十勝ヒルズでガーデンめぐり。とれたて野菜と「食べられる国宝」に舌鼓

2016.10.07 更新

北海道十勝地方の幕別町にある「十勝ヒルズ」は、花と食と農のテーマパーク。見晴らしのよい十勝の丘に、季節の草花が彩る数々のガーデンや、木村式自然栽培農法で育てられている野菜畑、ここで収穫された完全無農薬の野菜を味わえるファームレストランなどがあります。十勝の旬を五感で感じる「十勝ヒルズ」へ行ってきました!

丘の上を彩るガーデンと畑、レストランへ

「十勝ヒルズ」はJR帯広駅から車で約15分、十勝平野を見渡す小高い丘の上にあります。北海道の代表的な8つの美しいガーデンが集まる「北海道ガーデン街道」のうちの1つで、季節の草花と野菜や果物をテーマにした施設です。
2009年に開業して以来、ガーデンの整備などを続け、2016年夏にグランドオープンしました。
園内には約1,000種もの草花が咲くガーデンのほか、農園やショップ、レストランや和食処などがあります。
農園やレストランなど園内施設で使われている水はすべて、清流日本一に何度も認定されている札内川水系の伏流水。清らかな水と完全無農薬で育った大地の恵みを楽しめます。
▲札内川水系の伏流水に触れ、飲むことができる「ウォータープレース」が入口にあります

今回は「十勝ヒルズ」のメインスポットであるガーデンをはじめ、畑「ヒルズファーム」と、ここで収穫された野菜を使ったハンガリー料理を味わえる「ファームレストラン ヴィーズ」を訪れました。

「十勝ヒルズ」にはさまざまなテーマガーデンが!

ガーデンの入口は、「十勝ヒルズ」の入口付近にあるショップの中。ショップ内で入園料を支払い、ガーデンエリアへと進みます。

ガーデンは6種類あり、それぞれ異なるテーマで展開しています。

「十勝ヒルズ」の中心にあるのが、ストライプ状に植えられた草花が並ぶ「スカイミラー」という名のガーデン。あとで紹介する「ファームレストラン ヴィーズ」の目の前にあります。
▲手前が「スカイミラー」。遠くには帯広市街地など十勝平野が広がります
▲「スカイミラー」には、夏の時季に楽しめるブルーサルビアをはじめ、春に見ごろとなるパンジーなどが植えられています
▲ベンチに座ってゆったり眺められます。心地よい風が吹き抜け、時が経つのも忘れそう

「スカイミラー」の隣、斜面を少し下がった場所にある「フラワーアイランズ」は、英国風のガーデン。芝生の中に花の島が浮かんでいるような雰囲気です。
▲「フラワーアイランズ」からの眺めも素敵!
▲「フラワーアイランズ」で初夏に咲くゲラニウム
▲「フラワーアイランズ」で夏から秋にかけて咲くサンビタリア
▲園内は広いので、電動カート(税込500円・20分)で移動することもできます

少し奥へと歩いていくと、「トンボ池」というスイレンが浮かぶ池があります。この付近はルリイロトンボなどが生息する花と昆虫のガーデンで、「ナチュラルオアシス」といいます。
▲「トンボ池」に浮かぶスイレン
▲随所にベンチがあるので、ゆったりと眺めて過ごせます

「ナチュラルオアシス」から緩やかな坂を登ると、ガーデンが2つあります。約700株のイングリッシュローズが咲く「ローズガーデン」と、妖精が飛び交う空間をイメージした「アニーカの庭」です。
▲「ローズガーデン」に咲くレディ・オブ・メギンチ。周囲にはふんわりとよい香りが漂っていました
▲「ローズガーデン」に咲くレディ・オブ・シャーロット
▲ペルシカリアなどが咲く「アニーカの庭」。妖精が飛んでいる…かな!?

この2つのエリアは、彩りが華やかでどこかメルヘンチックな雰囲気。のんびり眺めていると、だんだん心がウキウキときめいていくような気分になるかも!

最後に紹介するガーデンは、他とは少々趣が異なり「食」がテーマのガーデン。「ヴィーズ・ポタジェ」という、見て美しく、食べて美味しいガーデンです。
▲食べられるガーデン「ヴィーズ・ポタジェ」
▲ミニトマトが実る菜園
▲こちらではネギやアスパラガスが育てられています
▲7月末に訪れた時は、ジャガイモの花が咲いていました

野菜や豆、雑穀、果物やハーブなどが無農薬栽培で育てられていて、ここで収穫された野菜などが「ファームレストラン ヴィーズ」で使用されています。ランチ前などには、シェフがその日に使用する野菜やハーブなどを収穫しにやってくることも。
▲野イチゴの一種、ワイルドストロベリーが実っていました。これもいずれはレストランへ

木村式自然栽培農法で育てている畑を見学

ガーデンエリアの一角にある「ヴィーズ・ポタジェ」と、広々した畑が広がる「ヒルズファーム」などでは、「ファームレストラン ヴィーズ」をはじめ園内で使用する野菜を、木村式自然栽培農法という無農薬栽培で育てています。育てている品種は約150種類もあり、かなり多種多様!
さっそく「ヒルズファーム」の畑を見学してみました。
▲訪れた時は、ナスをはじめ、キュウリやトウガラシなどが成長中でした

木村式自然栽培農法とは、化学肥料や農薬、除草剤などを一切使わずに、さまざまな作物が持っている能力を引き出して栽培する方法。青森県で無農薬・無肥料のリンゴ栽培方法を確立し、書籍「奇跡のリンゴ」を発行した木村秋則さんが提唱する農法です。
▲「十勝ヒルズ」内にて木村式自然栽培農法で育てはじめて5年目というリンゴの木

