龍門温泉の家族風呂「良仲湯」で、自然と、温泉と、満載の遊びゴコロに触れる

2016.10.04

湯につかり“良い仲”になってもらいたい――。そんな願いを込めて名付けられた「良仲湯(いなかゆ)」は、大分県九重町の「龍門の滝」上流にある貸し切り温泉施設。4つの貸し切り風呂すべて趣が異なり、景観も素敵という噂を聞き、夏バテの体を癒しに行ってきました。緑溢れる九重町へ。

大分自動車道九重ICから北上し約15分。くねくねした山道を進むと、目的地「良仲湯」があります。途中、名勝地として有名な「龍門の滝」があり、取材時は盛夏だったため、滝遊びをした後に温泉を楽しむ方が多くいました。
▲山道を進むと右手に看板が見えてきます

この「良仲湯」は、九重町で建築土木業を営む「吉武建設」のオーナー・吉武さんが手造りした温泉施設です。建設業の傍ら、「こんな貸し切り風呂があったらいいな」という思いのもと、設計から建設まで自分の会社で造ったとのこと。
▲オーナー・吉武さんの奥様が受付に

だから4室ある貸し切り風呂は、趣も広さも造りもすべて異なります。それぞれの風呂が、(オーナー・吉武さん曰く)“自分が好きなように”造られているのです。

その設計はとってもユニーク。
お客さんに喜んでもらうために…というのももちろんだと思うのですが、何よりも「吉武さんご自身が楽しんで造ったんだな」と分かる造り。なんだか入浴時間が楽しくなっちゃいますよ。

早速4つの貸し切り風呂を紹介していきましょう!
▲受付から少し上ると貸し切り風呂がある庭(広場?)に

中国の古道の石を使用した石畳が印象的な「めじろ」

まずは川の源流をイメージして造られた「めじろ」へ。こちらは筑後川源流で採掘した川石を使用しているのだとか。
▲壁や湯船に使用しているのが川石

丸みを帯びた川石をびっしりと壁に使用した浴室。そして床の四角い石は、何と中国は雲南省で古道として使われていた石畳の石なのだそう。何千年か何百年かはわかりませんが、長い間中国の人たちの路として活かされていた石が、今ここで再利用されています。

この石畳、よ~く見るとノミの跡が僅かに残っているんです。
はるか昔の中国の人が、ノミでこの石を削って古道を整えたのかも…そんなことを考えるのもまた楽しいですね。
「めじろ」は畳の休憩室付き。琉球畳がおしゃれな雰囲気です。各貸し切り風呂には大小さまざまな休憩室が付いているのも「良仲湯」の特徴。洗面台や椅子が備わっているので、湯上りにのんびり過ごすのも良いですね。

まあるい風呂を家族で囲む “円満”がテーマの「ほととぎす」

▲入口の左右には巨石が!
次に紹介するのは、「ほととぎす」。
「めじろ」同様に川石を使用していますが、こちらの川石は近くを流れる玖珠川(くすがわ)で採掘したもの。浴槽の底にもこの川石が敷き詰められています。

この丸い川石で表現しているのは“円満”。まあるい浴槽で家族みんなが温泉を楽しんでいる姿を思い描き、この貸し切り風呂を造ったのだそう。

休憩室も脱衣所と別に設けられており、のんびりくつろげますが、取材時は改装中でした。残念!

唯一の露天風呂はこだわり満載の「うぐいす」

3番目に紹介するのは、「良仲湯」唯一の露天風呂である「うぐいす」です。
ここはオーナー・吉武さんのこだわりの真骨頂!
まずは、この露天風呂の開放感。
湯船に浸かると外の景色が目の高さになるように、何度も何度も湯船の深さ・位置の試行錯誤を重ねたそう。
実際に湯船に浸かると、なるほど納得!
外の山々と手前の庭が一枚の絵となり、近く感じます。
10月下旬からは山が色づき、また絶景なのだとか。それもまた贅沢~!!

この露天風呂、一見普通の造りですが、4つの柱は昭和時代の電信柱、温泉を注ぐポンプも昭和初期のものを使用。古道具好きの吉武さんのこだわりがうかがえます。
▲レトロなポンプをよく見ると…?

ポンプにはメーカーである「天龍」の文字が。「“龍”門の滝の“天”(北上の位置)にあるから丁度良いでしょ?」と吉武さんがにやり。
▲カエルも入浴に訪れてました~。のどかです!

