まったりとしたコクと旨みがクセになる。和歌山ラーメン食べ歩き3選

2016.08.25

中華そばとして親しまれてきた「和歌山ラーメン」の歴史は古く、1940年代、路面電車が走る道路脇に軒を連ねた屋台ラーメンが、その原点だといわれています。今回、和歌山県にある「和 dining 清乃」「井出商店」「ラーメンまるイ」で、期待を超えるラーメンに出合ってしまいました。

「和 dining 清乃」でラーメンの真髄を知る!

こちらは、和歌山市から車で1時間弱の有田市にある「和 dining 清乃(せいの)」さん。
数あるグルメサイトやグルメ雑誌の人気ランキングで1位を獲得するなど、ラーメンファンをうならせる名店です。
店内に足を踏み入れたとたん、魚介系和風だしの香りに包まれます。

こってりとした濃厚な豚骨醤油味で知られる「和歌山ラーメン」ですが、その中でも醤油ベースの豚骨醤油と、豚骨ベースの豚骨醤油に分けられるのだそう。

「和 dining 清乃」さんのおすすめは、こだわり醤油をベースにした「角長しょうゆ『匠』」。
和歌山の温暖な気候の中、昔ながらの手作り醤油で知られる湯浅醤油の老舗「角長(かどちょう)」の、3年間じっくりと熟成させた濁り醤(にごりびしお)「匠」を使用したしょうゆだれ。

そして、化学調味料をいっさい使わず、昆布や鰹節、数種類の煮干し、鶏や豚など、これまたこだわりの厳選素材を贅沢に使い、丁寧に抽出された出汁を合わせた究極のスープが、鍋の中でひとつになります。
元々は和食のお店だった「和 dining 清乃」さんですが、あるとき口にしたラーメンに衝撃を受け、それ以来ラーメンの世界にのめり込んでしまったのだとか。
この味がゴールではなく、日々進化しつづけたいという店主 原田さん。
究極のラーメンへのこだわりは、
「1gの妥協もしない」
という言葉からも伝わってきます。
▲「角長しょうゆ『匠』」 800円(税込)

太めのストレート麺は、100%国産小麦を使用した、風味豊かな自家製麺。

弾力のある麺のツルツルとした食感と、芳醇な出汁の香りに誘われて、
「そんなにお腹すかせてたの?」
と思われるほどの勢いで食べてしまいます。

まろやかな醤油の風味が口いっぱいに広がり、あとを引く深い味わい。
チャーシューは、とてもあっさりとした上品な味で、ほろりと口の中でほどけます 。

これが初めて出合った和歌山ラーメン。最高においしいです!
▲「しらすごはん」 200円(税込)

こちらは、サイドメニューのしらすごはんです。
和歌山名物、ふわっふわの釜揚げしらすが、これまた美味。
小さなイカも入っていますよ~。
「この醤油はすごく主張が強いんですよ。だからとても扱いにくいんです。でも、やはり他のものと比べると香りがちがうんですよねー」と原田さん 。

角長の醤油「匠」にぞっこん惚れ込み、みごとに使いこなした自慢の逸品。
ぜひぜひ、ほんものの味をご賞味あれ。

「井出商店」で和歌山ラーメンの歴史を知る!

さて、次にご紹介するのは、和歌山市にある創業昭和29(1954)年の老舗「井出商店」さん。

1998年にTVチャンピオンの「日本一うまいラーメン決定戦」で優勝したのをきっかけに、「新横浜ラーメン博物館」へ出店(~2011年)し、4時間待ちの行列をつくったことでも話題になったお店です。それ以来、ご当地ラーメンブームの牽引役として、今も連日客足の絶えない人気店。

