奈良の特産品・柿の専門店が手掛ける、魅力を生かした柿スイーツ

2016.12.10

奈良は日本有数の柿の産地。特に奈良県五條市は、市町村別の収穫量でみると日本一を誇ります(※1)。そんな五條市で柿を専門に扱う石井物産は、1981年から地元の柿を使い、さまざまな柿のお菓子を手掛けてきたお店。その石井物産の直営店「柿の専門三条通店」は、これまでの「柿」のイメージをいい意味で覆す、オシャレでおいしい柿スイーツを販売しています。

柿は、とっても栄養価の高い果物

柿は古来、日本の果物として親しまれ、奈良では大和朝廷の時代から栽培されていたそうです。  
正岡子規が詠んだ有名な句「柿食へば 鐘が鳴るなり 法隆寺」でも知られるように、昔から奈良で愛されてきました。
▲「柿の王様」ともいわれる富有柿(ふゆうがき)

意外と知られていませんが、柿はとても栄養価が高いんです。  
ビタミンC、ビタミンA、カロテン、カリウムなどが豊富に含まれているほか、食物繊維や、ガン予防効果があるといわれるポリフェノールの一種・タンニンなども含まれており、昔から「柿が赤くなれば、医者が青くなる」と言われるほど、高い健康効果が期待できる果物です。

なかでもビタミンCは、果物界でもトップクラス!  
美肌効果や抗炎症作用、貧血予防、ストレス軽減などに効果があるビタミンCが、柿(特に甘柿)には100gあたり70mgも入っており、実はオレンジやイチゴよりも多いんです。成人1日当たりのビタミンCの摂取基準量は100mg。柿1個が約200gなので、1個食べると1日の摂取基準量を満たしたことになります。

ビタミンCといえば酸っぱいレモンのイメージが強いですが、あま~い柿を食べて女性に嬉しいビタミンCが多く摂れるなんて、一石二鳥のおいしさですね。

「柿をステキな果物に」

▲JR奈良駅から春日大社まで続く三条通に面するビルの1階にある「柿の専門 三条通店」

2015年に創業50年を迎えた「石井物産」は、柿の名産地・五條市西吉野にある柿の専門店。  
干し柿以外の柿の加工品がなかった1981年、おいしいのに形が悪かったり傷がついただけで捨てられる柿が多いことに胸を痛めた創業者が、それらの柿を農家から買い取り、柿酢を作り始めたことが創業のきっかけ。

以来、柿ようかんや柿ケーキ、柿の葉茶など、柿と向き合い、柿本来の特徴を存分に生かしたさまざまな柿スイーツを作り続けてきました。
掲げるモットーは「柿をステキな果物に」。そんな石井物産が直営するのが「柿の専門 三条通店」(以下、柿の専門)です。
▲まるで雑貨屋さんのような雰囲気の店内

大きなガラス戸を引いて、お店に一歩足を踏み入れると、白一色で清潔感のある店内。要所に使われている木材の棚があたたかみを添えるオシャレな雰囲気です。
▲商品は木箱にディスプレイされています

「柿をステキな果物に」のモットーが生きた店内と商品パッケージ。  
若い女性も手に取りやすい、飾らないセンスの良さが光るデザインです。

シンプルだからこそおいしさが伝わる柿商品をご紹介

ここからは、おすすめの商品を紹介していきます。
まずは、ロングセラー商品である「柿日和」。
▲柿日和。1袋(40g)350円(税別)

柿の中でも甘みが強く、大ぶりな最高級甘柿「富有柿」を厚くスライスして、じっくりと乾燥させています。  
噛むほどに、富有柿本来の豊かな甘みがじわ~っと広がっていきます。  
砂糖や甘味料が一切入っていないとは思えないほど甘みが強く、「柿ってこんなに甘くておいしかったんだ」と実感!

一見パリッとした歯ごたえがあるように見えますが、噛むと実にソフトでレアな食感。この心地よい弾力も、老若男女から長く愛される理由の一つ。  
また、天日干しにすると、多く含んでいたビタミンCが分解されてしまいますが、こちらは独自の製法で干し柿にしているので、栄養価が損なわれていないのも嬉しい魅力です。

次に紹介するのは、「郷愁の柿」。
▲郷愁の柿。1個250円(税別)

使用しているのは、「法蓮坊柿(ほうれんぼうがき)」という柿。  
昔から五條市西吉野地方で、つるし柿作りとともに守られてきた小ぶりの渋柿です。

高い場所に実がなるため、はしごをかけて収穫するのが危険であること、渋柿の需要が減少していることなどから、年々栽培する農家が少なくなっている希少な柿ですが、「奈良特有の柿を残していきたい」との想いから、お菓子として使うことに。