リンゴは無農薬・無肥料で育てるのはとても難しい作物で、通常5~7年で実るリンゴが、木村式自然栽培農法では実るようになるまで約10年かかります。「十勝ヒルズ」でもリンゴをこの農法で5年間育てていますが、まだしっかりとした実にはならないそうです。
▲多少実が膨らみかけた木には実の部分に袋がかけられています

「ベジタブルハウス」という、ビニールハウスで作物を育てているエリアもあります。ハウスの中は通常一般の人が立ち入ることはできませんが、今回は特別に見せてもらいました。
▲案内をしてくれた農園スタッフの青木さん。木村式自然栽培農法を実践するスタッフの中心人物です

見せてもらったのは、コールラビというカブのような食感の根菜の畑と、トマトの畑。
▲紫色のコールラビ。白色もあります

トマトは大小さまざまな品種が約30種類も!小さくて皮が柔らかくサクランボのようなトマト「プチぷよ」や、皮が厚くて甘みがギュッとつまったベリーのようなトマト「トマトベリー」など、さまざまな品種がありました。
▲ミニトマトがいーっぱい連なっていました

これらすべて木村式自然栽培農法で育てられていて、収穫したものは「ファームレストラン ヴィーズ」で使用しているそうです。
▲5、6品種ほど手に取って見せてくれました。ミニトマトといえども色も形もさまざま

ただ、この農法だと無農薬なので当然雑草がたくさん生え、虫もやってきます。
「ほんと、草取りとか大変よ~」と青木さんは語りましたが、語り口調は笑顔。農薬などを使わず、自然と向き合い野菜などを育てることを誇りに思い、楽しんでいる様子でした。

一方、農業の場に慣れていない私は見学中ブヨに刺されてしまいました…。腫れ上がった手を見つめ、これも自然豊かな証拠だと身をもって実感しました。
▲ちょっとだけつまみ食いさせてもらいました。激甘!

「十勝ヒルズ」内にある農園では、食育をテーマにした子ども向けのイベントなど、農作物の収穫体験を不定期で実施しているそうです。タイミング合えば、自分で収穫した野菜を食べることができるかも!?

とれたて野菜とハンガリーの「食べられる国宝」を味わう!

最後に、お待ちかねのグルメを味わうべく「ファームレストラン ヴィーズ」へ!
ハンガリーやフランスから一流シェフを迎え、園内で収穫された野菜や果物を中心に、十勝の食材とハンガリー料理を融合させたメニューを提供しています。
メインメニューは本日のランチ(税込1,600円~)。メインディッシュを1品選び、あとはビュッフェスタイルで前菜やサラダ、スイーツなどを楽しめます。

前菜やサラダなどは、その日園内で収穫した野菜が中心。そのため、日により出てくるメニューや品数は変わります。
▲さまざまな野菜や豆類は、収穫できない時期以外はほぼ十勝産を使用しています
▲エゾシカのソーセージをはじめ、地元の肉とハンガリー産の肉が並びます
▲黒豆のムースや黄ニンジンのムースなど、野菜をアレンジした品々も

メインディッシュはおおむね1か月ごとに内容が変わります。訪れた日は、パスタ、チキン、ベジタブル、フィッシュ、ミート、ラムの6種類。
十勝地方中札内(なかさつない)産の鶏肉「中札内田舎どり」など地元素材を使った料理が多いのですが、注目は豚肉料理のミート!ハンガリー原産の希少種「マンガリッツア豚」を使用しているんです。「マンガリッツア豚」は、2004年にハンガリー政府が国宝に指定して以来、「食べられる国宝」として珍重されています。
▲「マンガリッツア豚」の肩ロースのコンフィ、野菜を煮込んだソースで炊いたライス添え
▲「十勝ヒルズ」で飼育しているマンガリッツア豚。園内の「ピッグファーム」付近で見ることができます

脂身がとても多いのですが、健康に効果的と言われる不飽和脂肪酸が多く含まれているそうなので、ダイエットに気を使う人でも安心かも!?
脂肪の融点が低い肉質なので、口に入れると脂身が溶けてとろけるような味わい!赤身は濃厚でジューシーな風味が特徴です。

ハンガリーの「食べられる国宝」と、木村式自然栽培農法で育った十勝の野菜とのコラボ。ここ以外ではなかなか味わうことのできない組み合わせです。
▲十勝地方の気温や湿度がハンガリーの気候と似ているため、ストレスなくのんびりと生育します

彩り豊かな眺めのほか、そよ風が草花を揺らす音と、ほのかに漂う花の香り、大地の実りに触れた感触、そして安心・安全な素材と希少な食材の味わいを楽しみました。
花と食と農のテーマパーク「十勝ヒルズ」は、北海道十勝の自然の豊かさを五感で楽しめるフィールドです。皆さんも体感しに行ってみて下さい!
川島信広

川島信広

トラベルライター・温泉ソムリエ・イベントオーガナイザー/横浜市出身、札幌市在住。北海道内の全市町村を趣味で訪ね歩くうちに北海道の魔力に惹かれ、都内での雑誌の企画営業と執筆業務を経て北海道へ移住し独立。紙媒体やweb媒体などで主に観光や旅行、地域活性をテーマにした取材執筆と企画・編集を手がける。スイーツ好きの乗り鉄、日光湿疹と闘う露天風呂好き。

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