露天風呂だけではありません。この「うぐいす」には、戸で区切られた洗い場もあるんです。洗い場だけの個室なんて珍しいですよね。しかもこの洗い場の床は一面の大きな御影石…!何ともユニークかつ贅沢な造りです。
▲脱衣所と露天風呂を繋ぐ洗い場

そして最後は休憩室。8畳はあろうかという程の広さで、白い漆喰の壁に高い天井で広々としています。
この漆喰にも秘密があります…!よーく見てみてください!
この白い漆喰、本物の稲穂やカエデなどを貼り、柄を造っているんです!
「なんか面白いかと思ってね」とは吉武さん談。こんな面白い仕掛けができるのも、自分で設計し、造るからこそ。

天然大理石をくりぬいた、豪華休憩室付きの「ひばり」

最後に紹介するのは「ひばり」。現在は改装中のため使用できませんが、特別に中を見せていただきました。
右に見えるのは浴槽。なんと、10トン以上もの天然大理石をくりぬいているんです。大理石をくりぬき、さらに丁寧に磨いているので肌触りも滑らかなのだそう。
左に見えるのは六方石と言われる柱のような巨石です。こんな巨石を並べて壁にしている貸し切り風呂なんて、見たことありません!

また、改装中の休憩室も見せていただきましたが、驚きの「暖炉付き休憩室」です!
「宿泊もできそうですね」との私の問いに、
「そう、宿泊もできるように改装しようかな、と思っているんだよ」とのこと。
うわぁ、それも楽しみです~。

改装中の貸し切り風呂も含め4室を紹介しましたが、「立ち湯」や「ヒノキ風呂」など、別にもう3つ増築する予定だそう。

いつ完成しますか?の問いには、「う~ん、気分次第かな」とのお答え。
いやいや、でもこんなに面白く素敵な貸し切り風呂を見たら、新しい風呂も期待しちゃいますね。

貸し切り風呂の造りに関して紹介してきましたが、もちろん温泉も抜群。少し青みのあるアルカリ性単純温泉は、メタケイ酸と弱ラドンを含んだ泉質で、水素イオンの濃度を示すpH値は8.7!ぬるりとした美人湯で、湯上りは肌がツルツルになると評判なのです。
良質の温泉をこだわりの風呂でたっぷりと味わってくださいね。

春から秋はキャンプもお勧め!

「良仲湯」に併設しているのが「オートキャンプ竜門」。自然たっぷりの環境でキャンプを楽しみたい方、お勧めですよ。3カ所の炊事場にキャンプ利用者が入浴できる露天風呂があります。また、夏季は吉武さん手作りのちびっこプールまで!
▲オートキャンプ場は1区画1泊3,500円(税込)
▲足元までの深さなので、小さい子供でも安心のちびっこプール

キャンプ場を回っていて驚いたのが、トイレです。
え?トイレ…?
わかります、そう思いますよね。オートキャンプ場で水洗トイレがあること自体珍しいと思いますが、何とこのトイレ…大理石を使用しているんです!
中も拝見しましたが、まるで百貨店のトイレのよう。

さらに手作りのピザ窯までありました!プールにトイレ、ピザ窯…これらもすべて吉武さんの手造り。こんなキャンプ場なら女性もうれしいのではないでしょうか?
▲大理石使用のトイレ。優雅~
▲ピザ窯は利用料金1,500円(税込)

その他、バンガローもあるので、大人数の場合はこちらもどうぞ。バンガロー料金は10,000円(1階建て)・18,000円(ロフト付き)の2棟がありますよ。※いずれも税込

夏は滝滑り、秋は紅葉。季節で表情を替える「龍門の滝」

「良仲湯」と併せて訪れてほしいのが、やはり名勝地「龍門の滝」。幅40m、落差20mの名瀑は、2段落とし。20mの高さから落ちる1段目の滝が、滝つぼを経て2段目の緩やかな滝を造っています。2段目の滝は、天然のウォータースライダーとして無料で夏季のみ開放されています。
10月下旬から11月上旬にかけては燃えるように色づく紅葉が見ごろに。滝と紅葉の美しい景色もさることながら、イチョウの葉が作る黄金のじゅうたんも一見の価値ありですよ。
桑野智恵

桑野智恵

フリーの雑誌ディレクター/ライター。福岡生まれ、福岡育ちの博多女。3つの出版社を渡り歩き、雑誌編集歴はや17年。九州の温泉地・観光地はお任せ。2歳娘の子育てをしながら、旅行情報誌を中心に活動中です。

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