遠方から訪れる人も多いらしく、この提灯とのれんをカメラにおさめる姿を見かけます。
▲??? テーブルの上に「早すし」と書かれた包みの山が…。

これは屋台ラーメンが主流だったころ、ラーメンができるまでの腹ごしらえにと置かれていたさばの押しずしで、「早(はや)すし」というもの。

当時の名残で、今でも多くのラーメン店に置かれています。これをいっしょに食べるのもまた、和歌山ラーメンの楽しみ方のひとつなんですよね。
「早すし 1個 150円」「巻き寿司 1本 150円」「ゆで卵 1個 50円」(すべて税込)。
▲長時間グツグツ…。豚骨と鶏ガラを乳化するまでしっかりと煮込んだスープ
▲チャーシューを煮込んだ旨みたっぷりの醤油だれに注がれる、豚骨スープ
▲豚骨ベースの豚骨醤油スープに盛り付けられるストレートの細麺
▲「中華そば」 700円(税込)

麺には卵を使っていないので、粉の風味が立ち、スープがよく絡むこと。
濃厚でとろみのあるスープが口の中にまったりと広がります。でもそれは、けっしてしつこくはなく、まろやかで優しい風味。
醤油だれで煮込まれたチャーシューは、口の中でトロンととろけます。
▲さばの押しずし「早すし」

「中華そば」をすする合間に「早すし」をパクリ!
すし酢の甘みが、濃厚な中華そばにとても合います。

「ズルズル~。チュルチュル~」
何かに取り憑かれたように、麺をすすりつづけてしまいました…。

心を込めて、昔から変わらない味を守り続けている一途なラーメン店。
4時間の行列も納得です。

「ラーメンまるイ」で心意気を知る!

醤油ベースの豚骨醤油と、豚骨ベースの豚骨醤油があるとご紹介しましたが、それだけにとどまらず、こだわりのオリジナルラーメンでファンを魅了しているお店もあるんですよ。
その中の一つがこちらの「ラーメンまるイ」さんです。
▲「ラーメン」 750円(税込)

ジャ~ン!
見た目のインパクトがすごい。ほとんどネギしか見えません。
▲ガバっ!と豪快に入れられるネギ

毎日農家から仕入れる朝摘みの九条ネギ系「緑宝黒葱」を、惜しみなくトッピング。
ネギ特有の臭みや辛みはなく、シャキシャキとした歯ごたえの中に甘みを感じます。このみずみずしいネギが濃厚なスープを優しい味にしてくれるんです。
ところで、ネギのインパクトだけで、肝心の麺とスープははどうなのよ?
とお思いでしょう!?
…ネギだけでもこれだけのこだわりようなんですから、他のものがおざなりなわけがない!

良質な豚骨だけを使い13時間以上も煮込んで熟成させたコク旨スープ。
添加物をいっさい使わず、コシが強くもちっとした食感と豊かな風味に仕上げた自家製麺。
鹿児島産の厳選「三味豚(さんみとん)」を特製のたれで長時間煮込んだ、甘みのあるトロンとした食感のチャーシュー。

これでもか~というぐらいのこだわりラーメンなんですよ。

ネギはお好みで、少なめにもしてもらえます。
▲やはりここにも「はや寿し」が…。「はや寿し 1個 120円」「ゆで卵 1個 50円」(ともに税込)

柿の種とピーナッツとの絶妙なバランスを探すように、麺とネギとの最高のバランスを探りながら食べてしまいます。
これほど主張していたネギですが、実は名脇役だったと最後のスープをすすったときに悟りました。
ほんとうにおいしかった!
ごちそうさまでした。
実は私、これまでラーメンのスープを最後まで飲み干したことがない人でして…。
それがなんと、3店とも1滴残らずスープを平らげてしまいました。
しかも、今思えばもう少し上品にいただくべきだったと赤面するほどの形相で…。
感動するほどおいしいラーメンに出合うことができ、和歌山ラーメンが大好きになりました。
というより、和歌山が大好きになったかも。
Yukitake

Yukitake

三重の雑誌「Edge」をはじめ、さまざまな雑誌・情報誌において、グルメ・観光などの記事を執筆。女性目線の取材とソフトな文体を大切にしています。

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