のんびりゆったり。水郷と商人の街・近江八幡を舟上から楽しむ旅
琵琶湖からほど近い滋賀県近江八幡市は、古くから水郷をはじめとしたのどかな里山の風景が広がり、一方で近江商人発祥の地として独自に発展してきた町並みが残されている場所です。今回は自然豊かな水郷と、人々の生活の場であった「八幡堀(はちまんぼり)」の景色を手漕ぎ舟とエンジン船、二つの舟の上から楽しんできました。※本記事は取材当時のものです。最新情報は直接施設にお問い合わせください。

「重要文化的景観」にも選ばれた風景
こうしたなか、干拓事業の水域で残った近江八幡市の西の湖(にしのこ)は、現存する内湖の中では最大規模を誇り、今では全国でも珍しい水郷地帯を形成しています。
この水郷地帯の一番の特徴は、「ヨシ」というイネ科の植物が群生していること。希少種を含むさまざまな種類の生き物や水田、ため池や水路など、緑豊かな里山の風景を生み出していることから、平成18(2006)年に「重要文化的景観」の第1号に選ばれました。

網目のように入り組んだヨシの間を、ゆったり手漕ぎ舟で楽しむのが「水郷めぐり」。
船頭さんとの会話を楽しみながらのどかな船旅に出かけましょう!
ヨシの迷路を手漕ぎ舟でめぐる
定期船は4月~11月まで毎日10時から運航しており、最大8名まで乗船することができます。(貸切船は年中無休・要予約)



この日、案内してくれたのは、この道13年のベテラン船頭・石橋さん、73歳。
60歳を目前に船頭の道に入り、多い時では一日4~5回舟を運航することもあるそうです。


網目のようになっている水路を、ヨシの壁に沿ってどんぶらこどんぶらこと進んでいきます。この日は猛暑日だったにもかかわらず、舟に乗ると風が気持ち良く爽やか。手漕ぎのリズムが心地よく、ついうとうと…と、まどろんでしまうほどの気持ち良さです。
簾(すだれ)や葦簀(よしず)の材料としても有名なヨシ。成長が早く、1年で4m以上の高さにまで伸び続けます。
「ここのヨシは春に新芽が生え、夏には青々と生い茂り、秋には黄金色に変化します。冬に刈り取った後は西の湖が見渡せるほど見晴らしが良いんですよ。ヨシの景色や気温のことを考えると、水郷めぐりは春と秋が一番おすすめですね」と石橋さん。

また、「水郷めぐり」の楽しみの一つが生き物探し。豊かな生態系が残されている水郷地帯は琵琶湖とつながっているため、希少な魚や鳥を見ることもできます。

また、水郷地帯に架かる橋は時代劇の撮影に使われることが多いので、運が良ければ乗船中に撮影に出くわすことがあるかもしれません。

定期船の船内はペットボトル飲料程度の軽い飲食のみOK。しかし、貸切船の場合は食事を楽しみながら水郷をめぐることも可能です。
四季折々の景色を愛でるもよし、生き物を探すもよし、食事と一緒に贅沢な時間を過ごすもよし。
皆さんならどんな風に楽しみますか?
近江商人の生活の場「八幡堀」をエンジン船でめぐる
「八幡堀」は安土桃山時代、琵琶湖と市街地を連結するために造られた人口の水路。この水運によって船や人の往来が増えて商業が発達し、全国的に有名な近江商人が生まれるきっかけとなりました。


全長約5kmの距離を35分かけて進んでいく「八幡堀めぐり」。
八幡堀沿いに立つ「かわらミュージアム」から徒歩1分のお食事処「和でん」にある乗船場からスタートします。

「八幡堀めぐり」の船は定員11名。春から秋は1週間前までの予約がおすすめですが、当日予約なしの乗船も可能です。ただし、団体予約の状況により待ち時間が長くなってしまう場合もあるので、混んでいない時間帯を電話で確認しておくと乗船がスムーズですよ。(12月~2月は当日予約でも可能)

町中にある水路のため、水の流れは穏やかで揺れることはまったくありません。エンジン船のポンポンポンという軽快な音と共に早歩き程度のスピードでゆったりと進んでいきます。

人々の生活の場、交流の場として栄えた「八幡堀」。堀沿いからは日牟禮八幡宮(ひむれはちまんぐう)や旧家を眺めることができるほか、春は桜、夏には柳、秋には紅葉、冬は雪景色など季節によって異なる風景を楽しむことができます。
船内に流れるアナウンスでは近江八幡の歴史も紹介してくれるので、景色を眺めながら当時の生活の様子を想像してみるのもいいかもしれません。



情緒のある町並みが続く「八幡堀」。高度経済成長時代を経て、一時は水質悪化により埋め立ても計画されていたといいます。しかし、今もこうして情緒あふれる景色が残されているのは、地元住民による地道な清掃作業があったから。
「八幡堀」では毎年秋に「八幡堀まつり」が開催され、約3,000個の灯りで水路を照らします。この時期限定の企画展やスタンプラリーなども行われるなど、昼とは違った様子を楽しむことができますよ。

八幡堀めぐり
滋賀県近江八幡市大工町27
[出航時間]10:00~15:30(春、秋)、10:00~16:00(夏)、10:00~15:00(冬)
[乗船料]大人1,000円、小人500円(税込、小学生未満無料 ※乗船時間35分)
[定休日]不定休 ※天候等により運航中止の場合もあり
0748-33-5020
さわやかな風が心地よい舟めぐりをぜひ楽しんでみてください!
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石原藍
ローカルライター。 大阪、東京、名古屋と都市部での暮らしを経て、現在は縁もゆかりもない「福井」での生活を満喫中。「興味のあることは何でもやり、面白そうな人にはどこにでも会いに行く」をモットーに、自然にやさしく、心地よい生き方、働き方を模索しています。趣味はキャンプと切り絵と古民家観察。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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