法蓮坊柿は収穫後、吉野の山深い干し場で1カ月以上かけて干し、その後、独自の製法で仕上げ干しをします。
干した後に、中に入っている柿の種を取り除き、そこに、国産の栗で作った渋皮入りの栗あんを手作業で詰めてできあがりです。
▲割ってみると中には栗あんがぎゅっと詰まっています

肉厚な実は、時間をかけて干しているからか渋柿とは思えないほど、まろやかな甘みを感じ、あえて甘みを抑えた栗あんとの相性も抜群です。

もう1つ、おすすめの干し柿があります。「蜜珠柿(みつじゅかき)」。
▲蜜珠柿。1個300円(税別)

干し柿の中でも、半生乾燥させることで中身の果肉がとろっとした「あんぽ柿」です。使っているのは、吉野地方で作られた平核無柿(ひらたねなしがき)。その名のとおり、種のない品種の柿で、あんぽ柿に適した柿です。

完熟した甘い蜜がジュワ~と広がり、濃厚な柿の甘みを最も感じられるお菓子。上から押さえられたようなぽてっとしたフォルムもかわいくて、お茶うけにもピッタリ。
▲濃厚な甘い蜜が閉じ込められています

そして、おもたせにも重宝するのが、「柿もなか」。
▲柿もなか。1個120円(税別)

もなかの中にぎっしり入った餡は、白餡や小豆餡ではなく、100%柿だけを煮詰めた餡に水飴や寒天などを加えて作った特製の柿餡。  
時間をかけて丁寧に炊き上げているから、柿そのものの旨みが濃縮され、他店舗の柿もなかとは一線を画す深い味わい。

小さくダイス状にカットした柿も入っており、5cm×5cmのもなか1つに、なんと約半個分の柿が使われているというから、さすがは柿専門店。贅沢です!  
少しゆずを入れていることから、香りが豊かで、上品さも際立っています。

お菓子だけでなく、ジャムやバターも人気です。  
柿を知り尽くした専門店が作る「柿ジャム」は、厳選した完熟柿を惜しげもなく使う、柿本来の旨みがそのままジャムになった、濃密な味わい。
▲柿ジャム。1個500円(税別)

柿の実をダイス状にカットし、柿のピューレと合わせてゆっくりと炊きつめ、着色料や保存料などの添加物を一切使わず、甘み付けは健康や美容にいいとされるオリゴ糖でするこだわりよう。

トーストに塗るのはもちろん、ヨーグルトやアイスクリームと一緒に食べるのもおすすめです。
▲とろ~りとしたなかに、ダイス状の柿が入っています

そして、奈良でも珍しい「柿バター」は、今一番の人気商品!
こちらは、全国の地方新聞社が作るネット通販サイト「47CLUB」が全国各地の特産品を選ぶ「こんなのあるんだ!大賞2016」にて、見事大賞に選ばれた商品なんです。
▲柿バター。1個600円(税別)

完熟の富有柿のペーストと、しっかりとした食感の柿をダイス状にして煮詰め、国産バターとあわせた一品。
おすすめの食べ方は、食パンに格子状の切り込みを入れ、トースターでうっすら焼き色がつくまで焼いたら一度取り出し、柿バターをたっぷり塗って、再びトースターに入れる2度焼き。

切り込みを入れた部分に柿バターが染み込んで、ジューシーさと芳醇なバターのコクがじんわりと広がり、朝からうっとりのおいしさと出会えます!
ここではすべてを紹介しきれませんが、柿のお菓子はまだまだあります。  
柿の良さを引き出しながら、時代に合う商品を作り続け、「柿はステキな果実」だということを教えてくれるお店。  
「実は柿は乳製品と相性がいいんですよ」とおいしい食べ方を教えてくれるなど、柿を愛するスタッフも常駐するので、ぜひ足を運んで柿の魅力を感じてください!
(※1)2006年農林水産省統計。それ以降の統計データなし
白崎友美

白崎友美

奈良の編集制作会社EditZ(エディッツ)の編集者。大阪、京都で雑誌や通販カタログなどの制作を行い、現在は居住する奈良県に軸足を置き、奈良の観光関連のガイドブックやホームページなどを制作。自社媒体の季刊誌『ならめがね』にて、「ユルい・まったり・懐かしい」奈良の魅力を発信している。

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