真左)1,680円(写真右)1,780円などがあります。※すべて税込

お店で買って飲むオリオンビールもいいけれど、工場で出来立てを飲むのは格別!さらに、オリオンビールの歴史と出来るまでの過程を知った上での一杯は、しみじみと深く体と心に染み入ります。
ワクワクしながら知識も得られて、おなかも満足できる観光施設「オリオンハッピーパーク」。沖縄旅行の目的地の一つに、ぜひ加えてみてくださいね。
仲濱淳

仲濱淳

WORD WORKS OKINAWA シニアライター。東京で出版・イベント会社に勤務後、沖縄に移住。沖縄では観光情報誌やウェブマガジンの営業・編集を担当。沖縄本島のあらゆる観光情報を長年かき集め続けた経験を生かして、沖縄の魅力を発信すべくライター業を目下邁進中。

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